広島市は快晴。

広島市は快晴。
毎週楽しみにしている日経ビジネス誌の「世界の最新経営論」。
2021.1.18号は、野中郁次郎一橋大学名誉教授が登場です。
「知識創造企業」「SECIモデル」というコンセプトを創造した世界レベルの経営学者。
御年86歳です。
「革新の源泉を巡る論争の始まり 人間とアリは何が違うのか」というタイトル。
野中博士が、イノベーションの研究を始めた経緯が書かれてあり、それはまさに経営学の歴史ということで面白く読むことが出来ました。
・当初は、情報処理モデル、コンティンジェンシー論から入る
・そこで、情報の意味づけや価値づけの問題が出でくる
・情報自体は、ある意味無味乾燥なもの。人間の温かみはない。
・革新の元は、人間の「思い」である
・万事、人に何かをやりたいという思いがあってやり続けているうちに、概念や理論が徐々にできていく。
・そうした対象を理論化するには、「知」の問題を掘り下げなければいけない。
・知の本質を取り上げてきた学問は、哲学だ。30歳になって哲学を学び直した。
なるほど。
「フロネシス」のコンセプトを提唱されている野中先生の原点が見えてきました。
また、大学を出たあと富士電機でのサラリーマン経験というものが、現場視点を形作っていったのではないかと思った次第です。
そして、野中先生は言います。
人間は、未来に意味をつくる存在
人は思いを実現していく存在
見事なコンセプトだと思います。
今週号の特集は、「ファストリは正しい会社か」。
ユニクロの柳井会長CEO社長の単独インタビューから始まります。
「正しい経営」・・・企業は国民の幸せのために・・・と語る71歳の柳井会長。
本当なのか?眉唾なのか?・・・ドキドキしながら読むことができます(笑)。
読み甲斐のある日経ビジネスの最新号でした。
広島平和記念公園をテクテク散歩。
緑が多く、道も舗装されていて、とても歩きやすいゾーンです。
たった一発の原爆で街を破壊され、14万人が殺戮されました。
75年は草木も生えないと言われた広島の街。
そういえば、市民球団カープの結成も1950年・・・傷ついた広島市民を励ますとともに、プロ野球球団で唯一親会社を持たないビンボー市民球団を市民は支え続けました。
北海道札幌市出身の彫刻家・本郷新さんの作品です。
「わだつみの像」でも知られています。
1964年に地元の第一地銀広島銀行から贈呈されたものです。
水を求め亡くなられていった方々の水供養です。
中央の噴水は、4メートルの高さまで上がります。
去年、メンテナンス、リニューアルされました。
ここには、世界中から贈呈された折り鶴が展示されています。
被爆し、わずか12歳で亡くなった佐々木偵子さんの同級生の募金活動で建てられました。
ここの前を歩くために、心が痛みます。
広島市も復興を遂げました。
たくさんの市民、たくさんの支援者の尽力と頑張りが、その根底にあります。
長崎、沖縄、神戸、福島、熊本・・・まだまだ日本の各地で復興復旧に向けた地道な努力が続けられています。
広島市の気温は15度。
毎日のように新聞やwebを賑わしている「クラウド」という言葉。
クラウドソーシング、クラウドファンディング、クラウドコンピューティング・・・。
自分自身もちょっと勘違いしていたのですが、「Crowd」と「Cloud」は違うということ。
冬休み・・・改めて、復習してみました。
「Crowd」は、群衆のこと。
クラウドソーシング、クラウドファンディングは、こちらのクラウド。
大学1年生の時、クラスの担任に言われて読んだ米国の政治学者デヴィッド・リースマンの名著「The Lonely Crowd(孤独な群衆)」を思い出します。
ポリティカルアパシー(政治的無関心層)、マスマニュピレーション(大衆操作)といったリースマンの言葉を今でも覚えています・・・若かったなあ。
「Cloud」は、雲のこと。
クラウドコンピューティングは、こちらのクラウドです。
「ノンちゃん雲に乗る」や「坂の上の雲」・・・空に浮かぶ雲を指します。
ややこしいです(笑)。
クラウドソーシング
インターネットを介して不特定多数の個人または企業にアクセスして、必要な人材を調達する仕組み(中小企業白書)です。
雑誌ワイヤードで紹介されて以来、世界的に浸透、拡大しています。
日本では、ランサーズやクラウドワークスなどの会社が業界大手。
ホームページ見ると、ビジネスモデル、マネタイズの仕組みがよく分かります。
基本、成果報酬型の収益モデルで、システム利用料として5~20%を取るとのこと。20万円の仕事でクラウドソーシング会社に1万円入るという形です。
ノマドワーカーやナレッジワーカーにとっては、ちょっとした小遣い稼ぎにはなりそうです。
ただ、その仕事の品質、成果物は???
