(ちくま新書) 新書
原田 隆之 (著)
商品の説明
内容紹介
人当たりがよくて魅力的。
でも、息を吐くようにウソをつく……。
そんな「サイコパス」とどう付き合えばいいのか? 犯罪心理学の知見から冷血の素顔に迫る。
人当たりがよく、優しい言葉をかけ、魅力的な人柄。だけど、よくよく付き合うと、言葉だけが上滑りしていて、感情自体は薄っぺらい…。
このような人格の持ち主を「サイコパス」と心理学では呼ぶ。近年、犯罪者の脳の機能や構造などが明らかになり、サイコパスの正体が明らかにされつつある。
本書では、最先端の犯罪心理学の知見にもとづいてサイコパスの特徴をえがき、ヴェールに包まれた素顔に迫る。
映画や小説などでは、サイコパス=極悪人とか、サイコパス=異常な連続殺人犯という図式で描かれています。
確かに一種の人格障害である以上、そういう傾向は多々あると思います。
ただ、この本では何故サイコパスが人口の1%以上も存在するのかという意味にまで言及しています。
サイコパスが持つパーソナリティの中には反社会性などのようにどう考えてもネガティブなものもありますが、恐怖や不安を感じることなく冷静に行動できるという局面によってはポジティブなものもあるようです。
これらのサイコパスの一部のパーソナリティが必要な職業も存在します。
理解はできますが、やはり個人的にはあまり関わりたくないパーソナリティだと感じました。
まず、座間9遺体事件
そのあまりに特異で血生臭い大量殺人事件の一報が駆け巡った日のことは、まだ記憶に新しいです
狭いアパートの一室で乱雑に集められた骨と9つの頭部が見つかったとの報道を読んだ瞬間に、サイコパスの猟奇殺人事件だと直感で確信しました
報道内容が、かつて世界を震撼させた猟奇的大量殺人鬼たちの犯行とよく似た様相を呈していらからです
ネット上では、犯人は臓器売買や殺人専門の大規模な組織犯罪の末端の死体処理班ではないか、という見解が多く見られました
この事件から芋づる式に闇の組織を壊滅出来るのではないかという期待を持った人々の書き込みでしょう
だけど残念ながらその可能性はゼロに近いだろうな、と思っていました
もし犯人が組織の死体処理担当だとしたら、一体どんな馬鹿な犯罪組織なのでしょうか
死体という一番見つかってはいけない犯罪にとって最重要の物的証拠をいくつも安アパートに残しているような間抜けに任せる組織、そんなのどこの世界にもいません
犯人は全ての犯行をたった独りで、自分だけのために行ったのです
頭部が損壊なく残っていたのは殺しの記憶を残しておきたかったからです、トロフィーのようなものでしょうか
27歳の平凡だった男はなぜ突然、この平和な日本の都会の片隅で、一週間に一人という驚異的なペースで、人を殺しその遺体を解体するという残酷極まりない犯罪を犯したのか
彼は一体何者なのでしょうか?死者の世界の殺人鬼に憑依されたとでも言うのでしょうか
その答えの指針となるものが、この本に書かれています
次に、有名なトロッコ問題が出てきます
迫りくる、数人が乗った暴走トロッコを崖に落ちる前に停めるためには、隣にいる人をトロッコにぶつけるしかない。このジレンマ、貴方はどうしますか?
たった一つしかない命を考える時、人は必ず悩み、明確な答えなど出てきません
当たり前のことですが、まず私達は自分を犠牲するという選択はできません
即座に自分の命を捨てるなどと言える人は、この問題を真剣に考えていないか、ジブリ映画の主人公のような崇高な美しい魂の持ち主かです
そして単純に数で命の重さを量ることもできません。
助かる人数は多い方が良いなどと安易に言える人は、同じくこの問題を真剣に考えていないか、氷のように冷血な魂の持ち主かです
このようなシンプルな問題でもサイコパスの思考を垣間見ることができます
サイコパス...貴方は今までの人生で会ったことありませんか?
実は別に全てのサイコパスが凶悪殺人犯になるわけではなく、人口の約1パーセントという結構な割合で存在するというのです
その中のほんの一部の人間が数年に一度、突き抜けて凶悪で類を見ない程残酷な猟奇殺人鬼となるのです
映画で言うと「羊たちの沈黙」のレクター博士、「ノーカントリー」の殺し屋など、唯一無二の存在感を放つ個性的で冷徹な悪役はおおよそサイコパスの性質を宿しています
先の座間9遺体事件の犯人白石も、麻原彰晃も、宅間守も、社会的に大きな事件を起こした人間もおおよそサイコパスの性質を宿していると書かれています
しかし、大半のサイコパスは軽微な犯罪に留まっているか、犯罪には関わらず普通に社会や学校に溶け込んで私達と共に生活しているというのです
それどころか、著者は自分自身も、そして私達自身もサイコパスの可能性があるというのです
残酷な殺人も犯すし普通にそこらへんにもいるし自分自身でも気づけない、一体サイコパスとはどのような存在なのでしょうか?
