「100社の成功法則 失われた20年の勝ち組企業 X経営の時代」
名和高司著 PHP研究所刊 2000円+税
著者の名和さんは、マッセンギー出身で、現在一橋大学大学院教授。
同書では、定性的な分析から100社の「勝ち組企業」をランキングしています。
トム・ピーターズさんの「エクセレントカンパニー」の逸話のように、この100社も5年後には半分くらいは入れ替わっているかもしれません。
名和さんは、経営モデルとして、4つのタイプに分類されています。
タイプJ・・・オペレーションに磨きをかけ続けるモデル
タイプW・・・オペレーション力+トップの経営変革力
タイプX・・・オペレーション力+事業モデル構築力+市場開拓力
タイプZ・・・オペレーション力+事業モデル構築力+市場開拓力+経営変革力
ベースは、すべてオペレーション力が組み込まれています。
が、この現場力ともいえる組織力は、ニッポンの会社の得意技。
イノベーションや事業モデル構築力、経営変革力とは対極的な位置づけにあるように思えるオペレーション力。
このオペレーション力を土台とした経営こそがニッポンの企業の行き残りに不可欠なようにも思えます。
ケースとして、ユニ・チャーム、花王、ダイキン、日東電工、キリン、リクルート、シマノ、デンソー、キーエンス、ユニクロなどの事例が解説されており、読みものとしてもなかなか面白い一冊です。
「勝ち組100社リスト」からトップ10
1.日本電産
2.エアウォーター
3.イビデン
4.キーエンス
5.テルモ
6.ユニ・チャーム
7.三菱リース
8.中外製薬
9.東京エレクトロン
10.HOYA ・・・
なかなかユニークな企業群がリストアップされています。
このリストに残ることは、なかなか大変。
次の10年、勝ち組企業で居続けるためには、地道かつ大胆な経営力が求められると思います。