福島第一原発から50キロ以上離れたところの水田でとれたお米から基準値を超えるセシウムが検出された、このことは、やはり衝撃だ。
今までは抜き取りの検査だったけど、もし全量検査を行ったら、あちこちで基準超の農産物が出てくるのだろう。
ところで、通常、大事故やアクシデントが起きると当事者国の中では情報が不足し、外国を通じてより詳しい情報が当事者国に還流するということは珍しくない。
技術や文明が進んだ今でも同じ傾向。
今の日本の原発事故関連はその状況にあると感じることが少なくない。
その例として、見出しの外国の報道。
これを訳してインターネットに流している人がいるので、そこにブログ末でリンクしておく。
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●福島市のコメから基準超セシウム 政府、出荷停止を検討
朝日 2011年11月16日23時28分
福島県は16日、福島市大波地区(旧小国村)で今秋収穫したコメから、国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える同630ベクレルの放射性セシウムを検出した、と発表した。この農家のコメは流通していないという。
県は、同地区の農家全154戸のコメの出荷を見合わせるよう要請。政府は、同地区のコメについて出荷停止を指示するか検討を始めた。
県によると、基準超えのセシウムが検出されたのは、26アールの水田で収穫されたコシヒカリ840キロで、自宅やJAの倉庫で保管していた。農家がJAに預ける前の14日、JAに依頼し簡易分析器で調べたところ基準値を超えたため、県が15日に検査。玄米から1キロあたり630ベクレル、白米で同300ベクレルを検出した。
●福島県産米 県が方針転換 セシウム微量検出でも全戸検査
2011年11月18日金曜日
福島市大波地区のコメから国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された問題で、福島県は17日、これまでの県の検査で微量でもセシウムが検出されたコメの産地の農家の全戸検査を行う方針を明らかにした。(3.31面に関連記事)
対象は県の9~10月の検査で検出限界値(主に10ベクレル未満)を上回った210地点のコメ。いずれも基準値を下回ったが、同様に基準値に満たなかった福島市大波地区のコメから今回、基準値オーバーのセシウムが検出されたことから全戸検査に踏み切る。基準値を超えれば廃棄する。
210地点のうち、100ベクレルを超えたのは最高値の470ベクレルを測定した二本松市小浜地区のコメなど7地点で、残る203地点は100ベクレル以下だった。
210地点で収穫されたコメの中で既に市場に出回っているものがあるかどうかは不明だという。大波地区の問題のコメは市場に出回っていない。同地区の他の農家のコメは一部が福島市と伊達市の米穀店に出荷されたが、販売はされていない。
今回の問題で、全農福島県本部の庄条徳一会長と、新ふくしま農協(福島市)の吾妻雄二組合長が17日、県庁を訪れ、検査強化を求める緊急要請書を提出。県側は要請に沿う対応を行う方向で直ちに検討に入った。
農協側は「全戸検査しないと買ってもらえないだろう」(吾妻組合長)と強調。鈴木義仁県農林水産部長は記者会見で「当面は放射性物質の不検出地域から出荷し、それ以外の地域は検査を経て出荷できるようにしたい」と説明した。
●東日本大震災:福島市大波米、出荷停止 セシウム検出、政府が初の指示
毎日新聞 2011年11月18日
福島市大波地区(旧小国村)のコメから国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、政府は17日、原子力災害対策特別措置法に基づき同地区で今年収穫したコメの出荷停止を県に指示した。コメの出荷停止は初めて。
大波地区では農家1戸のコシヒカリ(玄米)から630ベクレルの放射性セシウムを検出。県は16日に同地区の稲作農家全154戸に出荷自粛を要請し、放射性物質の全戸検査をすることを決めたが、政府は消費者の不安を払拭(ふっしょく)するには、いったん法的に出荷を止めて原因を究明することが必要と判断した。
