いくつになっても、東京ディズニーランドのゲートをくぐる時のドキドキ感は、格別なものがあります。
ウォルト・ディズニーの夢をカタチにした「作り物」の世界にも関わらず、
そこは大人も騙される?完全な非日常空間があるのです。
3.11、東京ディズニーランドでは、キャストの見事なまでの動きで、ゲスト(来場客)の避難誘導を展開。
集団パニックやけが人もなく、ゲストの安全を守りぬきました。
今なお大きなダメージがある浦安地区の惨状を巻き起こした巨大地震の中、東京ディズニーランドも被災。
ニュースでも駐車場をはじめとする液状化による被害をもたらしました。
この困難の中、冷静かつ的確な判断、行動をした東京ディズニーランドのマネジャー、社員、キャストは本当に素晴らしい仕事をされたと思います。
新たなレジェンド(伝説)です。
また、待ちわびているファンのために、早期の復興をとげ開園したスピード感もスゴイと思います。
かって、
ディズニーランドで提供されるサービス・ホスピタリティは、すべてマニュアルで行われているという事がまことしやかに語られていました。
しかしながら、
今回の震災対応の見事さは、日頃の訓練や教育だけでなく、キャスト一人ひとりの使命感や役割認識に根差したマインド部分が大きいと思います。
マニュアルだけでは、決してあれほどの対応ができるとは考えられないからです。
マニュアルをマスターし、日々の仕事をキチンと回す・・・しかしながら、顧客に向いた臨時対応を現場判断で進める・・・。
そこには、ディズニーの理想やビジョンに共感した従業員の役割意識があると思います。
ディズニーランドには、多くのサービス伝説があります。
わたしが感動したのは、有名な「お子様ランチ」事件です。
東京ディズニーランドのレストランに夫婦二人が入店。
それぞれのオーダーの後、お子様ランチをオーダー。
ウエイトレスは、「大人には、お子様ランチをお出しできない」と一度は断るものの、その夫婦の悲しそうな姿に疑問に思い、マネジャーへ相談。
ルールを破り、お子様ランチを提供することにしたのです。
すると、その夫婦は涙を浮かべながら喜んだのです。
その夫婦は、子供を亡くし、その魂とともにディズニーランドをおとずれていたということです。
ウエイトレスは、子供用の椅子を、その夫婦のいるテーブルにさりげなく持って行きました・・・。
真偽のほどはともかく、ディズニーワールドではあり得る話だと思います。
一人のウエイトレスさんの対応は、その夫婦をディズニー教の絶対的な信者に変身させたのです。
顧客接点、真実の瞬間という応用問題を、その場の空気を読みながら、お客様に即興の対応をする。
それが、サービス伝説を作るのです。
米国の百貨店グルーミングデールや世界トップレベルのホテルリッツ・カールトン・・・。
理念・ビジョンと現場力が、今日も伝説、レジェンドを産み出しています。