全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

犬神家の一族

2008-02-21 05:54:28 | 全英連参加者 2008

 市川昆監督の最後の監督作品、犬神家の一族をTBSが同監督追悼特番として放送していた。

 この作品は1976年、当時の角川映画社長角川春樹氏の、今でいうメディアミックス戦略の元で映画化、大ヒットした作品である。今回放送されたのは、一昨年、市川監督が再度映画化したものである。僕は1976年版は映画館で見た。でも、2006年版は映画館でも、DVD(レンタル)でも見ていなかった。ストーリーも知っているし、何となく映画館には行かなかったのだ。今回TVで初めて'06年版を見た。

 音楽(メインテーマ)はたぶん同じ。
 石坂浩二の金田一耕助はそれなりに年齢を重ね、雰囲気は変わっていた。
 全体的におどろおどろしいのは変わりなく、やっぱりおもしろかった。

 金田一耕助が登場する作品は、毎度のことだけど、彼が登場しても殺人事件は続く。一通り関係人物が死んでしまわないと、手がかりも犯人もわからず、事件は解決しない。名探偵だけど、事件を止めることはできない。でも金田一耕助はダメ探偵だなんて言わないよ。この作品でもエピローグとして金田一が話している。

 「僕がもう少し早く、手がかりをつかんでいれば、連続殺人を防げた。」

 金田一耕助自身も、事件を止められないことを自覚している。
 映画を見終わって、改めて考えた。もしも、金田一耕助がいなければ、この犬神家の事件だって、犯人不明の連続殺人である。それを解いた。だから、名探偵なんだ。そんなことを思った。


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