能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

ジェンダーハラスメントとエイジハラスメント・・・森喜朗JOC会長のトンデモ発言と世論の反撃とその裏側

2021年02月07日 | マネジメント

森喜朗JOC会長の今回の発言には、心底、がっかりしました。

Twitter上では、欧州の大使館を中心に「#黙ってないで」が燃え上がっています。

さらには、聖火リレーのタレントが辞退したり、東京オリパラのボランティアスタッフが辞退したりと様々な波紋を起こしています。

男女平等やジェンダーを考えない、女性蔑視的な発言をした森さん・・・。

総理大臣まで務めた方ですので、そんな滅茶苦茶な人だとは思いませんが、世間の常識、良識を無視した発言は組織のリーダーとしては失格だと思います。

 

自分を含む「おっさん」は、エラソーに、表面上は分かったつもり、知ってるつもりで、話したり、行動したりしています。

何か事件があると、「悪気はなかった」という言い訳をしがちです。

森さんも、たぶんアンコンシャス・バイアス・・・無意識の偏見という範疇からの発言だと思います。

でも、今では、それが許されない時代になりました。

ニッポンの「おっさん」諸君!今回の事件を契機に、共に襟を正しましょう!

そのためには、ジェンダー論やLGBTQ、障がい者やハラスメントの正しい知識を習得していくことが必須になります。

スマホで厚労省のHPをチェックすれば、一般レベル以上の基本知識をマスターすることが出来ます。

 

特に、組織のマネジメントに携わる管理監督者や経営者は、部下のメンタメヘルス、ジェンダー、LGBTQ、障がい者、パワハラ、セクハラ、モラハラ防止などをマネジメント知識が必須となります。

 

もし、自分の職場にLGBTQの社員が配属されたら、どう対応するのか?

「差別」はもってのほか、仕事を中心に置いて各種の「配慮」していかなければなりません。

会社、職場、社員のコミュニケーションを風通しの良いものにし、相談窓口の設置や1on1ミーティング、スキル開発のためのOJT、ゴールを明示するMBO(目標による管理)やOKRなど、特別扱いではない「配慮」義務があります。

今回の森さんの発言には驚きましたが、もう一つ驚いたのが、「年齢」への差別。

エイジハラスメントです。

「老害」「昭和の爺さん」「認知症」と言った指摘が多数派で、ちょっと驚いた次第です。

一度ステレオタイプが定まると、みんな同じ方向、同じ意見・・・世論は怖いです。

若い人もお年寄りに対しても、年齢差別があっては決していけません。

 

83歳の老人の発言への断罪的な否定な意見に、エイジハラスメントを感じたのは小職だけでしょうか?

世界的には、年齢による差別を禁止するというのがスタンダード。

どんな意地悪なお爺さんさんでも、お婆さんでも、「年齢」で差別してはいけません。

こちらも気を付けないといけないと思った次第です。

 

それにしても、いろいろなことに気遣っていかなければならない大変な時代になりました。

SDGs的に、みんなが幸せになるために、誰も置いて行かない世界を創るためには、ひとり一人の日々の努力が必要だと思った日曜日の午後です。


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パルコ、月1出社で30万~50万円・・・プロ人材の時代が到来 高度な専門性とスキルで「自由」を手に入れる

2021年02月07日 | 本と雑誌

日経ビジネス2021.2.8号の記事「パルコ、月1出社で30万~50万円」。

面白く読むことが出来ました。

パルコなど50社以上の企業で、期間限定で「プロ人材」を雇い入れる採用ポストを公表したという記事。

PARCOの「プロ人材」募集内容

・業務内容・・・新規事業(ヘルスケア)のマーケティング戦略立案

・契約期間・・・3~6か月

・月額報酬・・・30万~50万円

・労働条件・・・ミーティングはオフィスで月1回、その他はリモート

 

報酬は少なめですが、自由度が高く、なかなか魅力的な労働条件です。

テレワーク中心ですので、ワーケーションで、ソヒ南の島で働くことも出来ます。

 

この企画を立ち上げたのは、人材仲介サービス「CARRY ME」を展開するPiece to Piece社(東京・芝)。

今までありそうでなかったスキマの人材サービス・・・お見事です。

同社では、プロ人材のことを「専門知識やスキルを持ち、複数の企業と業務委託契約で働き、成果や業務にコミットいる即戦力人材」と定義しています。

 

パルコ以外にも、様々な企業がプロ人材を募集しているとのこと。

・パーソルテンプスタッフ→データサイエンティスト 40~80万円

・有隣堂→ウェブマーケティング戦略家 30万円~50万円

・ライザップ→BPR担当者 50万円~

・ユーキャン→社内情報システム運用者 30万円

・47HD→グラフィックデザイナー 30万円

「プロ人材」は、高度な専門性、スキルを武器にして、数社から受託して報酬を受け取るという働き方をしていきます。

今までのように終身雇用、年功序列、一社イノチという「社畜」的な働き方とは真逆です。

忠誠心とか、愛社精神というより、裸一貫、腕一本のプロスポーツ選手のような「プロ人材」。

高度なジョブ型雇用ということが出来ると思います。

数社で仕事すれば年収1000万円以上・・・上位4%のビジネスパースンの仲間入りをすることが出来ます。

時代も大きく変わりました。

 

若い人たちを見ていて思うのが、「就」から「就」へという動き。

どこの会社に勤めているのかというより、何の仕事をしているかということにコダワリを持ち始めているように思います。

 

きわめて日本的なメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移行していく中、専門性、スキルを高度化して「プロ人材」を目指すことが、働き甲斐、生き甲斐に繋がっていくようにも思います。

「匠の技」「オンリーワン&ナンバーワン」「高度プロフェッショナル」・・・

昔、トム・ピーターズさんが書いた「ブランド人になれ」「知能販のプロになれ」の世界が現実のものとなってきました。

高度な専門性、腕・スキルを磨き続ける努力、対人能力・・・希少価値のあるプロフェッショナルにとっては、ワクワク・ドキドキの時代の到来です。


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