おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

弱い者 弱くない者

2010-11-09 | ■ 業 務 エ ッ セ イ


硬い話を少々

会社がお金を借りながら なんとか続いていたが
どうにもこうにもならなくなって 破産し
手続が終了する
と 
原則として
法人格がなくなる(手続を終え 会社の寿命を終える)

そのような流れで 親分の債務が消えるのだから
子分?の保証人の債務だって 消えて当然
とも思えるが 
そうすると 保証という制度を認めた仕組に反するとして
保証債務は残り 親分と一緒に消えるというわけにはいかない
というのが判例です

じゃ 親分の債務の消滅時効を利用して
連帯保証債務の消滅を主張する ということは
どうなのか?

ここでの最高裁の意見
わかったような わからないような 名文句というより迷文句
(私にはそう思える)
[・・・もはや存在しない借金について 時効によって消えて
なくなったということを想定すること自体 オカシイ
つまり そもそも そのような形での消滅を考える余地は無い・・・]
もともと無くなっているものについて それが消えてなくなる
ということ自体を考えるのは オカシイ
そのようなオカシイ状態を利用することなどを
想定すること自体
オカシイ
ということかな?

破産終結決定がされて消滅した会社を主債務者とする保証人は 主債務についての消滅時効が会社の法人格の消滅後に完成したことを主張して時効の援用をすることはできない

のだそうです



それをいうなら 
もともとのものがなくなったのだから
子分のだけ残るのはすこしおかしい
親分の借金の決着はどのような形であれ一応つける
というか つけた形にしてしまう
が 
子分のそれは 別な世界の手続で最後までつきあわさせる
という 大元の考えが すこし変?なのでは・・・



連帯債務
ではなく
連帯保証
なのだから 仕方がない のだ
ということが 基本大前提 なのかな?


どうも スッキリしない


ということで 保証人になることを容易に決心しないように
書面によることをせめてもの要件にしたのでしょう ね
(民法446条)



もっとも 債務者は弱者 債権者は強者
と アッサりとは区分けできないのが 世の常
心やさしい誠実な債権者さんも 
世の中にたくさんいるように
悪賢い債務者さんも 当然のごとく? おられることも確か
です ね

とにかく そのような 
悩みぬかざるを得ないような相談の多いこと
今の世の険しさを象徴するような事例が多すぎます




頭がボーッとしているときに眺める晩秋の星座
特に オリオン座は
なんともいえないほどの私の気分回復特効薬です



(本日の記事は もちろん 訴訟状態以前の 権利義務事実証明文書作成に関する相談での話題に関してのことです)
※厳密な法律要件にはこだわっていない記述です
 どうぞ ご容赦を