「IT断食」のすすめ
遠藤功他著
日経プレミア新書 893円 日経新聞社
パソコンがビジネスに導入されて15年。
業務改善や経営革新といったバラ色のオフィスシーンが取りざたされていましたが、その功罪も明らかになってきました。
というより、「何か変!?」がフツーの状態になってきた感じがします。
コピペの企画書、綺麗なだけのパワポ、わけのわからない図解、校正ミスのマヌケな文書などなど・・・。
もうたくさんといった感じです。
それよりも重大なのが、コミュニケーションの希薄な職場、それこそ不機嫌な職場が多々見られます。
どうして、日本の職場はこうなってしまったのだろうと日々思う頃ごろです。
同書では、ITの世界にどっぷりつかり、表面的、形式的、コピペ文化的なIT仕事に対して警鐘を鳴らします。
少し前までであれば、パソコンの前に座っているだけで仕事をしているように見えましたが、今や業績主義人事、成果主義人事の時代。
アウトプットがなければ明日はありません。
同書の提言するITから少し離れてみる、いや強制的に離れる時間を作ることにより、ワイガヤやオフサイトミーティングが職場のアチコチで見られるようになると思います。
日本の強い職場、強い課長の持っていたポテンシャルを引き出すスキルの復活のためには、もう一度IT再考があっていいと思います。
職場で目の前にいる部下や同僚にメールを出し始めた段階で、もう「終わっている」と思います。