週末になると自宅に届く日経ビジネス。
日本を代表する週間ビジネス誌です。
もう30年以上購読しています。
今週号2021.9.13号の特集は「スーパーシティ 都市DXの光と影」。
2030年ころまでに先端技術の粋を集めて未来都市をつくる・・・政府の打ち出した「スーパーシティ」構想をベースにして、今各地の都市DXがどうなっているのかを紹介しています。
東京オリパラが終わった直後ということもあり、この手の話は、ちょっとお腹いっぱいという感じです(笑)。
一番興味深かったのが、スペシャルリポートの「質素な日本の役員報酬 世界の頭脳はそっぽ」。
日本企業の役員報酬が少ないことをレポートしています。
テスラのイーロン・マスクCEOの報酬 7324億円
トヨタの豊田社長の報酬 4億円
トヨタ社長の報酬はテスラのイーロン・マスクCEOの2700分の1・・・結構ショッキングな内容です。
すでにテスラの時価総額はトヨタのそれを上回っています。
その部分がマスクCEOの報酬に連動しているのだと思います。
それにしても、会社の顔として常に社員の先頭に立ち、レーシングカーもドライブする豊田章男社長・・・もっと貰ってもいいのかもしれません。
ちなみに退任したトヨタ自動車副社長のルロワさんは14億円、ソニーグループ会長の吉田憲一郎さんは12億円の報酬です。
米国GAFAの株式の株価総額が、東証上場400社の総額を超えました。
たった4社・・・。
アメリカ合衆国の底力を感じます。
それとは対照的に、失われた30年・・・経済が停滞している日本。
スタートアップ企業やベンチャー企業が出てこず、イノベーションもなかなか起きません。
日本からGAFAMのようなイノベーション企業が出てこないのは、欧米に比べて、役員報酬や創業者利益が少ないからなのでしょうか?
新自由主義や資本主義が世界を覆う中、拝金主義的な考えが蔓延、格差社会が拡大しています。
作家の橘玲さんは、「上級国民・下級国民」「無理ゲー社会」という言葉で今の社会経済を語っています。
個人的には、成果、好業績、イノベーションを起こした人財には、高報酬はアリだと考えています。
それは、果敢にリスクを取り、行動、努力をしたことを評価しなければならないと考えるからです。
失敗すればゼロになる、身ぐるみ剥がされる・・・それを乗り越えての成功には果実がなければならないと思います。
ただ、「和を以て貴しとなす」とする日本社会。
日産のカルロス・ゴーンの高額報酬も批判のまとになっていました。
この記事の最後には、1936年の二・二六事件、2021年のトランプ支持者の米連邦議会議事堂の占拠が取り上げられています。
格差社会の是正を求める青年将校やトランプ支持者が暴力を伴う事件を引き起こしました。
「明治初期から近代資本主義が日本に入ってきて約150年。
こうして振り返ると経済格差が比較的小さかったのは後半のやく75年だけである。
前半の約75年は米国並みの格差社会だった。
近代史の視点に立てば、日本人は横並び意識が強く、一握りの者が巨額な報酬を得る米国型の成長モデルは日本になじまないという見方は、単なる先入観かもしれない。
あなたは、米国型社会を許容できるだろうか?」
本田宗一郎さんだって、盛田昭夫さんだって、松下幸之助さんだって、決して超高額報酬を得ていたわけではありません。
社員と同じ制服を着て、社員食堂で社員と会食し、同じ駐車場に車を停め、飲み屋で社員と杯を傾けました。
一般的な会社の場合、社長の報酬は新入社員の賃金のせいぜい10倍。
やっぱり日本は、横並び、ボトムアップ、終身雇用、年功序列の価値観から抜け出せないんでしょうか?
米国の価値観を盲目的に受け入れるのもいかがなものか?と感じる昨今です。
でも、出てきて欲しいなあ・・・日本のスティーブ・ジョブズ!