根拠のない思い込みや過去の学問への妄信を排除し、信頼できるエビデンスに基づいた最新の科学的アプローチで、謎に包まれていたサイコパスの正体に迫る一冊ですもっと少なく読む
原田 隆之 (著)
商品の説明
内容紹介
人当たりがよくて魅力的。
でも、息を吐くようにウソをつく……。
そんな「サイコパス」とどう付き合えばいいのか? 犯罪心理学の知見から冷血の素顔に迫る。
人当たりがよく、優しい言葉をかけ、魅力的な人柄。だけど、よくよく付き合うと、言葉だけが上滑りしていて、感情自体は薄っぺらい…。
このような人格の持ち主を「サイコパス」と心理学では呼ぶ。近年、犯罪者の脳の機能や構造などが明らかになり、サイコパスの正体が明らかにされつつある。
本書では、最先端の犯罪心理学の知見にもとづいてサイコパスの特徴をえがき、ヴェールに包まれた素顔に迫る。
映画や小説などでは、サイコパス=極悪人とか、サイコパス=異常な連続殺人犯という図式で描かれています。
確かに一種の人格障害である以上、そういう傾向は多々あると思います。
ただ、この本では何故サイコパスが人口の1%以上も存在するのかという意味にまで言及しています。
サイコパスが持つパーソナリティの中には反社会性などのようにどう考えてもネガティブなものもありますが、恐怖や不安を感じることなく冷静に行動できるという局面によってはポジティブなものもあるようです。
これらのサイコパスの一部のパーソナリティが必要な職業も存在します。
理解はできますが、やはり個人的にはあまり関わりたくないパーソナリティだと感じました。
まず、座間9遺体事件
そのあまりに特異で血生臭い大量殺人事件の一報が駆け巡った日のことは、まだ記憶に新しいです
狭いアパートの一室で乱雑に集められた骨と9つの頭部が見つかったとの報道を読んだ瞬間に、サイコパスの猟奇殺人事件だと直感で確信しました
報道内容が、かつて世界を震撼させた猟奇的大量殺人鬼たちの犯行とよく似た様相を呈していらからです
ネット上では、犯人は臓器売買や殺人専門の大規模な組織犯罪の末端の死体処理班ではないか、という見解が多く見られました
この事件から芋づる式に闇の組織を壊滅出来るのではないかという期待を持った人々の書き込みでしょう
だけど残念ながらその可能性はゼロに近いだろうな、と思っていました
もし犯人が組織の死体処理担当だとしたら、一体どんな馬鹿な犯罪組織なのでしょうか
死体という一番見つかってはいけない犯罪にとって最重要の物的証拠をいくつも安アパートに残しているような間抜けに任せる組織、そんなのどこの世界にもいません
犯人は全ての犯行をたった独りで、自分だけのために行ったのです
頭部が損壊なく残っていたのは殺しの記憶を残しておきたかったからです、トロフィーのようなものでしょうか
27歳の平凡だった男はなぜ突然、この平和な日本の都会の片隅で、一週間に一人という驚異的なペースで、人を殺しその遺体を解体するという残酷極まりない犯罪を犯したのか
彼は一体何者なのでしょうか?死者の世界の殺人鬼に憑依されたとでも言うのでしょうか
その答えの指針となるものが、この本に書かれています
次に、有名なトロッコ問題が出てきます
迫りくる、数人が乗った暴走トロッコを崖に落ちる前に停めるためには、隣にいる人をトロッコにぶつけるしかない。このジレンマ、貴方はどうしますか?
たった一つしかない命を考える時、人は必ず悩み、明確な答えなど出てきません
当たり前のことですが、まず私達は自分を犠牲するという選択はできません
即座に自分の命を捨てるなどと言える人は、この問題を真剣に考えていないか、ジブリ映画の主人公のような崇高な美しい魂の持ち主かです
そして単純に数で命の重さを量ることもできません。
助かる人数は多い方が良いなどと安易に言える人は、同じくこの問題を真剣に考えていないか、氷のように冷血な魂の持ち主かです
このようなシンプルな問題でもサイコパスの思考を垣間見ることができます
サイコパス...貴方は今までの人生で会ったことありませんか?
実は別に全てのサイコパスが凶悪殺人犯になるわけではなく、人口の約1パーセントという結構な割合で存在するというのです
その中のほんの一部の人間が数年に一度、突き抜けて凶悪で類を見ない程残酷な猟奇殺人鬼となるのです
映画で言うと「羊たちの沈黙」のレクター博士、「ノーカントリー」の殺し屋など、唯一無二の存在感を放つ個性的で冷徹な悪役はおおよそサイコパスの性質を宿しています
先の座間9遺体事件の犯人白石も、麻原彰晃も、宅間守も、社会的に大きな事件を起こした人間もおおよそサイコパスの性質を宿していると書かれています
しかし、大半のサイコパスは軽微な犯罪に留まっているか、犯罪には関わらず普通に社会や学校に溶け込んで私達と共に生活しているというのです
それどころか、著者は自分自身も、そして私達自身もサイコパスの可能性があるというのです
残酷な殺人も犯すし普通にそこらへんにもいるし自分自身でも気づけない、一体サイコパスとはどのような存在なのでしょうか?
根拠のない思い込みや過去の学問への妄信を排除し、信頼できるエビデンスに基づいた最新の科学的アプローチで、謎に包まれていたサイコパスの正体に迫る一冊ですもっと少なく読む