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てらまち・ねっと



 先日1月8日、9日と東京の自治体の視察に出た。
 8日は快晴、風も適度。
 国立市のユニークな街づくりを見て歩くには絶好だった。

 翌9日は、千代田区役所。
 早朝から、テレビのニュースは関東から東北、北陸の雪模様を伝えていた。
 積雪予想は、都心1センチ、とか。
 幸い、ホテルから役所までは2分なので、ラッキーだった。終日雨。

 その報告をと思ったら、デジカメの写真データが消えている・・(汗)
 8日朝の新幹線からの富士山に続き・・国立市街の風景、千代田区、偶然にもその夜は知人が本格的な中華の店に連れて行ってくれて、そのご馳走の写真・・全部消えていた。

 残っていたのは、翌日の10日の朝の東京湾まで見える景色の朝陽の日の出の「後」から・・

 ということで、気分もメゲて、報告は、自治ネット代表の海住さんのリポートとも、連れ合いのみどりさんの報告を転載させていただくことにした。

 ともかく、国立の駅前から続く大学通りはもとも、「車道8m、自転車道2m、樹木帯9m、歩道4m」、これが片側で合計43.64mだという日本離れして造られた道。
 その通りの一部には日本で初めての指定だという「文教地区」と書かれたモニュメント。 

 盛んな住民運動と行政、業者との複雑な絡み。

 役所は、裁判もたくさん経験しているからか、見本のような姿勢を感じたのは次のこと。
 住民から起こされた行政訴訟に、今、「弁護士と相談しながら、職員が『指定代理人』でやっている」ケースもある・・
 
 今回は1日目、国立市の報告。
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 過去3年は着いていくだけ、今回は自らコーディネトした立場としては、十分に成果はあったと思う。
 むろん、帰ってからみんなに送ったメールには「企画や進行に至らない点があったかも知れませんが、ご容赦ください」。

 公募した詳しい内容やデータはリンク先をどうぞ
     ⇒ ◆視察参加者の公募・自治ネット

 視察参加者は、会員7名、会員外9名の計16名。
 募集開始して数日で予定していた人数になったので、
 その後の照会の方たちには「また、機機会があれば」とお断りした。
(自治ネット会員)
  ● 海住恒幸/三重県松阪市議
  ● 杉本信之/三重県鈴鹿市議
  ● 神谷明彦/愛知県東浦町議
  ● 臼井淳/愛知県瀬戸市議
  ● 鷹羽登久子/愛知県大府市議
  ● 鈴木至彦/愛知県北名古屋市/市民
  ● 寺町知正/岐阜県山県市議

(会員外参加)
  ◎ 植田真紀/香川県高松市議
  ◎ いけぶち佐知子/大阪府吹田市議
  ◎ 島村きよみ/愛知県日進市議
  ◎ 小川まみ/三重県桑名市議
  ◎ 青木利子/長野県下諏訪町議
  ◎ 小池みつ子/愛知県長久手町議
  ◎ 能登恵子/福井県小浜市議
  ◎ 寺町みどり/岐阜県山県市/市民
  ◎ 自治体職員1名


 まず、自治ネット代表の海住さんの報告を転載 (詳しくは、下記のリンク先をどうぞ)。
松阪市議会議員  海住恒幸 Report
 議員、まちづくり活動の目から、まちと自治体、自治体議会を考える

    国立市、千代田区への公募視察終える
 無党派市民派自治体議員と市民のネットワーク(自治ネット)の新春恒例の視察を終えました。

1月8,9日の2日間、訪問先の東京都国立(くにたち)市役所と千代田区役所の皆さんには大変お世話になりました。

視察に参加したのは、 ・・(略)・・ の計16人。
わたしたちの企画に対する公募参加が9人もあること、議員だけでなく市民も含まれてることが大きな特徴です。
参加者16人のうち9人が女性で、通常の議会の視察とは男女比が逆転しました。

