歴歩

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京都市・仏光寺 法隆寺から寄贈の赤地の錦織を発見

2021年03月23日 | Weblog
 真宗仏光寺派本山渋谷山仏光寺(ぶっこうじ、京都市下京区)は19日、約1300年前の飛鳥時代に織られた錦織(にしきおり=錦の裂(きれ))が寺の蔵から見つかったと発表した。
 2020年11月に蔵の調査で見つかり、ガラス板に挟まれ、桐箱に納められていた。桐箱の表面には「聖徳太子御褥(おんじょく)裂蜀江(しょっこう)」との墨書があり、箱に入っていた文書には、裂が江戸時代の天保12年に法隆寺から仏光寺に贈られたと記されていた。
 仏光寺の日記などから、裂は1841天保12年10月18日、法隆寺の末寺の僧侶が贈っていた。法隆寺はその翌年、江戸で「出開帳(でかいちょう)」を開く予定となっており、開催に協力を約束した仏光寺へ贈られたものと推測される。真宗寺院と聖徳太子信仰が分かる貴重な資料としている。
 錦織は中国の蜀から伝わったとされる「蜀江錦(しょっこうきん)」と呼ばれるもの。赤地で、大きさは経糸方向が約9・8cm、緯糸方向が約7・5cmで、円形の図の中に獅子の文様の一部が見て取れる。
 蜀江錦や墨書きは、4月1、2日に仏光寺で展示される。
[参考:朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、KBS京都、共同通信、読売新聞]

 褥(じょく)とは、上敷物あるいは坐具のこと。
 東京国立博物館に所蔵されている赤地獅子鳳文蜀江錦(作品No.N-56)と同一柄(あるいは同一裂)とみられる。

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