「我慢できない子だね」
輪子は祖母にしばしば言われた。
買い物好きな祖母に着いて、デパートなどへ行くけど、あれこれ選ぶ祖母に反発して先に一人帰ってしまう。
当然、祖母は心配して輪子を探す。
「さんざん、輪子のこと探したよ。どうして先に帰るんだい」と祖母は問い詰める。
「だって、おばあちゃんの買い物が長いんだもの。イライラしてきたの」ケロリとした顔で言う。
「少し、待てないもんかね。呆れたよ。もう、買い物に連れていかないよ」祖母はたしなめた。
「そうなんだ、自分は我慢ができない子なのだ」と輪子は自覚した。
母親が勧めたピアノも「だめ、ちっともうまくなれない」と1年で止めてしまった。
「我慢して練習すれば、上手になれるのにね」と母親も呆れた。
長いレジの列に並ぶのも我慢できないので、お客が少ない店を選らんで買い物をする。
看護師の輪子は、混雑する病院の待合室に根気よく待つ患者さんたちの我慢強さに感心するばかりの身である。
車券を買うために列に並ぶのも我慢できない性質(たち)で、車券は投票場が空いている時に買う。
それで、「このレース、5-7、5-1を買ったけど、2-9ではないかしら」と思い直した時、投票締め切りが迫っていた。
慌て投票用紙に2-9と記入したのに、列が出来ていて、並んでも締め切られ車券が買えなかったこともしばしば。
熟考することにも、我慢ができない。
あてにできない<直感勝負>のタイプだと自覚している。
岸和田競輪場での第69回高松宮記念杯12レースは白虎賞。
1番人気は3-7ライン
対抗は1-9-5ライン
人気薄は2-4ライン
6番と8番が単騎
1番三谷 竜生(奈良 101期 30歳)
2番原田 研太朗(徳島 98期 27歳)
3番脇本 雄太(福井 94期 29歳)
4番小倉 竜二(徳島 77期 42歳)
5番村上 博幸(京都 86期 39歳)
6番北津留 翼(福岡 90期 33歳)
7番古性 優作(大阪 100期 27歳)
8番竹内 雄作(岐阜 99期 30歳)
9番村上 義弘(京都 73期 43歳)
前日、12レースで3番脇本選手は混戦をひと捲りで世界のスピードを見せつけた。
上がり10秒7は一番時計。
11レースで同じナショナルチームの渡邉一成選手は10秒9の上がりタイムで、新田祐大選手(ナショナルチーム)で差していた。
輪子は脇本選手の大ファンなので、3-1(21.2倍)、1-3(30.6倍)、3-9(20.9倍)の各目に500円。
思い付いて1-9(16倍)を1000円押さえる。
ところが、単騎の8番竹内雄作選手が玉砕的な大逃げをして、8----1-9の展開となる。
3番脇本選手は8番手に置かれてしまう。
しかも、捲った時に5番の村上博幸選手にブロック(外に張る)され失速して後退し、結果は何と9着になる。
まさかの結果となってしまう。
そして、期待の1-9は9-1となる。
43歳の村上義弘選手が30歳の三谷竜生選手を食ってしまった。
三谷選手は大逃げの8番選手を追走した結果、村上選手に追撃された。
輪子は<裏目に泣く>。
脇本選手に次いで大ファンの村上選手だから「まあ、いいか」と諦めた。
それにしても、ジンクスどおり、一番人気の捲り選手には<落とし穴>があることを改めて思い知らされることに。
輪子は祖母にしばしば言われた。
買い物好きな祖母に着いて、デパートなどへ行くけど、あれこれ選ぶ祖母に反発して先に一人帰ってしまう。
当然、祖母は心配して輪子を探す。
「さんざん、輪子のこと探したよ。どうして先に帰るんだい」と祖母は問い詰める。
「だって、おばあちゃんの買い物が長いんだもの。イライラしてきたの」ケロリとした顔で言う。
「少し、待てないもんかね。呆れたよ。もう、買い物に連れていかないよ」祖母はたしなめた。
「そうなんだ、自分は我慢ができない子なのだ」と輪子は自覚した。
母親が勧めたピアノも「だめ、ちっともうまくなれない」と1年で止めてしまった。
「我慢して練習すれば、上手になれるのにね」と母親も呆れた。
長いレジの列に並ぶのも我慢できないので、お客が少ない店を選らんで買い物をする。
看護師の輪子は、混雑する病院の待合室に根気よく待つ患者さんたちの我慢強さに感心するばかりの身である。
車券を買うために列に並ぶのも我慢できない性質(たち)で、車券は投票場が空いている時に買う。
それで、「このレース、5-7、5-1を買ったけど、2-9ではないかしら」と思い直した時、投票締め切りが迫っていた。
慌て投票用紙に2-9と記入したのに、列が出来ていて、並んでも締め切られ車券が買えなかったこともしばしば。
熟考することにも、我慢ができない。
あてにできない<直感勝負>のタイプだと自覚している。
岸和田競輪場での第69回高松宮記念杯12レースは白虎賞。
1番人気は3-7ライン
対抗は1-9-5ライン
人気薄は2-4ライン
6番と8番が単騎
1番三谷 竜生(奈良 101期 30歳)
2番原田 研太朗(徳島 98期 27歳)
3番脇本 雄太(福井 94期 29歳)
4番小倉 竜二(徳島 77期 42歳)
5番村上 博幸(京都 86期 39歳)
6番北津留 翼(福岡 90期 33歳)
7番古性 優作(大阪 100期 27歳)
8番竹内 雄作(岐阜 99期 30歳)
9番村上 義弘(京都 73期 43歳)
前日、12レースで3番脇本選手は混戦をひと捲りで世界のスピードを見せつけた。
上がり10秒7は一番時計。
11レースで同じナショナルチームの渡邉一成選手は10秒9の上がりタイムで、新田祐大選手(ナショナルチーム)で差していた。
輪子は脇本選手の大ファンなので、3-1(21.2倍)、1-3(30.6倍)、3-9(20.9倍)の各目に500円。
思い付いて1-9(16倍)を1000円押さえる。
ところが、単騎の8番竹内雄作選手が玉砕的な大逃げをして、8----1-9の展開となる。
3番脇本選手は8番手に置かれてしまう。
しかも、捲った時に5番の村上博幸選手にブロック(外に張る)され失速して後退し、結果は何と9着になる。
まさかの結果となってしまう。
そして、期待の1-9は9-1となる。
43歳の村上義弘選手が30歳の三谷竜生選手を食ってしまった。
三谷選手は大逃げの8番選手を追走した結果、村上選手に追撃された。
輪子は<裏目に泣く>。
脇本選手に次いで大ファンの村上選手だから「まあ、いいか」と諦めた。
それにしても、ジンクスどおり、一番人気の捲り選手には<落とし穴>があることを改めて思い知らされることに。