「能率」という言葉は、いいニュアンス、悪いニュアンスを合わせ持った言葉。
生産性を高めより高いアウトプットを出すという意味、機械的・非人間的・無機質といった意味・・・・。
「科学的管理法の父」といわれるテーラーの愛弟子エマスンは、エフィシェンシーという言葉を使った。
「効率」という意味である。
二十世紀初頭、日本国内にこれを持ち込んだ池田藤四郎は、エフィシェンシー協会を設立し、効率概念を普及しようとする。
いっぽうで心理学者上野陽一は、「能率」という言葉に科学的管理法のコンセプトを乗せ、出版や講演活動で訴求。
結果、能率という言葉は、テーラーイズムを日本国内に普及拡大することになる。
ある意味、上野陽一は、コピーライターの才能を有した経営コンサルタント(能率技師)であった。