早くも3日目になった事業仕分け。
昨日は、スーパー堤防事業の廃止を結論付けた。
今日は、エネルギー対策特別会計、電源立地地域対策交付金などの行方に興味がある。
また、自治体への地方交付税などの配分(今朝のNHKによれば毎年16兆円)している交付税特別会計の議論にも。
ということで、昨日の結果を報道で見ておいてから、今日の内容の点検。
最後に、批判的な意見も見ておく。
なお、今日10月29日のインターネットのライブ中継は、次のページの右側にある。
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●社会資本特会は「廃止」=道路など一般会計化-特会仕分け2日目・行政刷新会議
時事 2010/10/28-22:37
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は28日、特別会計(特会)を対象とした事業仕分け第3弾(前半戦)の2日目の作業を終了した。
国土交通省所管の社会資本整備事業特会については「廃止」と判定。同特会を構成する「道路整備」「空港整備」「治水」「港湾」「業務」の全5勘定は、道路、治水、港湾、業務を一般会計化し、空港は早期民営化を検討すると結論付けた。
2日目は、国交、厚生労働、財務3省が所管する3特会と各特会の12勘定、20事業を精査した。
公共事業予算を管理する社会資本整備事業特会の予算規模は3兆1933億円(2010年度当初予算ベース)。議論では、各勘定を同省担当局が縦割りで所管する仕組みに対し、仕分け人が「全体調整、責任体制が不明確」と指摘。新規事業採択などの判断材料となる需要予測や費用対効果分析が甘くなりがちで、実績と乖離(かいり)しているとの批判が相次いだ。
同特会では、スーパー堤防事業も「廃止」と判断。同堤防は多摩川、淀川など首都圏・近畿圏の住宅密集地を流れる河川において、通常の堤防より盛り土を強化することで、計画を上回る洪水に備えるのが目的。1987年の事業開始以降、6943億円の巨費を投じながら、整備進ちょく率は計画(872キロ)の5.8%にとどまっている。
また道路、港湾、治水、空港の各整備事業に関しても、来年度予算要求額の最大20%圧縮を要請。公共事業は軒並み厳しい判定となった。公共事業関係費は今年度予算で既に前年度比18%削減されており、さらなる予算カットは地方の反発を招きそうだ。
同特会の廃止には法改正が必要だが、終了後会見した蓮舫行政刷新担当相は「簡単ではない」と強調。約1兆円の債務を抱える空港整備勘定を民営化すれば、借金返済に国民の税金を投入することにもなりかねない。
このほか、財務省所管の国債整理基金特会では、12.5兆円に上る積立金の取り扱いについて、「現状維持」としながらも、「繰り上げ償還に充てることも含めて検討する」とした。
●公共事業関連の社会資本特会が「廃止」に
日テレ 2010年10月29日 3:22
政府の行政刷新会議による事業仕分け第3弾で、28日は3つの特別会計について作業が行われた。無駄な公共事業の温床と指摘されていた「社会資本整備事業特別会計」は「廃止」の判定となった。
「廃止」とされた社会資本整備事業特別会計のうち、「道路整備」や「治水」、「港湾」などはそれぞれ一般会計化。「空港整備」については、多額の債務があることなどから経過的な措置を経て、将来的に民営化すると判定された。また、大洪水から住宅地を守る「スーパー堤防」事業については、規模が大きすぎることや地元住民の反対などで事業も停滞しており、現実的ではないとして、「廃止」となった。
「年金特別会計」では、年金のコンピューター記録と過去の紙台帳の照合事業が「見直し」とされ、来年度の概算要求で876億700万円が計上されているものの、「2割程度削減」するよう判定された。
29日は、省エネ関連の事業などに使われる「エネルギー対策特別会計」など5つの特別会計が議論の対象となる。
●社会資本特会、「廃止」と判定…仕分け2日目
2010年10月28日22時54分 読売新聞
政府の行政刷新会議(議長・菅首相)は28日、東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館で、特別会計(特会)を対象とした事業仕分け第3弾(前半日程)2日目の作業を行い、道路、港湾など国の公共事業を扱う社会資本整備事業特会を廃止し、一般会計化すべきだと判定した。
また、同特会の個別事業のうちスーパー堤防事業の廃止も求めた。特会廃止には特別会計法などの改正が必要で、実現には曲折も予想される。
国土交通省が所管する同特会については、潤沢な財源で無駄な道路や不採算の空港が造られているとかねて指摘されていた。この日も、仕分け人から「過大な需要の見積もりや、資金の繰り越しができるなど、特会の区分経理による弊害がある」などの批判が続出。業務、治水、道路整備、港湾、空港整備の5勘定からなる特会そのものを廃止し、国会でチェックしやすくするよう一般会計化すべきだと結論づけた。
