「日本言論知図」
萱野稔人著 東京書籍 1470円
15分野151のテーマについて、それぞれ見開き2ページで解説した現代日本の文化の一覧表ともいえる一冊。
著者は、新進気鋭の若手哲学者(1970年生)、現在、津田塾大学准教授。
日本経済の再生のためには「知を活かす知の実践性」、言論のオープンネス、言葉を通じた思考の深化など、「言論」の重要性を中心に据えて論を進めます。
同書では、政治・経済・社会に留まらず、サブカルチャーや芸能、アートまでを幅広く取り上げています。
お笑い芸人のキャリア分布図、芸能プロダクション勢力図など、今までの哲学カテゴリーからすると???の部分の多々あります。
が、それが、新しい日本哲学の一ジャンルになる可能性もあります。
また、田原総一朗氏や上野千鶴子氏との対談もあり、若き哲学者との言論バトルが楽しめます。
哲学というジャンルが、クラシックになり、過去形となっている今、新しい「哲学する心」を刺激してくれる1冊ということができると思います。