サイコパスの真実

2018年06月25日 21時50分34秒 | 社会・文化・政治・経済
(ちくま新書) 新書
原田 隆之 (著)
商品の説明
内容紹介
人当たりがよくて魅力的。
でも、息を吐くようにウソをつく……。
そんな「サイコパス」とどう付き合えばいいのか? 犯罪心理学の知見から冷血の素顔に迫る。
人当たりがよく、優しい言葉をかけ、魅力的な人柄。だけど、よくよく付き合うと、言葉だけが上滑りしていて、感情自体は薄っぺらい…。
このような人格の持ち主を「サイコパス」と心理学では呼ぶ。近年、犯罪者の脳の機能や構造などが明らかになり、サイコパスの正体が明らかにされつつある。
本書では、最先端の犯罪心理学の知見にもとづいてサイコパスの特徴をえがき、ヴェールに包まれた素顔に迫る。

映画や小説などでは、サイコパス=極悪人とか、サイコパス=異常な連続殺人犯という図式で描かれています。
確かに一種の人格障害である以上、そういう傾向は多々あると思います。
ただ、この本では何故サイコパスが人口の1%以上も存在するのかという意味にまで言及しています。
サイコパスが持つパーソナリティの中には反社会性などのようにどう考えてもネガティブなものもありますが、恐怖や不安を感じることなく冷静に行動できるという局面によってはポジティブなものもあるようです。
これらのサイコパスの一部のパーソナリティが必要な職業も存在します。
理解はできますが、やはり個人的にはあまり関わりたくないパーソナリティだと感じました。
まず、座間9遺体事件
そのあまりに特異で血生臭い大量殺人事件の一報が駆け巡った日のことは、まだ記憶に新しいです
狭いアパートの一室で乱雑に集められた骨と9つの頭部が見つかったとの報道を読んだ瞬間に、サイコパスの猟奇殺人事件だと直感で確信しました
報道内容が、かつて世界を震撼させた猟奇的大量殺人鬼たちの犯行とよく似た様相を呈していらからです
 ネット上では、犯人は臓器売買や殺人専門の大規模な組織犯罪の末端の死体処理班ではないか、という見解が多く見られました
この事件から芋づる式に闇の組織を壊滅出来るのではないかという期待を持った人々の書き込みでしょう
だけど残念ながらその可能性はゼロに近いだろうな、と思っていました
もし犯人が組織の死体処理担当だとしたら、一体どんな馬鹿な犯罪組織なのでしょうか
死体という一番見つかってはいけない犯罪にとって最重要の物的証拠をいくつも安アパートに残しているような間抜けに任せる組織、そんなのどこの世界にもいません
 犯人は全ての犯行をたった独りで、自分だけのために行ったのです
頭部が損壊なく残っていたのは殺しの記憶を残しておきたかったからです、トロフィーのようなものでしょうか
 27歳の平凡だった男はなぜ突然、この平和な日本の都会の片隅で、一週間に一人という驚異的なペースで、人を殺しその遺体を解体するという残酷極まりない犯罪を犯したのか
彼は一体何者なのでしょうか?死者の世界の殺人鬼に憑依されたとでも言うのでしょうか
その答えの指針となるものが、この本に書かれています

 次に、有名なトロッコ問題が出てきます
迫りくる、数人が乗った暴走トロッコを崖に落ちる前に停めるためには、隣にいる人をトロッコにぶつけるしかない。このジレンマ、貴方はどうしますか?
たった一つしかない命を考える時、人は必ず悩み、明確な答えなど出てきません
 当たり前のことですが、まず私達は自分を犠牲するという選択はできません
即座に自分の命を捨てるなどと言える人は、この問題を真剣に考えていないか、ジブリ映画の主人公のような崇高な美しい魂の持ち主かです
 そして単純に数で命の重さを量ることもできません。
助かる人数は多い方が良いなどと安易に言える人は、同じくこの問題を真剣に考えていないか、氷のように冷血な魂の持ち主かです
このようなシンプルな問題でもサイコパスの思考を垣間見ることができます