ただ、5勘定のうち、空港整備勘定については、羽田空港の整備にかかった1兆円近い債務の償還についての道筋が見えておらず、そのまま一般会計化すると国民負担の増加が見込まれるため、当面は特会のような区分経理を続けるとした。
これに対し、国交省は議論の中で、国が管理する28の空港を将来的に民営化する方向性を打ち出した。小泉俊明国交政務官は「11月中に検討会を立ち上げる」と記者団に語った。
●事業仕分け:「公共事業」特会を廃止 スーパー堤防も
毎日新聞 2010年10月28日
社会資本整備事業特別会計(3兆1933億円)の仕組み
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は28日、道路や港湾整備などの公共事業を行う「社会資本整備事業特別会計(特会)」や「年金特会」など3特会を対象に事業仕分け第3弾2日目の作業を実施した。国土交通省が所管する社会資本特会は「特会があることで、ずさんな需要予測による無駄な事業を続けてきた」と指摘し、廃止して一般会計化すべきだと判定。200年に1度の大洪水に備える「スーパー堤防事業」も「廃止」を求めた。無駄な事業の温床とされる特会の抜本見直しを迫る内容となった。
「『スーパー無駄遣い』ということで廃止にします」。スーパー堤防事業について、仕分け人の緒方林太郎衆院議員が「廃止判定」を読み上げると、満席の傍聴席から大きな拍手が起こった。
同事業は87年に開始され、利根川など6水系に計6943億円を投入。しかし、地元住民の反対などで計画の5.8%しか整備が進まず、このままでは完成は400年後。総事業費は12兆円に上る。国交省の津川祥吾政務官も「既存の堤防強化のほうが現実的だ」と、判定に従うしかなかった。
仕分け人が特に厳しく追及したのは、費用に見合った効果があるのかという点だ。同省幹部はスーパー堤防の防災効果について「効果は把握していない」と繰り返すばかり。見積もりの甘さはすべての公共事業に共通し、この日の議論では、07年以降の道路事業274件で費用が当初予定を上回り、5.1兆円もの追加支出を余儀なくされた実態が判明した。
港湾でも想定したコンテナ取扱量を上回ったのは126港中16港のみで、仕分け人の長妻昭前厚生労働相は「コストを低く見積もり、後で予算が膨張している。小さく生んで大きく育てるのが公共事業だ」と皮肉った。
仕分け人が一般会計化を迫った背景には、「特会があることで(支出が固定化して)金がジャブジャブ出ていく」(長妻氏)との問題意識がある。仕分け判定では、社会資本特会のうち空港使用料などの特定財源を抱える「空港整備勘定」は当面の区分経理を容認したが、「道路整備」など残る4勘定は一般会計化を求めた。ただ、同特会はこれまでも一般会計の公共事業費から資金が繰り入れられており、「国交省から財務省の財布に変わるだけ」との指摘もある。
一方、年金特会では、加入者に年金履歴などを通知する「ねんきん定期便」事業について「早期にネットへ移行し、予算要求を3割圧縮」と判定。計7事業が「予算圧縮」となった。国債整理基金特会では、12兆円に達する積立金で繰り上げ償還(借金の返済)を検討するよう求めた。【三沢耕平、倉田陶子】
●年金記録照合業務「2割削減」=港湾整備は20%圧縮-特会仕分け2日目
時事 2010/10/28-13:32
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は28日午前、特別会計(特会)を対象とした事業仕分け第3弾(前半戦)の2日目の作業に入った。年金特会(厚生労働省所管)では、保険料を財源に日本年金機構が実施している年金記録問題対策について、紙台帳とコンピューター記録を照合する業務の来年度予算要求額(876億円)を「2割程度削減する」と判定した。
同業務では、入札情報が事前に同機構の前身の旧社会保険庁OBに漏えいしていた事件が起きており、仕分け人から発注方法に批判が集中。価格以外の要素も加味して落札者を決める現行の総合評価方式は「癒着の温床になる」として、価格競争入札に改めるよう要請した。
このほか、(1)年金記録の電話相談に応じるコールセンター(2)インターネットを通じて保険料納付状況が確認できる「ねんきんネット」サービス(3)公的年金の加入者に納付状況などを知らせる「ねんきん定期便」-の各業務に関しても来年度予算要求額を2~3割圧縮すべきだと結論付けた。
一連の年金記録問題対策の関連業務は、長妻昭前厚労相が最重要課題に位置付け、大幅な予算増額を求めていたが、仕分け人は「無駄が多い」と判断した。
一方、社会資本整備特会(国土交通省所管)では、治水、道路、港湾、空港各事業の整備手法を検証。「需要予測と実態がかけ離れている」などの意見が相次ぎ、港湾整備については、来年度予算要求額(2102億円)を「10~20%圧縮」と判定した。
●仕分けの廃止判定、連合が「極めて遺憾」
2010年10月28日20時46分 読売新聞
