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東芝解体 日経ビジネス誌の特集・・・日本企業が陥っているオーバープランニング、オーバーアナリシス、オーバーコンプライアンス

2021年11月20日 | 本と雑誌

名門企業の東芝がひん死の状態。

東芝と言えば、かって日本株式会社の基幹企業の一つでした。

日本初の白熱電球、日本初の電気炊飯器、世界初のラップトップパソコン、世界初のNANDフラッシュメモリー、量子暗号通信・・・。

世界と戦える日本を代表するメーカーでした。

その東芝・・・この6年間で売上が半分になっています。

よく潰れないものです。

日経ビジネス誌2021.11/22号の特集は「東芝解体」。

創業146年の名門企業の凋落について丁寧に解説していきます。

 

コンテンツ

Part1 迷走するガバナンス 縮んだ果ての3分割

Part2 失われた自浄作用 経営陣が道を誤った4つの分岐点

Part3 アクティビストは資本主義の「あだ花」か

 

重症の東芝を、デバイス会社、インフラサービス会社、半導体会社の3分割する方向に動いています。

これに対してアクティビスト(もの言う株主)は反発、経営陣との軋轢が出てきています。

 

どうしてこんな状態になったんでしょうか。

東芝と言えば、かっては日本最先端のコンプライアンスが組み込まれた先端企業でした。

 

Part2で取り上げられた経営陣が道を誤った4つの分岐点・・・。

分岐点1 2015年 不正会計発覚後も膿出し切らず

分岐点2 2015年 原発の不振を隠蔽 0円買収が1兆円の損に

分岐点3 2017年 上場廃止を回避すべくアクティビスト受け入れ

分岐点4 2020年 経産省に頼り株主の怒りを買う

2015年時点で、決してあってはならない不正会計や売上隠蔽。

基本的に、この時点でアウトです。

株主、アクティビスト、社外取締役、監査役、監査法人の責任でもあります。

 

典型的な日本の会社、東芝。

こんな体質の企業は他にもたくさんあると思います。

過大な無理な数字を掲げるオーバープランニング、分析しすぎて行動しないオーバーアナリシス、規則や内部統制しすぎて成果を考えないオーバーコンプライアンス・・・。

日本の大手企業によく見られる病気です。

個人的には、グローバルスタンダード、アメリカンスタンダードに過剰適応し、自らの首を絞めることになったと考えています。

アングロサクソンの陰謀なのではないかと思ってしまいます。

 

おそらく東芝は、3分割しても、その将来はかなり暗いものになると考えています。

世界から有能なプロ経営者を呼び込み、現経営陣を刷新するしか東芝の再生はないと思います。


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