●小沢氏裁判(25)裁判官の質問
NHK 1月11日 20時42分
裁判官から小沢元代表への質問の主なやりとりの概要は次のとおりです。
(裁判官)秘書との関係についてですが、収支報告書や資産公開について提出した内容を把握したうえで正しいと言っているのではなくて、内容を把握せずに正しいということ?
(小沢元代表)はい。資産の報告については把握していました。
(裁判官)というのは?
(小沢元代表)はい。沖縄の土地を買ったときもそれを報告しました。
(裁判官)新たなことがあれば、あなたから情報提供をしていたということ?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)収支報告書を把握していないというのは国会議員が多忙だからというのもあるのですか?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)あなたは今は把握していないということですが、最初からこういうスタイルだったのか、それともある頃から把握しなくなったのですか?
(小沢元代表)報告書については最初から関与していませんでした。大多数の議員がそうだと思います。
(裁判官)大きな役職についている人だけじゃなく、初当選の議員とかもそうですか?
(小沢元代表)そうだと思います。政策秘書が導入されたので、政策秘書のたぐいに任せる人が多いのではないかと思います。これは推測ですが。
(裁判官)弁護士や指定弁護士からの質問で、検察の取り調べで「無断」というのはちょっと違うというのがあったが、収支報告書の作成を任せていたが把握していない、これは無断とも違う?
(小沢元代表)無断という単語の響きは、秘書との関係を示すのに適切ではありません。任せていたこと、判断裁量でやっていたというほうが適切なのでそういった。
(裁判官)秘書のやったことの責任を代議士が責任を問われるという意識は持っていますか?
(小沢元代表)基本的に法律に違反するたぐいの行為を、選挙のことなんかありますけれども、特に私の場合、無理するなと、表現はあれだが、法律に反することをしてまですることないというのは常々話していますし、私自身そう思っていますし、きちんと筋道を通ったことをしないといけないと自分自身をいさめています。
(裁判官)秘書の裁量に任せているというのは分かりますが、4億という大きな取り引きでも秘書に任せていて不安はないですか?
(小沢元代表)この法廷で申す1つの例としては、選挙の際に同志への支援を行ったが、そのトータルは4億4000~5000万円になると思います。それらを候補者に渡すことはすべて秘書に任せていますので、本当に信頼して任せているという関係です。
(裁判官)個人資産を管理する秘書はいますか?
(小沢元代表)いません。
(裁判官)例えば自宅の光熱費の支払いとか細々したことは誰がやっているのですか?
(小沢元代表)そういうたぐいは、たぶん最初に自分の口座で自動引き落としになっているので、いちいち振り込みは必要なかったと思います。
(裁判官)平成16年10月ごろ、石川さんに4億円を渡したときのあなたの考えを改めて聞きます。秘書寮を建てる不動産として購入するとなると、本来、陸山会の政治資金でやるものだが、個人資産を出す気持になったのはなぜですか?
(小沢元代表)一つは秘書が十数人いて、結婚適齢期が3人、家族も増えるとのことで、身近なところに寮をという気持でありました。ただ、最初から個人のお金でという意志はまったくなく、政治団体で購入すべきものと頭では分かっていたが、運転資金に困るというので、じゃあと手持ちがありましたから、自分が用立てることになりました。
(裁判官)あくまで一時的なものという認識でいい?
(小沢元代表)寄付するというものではなかったと思います。
(裁判官)4億という巨額の金額を用立てることに一般国民がすぐに飲み込めないということでの質問ですが、いつ返ってくるのかなどについて気にはならないのですか?
(小沢元代表)書生から秘書の話を話しましたが、その意味は私からすれば家族同様の気持を持っている連中ですから心配はまったくしていませんでした。
(裁判官)いずれ戻してもらえるとの見通しでしたか?
(小沢元代表)はい、いずれは戻してもらえると思っていました。
(裁判官)4億はあくまで土地取得のために限った話との認識?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)陸山会で一般的に使っていいということではない?
(小沢元代表)はい、そうです。
(裁判官)石川さんもそう理解していた?
(小沢元代表)分かっていると思います。そもそも運転資金に困るというから用立てるという話であり、その趣旨は分かっていたと思います。
(裁判官)石川さんと大久保さんが頼んできたのは、その経緯から?
(小沢元代表)経緯というか実情として出すと困ると、それなら「じゃあ」となったと思います。
(裁判官)石川さんや大久保さんが、あなたの個人資産がどれくらいあるか知識あったと思いますか?
(小沢元代表)具体的にはないと思うが、私がずっと使ってきた銀行の通帳のことに関しては、およそ分かっていたと思います。歳費もその他も、大体分かっていたと思うので。
(裁判官)元赤坂タワーズの金庫に、どれくらいの余剰金額があるか話をしたことは?
(小沢元代表)ありません。彼らが私のところで仕事を始めたときには自宅の売却も終わっており、そのことも知らないし、その当時いれば知り得たかもしれないが、僕がいくら持っていたかは知らなかったと思います。
(裁判官)大久保さんや石川さんが、あなたに期待する事情は?望みがなければ相談しないと思うが?
(小沢元代表)具体的にいくらとかは全然知らないと思うが、報告すればなんとか返事があるのではないかとのことは思っていたかもしれません。 |