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てらまち・ねっと



 検察の犯罪と隠蔽、否認する幹部2人の起訴で、後は裁判所の法廷に舞台は移る。
 報道の記事も面白い。
 ここ最近のところは、特に分かりやすく「読み物」的に読めるのが産経と毎日。
 
 同僚検事らの数々の“告発”に、最高検幹部は「大坪前部長らを不問にしても刑事告発され、検察審査会をへて強制起訴となるだろう。それでは国民に示しがつかない」(産経)

 というあたり、小沢氏の強制起訴とオーバーラップして、国民感情抜きには存在し得ないという時代を感じさせる。

特捜部の強引な取り調べの実態を暴くノートを元特捜幹部が活用する-という皮肉な構図となった。また、佐賀被告の弁護団は取り調べの可視化(録音・録画)も最高検に申し入れた。(産経)

 犯罪者のストーリーを組み立ててきた「検事」が、自分の被疑者としての取調べを批判するのだから実態は分かる。
 しかも調書にサインしない戦術がもっとも高等だということも自ら示している。
 法廷では、そのプロ同士の戦いが続くのだから、目が離せなくなるのは間違い。

 しかも、大弁護団が組まれるということで、いっそう白熱。
 両被告はそれぞれ司法修習同期を中心とした10人規模の大弁護団を組織、検察との徹底抗戦を打ち出す。公判では手の内を知り尽くした“身内”同士が激しい攻防を繰り広げそうだ。
 司法研修所教官当時の教え子らも加わる「支援する会」も発足、今後100人規模に膨れ上がる見通しだ。
(産経)

 過去に、検察に不当に犯罪者にされた人たちの暴露はいっそう広がるだろうから、日本の検察・警察の捜査の実態が表に出るのは確実。
 そんな期待をもって法廷が開くのを待とう。

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●前特捜部長ら 重大事案と認識か
         NHK 10月20日 19時5分
大阪地検の前の特捜部長と元副部長が元主任検事による証拠改ざんを隠ぺいしたとされる事件で、元副部長が当時のスケジュール帳に、前特捜部長の発言として「いずれかの時点でちゃんとした対応を取らないといけない」と記していたことが関係者への取材でわかりました。最高検察庁は、前特捜部長らが重大な事案だと認識しながら隠ぺいしていたとして、21日に犯人隠避の罪で起訴する方針です。2人は一貫して容疑を否認しています。

この事件で最高検察庁は、大阪地検の前の特捜部長、大坪弘道容疑者(57)と元副部長の佐賀元明容疑者(49)が、元主任検事の前田恒彦被告(43)によるデータの書き換えをめぐり、特捜部内でどのようなやり取りをしていたのか、解明を進めています。

関係者によりますと、佐賀元副部長は当時のスケジュール帳に前田元検事や大坪前特捜部長と話した内容を記しており、最高検で内容を確認したところ、この中に前特捜部長の発言として「いずれかの時点でちゃんとした対応を取らないといけない」という記載があることがわかりました。大坪前特捜部長らは当時、フロッピーディスクを取り寄せて調査するなど事実関係を確認しないまま、大阪地検の検事正ら上層部には「問題はない」と報告していました。

最高検は、大坪前特捜部長と佐賀元副部長が当時から重大な事案だと認識しながら、発覚しないよう隠ぺいしていたとして、こう留期限の21日、2人を犯人隠避の罪で起訴する方針です。大坪前特捜部長と佐賀元副部長は、面会した弁護士に「意図的な改ざんだという報告は絶対に受けていない」と話し、一貫して容疑を否認しています。

●【前特捜部長ら起訴】危機感映す背水捜査 「前田検事だけ逮捕 納得できぬ」
            産経 2010.10.22 01:14
 証拠改竄と犯人隠避事件。過去に例がない危機に直面した検察内部では、何が起きていたのか。21日に起訴された、前大阪地検特捜部長の大坪弘道被告と元副部長の佐賀元明被告は否認を貫いたままという。捜査のプロ同士の対決の裏側を探った。

 ■在宅から逮捕へ
 「前田検事だけが逮捕されるなんて納得できません」。元主任検事、前田恒彦被告の電撃逮捕=9月21日=を受け、前田被告の同僚検事らが最高検にそう訴えたことから「犯人隠避」の捜査は本格化した。
 「佐賀副部長は、前田検事の話を聞きながら号泣した」「大坪部長から『過失でいく』と言われた」…。

