法務大臣閣議後記者会見の概要(令和2年7月7日(火))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00100.html
〇 「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」に関する質疑について
【記者】
所有者不明土地についてお伺いします。
7月3日の関係閣僚会議で基本方針と工程表が改定されました。当初は2020年中としていた民事基本法制の見直しについて,「今年度中」に後ろ倒しになりました。この経緯と,これから法案化に向けた作業をどのようなスケジュールでやっていくのかお聞かせください。
また,基本方針の中で海外に居住する土地所有者の連絡先を把握することを検討するなどの内容も盛り込まれていますが,経済安全保障の観点から,こうした対策の必要性について,どのようにお考えでしょうか。
【大臣】
御指摘のとおり,今般の基本方針では法案提出時期に関する表現が変更されました。
これは,法制審議会民法・不動産登記法部会においては,昨年12月に法改正に関する中間試案が取りまとめられ,本年1月から3月までパブリックコメントの手続が行われていたところ,新型コロナウイルス感染症の影響で,本年3月から5月まで,部会が開催できず,審議が再開できなかったこと,パブリックコメントにおいても,複数の論点について権利保護や国民の負担軽減への十分な配慮を求める声や,全般にわたる引き続いての議論を求める声が多く,それらに丁寧に対応する必要があることなどを踏まえたものと認識しています。
民法・不動産登記法部会では,本年6月から審議が再開され,精力的に検討が進められているものと承知しています。
法務省としては,今般の基本方針に基づき,今年度中できるだけ速やかに必要な法案を国会に提出することができるよう,引き続きスピード感をもって取り組んでまいりたいと思います。
また,御指摘の海外に居住する土地所有者の把握については,民法・不動産登記法部会において,国際化の進展を踏まえ,民間事業者等が国内外を問わず土地所有者の所在地等の情報を的確に把握することができるよう,日本国内における連絡先を登記事項とすることが検討されております。
引き続き,経済安全保障の観点も含む国際的な視点をもって各種の施策を進めてまいりたいと思います。