サイコパス...貴方は今までの人生で会ったことありませんか?
実は別に全てのサイコパスが凶悪殺人犯になるわけではなく、人口の約1パーセントという結構な割合で存在するというのです
その中のほんの一部の人間が数年に一度、突き抜けて凶悪で類を見ない程残酷な猟奇殺人鬼となるのです
 映画で言うと「羊たちの沈黙」のレクター博士、「ノーカントリー」の殺し屋など、唯一無二の存在感を放つ個性的で冷徹な悪役はおおよそサイコパスの性質を宿しています
先の座間9遺体事件の犯人白石も、麻原彰晃も、宅間守も、社会的に大きな事件を起こした人間もおおよそサイコパスの性質を宿していると書かれています
 しかし、大半のサイコパスは軽微な犯罪に留まっているか、犯罪には関わらず普通に社会や学校に溶け込んで私達と共に生活しているというのです
それどころか、著者は自分自身も、そして私達自身もサイコパスの可能性があるというのです
残酷な殺人も犯すし普通にそこらへんにもいるし自分自身でも気づけない、一体サイコパスとはどのような存在なのでしょうか?
 根拠のない思い込みや過去の学問への妄信を排除し、信頼できるエビデンスに基づいた最新の科学的アプローチで、謎に包まれていたサイコパスの正体に迫る一冊ですもっと少なく読む

高齢男性初の初婚が増えている

2018年06月25日 21時34分19秒 | 社会・文化・政治・経済
2016年、65歳以上の初婚男性が919人に上った。
これは10年前の2倍、20年前の3倍でる。
女性に比べ増加率が格段に高い。

2016年調査で80歳以上の男性の初婚は50人。
共に人生を歩んでくれるパートナーが欲しいという気持ちに年齢は関係ない。

近年、中高年であっても新たなパートナー、結婚相手を積極的に探す方が増えています。
厚生労働省の人口動態統計によると、50歳以上の方で婚姻届を出す件数が平成12年頃から急増しているのです。

また、2010年の総務省の「国勢調査」によると、生涯未婚率(人口学で50歳時点の未婚率)は男性で20.14%、女性で10.61%という結果がでています。
つまり、50歳になった時点で、男性の5人に1人は結婚経験がないということです。

晩婚化が叫ばれて久しいですが、結婚の時期は数字の上でもはっきりと遅れていることがわかります。

シニア婚活が増加している背景には、それぞれの事情があります。
私がお会いした方々では、以下のような理由がありました。

・離婚や死別によりシングルになり、残りの人生を再スタートするためにパートナーを探している。

・それまで仕事などで忙しく、結婚するきっかけがつかめなかった。

共通しているのは、人生の折り返しを過ぎ、改めてパートナーが必要だと感じたということでしょう。

いずれにせよ、シニア世代が結婚相談所でのサポートを受けて、お見合いや婚活パーティーなどのイベントに参加して出会いを求めるという姿は珍しくないのです。

南スーダン武装集団襲撃

2018年06月25日 14時20分06秒 | 社会・文化・政治・経済
独立の果てに

南スーダンの内戦は4年半に及び、食糧不足で100万人の子供が重い栄養失調に陥る。
国連の平和維持活動(PKO)でインフラ整備にあたった陸上自衛隊がジュバから撤収して1年余り。
民族間の対立に終わりは見えず、幼い命を脅かし続けている。
南スーダン難民報告/2 武装集団襲撃 増え続ける負傷者 空路搬送や施設、限界動画付き記事
 「集中治療室(ICU)」と記者が案内されたのは、テント張りのスペースだった。
グエイ・ヤウ君(9)は、銃で撃たれたけがの手術を終えたばかり。
おなかにつながれたド…

(2018年06月24日 03:18)毎日新聞

南スーダン
幼い命脅かす飢え動画付き記事
 内戦が続く南スーダン。首都ジュバにある国内唯一の子供病院で4月下旬、1歳11カ月のメアリー・スティマちゃんがベッドに横たわっていた。急性栄養失調にかかり、体重…

(2018年06月23日 03:53)

南スーダン難民報告/1 内戦による混乱、襲いかかる「飢餓」 草食べその日しのぐ
 内戦による混乱で深刻な食料難にあえぐ南スーダン。首都ジュバの「アル・サバ子供病院」では、重い栄養失調に陥り、命の危険に直面する子供たちが手当てを受けていた。4…

(2018年06月23日 03:34)