 同僚検事らの数々の“告発”に、最高検幹部の一人は「大坪前部長らを不問にしても刑事告発され、検察審査会をへて強制起訴となるだろう。それでは国民に示しがつかない」と、追い詰められた心境と、徹底的な捜査に乗り出す決意を口にした。

 「大坪さんと佐賀さんに『意図的な改竄だった』と報告しました」。逮捕後まもない9月下旬、前田被告はこうした供述を始めた。大坪被告らが故意の改竄を認識していたという説明。これが上司2人の立件の決め手となった。

 ただ、最高検の捜査方針は「認めれば在宅起訴」だった。9月28日までに東京で断続的に聴取し、2人に「決断」を促し続けた。29、30日は2人を大阪に帰し、考える時間を与えた。
 6回目の聴取となった10月1日。この日に最終判断をすることは決められていた。逮捕か在宅か-。場所は大阪高検。

 「どうするつもりなんだ」。取り調べを任された最高検の吉田統宏公判部長は、初めて黙秘権を告げ、最終決断を迫った。「逮捕してください」。これが大坪被告の答えだった。佐賀被告も下着の着替えを用意しており、逮捕を覚悟していた。
 報告を受けた最高検首脳たちは腹をくくった。同日夜、逮捕状が執行された。

 ■供述と物証
 「これを見ながら説明してもいいですか」
 9月下旬。東京・霞が関の法務・検察合同庁舎19階。最高検の伊丹俊彦総務部長の執務室で任意聴取を受けていた佐賀被告は、自ら「執務記録」を持ち出した。

 備忘録として記していた執務記録には改竄が発覚した1月から2月にかけての一連の経緯が細かい字で詳細に書かれていた。伊丹部長はこれを任意で提出させた。

 「強引に提出させられたんや。あいつら! 失敗だった」。佐賀被告は産経新聞記者にこう悔しがった。

 ある幹部はその内容について「まるで自白調書だ」と語る。佐賀被告はほかにも手帳などに当時の発言内容を詳細に記している。


 この幹部は「前田と同僚検事らの供述は信用性が高い。それに加え、供述を支えるカケラとなるような『ブツ』もある」と立証に自信をみせる。

 ■危機感の現れ
 一連の不祥事に対して、最高検は検事18人、事務官四十数人を専従させるなど異例の態勢を敷いた。
・・・

●「供述」頼み、困難な立証 前大阪特捜部長ら徹底抗戦
   中国'10/10/22
・・・・・・物証は乏しく、裁判では難しい立証を迫られそうだ。

 今回の犯人隠避罪の成否は、大坪前部長らがデータ改ざんを「故意」と認識していたかどうかがポイントだ。

 検察関係者によると、前田元検事は「わざと書き換えたことを2人に報告した」と供述。1月末には、佐賀元副部長が前田元検事に電話をかけ「フロッピーディスクにまで触らせてしまうとは苦労掛けたな」と気遣う様子を同僚らが目撃。その後、同僚の一人が次席検事らに正直に説明するよう進言した際、大坪前部長が「考えが甘い」と拒んだとされる。

 最高検はこれら当事者間の「やりとり」を供述から浮かび上がらせ、2人の故意の認識や隠ぺい行為が揺るがないことを立証したい考えだ。

 ただ、供述頼みの手法は村木厚子むらき・あつこさんの裁判で否定されたばかり。裁判所の目は厳しくなっており、第三者からは見えない「認識」を周辺者の話で証明するのは容易でない。検察首脳は「供述以外にも必要な証拠は集めている」と強気だが「この事件に決定的な物証はない。言った、言わないの水掛け論になる」(検察関係者)と懸念する声もある。
・・・・

●崩壊・特捜検察:隠ぺい事件起訴/上 組織保身、見え隠れ
        毎日新聞 2010年10月22日 
 大阪地検特捜部を背負ってきたトップとナンバー2が21日、起訴された。監督責任を問われた検察幹部らの処分と引責辞任も加わり「検察の『冬』どころじゃない。氷河期だ」と内部からは悲鳴が上がる。それぞれの言い分は対立し「保身」も見え隠れする。「検察官の正義感とは何なのか」。捜査は国民に不信感を植え付けて、ひとまず終結した。