国は当初、出荷停止となった地域の今年産のコメは制限を解除せず、全量を廃棄処分するとしていた。しかし大波地区は国が決めた収穫前の予備検査と収穫後の本検査で規制値を下回っており、今後の県の検査で規制値を下回った場合は集落や農家ごとに制限を解除し、出荷を認めることも検討する。ただし今回規制値を超えた農家の出荷は認めないという。
一方、国の出荷停止指示を受け、福島県は17日、9~10月に全県で実施した本検査でセシウムが検出された地区に対し、改めて全戸検査を行う方向で検討を始めた。検査を終えたコメは既に出荷されているため、JAなどから卸業者や小売店に販売される段階で順次検査を進める方針。
◇二本松と似た環境
福島県内では予備検査で二本松市小浜地区の農家から規制値と同じ500ベクレルを検出したが、早場米を含め1275地点で実施した本検査では98%が50ベクレル以下。大波地区では本検査2カ所に加え、福島市が独自に4カ所で検査し、すべて検出限界値以下~53ベクレルだった。
今回630ベクレルを超えた大波地区と500ベクレルの小浜地区の2農家から突出して高い値が出ているが、農林水産省は「環境的な共通点がある」とみる。
福島県は小浜地区で高い数値が出た水田について、(1)セシウムを吸着しやすい粘土が少ない(2)稲の根の張り方が浅く、セシウム濃度の高い地表近くから多く吸収した--などの要因があったとする中間報告を出した。
今回630ベクレルのコメが収穫された大波地区の水田も山あいにあり、森林が近くに迫っているため、農水省は(1)木の葉などに付着したセシウムが雨に流され水田に入った(2)日当たりが悪く、根の張り方が浅くなった--などが考えられるという。
県は小浜地区のケースを受け、同様の地形をした県内47地点で追加の予備検査を行った。このときの最大値は154ベクレルだったが、47地点に大波地区は含まれなかった。【佐々木洋、関雄輔、曽田拓】
◇精米すれば6割除去
暫定規制値についてQ&A形式でまとめた。
Q 暫定規制値とはどんな数値なのか。
A 厚生労働省が、放射性物質で汚染された食品の販売を規制するために設定した数値だ。放射性ヨウ素は食品を4分類、放射性セシウムは5分類して数値を定めている。
Q 数値はどう決めるのか。
A 放射性物質には放射線の強さが半分になる半減期がある。指標は一時的に汚染があったことを前提に、食品の放射能が日々減るのを考慮して年間総摂取量を求め、摂取限度を超えないようにしている。暫定規制値ぎりぎりの食品を連日食べると摂取制限を超える。体への影響をみる場合、放射線を出す強さを示すベクレルをシーベルトに換算する。ヨウ素の年間摂取限度は50ミリシーベルト、セシウムは5ミリシーベルトとなる。
Q 今回のコメは食べても問題ないのか?
A 玄米1キロから630ベクレルのセシウムが検出された。半減期は約30年。精米すれば約6割が除去されて暫定規制値を下回り、厚労省は「毎日食べても直ちに健康には影響ない」としている。半減期が約8日のヨウ素は、ほとんど検出されなくなる。食品の汚染濃度は、土や餌などの汚染濃度に移行係数を掛けて推計する。体への影響は、さらに放射性物質ごとの換算係数を掛けて算出する。換算係数は乳児が最も大きく、新陳代謝が活発な3~7歳児が大人より小さくなる。厚労省は、セシウムの年間摂取限度を来年4月をめどに1ミリシーベルトに厳しくし、規制値も新たに定める方針だ。【奥山智己】
●【社説】コメの汚染 全量検査に取り組め
中日 2011年11月18日
福島県産の玄米から、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。安全宣言後の主食の汚染発覚は大きなショックだ。食品の安全確保は全量検査で取り組むしかないのではないか。
規制値超えのコシヒカリは、福島市大波地区の農家が生産した。この農家の依頼でJA新ふくしまが自主検査して分かった。
主食コメの検査体制については、農林水産省と福島県は念を入れていた。田植え前に土壌を検査し、基準を超えた土地への作付けを禁止した。秋になり収穫前に予備調査、収穫後に本調査と二回の検査を通して水際で防ぐ努力をしてきた。
福島県は全検体が規制値を下回ったとして十月十二日に安全宣言を出していた。
だが、宣言後の汚染発覚で、かえって消費者や生産者の不信を高めてしまった。
大波地区は放射線量が局地的に高い地域だった。稲作農家は百五十四戸だが、検査は三地点にすぎない。他の農家は「うちのコメは大丈夫か」と不安になっている。やはりサンプル検査には限界があるのではないか。