今回のメインテーマは、自治体と法務。

初日の8日は午後1時に、中央線の国立駅南口集合。
駅前の桜の並木が見事。幹の太さがすごく、都市としての歴史が景観を重視してきた都市ならではの風格を感じます。

この視察は、駅前からまっすぐ南に延びる大学通りを国立市都市計画課職員の方のご案内で市役所まで歩くことから始まりました。

国立市は、大正時代末期に、一橋大学を街の中心に、ドイツの大学都市ゲッティンゲンにならい、理想的学園都市を目指して造られてきたといい、以来、70年。
三角屋根の駅舎(現在、中央線の高架化工事に伴い、解体保管中)前に広がる桜の巨木群のあるロータリーから南へと向かう、サクラとイチョウの並木のある大学通りが都市景観のシンボル。

ひじょうに日本離れした都市景観です。
大正末期まで、都市は存在しなかったので、歴史としてはとても新しい。

幅44メートルの通りの両脇には、左右それぞれに約9メートル幅の緑地帯を確保、そこには桜と銀杏の並木があります。車道と並木の間には自転車レーンが確保されています。

市では、「20世紀に、先人の努力でつくり上げられたこのかけがえのない大学通りの環境・景観を、21世紀も引き継ぎ、守り、育て、後生に残していけるよう、ここに沿道住民の総意に基づく『大学通り学園・住宅地区憲章を定めます」と唱い、「大学通り学園・住宅地区景観形成のための方針と基準」を定めています。
 
国立市を視察先に選んだのは、東京海上跡地に建てられたマンションの高さ20メートルを超える部分は違法であるとの東京地裁の判決があったことから同市は景観形成都市の象徴的存在となっているため。

国立市では、高さ20メートルを超す建物を建てられない地区計画を都市計画審議会で承認、市議会でも条例化されたことから、東京海上跡地には問題のマンションは建てられないことになりました。

しかし、東京都は、このマンションの建築確認を許可し、建築がスタート。東京地裁は20メートルを超す部分は違法との判決を出しましたが、東京都は「判決は民民(住民と開発業者)の争いで出されたもので行政は拘束しないから、行政としては取り壊し命令を出さない」との立場をとりました。

一方、国立市は、開発業者から、20メートルを超す建物は建てられないとする地区計画および建築条令は無効であると訴えられ、4億円の支払いを求められました。

今回、お会いしたのは、当時の上原公子市長のあとを受け、当選された関口博市長。
関口市長は当時、市議2期目で3期目に向け準備をされていたところ、上原市長が急きょ、引退を決めたため、市長選への立候補を決意され、約1か月間の準備で2007年4月、自民と公明が推す候補を破って当選されたとのこと。

関口市長は市議選に初当選されたときは最下位で、次点(落選)の人と22票差だったエピソードも聞かせていただきました。


次は、みどりさんの報告から転載。(詳しくは、下記のリンク先をどうぞ)。

     国立都市景観形成条例のある関口博・国立市長の話
「自治ネット」の視察・研修の初日は国立市。

JR国立駅には、課長と担当が出迎えてくれました。
ここから景観を見ながら、まちづくりの説明を聞き、
市役所まで、あるいて行く予定。

駅前ロータリー

写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大

大学通り
    

横断歩道を渡って駅のほうを振り返ると、
右奥が、問題になったという駅前マンション。
  
   

道路の向こうは「国立文教地区」。
ヨーロッパのまちなみのような、落ち着いた景観。

  

途中に歩道橋があったのですが、この歩道橋の設置についても、
推進、反対の住民運動が起きたとのこと。



駅の反対側。右手が国立景観訴訟の舞台となったマンション。


美しい町並みのなかにそそり立つマンションは異様です。

 

