なわち記者諸君は公平なる地位にあって、各政党の正不正を裁く裁判官であると同時に、政党が正義に向かって進むことを躊躇する場合、これを鞭撻し激励する役目にあるものである。いかなる臆病太郎といえども「お前は強いぞ」と始終励まされると、卑怯な真似はようしないものである。
出典: 全国護憲記者大会での演説
政党には、党勢拡張、政権獲得などという一種の病気がつきまとう。そのために、あるいは種々の不正手段に出たり、あるいは敵に向かって進む勇気を失ったりすることがある。これを監視し激励するのが言論に従事する人々の責任でなければならぬ。
出典: 全国護憲記者大会での演説
今の暴れ者をもう一度呼んで来い、話して聞かせてやる。
解説: 五・一五事件で青年将校に銃で撃たれた後に言った言葉
仏教もキリスト教も道教も異途同帰で、要するに根本の信念を固めることにある。しかるに、現在の我方国民教育の不完全は、道徳の根本たる信念に導くべき教えが欠けている。
そもそも政界百弊の根源は、選挙に莫大の金を要するがゆえなれば、まずもって現行選挙法を改正しなければならぬ。
青年血気のときには、金も持ちたし、学者にもなりたし、政治家にもなりたし、と種々の事に意思が動く。これが万事失敗の本になる。
話せば分かる。
解説: 五・一五事件で青年将校が首相官邸を襲撃した時にかけた言葉
私が言う産業立国は、皇国主義じゃない。
正反対のもでる。わが国大和民族は、海外に行っての一切の武装をせず、平和な工人、平和なる農民、平和なる商人で資材を確保すればいいじゃないか。
侵略主義ということは、よほど今では遅ればせのことである。
どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい。
決して外国に向かって侵略をしようなどという考えは毛頭持っていない。
極端の右傾と極端な左傾が問題である。
両極端は線反対の体形であるが、実はその感覚は毛髪の差であり、共に革命的針路をとるもので実に危険至極である。