久々に元気の出る本に出会いました。
「日本企業に いま大切なこと」
PHP新書 野中郁次郎・遠藤功著 720円(税別)
帯にある「アメリカ型は、もう古い」。
そうです。
日本型経営の良き時代を復活させ、日本経済を活性化しようという趣旨です。
現場基点の日本型経営の強みが1990年代から除々にフェードアウトし、グローバルスタンダード、アメリカンスタンダードの御旗のもと、仕事のやり方が変えられて行きました。
経営と執行の分離、短期的な業績・成果の尊重、メール主体のコミュニケーション、セクハラパワハラ防止活動、残業禁止、定年延長などなど、日本の会社組織は帰られていくことになりました。
社内では、何の付加価値も産み出さない本社部門、管理間接部門のスタッフが跋扈し、現場の権限は縮小、稟議や申請の増大、個人情報保護やセクハラパワハラ防止の研修や規定類の増大など、現場力をそぐ動きを続けてきました。
そして、現在では、活気・生気のない職場、やる気のない社員、責任回避の管理監督者、低い水準のROI、ROE、カタチだけの中期ビジョンや人を魅了しない経営計画・・・。日本の企業もかってのパワーを失いつつあります。
そういった中で出された本書。
ナレッジマネジメントの野中先生と「見える化」の遠藤先生。
この本の中で吠えまくります。
かっては、欧米流を流布された先生方が180度転換して、日本の古き良き日本型マネジメントの復古を呼びかけられています。
遠藤先生の「エコノミック・アニマルになれ!」には、思わず苦笑してしまいました。
よくよく考えてみると、日本企業では、米国MBAホルダーが評価され、登用されることが少なかったように思えます。
結果論的にも、その行動は正しく、日本型マネジメントが生きていた証拠のようにも思えます。
本書でも、経営はサイエンスではなくアートの側面大と指摘しています。
お隣の中国や韓国、台湾でのMBA重視も、あと5年後どのような結果を出すのか興味深いところです。
今日の日経朝刊にも、サムソンやLGで液晶パネルの国際価格低下により、幹部のリストラ、開発予算の削減等を行っているという報道がありました。
東北復興、日本経済活性化のためにも、日本型マネジメント復活を呼び掛けます。
ビジネスバースン、経営者必読の一冊です。