ごきげんようでござる!
トランスフォーマーを研究しているとカテゴリーに分類できにくいキャラクターも多々登場するでござるが、1999年の「BEAST MACHINES」は日本人の趣向・感性を全く無視して展開されたシリーズゆえに理解しがたい商品も多く、中でもノーブル(日本未販売)はTVアニメに登場するキャラクターを商品化した訳でござるから・・・ 本来ならばゲストキャラクターを商品化した部類にはいるキャラクターなのかもしれないでござる?
ちゅー事で、今宵は2005年に「ビーストウォーズ・リターンズ」として日本販売されたノーブル(BR-11、ノーブルサヴェッジ、1799円)の紹介でござる。
このキャラクターを如何紹介してよいものでござろうか?
「ビーストウォーズ・リターンズ」は一応「ビーストウォーズ」3部作を締めくくる作品であり、ノーブルの登場は15話~17話登場のゲストキャラクター的な存在でござるが、無駄に話をややこしくしたキャラクターであり、ストーリーを左右する存在(?)だったりするのでござるよ。 (ネタばれ有)
そう・・・ 本品は最初にストーリー有きで製作された数少ない商品なのでござるな?
しかも・・・ 本品のパッケージングはビーストモードでなく、ロボットモード(?)でパッケージングされており、右腕のギミックのおかげで、妙なポージングなのでござる。 海外版も同じでござるが、本品はブリスターパックよりも箱で販売すべき商品だったと思うでござるよ。
さてさて・・・ ノーブルのビーストモードである目無し竜(ドラゴン)はサヴェッジと呼ばれており、ノーブルの意志とは関係なく本能で行動するモンスターでござる。
サヴェッジのデザインは珍しく左右対称ながら2本の尻尾と翼を持つドラゴン系のモンスターなのでござるが、頭部に目を有しない珍しいデザインでござる。
この中途半端なデザインには一応理由があり、劇中設定では メガトロン様(BR-05、メガトロン、2999円)の切り捨てた有機生体部品(?)なのでござる。
余剰パーツだから必要な目が無かったり、生体組織ゆえの本能のみが行動する生命体なのでござる。
なお、劇中では目的地を目指し火を噴いて暴れる存在なのでござる。
サヴェッジのギミックは左頬(首)部分に青い突起があり、押す事により口を開閉するのでござる。
変なデザインながら、妙にCGデザインと似ているのも無駄に凝っているのでござるよ。
残念なのが、翼は塗装処理なのでござるが、コレが本体よりも明るすぎてイヤ~ンな感じなのでござるな。
まあ・・・ ソレは置いておくとして・・・ 本品の変形パターンは、ちと複雑なのでござるが、変形説明書はパッケージ台紙の裏に簡単に記されているために、細かいパーツの移動位置が判りづらいのでござるよ。 説明書は別に印刷すれば、もう少し説明文と変形図(写真)が増やせて、キャラクター説明を台紙に印刷できたものを・・・
トイザらス限定販売とはいえ、一般人にアピールするには辛いパッケージであり、商品の魅力を伝え辛いパッケージでもあるでござるよ。
そう・・・ 変形はサヴェッジの背中のコブにノーブルの頭部を収納していたりと、無駄に凝っており、劇中デザインとは翼が異なるものの、最限度は高いでござる。
そう・・・ デザインを重視しすぎて、チータス (BR-02、チータス、2999円)と同じく細い足と獣脚である為に非常に接地性が悪いのでござるよ。
しかも、もっと謎なのが ノーブルのデザインが狼獣人(モンスター)なことでござる。
そう! ノーブルはロボットモードではなくビーストモード(?)なのでござる。
即ち! ノーブル もサヴェッジも、ビーストモード(?)なのでござるな。
確かに日本未販売のミュータントビーストはロボットモードを持たない動物から動物に変形するトランスフォーマーでござるが、ノーブルはトランスフォーマーと呼べる存在なのかも疑問でござる?
劇中では自分が何物か解らず、サイバトロン(海外名、マキシマル)と行動を共にするのであるが・・・ 如何も米国の精神論は日本の考え方と違うようで、上手く翻訳されていないような気がするのでござる。
先に述べたとおり、ノーブルとサヴェッジは別人格であり、互いの存在を認めていないようなのでござるが、サヴェッジの性格(本能)は切り落とされたメガトロンへの帰巣本能(?)と考えられるのでござるが・・・ ノーブルの性格って誰?
メガトロン様とは異なる性格であり、狼モンスター風の容姿は全くメガトロン様の特長を受け継いでいないのでござる。 (?)
本品はバトルフォーザスパーク商品である為に、右腕にスパーククリスタルが装備されており、翼の下に隠された背中のレバーを動かす事により、ゼンマイが巻かれ、スパーククリスタルをズラす事により右腕が回転するギミックを内蔵しているのでござるが、このスパーククリスタルはマクシマルとヴィーコンのマークが交ざったデザインなのでござる。
そう・・・ サイバトロンでもデストロンでもない存在なのでござる。
しかし・・・ 実は ノーブルには、メガトロン様のスパークが宿っていたのでござる。
そう・・・ ここで可也の解釈の違いが現れるのでござるが、ノーブルを影で操りサイバトロンを騙していたのか、メガトロン様本人がノーブルを演じていたかでござる。
はたまたメガトロン様のスパークは休止状態にあり、ノーブルの意志のみで行動していたかでござる。 コレが上手く翻訳されていないので、謎のままなのでござる・・・ ?
そこで推測できるノーブルの精神でござるが、メガトロン様が切り捨てた有機生命部品と同じく・・・ メガトロン様の「良心」ではないのでござろうか?
メガトロン様のスパークが無くなった後は、残された本能と良心の感情だけで動いていたとかでござる。
・・・このネタも考えてみれば、石森章太郎先生の「サイボーグ009」のネオ・ブラックゴーストの3ッ子の3幹部だったりするのでござるよな。
う~む・・・ 精神論の演出は難しいものでござるな。
因みに本品は翼を外す事により劇中に近いデザインになるでござる。
まあしかし、この良く解らない怪物くんを、長島雄一(現、チョー)氏が、まさかのミュージカルキャラに仕立ててしまうとは・・・
恐るべし・・・ やはりビースト劇団は侮れないでござる。