歴歩

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松江市朝酌町・朝酌菖蒲谷遺跡 古墳時代前期の土器、奈良時代の集落跡が見つかる

2017年05月11日 | Weblog
 松江市は10日、同市朝酌町の「朝酌菖蒲谷(あさくみしょうぶだに)遺跡」から、奈良時代(8世紀)の建物跡や古墳時代前期(4世紀頃)の土器などが見つかったと発表した。
 市が昨年12月から山の斜面約1000㎡を調査し、北側から古墳時代の遺構を確認。壺を埋めた穴(幅約20~30cm、深さ約10cm)が3か所で見つかった。古墳の裾に壺などを埋納する事例があり、近くに古墳がある可能性が出てきたとし、また、壺の破片は乳児などを埋葬する小児棺の可能性があるという。
 一方、南側では、奈良時代の掘立柱建物跡が見つかったほか炭を燃やしたとみられる「焼土坑」から鉄片が見つかっており、鉄製品を修理する簡単な鍛冶工房が存在したと考えられるという。
この近くには大橋川を船で渡る「矢田の渡し」が現存。奈良時代に編纂された出雲国風土記には「朝酌促戸渡(あさくみのせとのわたり)」の記述があり、市は渡し場近くにあった庶民の集落の一部とみている。
 また、幅2・5m程度の道路状遺構が見つかっており、片側だけに側溝が設けられていたことなどから、「出雲国風土記」に記述のある古代の官道「枉北道(きたにまがれるみち)」から分かれた枝道だったと推定している。
 柱穴付近では小さな脚を持つ円形の硯の破片も出土した。
 現地説明会は14日午前10時に開かれる。 「矢田の渡し」乗船場に集合。
[参考:読売新聞、産経新聞、毎日新聞、NHK島根ニュース]

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 松江市朝酌町



キーワード; 朝酌菖蒲谷遺跡
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