南スーダンの難民

2018年06月25日 13時57分48秒 | 社会・文化・政治・経済
人生と社会と世界のあらゆる艱難を打破するには?
南スーダンの難民
5秒に1人、消える命を救いたい |
あなたの寄付が未来を変える
栄養失調で苦しむ子どもたちを救うため、治療を続ける国境なき医師団にご支援を

南スーダンを逃れる難民が150万人に|国連UNHCR協会
緊急時のご支援のお願い
南スーダンを逃れる難民が150万人に 紛争が激しくなるにつれ、ウガンダ国内の南 スーダン難民は6か月で3倍以上の69万8000人に達しました. 新たに到着した南 スーダン難民3,000人をウガンダ北部のパロリンヤ居住地に移送しているトラックの列

一日も早く故郷に帰りたい。
でもここで生きていくのが精いっぱい。
内戦のため多くの人々が故郷から逃れて暮らす南スーダン。
首都ジュバにある国連管理のキャンプでは、 約4万人の避難民が食料不足にあえぎながら暴力におびえて暮らしている。
武装集団襲撃
増え続ける死傷者たち。

サッカー 「日本代表を生きる」

2018年06月25日 12時49分56秒 | 社会・文化・政治・経済
1998年、サッカーフランス杯
「日本代表を生きる」増島みどり著
商品の説明
内容紹介
1998年フランスW杯を戦った「日本代表」の物語は終わっていなかった。
W杯初出場の扉をこじ開けた者たちの、それから。

日本代表がW杯初出場を果たした歴史的な1998年フランス大会から20年。当時の日本代表、スタッフはどうしているのか? 様々な人生を歩みながら、彼らは今もあの経験と向き合い続けていた――。

著者が選手スタッフ39人に取材して、初出場した日本のフランス大会を克明に描いた『6月の軌跡』(文藝春秋、のち文春文庫)から20年。W杯ロシア大会を前に、あらためて当時のメンバーにインタビューをし、W杯の扉を開いて以降、それからの人生を追った。
驚いたことにカズをはじめまだ現役である選手が6人もいる他、指導者になった者もいれば、変わらずサッカー界で働くスタッフもいた。彼らの目に今に浮かぶ光景とは。

かつての代表チームを追って、全国に取材行脚をした力作ノンフィクション。登場するのは、岡田武史、中山雅史、井原正巳、名波浩、城彰二、三浦知良、北澤豪、中田英寿、小野伸二、川口能活、楢﨑正剛、相馬直樹、呂比須ワグナー、岡野雅行、森島寛晃、山口素弘、市川大祐、秋田豊、名良橋晃、中西永輔、小島伸幸、平野孝ほか
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1998 FIFAワールドカップ日本代表(-にっぽんだいひょう)は、1998年にフランスで行われたFIFA ワールドカップの日本代表。
概説[編集]ドーハの悲劇でアメリカ大会の出場権を逃した日本は、前年のアジア最終予選でイラン代表とのプレーオフに勝利し(ジョホールバルの歓喜)、アジア第3代表としてワールドカップ初出場を果たした。

監督はアジア最終予選の間にコーチから昇格した岡田武史。選手選考は前任者の加茂周時代からのメンバーを踏襲しながらも、本大会までの半年間にテストを行い、Jリーグの新人である小野伸二や市川大祐を抜擢した。
故障による離脱者が出ることを考慮して、大会前のスイス合宿には25名を連れて行き、そこから本戦登録メンバー22名を選ぶという方法を採った。
開幕8日前の6月2日に岡田監督が記者会見を行い、市川、三浦知良、北澤豪の3名が登録メンバーから外れると発表した。
三浦と北澤はチームに帯同せず、会見の前にキャンプを去り帰国した。
日本代表を支えてきたふたりの落選は大きな話題となり、残ったメンバーに少なからず動揺を与えた。
バルセロナ五輪アジア予選とアトランタ五輪本大会に出場した世代がチームの中心となり、5年前のアジア最終予選を経験した「ドーハ組」はキャプテン井原正巳と中山雅史だけだった。
登録選手全員がJリーグの国内クラブに所属し、平均年齢は25.3歳だった[2]。

正GKは川口能活。DFは秋田豊・中西永輔の2ストッパーとスイーパーの井原正巳。
両WBは左が相馬直樹、右が名良橋晃。
2ボランチの名波浩・山口素弘と司令塔の中田英寿がゲームを組み立て、FWは中山雅史と城彰二の2トップという布陣だった。
試合途中の交代メンバーにはFWの呂比須ワグナーやMFの平野孝が起用された。

