おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

択一 ということ? と ある回想 

2021-09-05 | マンション管理関連試験等サポート   

 

サマザマな管理相談を受けたり 出題問題の理解のお手伝いをさせていただい

たりしていると その案件に関した 自身の実務上の経験上のことの回想を

知らず知らずのうちにしていることがあったりします

 

 

次のようなが マンション管理士試験に登場したことがあります

区分所有法・民法によれば と 正誤を問われたのでした

 

〔管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告を

 する必要があるとともに、個々の区分所有者の請求がある場合にも、これに

 応じることができない正当な理由がない限り、報告をする必要がある。〕

 

区分所有法28条 と 民法645条を想起した受験者の方は 迷った方も多いの

では ?

と思われました

 

・・・・・・・・・・・・・

区分所有法 (事務の報告)
第四十三条 
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしな
ければならない。
・・・・・・・・・・・・・

シンプルに 集会において を頼りに 答えてしまってよかった ?

のかどうかも ナンダカ 心配だし というような・・・

ワザワザ 区分所有法・民法によれば とことわりが添えられているのだから・・・

と考え込んでしまったり・・・

 

民法と区分所有法によれば としてあるので 判例によれば という案内は

ないのですが

<個々の区分所有者から請求があっただけでは、報告義務は発生しない>
という判例があります (東京地判平成13・10・19  同 4・5・22)

自身の基本書には そのことが記載されていました

 

民法645条を想起したとして いつでも 報告 とはいっても ポイントは

委任者ということの捉え方が肝心と思える

そうすると 管理者は個々の区分所有者との関係での受任者ではなく 区分所有者

全員との関係においてのその地位なのだから

・・・ 個々の区分所有者の請求がある場合にも、これに応じることができない正
当な理由がない限り、報告をする必要がある・・・
とはいえないのでは

と考えて 誤り とする

 


 
区分所有法 (事務の報告)
第四十三条 
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしな
ければならない。
 
 
(委任の規定の準用)
第二十八条 
この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。
 
 
民 法 (受任者による報告)
第六百四十五条 
受任者は、委任者の請求があるときはいつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が
終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

 

以前にも 述べたことがあるのですが 

某管理組合の顧問としての自身に 某クレーマー(顧問就任時には 既にこのように断定さ

れていた方でした・・・そのように判断されるのもいたしかたないという方でした)さんか

ら電話が 突然 自宅にきたことがあり 

『顧問なのだから 私の直言を聞くことも役目でしょ』というようなマクシタテの機関銃を

向けられた(会話をすることをいたずらに避けようとは考えていなかったのだが 一方的に

発言が続くので 意思交通するということが不可能情況だった)

<法人の> とは表記できない組織なので 法には <区分所有者の> というような文言

が登場することが多いけれど <各区分所有者の>と捉えては不都合な理解になってしまう

ので そのような<区分所有者の>というような文言が使われている というあたりを説明

しようとも思っていたのだが・・・

そのときに 『私だって区分所有者なんだから私自身の顧問でもあるわけでしょ』 という

言葉も出てきたので 顧問契約の相手方 つまり 委任者は 区分所有者全体としての組織で 

その管理運営の相談相手ということなので その執行をする理事会というものに係らして

いただくことがホトンドの実務となっている ということだけは説明した(理解してくれたの

かどうかは定かでないが その後自宅へのマクシタテ電話直通便は なくなった)

なぜなのか ? その後 ナントナク 比較的 静かな 管理組合運営を続けることができて

いたりした

そのことを この過去問の 個々の区分所有者の請求がある場合 という文言から回想したり

したのだった

 

 

 

もう少し 時間がとれそうなので

話はかわって・・・以前にも いくどか述べていることに関してですが

本番では 択一式なので 他との比較考量でナントカ収めるという手法が

採れますが 相談を受けてひとつの肢だけを示されて答えを出す場合は より

キツイと思ってしまうことが 自身には多いです

ということで 『一問一答』式をとりいれている問題集による学習を より

おすすめすることが多いです(お手持ちの問題集を そのような形で用いれば

よいということで 新規購入などは不要ですが)

 

過去問においての 4者択一で 他と比べて あまりに易しすぎるものに答えが

集中し 他の肢には 実は とても考えさせられる良問が含まれているのを知ると

一問一答式なら そうとう手こずったろうな と 自身何度も苦笑いしたことが

多くあります

 

例として

次の肢は 適切 か 不適切か ?

〔共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)に関する事項を議
題とする集会において、規約で定めた集会の定足数を満たせずに流会となった
場合は、管理者が決することができる旨の規約の定めは無効である。〕

 

共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)は集会の決議で決する
                             (区 18①)
けれど 規約で別段の定めをすることができる(同条②)ので この肢のよう
な規約の定めも有効といえるのであり 不適切 となる


                          条文に省略部アリ
(共用部分の変更)
第十七条 
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、
区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。
ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
 
(共用部分の管理)
第十八条 
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。
ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない

 
 
上の肢は 次の問題に登場の肢でした

2015年度 マンション管理士試験

〔問 25〕
集会に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、適切

なものはどれか。

1 集会を開催したところ議長の他に出席者が1人しかいない場合でも、委任状
及び議決権行使書の数が規約で定めた定足数に達していれば集会は成立するし、
議案を決議することもできる。

2 集会に欠席のつもりで委任状を提出していた区分所有者が予定を変更して途
中から集会に出席し、残りの議案について自ら議決権を行使しようとするとき
は、受任者の同意を得なければならない。

3 共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)に関する事項を議
題とする集会において、規約で定めた集会の定足数を満たせずに流会となった
場合は、管理者が決することができる旨の規約の定めは無効である。

4 継続して3年間、集会に出席せず委任状も議決権行使書も提出しない区分所
有者は、その意思決定を管理者に委ねたものとみなす旨の規約の定めは有効で
ある。

 

2は 委任は いつでも単独で 解除でき 相手の同意不要(民651)

4は 区分所有者は 議決権を行使しない自由をも有している

 が おそらく受験者の過半数がシメタ と思った肢で これが適切と判断

できたであろうと考えられるので 問題としては正解率が高かったのではと思

われますが 一問一答式なら どうでしょうか

それなりにエネルギーを費やすことでは ?

 

あたりまえのことをあえて述べさせていただきますが その肢は タマタマ

他の三個の肢とともに そこに登場した ということで その肢 あるいは

その肢関連の問題文は どのような他の肢を連れて出題がなされるのかは

そのとき次第(比較考量で コレだ とはいかない場合も モチロン ある)

この問題にしても 肢1のみ読んでアッサリ回答できて 他の肢の存在に

ついては眺めもしないで済ませている方も もしかするといたりするのだろうか ?

なので 問題練習の時は 一問一答式で問われているという意識で向かい合う

のが学習効率のためには好いのでは と 自身は考えています

(いつもながら 余計なお世話かもしれないようなことで ゴメンナサイ)

 

 はたけやまとくお事 務 所

          


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