高松市は20日、石清尾山(いわせやま)古墳群(同市宮脇町など)の一つで栗林公園西側にある稲荷山北端1号墳について、当初想定していた円墳でなく前方後円墳(全長45m)の可能性が高いことが分かったと発表した。
石を積み上げて造る「積石塚」と呼ばれる古墳で、3世紀中頃の築造とみられ、同時期としては四国最大規模の古墳となる。 もし前方後円墳だった場合、国指定の史跡である鶴尾神社4号墳(同市西春日町、全長約40m)や石清尾山9号墳(全長27m)と並び、国内最古級になるという。
高松平野を見下ろす石清尾山(標高232m、峰山、稲荷山、浄願寺山一帯の総称)には3~7世紀の古墳が約200基が点在する。(石清尾山古墳群) 石を階段状に積み上げた積石塚が多いのが特徴で、円墳、前方後円墳、双方中円墳など形は様々である。 峰山エリアの12基は国の史跡指定を受けており、市は追加指定に向け昨年度から稲荷山エリアの本格調査を始めている。
稲荷山北端1号墳は1931年に京都帝国大(現京都大)が調査し、楕円形の円丘部を確認したが墳形の特定には至らなかった。市の今夏の測量調査で、円丘部の南側に方丘部を構成する石列があることが分かり、前方後円墳の可能性が強まった。
前方後円墳の場合、立体的な円丘部に対し方丘部の高さが低く、円丘部前端に大ぶりな石を配置し、古墳が丘陵の先端部に立地するなどの特徴が、最古級の積石塚前方後円墳の鶴尾神社4号墳(全長約40m)や石清尾山9号墳(全長27m)と類似する。
形状に関しては、「双方中円墳」の可能性もあり、引き続き調査を進める予定。
一方、市は発掘調査中の積石塚前方後円墳の稲荷山姫塚古墳について、全長が約54mと推定されると発表。出土品から当初想定した4世紀後半より古い3世紀後半の古墳であることも分かった。(注1)平らな石を精巧に積み上げ、古墳を装飾していたことなどが詳細に確認できたとしている。
市は稲荷山北端1号、同姫塚の両古墳を25日(土)に一般向けに現地公開する。
(注1)稲荷山姫塚古墳は、高松市のホームページを見ると、全長は約46~47m、高さは約4mの前方後円墳とし、3世紀後半~4世紀前半の築造としていた。 後円部には竪穴式石室があったといわれていると記している。
[参考:四国新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、高松市HP]
<稲荷山姫塚古墳>全長54メートル 「北端1号」積石塚前方後円墳で最古級 高松市調査で判明 /香川(毎日新聞) - goo ニュース
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石清尾山古墳群