「大前研一と考える 営業学営業こそプロフェッショナルを目指せ」
大前研一他著
ダイヤモンド社 1575円
大前さんの新刊本。
しかもテーマは、営業。
この売れない時代、営業はプロフェッショナルを目指すことを強調されています。
本社の参謀本部にいるようなアカデミック・スマートではなく、現場で戦うストリートスマートを目指すこと。
そのためには、アカデミック・スマートの持つ「マーケティングリテラシー」と「ロジカルコミュニケーション力」を身につけなければならないと指摘します。
アカデミックスマートの彼彼女らとの意思疎通が出来ず仕事が前に進まないと・・・。
この本は、気合いと根性を中心に進めてきた日本の営業に、スマートさを付加すれば、組織も個人も大きく変わる可能性があることを訴えます。
大前さんの言われるポイントは、次のとおりです。
営業は、顧客のエージェントであるべき
クライアントの利益を最優先に考える
押さえるべきは、自社商品情報・競合情報・顧客ニーズ
営業部門は、従来ライン部門の中でも声の大きな大部長やベテラン課長がいて、生産部門や人事部門などに圧力をかける、あるいは全社方針を営業現場のロジックから曲げるといった部署でした。
著者の言うとおり、「組織の抵抗勢力」だったのです。
かっては、文句も言うけど、稼いでくる・・・といったコインの表裏でしたが、売れない時代の営業部門は、アカデミックスマートとともに全社的な視点で仕事を進めていく必要があるように思えます。
同書は、このほかビジネスブレークスルー大学の先生4名も各論部分を書かれています。
ただ、3.11以降に大きなインパクトを受けた「日本の営業」「日本のマーケティング」という観点からすると少し物足りない感じがします。
自粛ムード、消費控え、ソーシャル価値重視、節電など、この世は従来のデフレ消費の時代から大きく潮目が変わっているのです。
この中でどう売っていくのか?どうすれば売れるのか?
アフター3.11、新たな営業コンセプト、新たなマーケティングコンセプトが求められていると思います。