アジア最終予選では3バックから4バックへの変更が成功したが、本番の対戦チームに強力な2トップがいることから、岡田は再度3バックへ戻すことを決断。
選手たちが3バックに悪いイメージを持たないよう、ビデオを見せながら理詰めで納得させた。
しかし、強化試合の都合などにより3バックへの切替えが遅れたため、守備面の構築に時間をとられ、攻撃面にまで手が回らないまま本番を迎えることになった。

精神障がい者の家族が受ける暴力

2018年06月25日 12時10分00秒 | 医科・歯科・介護
当事者が語る精神障がいとリカバリー

商品の説明
内容紹介
精神障がい者の家族が受ける暴力に関する調査研究をもとに、家庭で暴力が生まれる背景、実態、要因を明らかにする。その研究結果をふまえ、家族へのインタビューで語られた内容と支援者の実践から、家庭で暴力が生まれない支援のあり方を考察し、提言する。
2011年約320万人、総合失調症やうつ病などの精神疾患。
家族への暴力は61%、他人への暴力は1%。
「子どもの暴力で悩んでいる親たち。

著者について
蔭山正子(かげやま・まさこ)
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻統合保健看護科学分野パブリックヘルスケア科学/准教授/保健師
大阪大学医療技術短期大学部看護学科、大阪府立公衆衛生専門学校を卒業。病院看護師を経験した後、東京大学医学部健康科学・看護学科3年次編入学。同大学大学院地域看護学分野で修士課程と博士課程を修了。
保健所・保健センターでの勤務(保健師)、東京大学大学院地域看護学分野助教などを経て現職。
保健所勤務の際、精神障がい者の受診援助や通報対応などの危機介入を経験。主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・育児支援、保健師の支援技術。

生活保護受給者にかかわる貧困ビジネス

2018年06月25日 11時35分56秒 | 医科・歯科・介護
年金支給日に年金受給者全員から集めた金は、約300万円。
経営者は月額70万円の給与、月13万の自宅ローンもこの年金収入から払っていた。
そして、税金の滞納が267万円。
納税逃れは許さない!
テレビ「金の事件簿」を観る。
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生活保護受給者にかかわる貧困ビジネス
高齢者は狙われている
生活保護の受給者は、半数以上が高齢者です。
また今後の高齢化社会に向けて、ますます高齢受給者の割合は増加すると思われます。

一般的に高齢になれば判断力も鈍り、また最新の社会システムについていけないので誰かに頼りたくなるものです。

生活保護受給の高齢者においても、彼らの中には幼少期に親とも離れ、学歴を得ることもできず生きるために単身で都会に出てきた者も少なくなく、高齢になり働けなくなったところに、貧困ビジネスの影が忍び寄ります。

「福祉の手続きはこちらへ」「福祉受けられます」の貼り紙
今まで現役で働いてきたが高齢で働くことができなくなり、急に家賃も払えなくなったとき、人はどうするでしょうか。頼れる身内がいればいいのですが、何十年も前に音信不通になっており知人は誰もいません。

そんな住むところにも困っている状態のときに、あるアパートに目立つ貼り紙がしてあります。「福祉」という文字が大きく書かれ、「福祉の手続きはこちらへ」「福祉でここに住めます、すべての手続きを行います」などということが書かれています。

一般に、高齢者は「役所」と「民間」の区別はついていません。これは役所の主催だ、これは一般人が勝手に行っているだけだ、という判別はなかなかできません。とにかく目の前にあるのは、「ここに頼めば福祉(生活保護)を受けられて住む家にも困らない」という事実だけです。

与えられるのは冷めた弁当のみ
貼り紙を見た高齢者が近づくと、賃貸住宅業者は言葉巧みに生活保護を申請するようにすすめます。生活保護を受ければこのアパートにも住めるし、食事も病院にも困らない、と保護申請に誘導します。

