おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

利益相反

2024-06-24 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》
 
事務所にある寒暖計の赤いメモリが グングン伸びてきました
みなさんのところは 30度 超えていますか ?
 
 
 

マンション管理業者による外部管理者方式(管理業者管理者方式)の適正な運営を担保することなどを目的
として  「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」 が示されています

 前者は 相当な分量で示されているので 一読するのも タイヘン ですね

    ※  ホボ一読して の 感想ですが 区分所有法関係において 特に思うことは
      〔監事〕の 権限 における 他の法規とは異なる?であろう 独特さみたいなもの
       が マンション関係法規類立案者さんにはあるのではないかな ? 
       ということ ですね
                                 (あくまで自身の思い)

以前よりも 【マンション管理士の活用】 についても配慮してくださっているように思われ
個人的には チョット うれしかった(活用していただけるなら つまるところは管理組合さんに
とっても好いことでは と 思われるので・・・)
            このガイドライン どのように 巷に沁みていくことでしょうか ?

 

 
 
 
 
さて 
・・以下のような 組合員さんの声のこと・・

 
『管理会社が その系列の会社に 大規模修繕工事をさせるのは慎重にせねば と おお
よその管理組合員は考えてはいるだろう と 思うのですが・・・・うちの管理規約から
すると 
どのような流れを経るべきなのでしょうか・・・利益相反といっても 実際のところはハ
ッキリとは理解できていなくて そのあたりの扱いのことは総会が登場しなければならな
いのですか・・・理事会が担当し責任をもつべきことなの ですか ?

区分所有法や標準管理規約とかでは どのような規準になっているのですか ?
今までの仕組みで行われてきたことにも いろいろ疑問点があったのですが 修繕委員会と
いうのは いわゆる執行部の一部なのですか それとも 単に役員からの諮問に答えるとい
う役目の地位のものなのですか・・・

うちの組合のたぶん3割ほどの者が 管理運営などソモソモ素人集団には手ごわすぎること
なのだから『そろそろ 管理会社そのものを管理者に』 などということも考えているよう
ですが・・・そうなると 大規模修繕に管理組合員は参与できるのか?・・・というか 意
見を言うことさえもできなくなる ということなのでしょうか ?

管理者である管理会社そのものが大規模修繕工事担当会社をも兼ねる などとなる と 利
益相反とやらの最たる場面ではないのか と 思えてしまうのですが・・・どうなのでしょ
う ?
組合員自身が より自立してイロイロ学んでいかないと 管理運営についていけないどころ
か なにが問題なのかさえ掴めないまま流されていきそうで・・・
             これからの我らのマンション管理運営 トテモ 不安です 』
 

 
 
 
 
《利益相反関係のことを学ぶ折に参考となるであろう規準です》

 
平成十八年法律第四十八号
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律  〈一般法人法〉
(競業及び利益相反取引の制限)
第八十四条 理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、
その承認を受けなければならない。
一 理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
二 理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。
三 一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該
理事との利益が相反する取引をしようとするとき。
2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。



 
平成十七年法律第八十六号
会社法
(競業及び利益相反取引の制限)
第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示
し、その承認を受けなければならない。
一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役
との利益が相反する取引をしようとするとき。
2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。
          
        ※ 会社法での一般的な解釈では、利益相反取引について、取締役がみずから会社を代表
          するときはもちろん、他の取締役が会社を代表するときであっても、会社の利益を害
          するおそれがあり、取締役会の事前の承認が必要(取締役会が無い場合は株主総会の
          承認)となり、承認を受けた場合は、民法108条の適用は不要で、その取締役が同
          時に会社を代表することも認められる、とされているといえるでしょう。 
 
 
 
昭和三十七年法律第六十九号
建物の区分所有等に関する法律〈区分所有法〉
(監事の代表権)
第五十一条 管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。

              ※ いわゆる一般的な基本書において述べられていることですが、
                この条での理事とは、代表権を有する理事をいうので、代表権のない
                理事と管理組合法人とが取引する場合には、監事が法人を代表するわ
                けではない(代表権のある理事が法人を代表する)。
             
                この条には、「相反する事項について〇〇機関等での承認が必要とな
                る」というような文言は登場していない。               
                
                
 
 
標準管理規約 【単棟型 の場合】
利益相反取引の防止)
第37条の2
役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受け
なければならない。
一 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとする
とき。
 
     コメント
      第37条の2関係
        役員は、マンションの資産価値の保全に努めなければならず、管理組合
        の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図ることがあってはならない。
        とりわけ、外部の専門家の役員就任を可能とする選択肢を設けたことに伴
        い、このようなおそれのある取引に対する規制の必要性が高くなっている。
        そこで、役員が、利益相反取引(直接取引又は間接取引)を行おうとする
        場合には、理事会で当該取引につき重要な事実を開示し、承認を受けなけ
        ればならないことを定めるものである。
        なお、同様の趣旨により、理事会の決議に特別の利害関係を有する理事
        は、その議決に加わることができない旨を規定する(第53条第3項)とと
        もに、管理組合と理事長との利益が相反する事項については、監事又は当
        該理事以外の理事が管理組合を代表する旨を規定する(第38条第6項)こ
        ととしている。
             ※ (直接取引又は間接取引)という表記が登場していますが
               前者は 自己または第三者のために管理組合と取引する場合
               後者は 直接取引ではなくとも 管理組合が役員の債務につ
               き役員の債権者に対して保証をする場合など と解されます
 
(理事長)
第38条 
6 管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。
この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する。
 
 
       団地型
       (利益相反取引の防止)
       第39条の2
       (理事長)
       第40条
   
     
       複合用途型
      (利益相反取引の防止)
       第41条の2
      (理事長)
       第42条 
 


 

 相反取引関係法規 とはいっても 分野によって 解釈が 微妙に(それ以上に かな?)差異が
 あるようで ナカナカ 鋭い質問には 調べものが絶えません(自身の学びの足りなさを痛感させ
 られ 悔しい ほどです)
 



                             
                         よろしくお願いいたします