 ◇「氷河期」内部で悲鳴 幹部処分「最高検押し付け」
・・・
  □  □
 「なぜ自分たちだけに責任を押し付けるんだ」。寒さが忍び寄る大阪市都島区の大阪拘置所で前特捜部長、大坪弘道被告(57)=犯人隠避罪で起訴=は接見した弁護士に検察組織への怒りをぶちまけた。大坪前部長の弁護人は「組織のスケープゴート(いけにえ)にされた」とみる。

 大坪前部長と元特捜部副部長、佐賀元明被告(49)は20日間の取り調べで「事実上の完全黙秘」(大坪前部長の弁護団)だった。前代未聞の検察の失態にけじめを付けようとする最高検と、組織に貢献してきたと自負する2人。「捜査のプロ」同士の攻防で、供述調書は一通も作成されなかった。

 「大坪さんに手紙を出したら、今日、返事がありました」。起訴前日の20日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で開かれたシンポジウムで、佐藤優・元外務省主任分析官(50)はこう話した。佐藤元分析官は、東京地検特捜部に背任などの容疑で逮捕され、有罪判決が確定。特捜捜査を批判する論客の一人で知られる。

 拘置所から返ってきた大坪前部長の手紙には「最高検は自ら作ったストーリーを押し付けようとしている」と書かれてあったという。「大坪さんも調べる側の時は押し付けてきたのだろうが、調べられる側になると身にしみて分かる。官僚は仕事をするうちに感覚がずれてくる。私もそうだった」。佐藤元分析官は墜(お)ちた検察エリートに共感を示した。

   □  □
 「辞める必要なんてない。辞めないでください」
 小林敬・大阪地検検事正(59)の辞意が報じられた19日、地検幹部は検事正執務室でこう訴えた・・・
   □  □
 「内偵なんて何もやってへん。できへんやろ?」。特捜部の事務官は寂しそうにつぶやく。「みんな特捜なくなるんじゃないかなあって話しているし、元気ない」。「信頼回復」を願う地検幹部の型どおりのコメントと裏腹に、特捜部はまさに崩壊のふちに立つ。

●【検察落日-前特捜部長の虚実】(上)「最強」諸刃のプライド
         産経 2010.10.21 21:45
 「検察は牙を持たねばならない」。それが大阪地検特捜部の前部長、大坪弘道(57)の持論だった。自身が手掛けた郵便不正事件が法廷へ移り、厚生労働省元局長、村木厚子(54)の無罪が確実視されても考えは変わらなかった。

 「検察は最後のとりでなんだ。だから怖い存在でなくては」。最強の捜査機関としての特捜部。だれより強い自負を周囲に語った。

 大坪がまだ特捜部長だった昨年10月のことだ。当時は「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協)の補助金不正流用事件が進行中だった。協会事務局の元次長を逮捕し、補助金を交付した厚労省サイド、その先の政界捜査へ舵を切ろうとした矢先、大阪高検から「待った」がかかった。

 「厚労省職員が在宅(任意)で自供しない限り、これ以上の捜査は認めない」。それが高検の下した判断。この時点で、大坪の展望は大きく後退した。

 「みんな在宅で聴取して割ってきたのか。そうじゃないはずだ」。部下の検事らを飲みに連れ出した大坪は、上層部の意向に珍しく不満を漏らした。密室での取り調べに批判が高まる中、慎重論に終始する高検が“弱腰”と映った。

 「今後、可視化(取り調べの録音・録画)なんて言い出したら、特捜部は存在できない」

    ■  ■
 30歳で検事任官。自供を引き出す「割り屋」として頭角を現した。人間性で相手を感化するその取り調べは「大坪マジック」と評され、調書を取られた容疑者側にもファンを作った。

 平成10年の和歌山市土地開発公社をめぐる贈収賄事件で、大坪の調べを受けた同市議(63)もその一人。大坪は罪を罪として追及しつつ、「力のある人にしかできない」と、市議が背負ってきたものに理解をみせた。「お互い腹を割って話しましょう」と隠し立てしない大坪に、市議は知る限りのことを伝えた。