クラウドソーシング会社で、受注者側のスキルチェックや、過去実績の「評判」の見える化をしているようです。
最近では、大企業向けのエンタープライズモデルも登場。個人に直接発注がしづらい大企業と個人の仲立ちをするビジネスも出てきています。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人々から資金調達する仕組みのことです。
大きく、寄付型、商品サービス購入型、貸付型、投資型の4つの類型があります。
世界的には、5000億円の市場規模。
CFの発祥の地アメリカでは事業投資型が主流ですが、日本では商品サービス購入型が中心。
レディーフォー、キャンプファイヤー、マクアケなどがCF会社の大手。
一般的なファンド目標金額は、数百万円規模。
最高額は、3500万円とのことです。
米国では事業投資型が中心のため、大手CF会社キックスターターでは1つのプロジェクトで2億円を集めたとのこと。
ロボット工作キット「RAPIRO(ラピロ)」の事例を検索されると良いと思います。
クラウドコンピューティング
ここで、やっと雲(Cloud)が出てきました(笑)。
クラウドコンピューティングとは、ネットワークから提供される情報処理サービスで、ネットワークと接続された環境さえあれば、情報処理やアプリケーションが利用できるもの(中小企業白書2013)。
Gメールが、その代表格でしょうか。
クラウドコンピューティングには、大きく3つの類型があります。
SaaS・・・サービスとしてのソフトウェアの提供 サースと言います。
PaaS・・・ソフトウェアの部品やプラットホームの提供 パースと言います。
IaaS・・・仮想サーバーやストレージなどのインフラの提供 アイアースと言うそうです。
最近では、デスクトップPCやタブレット等から従量制で利用できるDaaS、サブスクリプション方式
やデータウェアハウジング、分散コンピューティング、GPU利用などがあるそうです。
最近では、これらを総称して、XaaS(ザース)という言葉も出てきています。
要は、従来固定費だったシステム費用を変動費化できるというのが、
最大のメリットなのではないでしょうか。
また、最新のテクノロジーをすぐに使えるということもあるのでしょうが、
セキュリティという面では、少し疑問です。
冬休み、早起きして、クラウドのお勉強。
楽しいひと時でした。
広島・京橋川のリバーサイドカフェは、コロナ対策もあり、お休み中です。
今年の4月から中小企業にも働き方改革法の適用が始まります。
同一労働同一賃金、労働時間の制限など企業の人事労務制度にも見直しをかけていかなければならない時期になりました。
でも、その機運も新型コロナウイルスの影響で縮んでいるように思います。
経済の停滞による不況・・・「雇用」を維持するための施策が優先されるからです。
飲食業やホテル旅館業、航空や旅行業、サービス業・・・苦境に立たされている業界がたくさんあります。
雇用調整助成金や給付金で、まずは働く人たちの雇用と生活を守ることを優先しなければなりません。
そして、大切なことは、コロナ禍という危機は、同時にチャンスでもあります。
働き方を変える、生産性を高めるという働き方改革法のコンセプトは、コロナ禍の中での労働と共通項が多々あります。
・ムダな仕事をなくす
・効率を高める
・RPAなどを活用してデスクワークの機械化を進める
・テレワーク、リモートワークの導入
・在宅勤務制度
特に、テレワークや在宅勤務、直行直帰制度、計画的な年次有給休暇の取得など、今までなかなか進まなかった人事労務制度を変えるチャンスであると言えます。
雇用危機を乗り切ったら、働く人たちが幸せになる制度を整えていく必要があります。
「働かせ方改革」と揶揄する人たちもいますが、ワークライフバランスは世界先進国のスタンダードになっています。
ドイツやフランスでは年間1300時間の労働で2%の経済成長するのに対し、日本は2000時間の労働時間で1%の経済成長・・・やはり何かが違います。
よく遊び、よく学び、よく働く・・・そんな会社を一社でも増やしていくために、社労士として微力ながら努力していきたいと思います。
仕事を終えての帰路。
広島市の中心部・基町にサッカー専用スタジアムの建設が決まりました。
J1のサンフレッチェ広島のホームグラウンドになる予定です。
カープのフランチャイズ・マツダスタジアムの二匹目のドジョウを狙った箱物建造です。
このあたりは、広島城の一部でもあったため文化財が眠っているかもしれません。
また、原爆被害の状況を把握することが出来るかもしれません。
少子高齢化の中、大丈夫なんでしょうかねえ。
先日は、コロナ禍もあり、JR尾道駅のテナント店舗が全て撤退したというニュースもありました。
カープの試合であれば年間70試合以上あるのですが、Jリーグの試合だと10数試合・・・。
それ以外の使い道を考えなければならないと思います。
ラグビーやアメフト、イベントやコンサート・・・でも、天然芝とかをはるとプロ以外の使用不可になるかもしれません。
心配です。
株式会社方式にするとか、クラウドファンディングにするとか・・・もっと資金調達の方法論を検討していかなければならないと思います。
寒いですね~。
広島市の朝は、小雨がパラパラ・・・雪は降っていません。
がんばれ!平和のシンボル・・・ハト君たち!