大分県宇佐市教委は宇佐市荒木の小部(こべ)遺跡で、古墳時代前期(3世紀後半)の豪族居館の大型建物跡を発見したことを明らかにした。
小部遺跡は弥生終末期から7世紀初頭の遺跡で、古墳前期が中心。南北約120m、東西100m以上の環濠に囲まれた集落で、ぼぼ中心部に南北約50m、東西約37mの方形区画がある。周囲に掘られた溝から、柵を立てたとみられる穴が連続しており、形状から当時の豪族居館とされた。
今回、柱穴が見つかったのは方形区画の内部からで、直径約30cmと20cmの穴が約2m間隔に、縦4列、横5列に計約20か所が出土した。縦4間、横3間(縦8m、横6m)の大型建物の基礎部分が想定される。
3、4km離れた宇佐市高森に同時代の前方後円墳・赤塚古墳(全長約57.5m、3世紀末築造)があり、そこに埋葬された権力者の居館の可能性があるという。同古墳から三角縁神獣鏡5面などが出土している。
遺跡からは畿内や吉備の土器が多数発見されており、「ヤマト王権と強いつながりを持った強力な豪族が宇佐にいたことが裏付けられた」とている。
古墳と居館がセットで確認できるものは全国的に珍しい。
古墳時代に地方豪族が使っていた大型建物跡が見つかるのは九州では初めてという。
[参考:共同通信、毎日新聞]