 逮捕から約2カ月後に保釈された際、大阪拘置所の門前には、事務官を連れた大坪の姿があった。「先生、頑張ってくださいよ」。市議の車が走り去るまで見送ってくれた。「罪を世の中に生かす指導をしてくれた。今の自分があるのは大坪さんのおかげ」

    ■  ■
 事件はその後、当時の和歌山市長の逮捕に発展。収賄容疑を否認した元市長も大坪が担当した。取調室では、互いに愛読した歴史小説の話をした。なぜ市長を目指したのか、なぜ検事になったのか。そんなやり取りもあった。大坪は元市長を責めるでもなく「悪い人を眠らさないためです」ときまじめに答えた。

 「あなたの秘書は連日の聴取に涙を流して認めている。部下にそんな思いをさせていいんですか」

 そう迫る大坪に、元市長は「自分に忠実だった秘書やその家族を思うと、否認を続けるわけにいかない」と覚悟を決めた。硬軟織り交ぜた取り調べ。割り屋・大坪の真骨頂だった。

    ■  ■
 ただ、大坪の検察人生はマジックの連続ではない。刃向かう相手には容赦なく牙をむいた。その暗部をむき出しにしたのが、大手商社「丸紅」が被害者とされた仮設トイレ販売をめぐる詐欺事件(14年)だった。

 「否認するなら、地獄だぞ」。主任検事だった大坪は、主犯とされた会社役員の男性(69)に告げた。公判のスケジュールを見て、「78歳まで出られない」と“判決”まで宣告。「認めるなら執行猶予が付く」と揺さぶった。それでも男性は否認を貫き、勾(こう)留(りゅう)生活は約20カ月に及んだ。

 18年の1審判決は「検察官の見立ては誤り」と男性に無罪を言い渡し、「脅迫まがいの取り調べがあった」と厳しく批判した。

 この事件で検察側の控訴が棄却された20年10月、大坪は特捜部長に就任。音楽プロデューサー、小室哲哉を翌11月に詐欺容疑で逮捕すると、「村木事件」まで一気に突き進んだ。


 敗北を許さない“最強”のプライド。それが諸刃の武器だったことに、大坪は気づいていたのだろうか。
・・・

●【前特捜部長ら起訴】真相究明法廷へ 大弁護団vs最高検
       産経 2010.10.21 20:41
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、前部長、大坪弘道と元副部長、佐賀元明両容疑者が起訴されたことを受けて会見に臨んだ大林宏検事総長=21日午後、東京・霞が関の最高検察庁(栗橋隆悦撮影) 大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件は21日、前特捜部長、大坪弘道(57)と元副部長、佐賀元明(49)両被告が犯人隠避罪で起訴され、真相究明の場は法廷に移る。
両被告はそれぞれ司法修習同期を中心とした10人規模の大弁護団を組織、検察との徹底抗戦を打ち出す。公判では手の内を知り尽くした“身内”同士が激しい攻防を繰り広げそうだ。

同期が結集
 「否認を貫き通す」
 今月12日、大阪市内の法律事務所。両被告の逮捕から12日目の夜、弁護団計約20人の初顔合わせを兼ねた会合が開かれ、連携して検察と対峙(たいじ)する共通の“闘争方針”が確認された。各弁護団内で断続的に集まって協議、公判準備などを進めている。

 大坪被告の弁護団は、司法修習時代の恩師、田宮甫(はじめ)弁護士(第2東京弁護士会)を団長に据え、司法修習同期の弁護士らで脇を固めた。

一方、佐賀被告の弁護団は大学の先輩、伊藤裕志弁護士(大阪弁護士会)が団長を務め、同期で刑事弁護に精通した秋田真志弁護士(同)らを迎えた。司法研修所教官当時の教え子らも加わる「支援する会」も発足、今後100人規模に膨れ上がる見通しだ。

 法律家の“卵”時代に苦楽を共にした同期の結束の強さが見えるが、刑事弁護に不慣れな弁護士もおり、威信をかける検察の立証を突き崩せるかは未知数。弁護団の一人は「総力戦で挑むしかない」と話す。

