犬養毅の言葉

2019年11月04日 21時00分03秒 | 社会・文化・政治・経済

なわち記者諸君は公平なる地位にあって、各政党の正不正を裁く裁判官であると同時に、政党が正義に向かって進むことを躊躇する場合、これを鞭撻し激励する役目にあるものである。いかなる臆病太郎といえども「お前は強いぞ」と始終励まされると、卑怯な真似はようしないものである。

出典: 全国護憲記者大会での演説

政党には、党勢拡張、政権獲得などという一種の病気がつきまとう。そのために、あるいは種々の不正手段に出たり、あるいは敵に向かって進む勇気を失ったりすることがある。これを監視し激励するのが言論に従事する人々の責任でなければならぬ。
出典: 全国護憲記者大会での演説

今の暴れ者をもう一度呼んで来い、話して聞かせてやる。
解説: 五・一五事件で青年将校に銃で撃たれた後に言った言葉

仏教もキリスト教も道教も異途同帰で、要するに根本の信念を固めることにある。しかるに、現在の我方国民教育の不完全は、道徳の根本たる信念に導くべき教えが欠けている。

そもそも政界百弊の根源は、選挙に莫大の金を要するがゆえなれば、まずもって現行選挙法を改正しなければならぬ。

青年血気のときには、金も持ちたし、学者にもなりたし、政治家にもなりたし、と種々の事に意思が動く。これが万事失敗の本になる。

話せば分かる。
解説: 五・一五事件で青年将校が首相官邸を襲撃した時にかけた言葉

私が言う産業立国は、皇国主義じゃない。
正反対のもでる。わが国大和民族は、海外に行っての一切の武装をせず、平和な工人、平和なる農民、平和なる商人で資材を確保すればいいじゃないか。
侵略主義ということは、よほど今では遅ればせのことである。
どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい。
決して外国に向かって侵略をしようなどという考えは毛頭持っていない。
極端の右傾と極端な左傾が問題である。
両極端は線反対の体形であるが、実はその感覚は毛髪の差であり、共に革命的針路をとるもので実に危険至極である。


シングルマザーなので、「まあ、いいか」

2019年11月04日 19時43分04秒 | 社会・文化・政治・経済

人生100年時代なら74歳の人は、働く意欲があるのに、面接にもたどりつけず書類選考で常に排除される存在であるのか。
極端な例えかもしれないが、40代なのに仕事が疎かな人が存在する。
人手不足なので、管理者も注意もできず雇用をつづけいる。
連携プレイの仕事なので、本人がいい加減な仕事ぶりなので、必然的に相手方の負担が過重となる。
その人の作業はいい加減で手抜きばかりなので当然、自分の担当の部署の仕事は早く終わる。
そして退社までの時間を持て余して、ぶらぶらしながら無駄話をして、無為な状態で過ごしている始末。
仕事を真面目に続けて相棒を補佐する気持ちなどは、ゼロに等しい。
生活が苦しいシングルマザーなので、「まあ、いいか」と容認する同僚たち。


狼の義 新 犬養木堂伝

2019年11月04日 19時43分04秒 | 社会・文化・政治・経済
 
林 新 (著), 堀川 惠子 (著)
 
 

内容紹介

この男を失い、日本は焦土と化した。政界を駆けた孤狼の生涯を壮大に描く!

この男を失い、日本は焦土と化した。

最期の言葉は「話せばわかる」「問答無用」ではなかった!?
5・15事件の実態はじめ、驚愕の事実に基づく新評伝。
政界を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的筆力で描く!!

「極右と極左は毛髪の差」(犬養毅)
日本に芽吹いた政党政治を守らんと、強権的な藩閥政治に抗し、腐敗した利権政治を指弾し、
増大する軍部と対峙し続け、5・15事件で凶弾に倒れた男・犬養木堂。
文字通り立憲政治に命を賭けた男を失い、政党政治は滅び、この国は焦土と果てた……。
戦前は「犬養の懐刀」、戦後は「吉田茂の指南役」として知られた古島一雄をもう一人の主人公とし、
政界の荒野を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的な筆力で描く。
最期の言葉は「話せばわかる」ではなかった!? 5・15事件の実態をはじめ、驚愕の事実に基づく新評伝。

「侵略主義というようなことは、よほど今では遅ればせのことである。どこまでも、私は平和ということをもって進んでいきたい」
(1932年5月1日、犬養首相の日本放送協会ラジオ演説より)
真の保守とは、リベラルとは!? 明治、大正、昭和の課題を、果たして私たちは乗り越えられたのか?? 