連合は28日、政府の行政刷新会議が特別会計(特会)を対象とした事業仕分けで労働保険特会の「ジョブカード制度」関連など5事業を「廃止」と判定したことについて、「雇用情勢が厳しい中で十分な議論もなく、このような結果が出されたことは極めて遺憾だ」とする南雲弘行事務局長名の談話を発表した。
談話では、ジョブカード制度関連の廃止について、「(政府が6月に閣議決定した)新成長戦略で『2020年までに取得者300万人』の目標を掲げていることとも整合性がない」と指摘。そのうえで、「雇用・労働政策を後退させるべきではない」とした。
●事業仕分け2日目の詳報
行政刷新会議の事業仕分け第3弾前半2日目の結果詳報。
●エネルギー、交付税特会にメス=仕分け第3弾の3日目
時事 2010/10/29-04:40
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は29日、特別会計(特会)を対象とする事業仕分け第3弾(前半戦)の3日目の作業に入る。午前はエネルギー対策特会(経済産業省など共管)と、交付税及び譲与税配付金特会(総務省など共管)にメスが入る。
エネルギー対策特会の仕分けでは、住宅用の太陽光発電に対する支援策など、環境関連の補助事業を検証する。所管が複数の官庁にまたがるため、事業の重複が指摘されており、予算の無駄遣いがないかチェックする。
自治体への地方交付税などの配分を行う交付税特会には、33兆6000億円と巨額の借入金があり、借金が膨らんだ経緯などを精査する。
午後も引き続きエネルギー対策特会の仕分けを行うほか、経産省の特許特会、農林水産省の森林保険特会、法務省の登記特会も取り上げる。
●蓮舫大臣はかませ犬か
(日刊ゲンダイ2010年10月22日掲載) 2010年10月25日10時00分 (ゲンダイネット)
まるで負けることが前提でリングに立つボクサーみたいだ。行政刷新会議が、やっと特別会計に切り込む「事業仕分け」の第3弾である。27日からの本番を前に、担当大臣の蓮舫が「お金を出そうとは思っていない」「期待感はなくしていただきたい」と、ハナから財源捻出をあきらめた発言を連発。闘う前から、すっかり腰が引けているのだ。
●前任者の仙谷が官僚との闘い放棄
全18会計・51勘定に及ぶ特会の歳出額は176.4兆円(10年度)と、一般会計92兆円をはるかに上回る。その実態はずっと不透明で、霞が関の“隠れたサイフ”にされてきたのだが、この税金のムダの温床にメスを入れようとしたのが、民主党だ。
昨年の衆院選マニフェストで「特会をゼロベースで見直し、必要不可欠なもの以外は廃止」と明記し、予算の全面組み替えと埋蔵金発掘を柱に計16.8兆円を生み出すと約束した。この勇ましさに国民は期待し、政権交代が実現したのだ。
それだけに蓮舫大臣の負け犬発言には本当にガッカリだ。
「特別会計への道案内」の著者で国会議員の政策秘書だった松浦武志氏が言う。
「予算の全面組み替えを約束した以上、蓮舫氏の弱気発言は国民を欺いたのと同じ。初めから『お金は出ない』という結論ありきで、予算の組み替えに貢献できないのなら、税金で仕分けを行う意味はない。壮大な八百長に血税を使うようなもので、それこそムダ遣いです」
まったく正論だ。しかも、デタラメはこれだけじゃない。蓮舫は財源捻出を捨てたばかりか、「特会にある『埋蔵借金』の情報も徹底公開し、これまで向き合えなかった現実を直視する」なんて言っている。「現実を直視」と言うと格好いいが、返済のメドが立たず「塩漬け」状態にある特会の借金をことさら強調しているだけだから、悪質だ。大マスコミも競い合うように「『交付税及び譲与税配布特会』は33.6兆円の借金を抱える」「『国有林野事業特会』にも1.3兆円」と、特会に眠る借金の額を“暴き”始めた。
読売新聞などは〈仕分けによって期待される「埋蔵金」発掘には限界があるとアピールすることで、消費税率引き上げを含む財政再建論議を加速する狙いがあるようだ〉と書いていた。
●民主党の目玉政策は壮大なデキレースに変質した
やっとこぎつけた特会の事業仕分けが、埋蔵金発掘どころか、将来の増税論議に利用されるなんて、お門違いもはなはだしい。どこで、こんなデタラメ結論になってしまったのか。
「現政権の事なかれ主義の表れですよ。『官僚の抵抗』なんて言い訳に過ぎません。特会は予算の全面組み替えの“本丸”。昨年暮れの第1弾で真っ先に埋蔵金をあぶり出すべきだったのです。ところが、昨年暮れに当時の担当大臣だった仙谷官房長官は、特会を仕分ける前から『埋蔵金はもう出てこない感じだ』と早々と結論付け、官僚との闘いを放棄してしまった。この時の結論ありきで、特会をめぐる議論が進んでいるのが気になります。壮大なデキレースの中で、蓮舫大臣は操り人形になっているようにも映るのです」(松浦武志氏=前出)
特会では自民党政権時代でさえも、毎年のように10兆円規模のムダ金が見つかったものだ。蓮舫も特会の3つや4つ廃止させ、20兆円ぐらいを捻出する気概がなければ、「必殺仕分け人」のイメージはガタ落ちである。単なるウルサ型の“かませメス犬”に成り下がるだけだ。
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