立場逆転
 両被告が取り調べを受けていたのは、勾留(こうりゅう)先の大阪拘置所(大阪市都島区)の取調室。両被告が容疑者から自白を引き出す“主戦場”とした部屋だ。一転して追及される側に回る事態は「想定外」のはず。

 ただ、両被告は否認を貫き、1通の供述調書にもサインしなかった。取り調べ担当検事も「もう少しもろいと思っていたが…。さすがだね」とうなった。

 徹底抗戦を支える弁護団の戦術も異例だった。
両被告の弁護人が逮捕直後、取り調べ状況を記す「被疑者ノート」を差し入れた。ノートは郵便不正事件の公判でも注目を集め、厚生労働省元局長の村木厚子さん(54)の無罪判決(確定)を導く重要な要因となった。特捜部の強引な取り調べの実態を暴くノートを元特捜幹部が活用する-という皮肉な構図となった。

 また、佐賀被告の弁護団は取り調べの可視化(録音・録画)も最高検に申し入れた。
最高検は応じなかったが、法務・検察内で慎重論が根強い可視化を元特捜幹部自らが求めたのだ。

不安と戸惑い
 取り調べで否認を貫いた両被告も、接見に訪れる弁護士には、慣れない拘置所生活や将来の生活への不安、戸惑いも漏らした。

 大坪被告は「眠れない時もある」とこぼし、連日の取り調べに疲れた表情をみせることも。「家族と面会すると気持ちが揺らぐ」として、勾留中はほとんど家族と会わなかったという。

 一方、佐賀被告は「保釈に時間がかかることは覚悟している」と長期勾留を見据えながらも、「最近、時間の感覚がなくなった」と吐露することもあった。

●社説:「改ざん」検察処分 権力犯罪への認識甘い
         毎日新聞 2010年10月22日 2時31分
 「前代未聞の事態に至ったことを国民の皆様におわびする」
 大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、大林宏検事総長が会見して頭を下げた。無罪が確定した厚生労働省元局長の村木厚子さんにもおわびした。トップとして当然だろう。

 一方、既に懲戒免職処分になった元主任検事の証拠改ざんを隠ぺいしたとして、法務省は大坪弘道・前特捜部長と、佐賀元明・元副部長を懲戒免職処分とした。

 処分対象は、2人の上司にも広がった。小林敬検事正と玉井英章前次席検事は減給、太田茂前大阪高検次席検事は戒告だ。また、改ざんが行われた当時、大阪地検検事正だった三浦正晴・福岡高検検事長も減給処分となる。三浦、小林、玉井の3氏は、引責辞職する。

 3人の検事が刑事訴追されるという前例のない事態を踏まえた処分である。だが、これで国民の納得が得られたとは到底、言えまい。

 検察という権力が、作り上げたストーリーに沿って組織ぐるみで無罪の人を犯罪者に仕立て上げようとしたのが、この事件の本質である。

 特に、今年2月の時点で大坪前部長らから報告を受けた小林、玉井両氏の責任は重大だ。

 最高検によると、2人は「元主任検事により証拠品のフロッピーディスクの文書データが書き換えられたと公判担当検事が騒いでいるが、言いがかりにすぎない」などと報告を受けたが、放置したのだという。

 これで証拠書き換えの可能性に思い至らないとすれば、神経を疑う。組織のトップとして失格というだけでは済まない。
この時点で事実関係の調査をしていれば、村木さんの公判を続ける結論にはなっていなかった可能性が高い。

 その意味で、この不作為は、真実の究明よりも公判の維持を優先し、組織ぐるみの隠ぺい工作の片棒を担いだと評価されても仕方ないものだ。辞職するにしろ、減給処分は生ぬるいと言わざるを得ない。

 一方、大坪、佐賀両被告は「(元主任検事による)故意の改ざんとの認識はなかった」と完全否認のまま検察と対決することになる。

 刑事責任の有無は、法廷で争われる。だが、少なくとも部下の証拠品データの書き換えという重大な行為に対して、組織防衛に走った責任の重大性は否定できまい。

 今後、手を緩めずに自らに厳しく検証できるのか、検察の真価が問われる。佐賀被告は「密室の取り調べは真相解明にならない」として、取り調べの録音・録画を求めた。捜査の最前線にいた元検事の発言である。可視化も含め一切のタブーを排し、組織全体のうみを出すべきだ。


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