夕暮れ時の時間が好きです。
仕事を終えての充実感とほどよい疲れ・・・。
黄昏時に歩く帰り道・・・。
世界的にコロナで大変な日常です。
立春!
コロナに負けないように、がんばっていきましょう!
あと少し!
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黄昏時に歩く帰り道・・・。
コロナに負けないように、がんばっていきましょう!
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いつもと、ちょっと違う分野の本を読んでみました。
著者は、大日本帝国陸軍のエリート軍人、石原莞爾。
太平洋戦争の始まる昭和15年の講演を速記したものをベースとして書籍化したものです。
石原莞爾は、山梨県の出身。
陸軍幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学で軍事を学んだスーパーエリート。
ドイツへの留学経験もあり、関東軍参謀、226事件の鎮圧など帝国陸軍の中枢で活躍した軍人です。
ただ、不思議なことに戦後の東京裁判では戦犯とはなりませんでした。
人間違い説もあるようですが、東条英機と犬猿の仲ということも大きかったのではないかと思われます。
最終戦争論
石原莞爾著 中公文庫 552円+税
「最終戦争」とは、世界統一に向けた最終決戦のこと。
「武力の価値がほかの手段に比べて高いほど戦争は男性的で力強く、太く、短くなる・・・言い換えれば陽性の戦争・・・これを私は決戦戦争と命名しています」
「武力以外の手段、即ち政治的手段によって、戦争は細く長く、女性的に、即ち陰性の戦争になる。これを持久戦争と言います」
クラウゼヴィッツの「戦争論」ほどアカデミックではありませんが、現役の軍人としては、精神論ではない、客観的な姿勢が読み取れます。
目次
第1章 戦争史の大観 古代、中世、文芸復興、フランス革命、第一・二次欧州大戦
第2章 最終戦争
第3章 世界の統一
第4章 昭和維新
第5章 仏教の予言
同書のクライマックスは、66ページの「付表 戦争進化景況一覧表」。
戦争の性質や兵制、戦闘や政治史などのマトリックス表を作っています。
持久戦争から決戦戦争へ、全男子国民皆兵から全国民へ、戦闘は分隊レベルから個人レベルへ、政治的には国家連合から世界統一へ進んでいくと書かれています。
そして、20年前後で最終戦争になるという表記・・・恐るべし、です。
帝国陸軍の中で、東条英機と対立していた石原莞爾。
少しリベラル、コスモポリタン的な匂いがするのですが、それでも戦争は避けることができませんでした。
工業力が10倍以上ある米国や英国に戦争を仕掛ける・・・。
無謀というか、まるで大人と子どものケンカです。
それにより、310万人の日本人の命が奪われました。
そのうち260万人が国外で失われたと言われています。
実戦の中で死亡する兵隊よりも、飢餓や輸送船の撃沈で亡くなった兵隊の方が多かったとのこと。
戦線が拡大・・・ロジスティクス、物流が全く整っていなかったことが主因です。
なぜ、そんな無謀な戦争を回避することができなかったのでしょうか?
石原莞爾は、帝国陸軍の中でも世界情勢や欧米の事情に精通していた軍人。
東条英機と対立し左遷されたりもしたようです。
正気の沙汰ともいえない戦争は、一人のエリート軍人の存在だけでは止められなかったということなのでしょうか。
産業人だった永野護が書いた「敗戦真相記」も興味深い名著です。
レーダーと原爆・・・「科学なきものの最後」精神力だけでテクノロジーに対抗した大日本帝国を厳しく問いただします。
同書の帯では「予告されていた平成日本の没落」というコピーも見えます。
永野護は70年前に指摘しています。
「軍閥は解体したが、官僚は残った」
「責任回避術こそ唯一の優れた才能」
「官僚の特権打破へ官民交流、責任徹底、公選制を」
「小手先の器用な人間をつくるより信用できる人間を育てる教育を」
責任回避は、平成の敗戦を経ても、まだまだ続いています。
我が国の恐怖の無責任体制・・・この国を復興、復活させるためには、責任と権限を明確にしていくPDCAを回していくマネジメントしかないと思います。