※本書は2017年に逝去された林新氏が厳格なノンフィクションでなく、敢えて小説的な形式で構想し、着手したものを、堀川惠子氏がその意志を受け継ぎ、書き上げたものです。

内容(「BOOK」データベースより)

日本に芽吹いた政党政治を守らんと、強権的な藩閥政治に抗し、腐敗した利権政治を指弾、増大する軍部と対峙し続け、5・15事件で凶弾に斃れた男・犬養木堂。文字通り立憲政治に命を賭けた男を失い、政党政治は滅び、この国は焦土と果てた…。真の保守とは、リベラルとは!?戦前は「犬養の懐刀」、戦後は「吉田茂の指南役」として知られた古島一雄をもう一人の主人公とし、政界の荒野を駆け抜けた孤狼の生涯を圧倒的な筆力で描く。驚愕の事実に基づく新評伝!

著者について

●林 新:1957~2017。慶應義塾大学経済学部卒。NHKエグゼクティブ・プロデューサーとしてNHKスペシャル、大型企画を担当。「ドキュメント太平洋戦争 第4集 責任なき戦場 ~ビルマ・インパール~」(文化庁芸術作品賞)「家族の肖像」(ギャラクシー賞受賞)「世紀を越えて」「JAPANデビュー 天皇と憲法」など近現代史に造詣が深い。著書に『よみがえる熱球 プロ野球70年』(集英社)、『日本人と象徴天皇』(共著・新潮社)。

●堀川 惠子:1969年生。テレビ記者を経てノンフィクション作家。『死刑の基準』で講談社ノンフィクション賞、『教誨師』で城山三郎賞、『原爆供養塔』で大宅壮一ノンフィクション賞、『戦禍に生きた演劇人たち』でAICT演劇評論賞。林との共同制作に「ヒロシマ・戦禍の恋文」「新藤兼人95歳 人生との格闘果てず」「死刑囚永山則夫 ~獄中28年間の対話~」等(いずれもNHK)。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

林/新
1957~2017年。慶應義塾大学経済学部卒。NHKエグゼクティブ・プロデューサーとしてNHKスペシャル、大型企画を担当。「ドキュメント太平洋戦争第4集責任なき戦場~ビルマ・インパール~」(文化庁芸術作品賞)、「家族の肖像」シリーズ(ギャラクシー賞)、「世紀を越えて」「JAPANデビュー天皇と憲法」など近現代史に造詣が深い

堀川/惠子
1969年生まれ。テレビ記者を経てノンフィクション作家。『死刑の基準』で講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命』で新潮ドキュメント賞、『教誨師』で城山三郎賞、『原爆供養塔』で大宅壮一ノンフィクション賞、『戦禍に生きた演劇人たち』でAICT演劇評論賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 
現在の選挙制度や政治は所与のものではなく、紆余曲折を経て作り上げられたのだと、改めて認識させられる良書だと思います
犬養ら主人公達が元老や官僚、政党、国民、そして最後は軍と対峙する姿は、悲壮感が
漂いながらも生き生きと活写されていました。
今の世に犬養、古島のごとき政治家は有りや、と問いたくなります。

正岡子規と古島一雄の関係の深さについて驚かされる。陸羯南より古島の方が子規と近かった事実はほとんど知られていない(古島そのものが知られていないし)。三浦梧楼に植原悦二郎といい、知られざるエピソードが盛りだくさん。現在の政治記者たちは果たしてこういった歴史を知っているだろうか。


久しぶりに一気読みしました❗️名前だけしか知らなかったのですが一気に木堂信者になれます。政治家とは、なんのために政治家になるのか、そういう本当だったら当たり前のことを改めて思い知らされる一冊です。保守とかリベラルとかではなく政党人としての生き様を見ることで改めて我が国の未来を考えることのできる「日本人」の生まれますことを‼️