高齢者の中には学歴もなく、悪気がなくとも知識もないため言われるがままに動いてしまう人も少なくありません。

そして生活保護申請はあくまで本人申請が基本ですから、業者に教えられたとおりに保護の申請に福祉事務所に出向きます。

業者は自己物件の家賃額を住宅扶助で支給される限度額部分ちょうどに設定していることが多く(大阪市なら40,000円など)、しかしその額も特に昨今の一般的な賃貸住宅の賃料からいうと高額ともいえず、一見妥当な額であるため、その業者のアパートに住むことで生活保護が開始されるのです。

※生活保護は「居宅保護」といい、住宅に住んでいる人しか申請できません。野宿者の場合はまず「住む家を探してから申請」ということになります。役所がこの住居探しを手伝うことはあります。

こうして生活保護費を受給するようになった高齢者は、住宅扶助として支給された部分は業者に「家賃」として毎月支払います。これだけなら通常の賃貸業者と変わらないかもしれません。

しかし業者は、本人の「生活扶助」部分にも手をつけます。つまり、毎月本人が福祉事務所から受け取る生活保護費すべてを「預かり管理する」と称して搾取するのです。本人には一円も渡りません。

そしてひどいところでは本人に一日たった一食だけ冷めた仕出し弁当を与え、食事は一日でそれのみです。

こうした生活保護受給者ばかりを狙って住まわせる業者は後をたたず、そこに住んだ高齢者は皆、一日1回ドアの前に置かれた冷めた弁当だけを食べ、何か買うこともできないのです。

しかし本人たちには判断力もなく、そもそも業者のことを、生活保護の申請手続きからすべてにおいて世話になっている「後見人」「世話人」のように錯覚していることも多く、また何か言えば恫喝されることもあるためこのことを福祉事務所にも伝えず、明るみになっていないケースも存在するのです。

堂々と役所を恫喝する業者も
こうしたことだけにとどまらず、賃貸業者が明らかに反社会的勢力のような出で立ちで福祉事務所に現れ、ケースワーカーに対し「保護受給の○○さんがうちの管理物件でボヤ火災を起こした。一千万円払え!」などというようなケースも発生しています。

当然このような事案には毅然とした態度で対処しますが、先述した保護費の搾取についても業者は巧みな「言い訳」を用意している場合も多く、「○○さんが今月は水道代を浪費したためその分を保護費から支払ってもらっただけだ。」とか「うちの物件は光熱費が一律でいくらと決まっている。高額に見えるかもしれないが、大量に浪費した月でも一定額しか取っていない。」などというものです。

そこに加えて福祉事務所側にこれまであまり調査の権限がなく、一部あっても強制力がなくいたちごっこになっているのが現状でした。後述しますがこの数年で対処法が確立されつつあります。

医療扶助をめぐる医療機関の不正請求
医師の意見は絶対という前提の危うさ
日本では特にそうですが、「医療」や「健康管理」等については完全に医師がその分野の頂点であり、誰も異論を唱えることができない風潮があります。

もちろんその分野の頂点であることに間違いはないのですが、「絶対的な権力」を持っており、唯一議論できるであろう同業の医師は互いにかばい合う風潮があることも否めません。

ですが同時に医師には強い「倫理観」があるものとされており、それゆえに医師には厚い信頼が寄せられているのが大前提です。

ところが生活保護の世界では、この前提がくつがえされる、あってはならない事案も多数発生しています。

生活保護受給者の医療費は基本的に全額が国と自治体から病院に支払われます。

ということは、病院(医師)の側からしてみると、医療費を取り漏れる心配がない、「確実に医療費を取れる」、ありがたい「ビジネス」でもあるのです。

実際にどんな事例があるのか?
生活保護受給者で通院するのは、大半がやはり高齢者です。判断力のないまま、近所のクリニックや病院に「これからも通院するように」と告げられれば、治療が必要なのだと思い、当然通院してしまいます。

しかし実際には、本人には必要のない検査を行ったり、必要以上に何度も治療を行ったり、またあろうことか本人には不要の「外科手術」を行った医療機関も発覚しています。

そうして計上した医療費を、「レセプト」と呼ばれる、医療行為の内容を月ごとに記載した書類を作成して医療費を不正請求しているのです。


「過剰診療」と「架空請求」
不正の種類には2種類あり、先述したように不要な診療を何度も行い、その金額をすべて請求する過剰診療と、さらに悪質なのは、本人にまったく行っていない検査や手術、治療を行ったように装い、医療費の架空請求を行うものです。

