「ノリの法則」
遠藤功著
日経プレミアム新書
早大教授でローランドベルガー会長の新著「ノリの法則」。
ノリとは、勢い、流れ、乗りがいい状態。英語で言うとswingということです。
日本の企業や組織に元気や活力がないのは、ノリがないから・・・閉塞感のある職場、無機質な人間関係、コンプラや個人情報保護などの縛り・・・どんどん組織の活力が失われていきます。
わたくし自身も、組織のノリは確かにあると思います。
一人ひとりの個人にとってもノリは重要です。
しかしながら、最近なぜかノらないように、やる気を出させないように、企業内の施策や方針が日々打ち出されています。
中国企業や韓国企業に見られるイケイケドンドンの勢いやノリが見られなくなっているのです。
遠藤氏は六つのノリを産み出す法則を打ち出しています。
何といっても、まずは「動き」「行動」。
経営者は、しっかりとホラを吹き、社員はノリで神輿を担ぐ・・・。
本田宗一郎が浜松の町工場経営者の時にミカン箱の上に立って打ち出した世界最高峰のオートバイレース・マン島TTレースへの参戦。
それが、結果的には現在のへ本田技研工業を産み出しました。
今まで理詰めで経営を語っていた遠藤氏が語る「ノリ」というインタンジブル論だけに、その訴求力は高いと思います。
ダンジリ祭りのような盛り上がり、あるいは花見や祭りの大好きな日本人・・・「ノリ」は大事な経営資源だと思いました。
理詰で経営出来ると考えている方、MBAかぶれ、分析思考の方に、是非とも一読いただきたい一冊です。