東京電力が「核分裂」と発表したことの見解を覆した。
なんと信じられないことを言う、それが第一印象。
とりあえず、保安院が慎重なのは流か。
ともかく、いずれ、専門の学者が見解を示してくれるだろう。
東電は3日、中性子が当たらなくても単発で起きる「自発核分裂」でキセノンが生じたとする見解を明らかにした。継続的な核分裂が起きる「臨界」が一時的に生じた可能性は否定した。
経済産業省原子力安全・保安院は「東電からの正式な報告がなく、現時点で『局所的な臨界が起きた可能性は否定できない』との見解は変わらない」としている。 (毎日)
今日は、そんな東電の姿勢を記録にとどめておく。
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●東日本大震災:福島2号機、キセノン検出 臨界なし、自発核分裂--東電分析
毎日新聞 2011年11月4日
東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内で、核分裂によって生じる放射性のキセノン135などがごく微量検出された問題で、東電は3日、中性子が当たらなくても単発で起きる「自発核分裂」でキセノンが生じたとする見解を明らかにした。継続的な核分裂が起きる「臨界」が一時的に生じた可能性は否定した。東電が分析したところ、検出されたキセノンの濃度は、臨界になっていたと仮定した場合よりかなり低かったという。
東電は、検出されたキセノン135が、損傷した核燃料などにあるキュリウム242とキュリウム244の自発核分裂で生じたと仮定し、容器内のキュリウムの量を推計した。
核分裂で生じるキセノンの濃度を試算したところ、今回検出されたキセノンの濃度(1立方センチあたり約10万分の1ベクレル)とおおむね一致したという。一方、臨界が起きていたと仮定した場合、キセノンは今回検出された濃度の約1万倍に達するという結果になった。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「容器内の中性子が臨界の必要量を維持していない点からも、一時的な臨界はない」と説明。2日の会見で臨界の可能性に触れた点について「詳細な分析ができていない中、可能性があったので言及した。『臨界』は一般の方が危険な状態と考えやすい言葉で、不安を与えたのは申し訳ない」と陳謝した。
東電によると、キュリウムはウランやプルトニウムが中性子を吸収して生成され、通常運転時や定期検査中でも自発核分裂が起きる。
健全な炉内では、キセノンは燃料棒の被覆管内に閉じ込められているが、今回は事故で被覆管も溶けたため検出された。1、3号機についても、2号機と大きく変わらない状態だという。
経済産業省原子力安全・保安院は「東電からの正式な報告がなく、現時点で『局所的な臨界が起きた可能性は否定できない』との見解は変わらない」としている。【奥山智己、岡田英】
●東電、「臨界でなく自発核分裂」…保安院は慎重
(2011年11月3日18時36分 読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所2号機で放射性キセノンが検出された問題で、東電は3日、検出されたキセノンが極微量なことなどから核分裂反応が連鎖的に進む臨界は起きていないと結論づけた。
原子炉内では、運転時に生成した放射性物質キュリウムが自然に核分裂する「自発核分裂」が散発的に起きており、極微量のキセノンはキュリウムの分裂で説明できるとした。一方、経済産業省原子力安全・保安院は「局所的な臨界の可能性は否定できない」との見方を変えておらず、東電から分析結果の報告を受け、改めて評価する。
キセノン133とキセノン135は、1日に格納容器から採取したガスから検出された。濃度はともに1立方センチ当たり約10万分の1ベクレルと極微量だったが、それぞれの半減期は約5日、約9時間と短く、直近に核分裂反応が起きたとみられ、東電は2日、小規模な臨界が一時的にあった可能性もあるとの見方を示していた。
●東電が「臨界」否定 福島2号機は自発核分裂
中日 2011年11月3日 23時05分
東京電力福島第1原発2号機から放射性キセノンが検出された問題で、東電は3日、キセノン発生は核分裂が連続する「臨界」が原因ではなく、核燃料内の放射性物質で自然に核分裂が進む「自発核分裂」によると発表した。同日、経済産業省原子力安全・保安院にも報告した。東電や保安院は2日、原子炉格納容器内の気体からキセノンが検出され、局所的な臨界が起きた可能性があるとしていた。
東電は自発核分裂の根拠として、気体に含まれるキセノンの量が、核燃料内のキュリウム242、244が自発核分裂して発生する推定量とほぼ一致することを挙げた。仮にウランなどに中性子が衝突し核分裂が連続する「臨界」が起きた場合、キセノンは1万倍以上になるという。