放射性物質の飛散状況は分からない部分が多い。
東京電力福島第一原発の事故後、三カ月近くたってようやく局地的に放射線量が高いホットスポットの存在が分かった。
名古屋大学と東京大学などは最近、原発から放出されたセシウムが北海道や中国、四国地方の一部にも飛散した可能性があるとの調査結果を公表した。地形や気象条件によっても飛散や土壌への蓄積状況は違う。予断を持たずに対策を考えることが重要だ。
大波地区の別の農家からは「どうして初めから全ての田んぼを調べてくれなかったのか」との不満が出ている。切実な思いだ。
汚染状況を調べ、放射線量の高い地区を重点的に全量検査を実施すべきだ。消費者だけでなく、風評被害から農家を守るためにも確実な検査が求められている。
JA新ふくしまは今後、流通前の全量検査を行う方針という。ただ「物理的に難しい」とも漏らす。自治体も同様だが、検査費用や人員確保が課題になる。
藤村修官房長官は、国の検査手法の見直しについては否定的だ。だが、今後長期間の対策が求められる内部被ばくの防止には、食品の安全確保がカギだ。自治体と業界団体が連携して検査体制を築く支援を国にも求めたい。
●水田17地点放射性物質超過 南相馬
2011年11月16日 09時46分配信
南相馬市は15日までに、農地土壌の放射能測定結果を公表した。
市内の農地460地点で測定した結果、政府が今年度産の米の作付け基準とした1キロ当たり5000ベクレルを超える放射性セシウムが水田17地点で計測された。
調査は9、10の両月、市が警戒区域を除く市内の水田228地点、畑232地点で実施した。
地表から約15センチの土壌を採取し、放射性物質の濃度を測定した。
水田で1キロ当たり5000ベクレルを超えたのは原町区の高倉地区で7地点、大原地区で5地点、大谷地区で4地点、押釜地区で1地点。
水田は大原地区の8980ベクレルが最高で、畑は同地区の1万406ベクレルが最も高かった。
市は今月中に結果を地図にして公表する。
調査結果や住民の意向などを踏まえ、12月中旬には平成24年度の米の作付け方針を示したいとしている。
●【日本全域の放射能汚染マップ】初めて明らかに〈米国研究機関が発表〉
投稿日: 2011年11月16日 作成者: admin
[東日本の食料生産が「深刻な打撃を受ける」可能性] イギリスBBC放送 11月14日
新たな調査研究により、東北地方の一部の放射線量が農業生産にとって安全なレベルを超えている、と見られることが明らかとなりました。
[ 日本の土壌の汚染状況 : セシウム137 ]
この調査は2011年に発生した原子力発電所事故による日本全域における汚染について、初めてその結果を提供することになります。
研究機関は食料生産への影響は避けられそうにない、と示唆します。
この調査結果は、米国科学アカデミー(PNAS)ジャーナルの会報で報告されます。
福島第一原発の事故の発生により、放射性物質は日本の全土とその近海に降り注ぎました。
農地への汚染の懸念は、日本の農作物と肉類が食用に適するかどうかの調査を促すことになりました。
これまでの調査研究では、収穫された農産物の汚染は、食用に関して問題ないレベルにとどまっている、というものでした。
▽ 汚染された収穫
今回、研究者の国際的チームは、これまでの判断が見直されるべきである、と示唆します。
アメリカ合衆国メリーランド州にある大学連合空間調査協会( Universities Space Research Association )のテッペイ・ヤスナリ氏と彼の同僚は、土壌と草に含まれる放射性物質のセシウム137について47都道府県から一県だけを除外し調査した結果に、メルトダウン以降の気象の変化のシュミレーションを組み合わせ、汚染レベルの推定値を算出しました。
セシウム137は数十年の間環境に留まり続けますが、原子炉の冷却システムが機能しなくなり、その結果発生した水蒸気爆発によりまき散らされた、セシウム以外の放射性物質についてはより一層大きな懸念があります。
研究チームは福島県東部の耕作地では、放射性物質の量が政府の安全基準を上回っていることを突き止めました。
・・・・・・・(略)・・・
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