とは...
「ヒト型ロボット」である。
電通と東京大学先端科学技術研究センター、ロボ・ガレージ、トヨタ自動車が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力で進めてきた「KIBO ROBOT PROJECT」が開発したもの。電通がコンテンツ、デザインなどは数々のロボットを手がけてきた高橋智隆さんが代表を務めるロボ・ガレージ、トヨタが音声認識や自然言語処理による知能化などを担当。右肩に日の丸、左肩にTOYOTAのロゴマークがついている。
このロボットは、ある程度人間との会話を続けることができる。ISSにおいて若田光一宇宙飛行士の話し相手をすることが、ミッションの一つである。今年の8月、「こうのとり」4号でISSに向かう予定。
ISS内では電源ケーブルに接続して稼働。バッテリーはISS内部での持ち込み規定などが厳しいためだという。微少重力下では熱による空気の対流が起こらず、熱い空気がたまったままになり故障のおそれがあるため、ファンを内蔵して強制的に空気を循環させる構造。
***** *****
デザインを担当したロボ・ガレージの高橋さんは、パナソニックの電池、「EVOLTA」のロボットなどを手がけてきた人。彼はこう言っている。
『画面の中のバーチャルなキャラクターでいいのではないかという人もいるだろうが、画面上で動くキャラでは感情移入が難しい。現在は実体のあるリアルなものに戻ってきつつあり、今は大きな転換点にあるのではないか』
『人との関係性を築いていく上で、ヒューマノイドロボットにとってデザインはとても大切』『物理作業をしないのであれば力持ちである必要はなく、小型のほうが好ましい。小型のほうが能力が相対的に高く見えるメリットもある』
・・・そうなのか。ホントはそれだけじゃないだろう?
***** *****
ISSにはすでに先輩格としてNASAのROBONAUT 2(ロボノート)が搭乗。ロボノートは人間の実際の作業の補助役。でも上半身のみである。作業には下半身は不要ということなのだ。NASAが、「脚なんて飾りですよ」と考えたかどうかはわからないが、KIROBO™は、ロボノートよりもさらにボディーを作ることに、こだわらなくてもいいはずの存在。でも、小さいとはいえ「人型」にこだわり、作られた。それは高橋さんの上記の考えによるのだろう。
ロボノートは単なる識別名称である。KIROBO™には地上実験用の相方として、同型のMIRATA™というのもいるのである。R1号、R2号ではない。このあたりが、日本人の、ロボット工学者のメンタリティーをよくあらわしている。僕にはそんな気がする。そう、どうしてもアトムを作りたい。そんなこだわりである。
なお、2013年はTVで初めて「鉄腕アトム」が放映されてから50年である。
***** *****
KIBO ROBOT PROJECTウェブサイト
http://kibo-robo.jp/home
きぼうロボットプロジェクト予告映像
http://www.youtube.com/watch?v=SqMRGqnisGM
・・・24秒以降は、ややずるい。。。
手塚治虫さん存命ならば、なんて言うだろう。そう思った。