駅を出発してから約一時間、マンションから5分くらいで、国立市役所に到着。
午後2時半から部長も参加してくださって、見てきたところなどの質疑応答。

3時からは一時間の予定で、関口博市長のお話です。


とってもおもしろく、ためになったので、以下に要約を紹介します。
 自己紹介をかねてまちの説明
 市長になる前に二期市議をしていて、三多摩議員ネットワークに入っていた。
子どもたちとの学びの広場というのをやっていた。市が都庁への交換便というのをやっていて、市のアルバイトにうかった。取り組んでいたのは、日米新ガイドライン、日本の方向性を決めてしまうということで要注意と思って勉強していた。そのことで市議会に陳情が出た。ガイドラインでは勉強していたが、議員が「めんどくさい」陳情が出たといったので、この人たちは真剣に考えているのか、こんな市議に任せるわけにいかないと思い、地方から平和の声をあげていく、ということで出た。次点と20票差で当選した。 

 (国立には)無所属議員が当選するという風土がある。あらゆることについて、それぞれ市民が意見を持っていて、市民が声をあげるまち。以前、合併問題があったが、国立と合併するとコンスタントに収入が入るが、うるさい人たちがいるので合併したくない、といわれた。

 明和マンション訴訟の話を聞いたと思うが、人口73000人のまちで50000人の署名を集めてしまう、ようなまち。無防備地域宣言、の署名運動をして、あっという間に、法定数を達成して議員に提出。憲法を遵守した宣言であるということで住民発議。そのときにも、市民が立ち上がって署名を集めた。まちでは署名を集める姿がふつうにみられる。

 重度のしょうがいしゃの比率も全国一だと思う。しょうがいしゃの活動がユニーク。社会で当たり前に暮らすことをのぞんでいる。「しょうがいしゃが当たり前に暮らすまち宣言」をしょうがいしゃグループはみずからが参加してつくる。介助者については市から補助が出るので、介助者付き参加ができている。そういうことが当たり前のまち。しょうがいしゃ自立支援法ができるとき、国会で座り込みをした中に、市民がたくさんいた。しょうがいしゃが国のレベルで施策をうごかしている。

 景観についても、市民が動いて署名を集めた。最高裁は残念な結果になったが、司法で、「市民には景観利益がある」という言葉が使われた。景観法のきっかけになった。

 住基ネットは、前市長の時に切って、切断をつづけている。議員の時からこの活動をしていて、前市長がつないだが、約7割の市民が不安をもっている、ということで強く迫り、漏えいの危険がある時は必要な措置を講じることがてできる、ということで切った。

 情報が漏えいしたら大変なことになる。あっという間に、名寄せができてしまう。犯罪に使われる危険もある。個人情報の一元管理はこわい。昔から為政者がのぞんでいたこと。2000年の昔から、市民の情報を集めていた。

 社会保障カードは、個人情報を一元管理する。便利だけど、危険なもの。国はカードを23年に導入すると計画しているようだ。国立市と矢祭町が切っているので、これを説得するという報道があった。総務省から東京都を通して説得されている。国の関与で強制的に接続しろ、という動きはありうる。国の関与はしたくないということで、そこまではいかないのでは。

 住基ネットは、年金の本人確認が必要。こうれいしゃが葉書が出せないので、つないでほしいという声もある。つなぐときには、冗談じゃないという声がもっと大きくなる。

 07年は4月の議員選挙の準備をしていた。2月下旬に上原さんがやめるといいびっくりした。まちじゅうが沸騰して3月20日には、上原さんの決起集会をするつもりだった。毎日のように市民があつまっていた。自公の対抗する人は、半年前からポスターを町中にはって、全戸訪問していた。

 勝てる選挙じゃないということで、3月になっても決まらない。候補のひとりではあったが、きっかけは、しょうがい者の方から、毎朝「わたしたちの命を助けてください」と電話があった。小さな声を大事にしたいと思っていた。一番低い人に目線を置く、というのが、基本的な姿勢。3月17日にでる。と宣言をした。
 演説を聞いてくれる人が、頑張れといってくれた。14000対13000、で1000票差で当選した。

・・・・・(質疑応答は省略)・・・・・(2009年1月 8日 国立市役所)



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