2月7日、朝日新聞他が報道したことによると、LEC東京リーガルマインド大(本部・東京都千代田区)が経営悪化を理由に、'09年度以降の学生募集を本部のある千代田キャンパスだけに減らす方針を決めたそうだ。
同大の全学生約800人中、千代田キャンパスで学ぶのは約330人で、大幅な規模縮小となる。同大は約1年前に文部科学省から「授業に不備がある」などと改善勧告を受けた。
同大は'08年度の学生募集も、全国に14あるキャンパスのうち4カ所に絞っている。現在キャンパスがある横浜市と大阪市に対し、'09年度募集を停止する方針を伝えようだ。朝日新聞によれば、横浜では約70人、大阪では約140人が学んでいて、両市は'08年度に入学する学生全員が卒業するまで開講して学生が被害を受けないようにすることなどを条件に、今後キャンパスの閉鎖に向けた話し合いに入る。
'08年にこれら4キャンパスで入学生がいたとすると、最低でも4年間キャンパス(とはいえない程度のものでも)を維持しなければならない。同大学の在学期間のリミットは何年かわからないけど、大学は通常、修業期間の倍程度で、最長8年間だろう。それまで運営法人は持ちこたえられるとは思う。しかし、運営法人(親会社)と大学自体(子会社)との会計を分離することが、たしか、同大学の大学院設置時に求められているので、やはり資金的にきびしいだろう。どう考えても、'08年度の募集もやめるべきだ。学生確保は普通に考えれば難しい。高校の進路指導部職員が、生徒から相談を受けたら、間違いなく止めるか再考を促す。少なくとも僕ならばそうする。
また、これも朝日新聞によるが、同大は、現在約120人が学ぶ新宿キャンパスを'08年度いっぱいで閉鎖。学生には千代田キャンパスで授業を受けさせる方針を各自治体(新宿区・千代田区)に伝えた。構造改革特区の大学の監督責任は第一義的には各自治体に確かあるはず。千代田キャンパスは現在約330人が学んでおり、千代田区の担当者は「今のキャンパスで2カ所分の学生にきちんと教育ができるのか心配だ」と話したそうだが、当然だろう。
LEC大は、資格試験予備校を経営する「東京リーガルマインド」が'04年4月に開校した、株式会社立大学第1号である。無事に行けばこの3月に第1期生が卒業することになるが、実際のところはどうなのだろう。