これは大変悪質で、医療法人ぐるみで架空請求を繰り返し、理事長らが逮捕されている事案も発生しています。しかしそれらは氷山の一角といってよいでしょう。

生活保護においては医療扶助が年々増加し国や自治体の財政を圧迫していますが、たちの悪いことに医療費については本人をほぼ通さずに支払う形になっているので、高額な医療費について本人が目にすることもなく、逆に、「あの先生はよく診てくれてありがたい」と思っている受給者もいるほどです。

その対策として数年前より、本人あてに医療費支出額の通知書類を配布するようになったのですが、あまり効果は得られていません。

後述しますが、現在ではさらなる対策が取られています。

役所に抗議する医師も
福祉事務所として不正診療を見抜く手立ては、「レセプト」のチェックと「本人への事情聴取」しかないのが実態です。

まずレセプトは頻繁にチェックしており、ここで明らかに「一般の患者」と「生活保護の患者」に対する一件あたりの医療費に差がみられるものを拾い上げていきます。

生活保護受給者にだけ高額な検査、治療を頻繁に行っているものは目につきやすく、疑義があれば受診している本人を福祉事務所に呼んで確認したりします。すると本人はそもそも何も自覚はないので素直に、「先生が必ず毎日来るように言った。」「自分は手術はいらないと言ったのに、必要だからといって手術した。」などと答えます。

その場合福祉事務所から担当医師に問い合わせの電話をしたりするのですが、ここで医師はまっとうな説明をするでもなく、いわゆる「逆ギレ」状態でまくしたてる医師もいます。

「この患者にはこの手術は必要であり、実施しなければ手遅れになるから行ったまでだ。」「毎日来いとは本人に言っていない。本人が来院して症状を訴えるから治療しただけだ。診療の妨害をするな。」などと言われれば、福祉事務所は医療行為そのものについての審査ができるはずもなく、明らかに詐欺行為等でなければグレーゾーンのものを判定することができないのです。

またこれも悪質ですが、先述した架空請求についても、本人は月1回しか通院していないにもかかわらず、なぜか月10回受診したことになっており、この場合も本人から「そんなに何度も行っていない。先月は1度受診しただけ。」との偶然の申告から発覚するようなものも見受けられます。

また数年前、あろうことか病院側が生活保護受給者たちの保護費をすべて管理し、何らかの名目で搾取していた事案も発生し、関係者は逮捕されています。

このように生活保護の現場では、悲しいことに「医師の倫理観とは何なのか」を考えさせられる場面に遭遇することも少なくありません。


医師だけではなく、整骨院でも
実は「医療扶助」は、病院だけではなく、「柔道整復」(いわゆる整骨院での施術)、「あんま・マッサージ」、「はり・きゅう」の施術機関でも支給されます。

ただし、支給対象となる施術内容は決められており、柔道整復なら「外傷性骨折、脱臼、打撲や捻挫への処置」、あんま・マッサージなら「身体の麻痺や筋委縮などを緩和させるためのマッサージなど」、はり・きゅうなら「神経痛やリウマチなど慢性病であって、医師による適当な治療手段がないもの」となっています。

肩こりや腰痛、予防のためのマッサージなど、単なる慰安目的の施術では当然支給されません。

また施術を行うためには「医師の同意書」が必要な場合がほとんどです。(必要ないものもあります。)

ところがここでも全額医療扶助が支給される制度を悪用し、単なる「肩こり」への施術を行っただけのものを、「骨折後の処置」としたり、また慢性病の患者に対しても必要以上に頻繁に施術を行うなどの行為が一部で横行しています。

さらにここでも架空請求で月に数回しか施術を受けていない患者に対し、多いものでは月に20回もの施術を受けたように装い何十人分もの高額な施術費を請求していた事案も発生しています。

そして福祉事務所や国から調査が入った場合には、「生活が苦しく、初めから目標額を定めてその額に達するまで架空請求を行った」と話すなど、税金を食いものにする一部の施術者がいることも事実なのです。

本当に悪質なのは、生活保護受給者を利用するまわりの人間
このように、生活保護を受給している高齢者を狙った貧困ビジネスは実に悪質で、その悪質さは本人に判断力がないところにつけ込み、巧みな言葉で誘導し、本人も知らないところで保護費を搾取するところにあります。これは国や自治体から国民の「税金」を搾取していることになるのです。