中性子を吸収して臨界を止めるホウ酸水の投入後にもキセノンが検出され、原子炉の温度、圧力に異常な変化がなかったことも根拠とした。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「自発核分裂は定期検査などで原子炉が停止中にも起きる。冷温停止状態や(事故収束に向けた)工程表のステップ2の達成に大きな影響はないと思っている」と話した。(中日新聞)
●【原発】2号機の臨界を否定「自発的な核分裂」
テレ朝 (11/03 11:51)
福島第一原発2号機で放射性物質のキセノンが検出されたことに関して、東京電力は、臨界が起こっていた可能性を否定しました。
キセノンの検出を受けて、東京電力は2日、短い時間、部分的に臨界状態になった可能性を示していました。しかし、臨界していたとすれば、キセノンの濃度が今回以上に高くなっていなければいけないことや、現在、原子炉内にあるキュリウムという物質の分解から生成されたとするとキセノンの量が一致することから、臨界が起こっていたという可能性を否定しました。
●東電、臨界を否定 キセノンは「自発核分裂」
朝日 2011年11月3日21時30分
東京電力福島第一原発2号機の原子炉内にある溶けた燃料で、核分裂反応が連続する「臨界」が起きた可能性について、東電は3日、臨界はなかったと発表した。格納容器内の気体から検出された放射性キセノンの濃度や原子炉の圧力、温度のデータを詳しく分析し判断したという。
放射性キセノンは、1~2日、格納容器内から採取した気体から検出された。半減期が短いキセノンが検出されたことは、最近でも原子炉内で、核分裂が続いていることを疑わせた。東電は2日、日本原子力研究開発機構に分析を依頼するとともに、局所的に臨界が起きた可能性があるという見方を示していた。
しかし、原子力機構の評価結果を受けた3日の会見で、東電は臨界はなかったと断定した。検出されたキセノンは、原子炉の燃料からできる放射性物質キュリウムなどが、不安定なために自然に核分裂を起こす「自発核分裂」によって発生したと結論づけた。自発核分裂は散発的で、生じるエネルギーも小さい。通常の原発停止中にも燃料内で起こっている現象だという。
●核分裂の疑い―炉内の混沌を忘れまい / 社説
朝日 2011年11月3日(木)付
核分裂の疑いがある。もしかしたら、一時的に小さな臨界が起こった可能性もある。
東京電力は福島第一原発2号機についてこんな発表をした。とても気になる話である。
核分裂とは何か。
福島第一の事故炉では今も、残った核物質が緩やかに壊れているが、これは核崩壊という。
一方、運転中の原子炉の核燃料で起こる現象が核分裂だ。原子核が、飛んできた中性子によって割れるように壊れる。
このとき、また中性子が出るので、別の原子核の分裂を引き起こすことがある。これが続くのが「臨界」だ。
この連鎖反応によって、原子核の膨大なエネルギーをとりだすのが原発である。
裏を返せば、燃料や制御棒が秩序だって並ぶことなく、混沌(こんとん)の極みにある事故炉で臨界はあってはならない。
核分裂の規模によっては、そんな臨界を引き起こし、場合によっては制御できない不測の事態を招きかねない。
今回は、原子炉格納容器の気体を浄化するシステムを動かしてまもなく、その気体から、核分裂の痕跡といえるキセノン133、キセノン135らしい放射性物質が見つかった。違うものをみたおそれもあったが、経済産業省原子力安全・保安院が本物と判断した。
これらの半減期は数日以内なので事故発生時ではなく、今の2号機内の様子を反映していることになる。浄化システム立ち上げ直後の検出なので、こうした状況は続いているとみるべきかもしれない。
事故炉の温度や圧力に大きな変動はないようだが、核分裂の可能性がある以上、臨界を食いとめる手を急いで打たなくてはならない。臨界を抑える働きがあるホウ酸水を、東電が直ちに注入したのも、そんな危機感の表れだろう。
政府は9月末に、炉の冷却が安定して進み、緊急事態が起こる可能性が極めて低くなったとみて、半径20~30キロ圏の緊急時避難準備区域を解除した。いま福島第一原発は、政府が年内をめざす冷温停止状態に近づいているように見える。
だが事故炉やその格納容器のなかのことを思い浮かべれば、そこには、溶け落ちて燃料の原形をとどめない核物質がある。
政府は事故処理を進め、周辺住民の生活を元に戻してゆく責任があるが、工程表の期限を優先するあまり、こうした現実を見過ごしてはならない。
核分裂の痕跡を重い警鐘と受けとめたい。
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