雑誌「プレジデント」は市販で一番売れているビジネス総合誌です/特別編集/「そば」名人
極みの25店。味、技、哲学に迫る
「そば」名人
読む、観る、手繰る。「せいろの輝き」ここにあり
この一冊は、本当に旨い珠玉の蕎麦店のすべてがわかるバイブルです。
美味燦燦たる一枚の「せいろ」に隠された、そば職人の技と哲学、生き様を解き明かし、その真髄を知ることができます。
読みごたえ満点、観ても楽しい、蕎麦好き必見の書です!
[著] 宮下裕史
【目次】 本当のおいしさとは何か? 「そば」の真髄を考える
石臼挽き自家製粉の流れをつくり上げた25人の肖像と絶品「せいろ」
そば職人列伝~わざわざ行きたい店のすべて
●新時代の「東京前そば」のモダン
東京・立川「蕎麦懐石 無庵」竹内洋介──硬骨な美意識が生む、極上の「男の草庵」
東京・永福町「黒森庵」加東良卓──デザイナー魂の発露。そば・ポストモダン
東京・荻窪「酔蕎 はし」橋英夫──叩き上げの職人がつかんだ、「東京前そば」の源流
東京・堀之内「手打そば 車家」小川 修──「人をつくる」理想郷。小さな田舎がここにある
東京・亀有「吟八亭 やざ和」矢澤登志和──「8」をこよなく愛する男の、気っ風のいい下町そば
東京・日本橋舟町「仁行」石井 仁──日常と非日常のあわいをつく、そばコースの妙味
●江戸前の「粋」を芯に抱いて
千葉・柏「竹やぶ」阿部孝雄──伝統の本流を懐に、その先を隆々と生きるパイオニア
東京・恵比寿「八代目松之助 翁」中島 潤──洗練の極み、五感に沁み入る清冽なる「更科」
東京・両国「江戸蕎麦 ほそ川」細川貴志──明らかな充実期を迎える、江戸前そばの旗手
静岡・島田「藪蕎麦 宮本」宮本晨一郎──磨きこまれた珠玉のごとき、当代そば職人の鑑
岐阜・関「そばきり 萬屋町 助六」小林 明─
─美濃の風土を自然体で取り込む、心意気のそば
●馥郁たる、「信州そば」の革新
長野・飯綱高原「蕎麦 ふじおか」藤岡優也──空気、水、光、土……。風土に根付く凛乎たるそば
長野・駒ヶ根「丸富」宮島秀幸──無垢かつ大胆。言霊を打ち込むそば職人
長野・小布施「せきざわ」関沢賢治──土作りから始め、球形の美味に迫る
長野・松本「野麦」藤岡崇喜──トータルな「食」の連関の中で、そばをとらえる
●「関西固有」の、そば文化の精華
大阪・大正「そば切り 凡愚」真野龍彦──人とモノとそばが、明滅する光のように交錯する時空間
大阪・谷町「そば切り 蔦屋」蔦谷健介──本質に一層迫る、「浪花前」そばの発信基地
兵庫・丹波篠山「ろあん松田」松田文武──丹波篠山の自然を素描する、清明なそばと料理
奈良・福智院町「玄」島宏之──交響曲のようにそばを奏でる、変幻自在の技と感性
京都・鞍馬口通「手打ち蕎麦 かね井」兼井俊生──あやしいまでの陰影を放ち、京の都と共振する
●「土」へと回帰する衝撃の味わい
茨城・常陸太田「慈久庵」小川宣夫──里山再生の道に邁進する、本質を求める意志の男
山形・村山「あらきそば」芦野又三──土着の王道を往く、ごっつい板そばのダイナミズム
岩手・平泉「地水庵」伊東信治──祖型を軽やかに手放し、味わいを切り開く前衛
岐阜・日光町「胡蝶庵 仙波」仙波 浩──粗挽き生粉打ちそばの規矩を打ち立てた「石臼の鬼」
岐阜・下呂「蕎麦料理 仲佐」中林新一──困難を超克する、そばを打つために生まれてきた男
●一流そば職人の志を受け継ぐ次世代の注目株
続・美味伝説。名人の「系譜店」を食べ尽くす
東京・小平「吟」──偉大なる父「村屋東亭」渡邊維新氏の轍を追って
神奈川・たまプラーザ「風来蕎」──日々挑戦。「車家」の教えに挑む気鋭店
千葉・稲毛「そばいち」──住宅街に静かに佇む、名店「こいけ」の血脈
東京・東村山「土家」──「無庵」譲り、粋でなごやかな空間づくりが映える
群馬・中之条「吾妻路」──いつも心に「凡愚」が。心に刻んだ「そば屋の心得」
静岡・藤枝「かわかつ」──地産地消の精神。京都「なかじん」の魂、ここにあり
京都・桂浅原町「隆兵そば」──「ろあん松田」から翔ぶ、京料理との融合
●「出羽の国」発、「浪花」着
超絶極太打ち「アテ蕎麦」物語
「あらきそば」「そば切り 凡愚」「そば切り 蔦屋」に脈々と流れるおいしい風景。
時空を超え、「そば切り 山親爺」に到達した驚きの新しい味覚を知る
●百花繚乱の弟子200人。
「竹やぶ」阿部孝雄の遺伝子が飛び立つ
・「手取川 竹やぶ」「竹やぶ」が生んだ職人の傑作
・「鬼怒川 竹やぶ」味覚中枢に響くような腕の冴え
・「じゆうさん」バランスのとれた安定感のある展開
・「打墨庵 加瀬」阿部氏の総体を受け継ぐスケール感
・「季より」いまからがスタート。素直な感性を生かす
・「清山」、「玉笑」、「春風荘」、「しもばしら」……、弟子達は「竹やぶ」の因子を取り込み巣立っていく |