さらにたちの悪いことに、生活保護受給者が保護費の不正受給をしていたことがひとたび発覚すれば大きなニュースになりますが、病院などの医療費水増しなど、明らかな逮捕事案でないグレーゾーンの場合はおもてに出ることもなく、そのまま平然と診療を続けているところもあるということです。

しかしここ数年、このような事案が頻発し、不正の手口等も分析され明らかになりつつあるので、国や地方自治体はあらゆる手段で不正を取り締まる対策を新たに講じています。

では実際にどのような対策が取られているのか、具体的にみていきましょう。

国や自治体による、貧困ビジネス対策
生活保護法の一部改正
平成26年より、生活保護法の一部を改正する法律が施行されました。

これにより、生活保護法は60年ぶりに見直され、その中で福祉事務所の「調査権限」が拡大されました。

従来は福祉事務所が本人の不正受給に対し調査を行うことが難しかったものが、調査のための照会先(本人の資産や収入を調べるため情報提供をしてもらう関係各署を指します)に回答を義務づけることにより、踏み込んだ調査が行えるようになりました。(今までは福祉事務所への回答義務がありませんでした。)

実は貧困ビジネスでも、業者が本人を使って保護費の不正受給をさせるなどの事案が発生しており、これに対する調査も以前よりしやすくなったのです。

またこの改正で、生活保護法の指定医療機関制度の見直しを行い、以前は指定されれば「無期限」であったものを、有効期間(6年)を設けてその後は更新制とし、指定医療機関となるための要件も明確にしました。(以前はあいまいでした。)

また、もしも医療費の請求に関して不正があったときは、指定を即刻取り消すこととなりました。

さらにこの改正で国(地方厚生局)が直接、指定医療機関に指導を行えるようになり、そのための専門職員も配置されることとなりました。

これにより国をあげて医療機関に対し積極的に調査、指導を行うこととなったのです。

自治体での取り組み
自治体では現在新たに不正受給・不正請求専門の対策部署を設置し、専任の職員が日々調査を行っています。

ある自治体の一例としては、調査の過程で賃貸住宅において一般の人には「敷金・礼金ゼロ」で貸している物件を、生活保護受給者にのみ敷金・礼金を請求していた事案が発覚しました。

これに対しては厳正に対処し、今後一切の敷金・礼金を支給しないこととしています。

また、別の物件でも立入調査を行い、劣悪な住環境に住まわせて本人の健全な生活をおびやかす恐れのあるものも多数発覚し、今後このような物件に住居として入居する場合、生活保護決定は一切行わないこととしました。

また保護受給者を利用して住宅扶助を水増しさせる詐欺を行った業者を特定し、告訴した自治体もあります。

さらに、医療扶助に関する不正についても、専任の職員による調査で、本人は通院することが体力的に可能であるのに病院側が自宅に訪問して診察した形を装い「訪問診療料」を取っていたり、病院に来ていないのに何度も通院していると装い、医療費を架空請求する、また同様の手口で歯科での架空請求までもが発覚しており、これらに対しても医療費の全額返還と指定の取り消しなど行政上の措置を行い、悪質なものは告訴するなど、厳正に対処しています。

また自治体の福祉部門のみならず、区長レベルの管理職や財政担当者からなる「専門会議」を定期的に実施している自治体もあり、今後の課題についても「全部署をまたいだ市全体としての大きな課題」として議論されています。

その中でやはり生活保護受給者を多く抱える自治体は、「生活保護で起きるリアルな問題点は現場が一番よく知っており、その現場の声を聞いて現状をふまえた対策をしてほしい」ということを訴えるため、国に要望書を提出しています。

たとえば大阪市などは医療扶助について全額支給ではなく、本人や医療機関に金銭感覚を持たせるためにも「一部自己負担額の導入」などいくつかの提案をしています。

まとめ
生活保護法が60年ぶりに一部改定され、さらに国はここ数年で段階的に保護費の引き下げを行いました。

しかし生活保護費はいまだ国や自治体の財政を圧迫しており、国全体で2~3兆円規模、また保護率の高い大阪市の生活保護費も2,900~2,800億円で推移しています。

今後も、必要な人には確実に保護を実施することを大前提としながら、一方で不正受給や不正請求に対しては徹底的に対策を強化し、不正な保護費の流出を阻止することが課題となるでしょう。

