メンタル不調をきたす人たちがふえています。
経済停滞による仕事量の減少、成果主義の導入、内部統制による労働者の委縮、雇用不安、家庭事情の多様化などなど働く人の置かれている環境は厳しさを増しています。
パソコンもケータイもなかった20年前。
ホワイトカラーと呼ばれた人たちの仕事は実に悠長でした。
手書きの書類、場合によってはタイピストによる清書、稟議と根回しによる仕事の進め方、声の大きな役付者が勝つマネジメント・・・。
年功序列、終身雇用・・・。
体育会的に先輩後輩関係を維持すれば30歳係長、40歳で課長、50歳で部長というモデルどおりの昇進をとげることが出来たのです。
それはそれで宮仕えの厳しさはありましたが、予定調和的な状況の中、ゆっくりじっくり仕事をすることが出来たといえます。
古き良き昭和の時代があったのです。
グローバルスタンダード、アメリカンスタンダードの名のもと取り入れられたITC、内部統制、経営と執行の分離、クォーターごとの決算、コンプライアンス、CSR、内部統制・・・。
このあたりから、社内の風土が相当程度変わってきました。
自分の職務範囲のことしかやらない、縮み志向、同僚が困っていても助けられない、パワハラ、すべては他責、自分のキャリアだけ充実すればいい、最低限のコミュニケーション、前にいる人にもメールで連絡・・・。
何かが間違っているような気がします。
メンタル不調をきたす人が増加し、自殺者が減らないことも当然だと思います。
私の友人にもメンタル面で苦しむ友人がいますが、本当に辛そうです。
朝会社に行けない、通勤途上で引き返す、職場にいると頭痛、めまい等の身体的ダメージをきたす・・・。
適確な治療と十分な休養しか対策がないとのことです。
教科書的には、セルフケア、ラインケア等の対策が必要だと言いますが、「おいおい、また中間管理職かよ」という感じです。
米国じこみの事案が出てくると、必ず部長や課長を集めての研修が始まります。
内部統制、コンプライアンス、セクハラ防止、パワハラ防止、メンタルヘルス研修、ITC研修・・・。ミドルのメンタルヘルス対策はどうしてくれるんだ!?というところです。
一部の論調には、ゆとり世代の若者が精神的に弱いだとか、米国の陰謀(笑)だとか・・・様々な原因をあげていますが、「昭和のビジネスパースン」として、何らかの方向性を模索したいと考えています。
その一つが、ニンベンの付いた効率、「能率」の思想・手段を復活させること。
心の通い合った活き活きとした職場や組織を再び日本に復活させることを目指したいと考えています。
なでしこJAPANのように、温かく見守る佐々木監督、私の背中を見ろというベテランの澤選手、次々と登場する日替わりヒロイン、目覚ましい成長を遂げる若手選手・・・。
それは、まさに昭和の時代、元気のいい日本株式会社の姿だと思います。
メンタルヘルスという言葉自体が、メンタル不調を作っているという側面もあると思います。
何でもアメリカ、なんでも国際基準・・・という視点から脱却すること、日本にあったものに修正していく、そういうマネジメントが求められていると思います。