また国としても生活保護制度のあり方について現段階でさらに検討しているところであり、近々新たに制度についての大幅見直しもあるかもしれません。
今後もさらに生活保護制度の動きに注目していきたいと思います。

本記事は、2017年10月08日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

輪子の競輪日記

2018年06月25日 11時05分59秒 | 未来予測研究会の掲示板
八重さんは、60代。
いつからか競輪場の2階のお茶飲み場の休憩室の隅の椅子に座っている。
小さなテーブルがあり、食堂で買った弁当を食べていることもある。
「あなた、良く当てているわね。競輪上手なのね。教えてよ」と輪子に声をかけるが、「それほど、上手じゃないのよ」と聞き流す。
1階に競輪ファンのご婦人方が集まる場所がある。
人間の習性なのだろう、多くの競輪ファンが同じ場所に留まる。
つまり座る席が固定化する。
輪子のように、座る席が固定化しないのは希のようだ。
B型人間の特徴であろうか?
輪子は血液型による人間の累計を信じていていないが、人から「輪子さんが、血液Bでしょう」と言われる。
医療職である同僚たちが血液型による性格判断を口にしているので、輪子は呆れる。
「みんなが、煩いのでここえ逃げてきたの」と八重さんは言う。
周囲に男性ファンもいて、八重さんに「この2選手から買ってみな」と教える。
すると脇から、「2番はずるいぞ、とぼけることもある。買うのはやめとけ、八重さん買うなら5番からだよ」と遮る。
さらに、「八重さん7番だよ」と強気の人の声もする。
混乱するばかりで、八重さんは2階で暫く休憩することになるそうだ。
「私ね横浜から取手に来たのよ」と輪子に言ったのは3度目である。
「横浜の弘明寺ね、前に聞いたわ」と輪子は微笑む。
「夫が亡くなり、社宅を出ることになったの。新聞に挟んであった広告に取手の新築マンションの広告が乗っていたので、見に来て部屋から7階なので富士山も筑波さんも見えて、ここに住もうと決めたの」
「そうでしたか、縁ですね」
「広告を見なければ、取手へ住むこともなかったわね。それから、競輪を覚えることもなかったわね」
「なぜ、競輪を?」
「鐘の音が聞こえて、人の騒ぐ声が聞こえて、駐車場に車が一杯。何だろうと見に行ったの」
「そうなのね」
「まさか、取手へ来てから競輪をやるとはね。亡くなった主人は競馬、競輪もパチンコもやらない真面目な人だった。お酒だけ」と微笑む。
「今日は、さっぱり、教えてよ。競輪上手なのでしょ」
輪子はこの日、連続して車券が的中していた。
「教えてよ」と懇願されたのは、5度目であった。
それを今まで聞き流してきたのに、輪子は「今日の自分どうかしている」といぶかりながら、「1-7-5で固いわ」と口にしてしまった。
しばらくして、「しまった」と悔いる。
なぜなら、「9-3-4」のラインが怖いと啓示するように脳裡に浮かんだのだ。
固いと思った7-1-5は捲りである。
2-6-8ラインは無視できるが、先行する9-3-4ラインで決まる可能性は否定できなかった。
八重さんに1-7-5を教えて、今更9-3-4ラインは買えない。
レース結果は、7-1-5ラインと2-6-8ラインの競り合いとなり、9-3-4で決まる。
このことがきっかけで、ツキが落ちて下降する。
「皮肉なのものなのね」輪子は苦笑した。

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GⅢ久留米競輪場「第24回 中野カップ」
9レース
2車単3-9 1,760円 (5番人気)
3連単 3-9-4 7,330円 (16番人気)

1着 成清 貴之(千葉73期)
2着 林 雄一(神奈川83期)
3着 加賀山 淳(千葉94期)
4着 東口 善朋(和歌山85期)
5着 志村 龍己(山梨98期)
6着 内村 泰三(山口72期)
7着 小林 潤二(群馬75期)
8着 鷲田 佳史(福井88期)

先行は4-3-9ライン
中段に2-6-8ライン
本命の7-1-5ラインは7番手に置かれる。
本命ラインは捲るも、7番選手は3番選手にブロックされ後退する。
よくあるレースのパタンであった。