綿密な調査により描かれる登場人物たちのリアルな心境、その場の情景。
圧倒的な情報が、教科書で暗記した事柄と事柄の隙間に入り込んで、目の前で歴史が生き生きと動き出す。
ページをめくる毎に、政党、憲法、選挙、国会…近代国家のかたちが一つずつ築き上げられていく様子が再生される。3回読み返しても、まだまだ読み取れてないことがたくさんあって、毎回感動しています。
すぐそこに犬養毅、古島一雄がいて、息遣いが聞こえてくる臨場感を楽しんでいます。

狼の義」によって犬養毅がいま改めて国民的な英雄になればいいなあと思います。その可能性を秘めた歴史的偉人達の活写、著者の熱意と筆力です。
この国はこれから歴史のターニングポイントに立ち戻って、なぜ別の道を選択できなかったか?を本気で検証しなければならないことになると思いますが、時宜を得た良書が誕生しました。

第一回帝国議会以来の混迷振りが犬養の立場からではあるが描かれており、最近の国会議員の質は落ちたと思っている人間には、実は戦前から進歩していないことがわかる、という成果も得られる良書。

 

競輪獲得賞金ランキング2019年10月31日現在

2019年11月04日 17時41分55秒 | 未来予測研究会の掲示板

非正規の夜勤、早産リスク3倍に

2019年11月04日 11時32分14秒 | 社会・文化・政治・経済

10万人の妊婦調査、名市大

11/1 (共同通信)

1週間の労働が35時間以下で、1カ月の夜勤が1~5回の妊婦は、夜勤をせずに働いている妊婦に比べて早産のリスクが3倍になるとの分析結果を名古屋市立大のチームが1日までに発表した。こうした働き方は、介護や接客などのサービス業に従事する非正規雇用の女性に多く、1日当たりの労働時間が長いことや、立ったままの仕事が多いことが原因の可能性があるという。

チームは「勤務パターンに応じた健康管理をするとともに、夜勤のある非正規雇用の妊婦の実態を詳しく調べる必要がある」としている。


被差別部落の起源

2019年11月04日 10時56分41秒 | 社会・文化・政治・経済

被差別の起源については諸説が存在するが、研究者で近世起源説を唱える者はいないとされ、中世あるいは古代以前から存在したとみられているが、人種起源説と職業起源説とがあり、未だ意見の統一を見ない。

政府が同和対策に取り組み出した1960年代からおおよそ1980年代の頃までは「近世に幕藩権力が無から全てを作り出した」といういわゆる「近世政治起源説」が信じられていたが、これが学術的に否定されたことによって、現在では中世以前の様々な要素を踏まえた上でその起源についての考証が行われている。

近世の身分制度は社会的地位であり、血統とは違っていた。

江戸時代以前にも当然存在したが、江戸幕府による政権安定化のための身分世襲化が進んだ。

身分制度は儒教的な思想の影響を受け、社会的役割の固定化によって安定がもたらされると考えられていた。

しかし、差別に関しては、明確に「(えた)」という言葉が使われていた鎌倉・室町の時代から、「卑しい者とは結婚しない。

血は一度汚れるときれいにはならない。の子はいつまでもである」という差別意識まで記した史料[要出典]が現れており、その血統的な差別の起源は古く、最近あるいは今日まで、職業・地域を離れた血統差別の様相を示してきた。

なお、江戸時代の慣習により「士農工商」と呼ばれる四身分がよく知られているが、実際はそれ以外にも多種の身分が存在しており、また「四民」のうち武士以外の上下関係については疑問が呈されており、2016年4月現在の歴史教科書においては採用されていない。

現代に続く「差別」の問題の制度的源流は歴史的なものであるが、具体的な差別構造の成立は明治政府の政策や民衆に根付いた忌避感の表れであるとみる者もいる。

差別の具体的な形態は、個人においては交際や結婚や就職、集落においてはインフラの整備における公然とした不利益などである。いわゆる被差別では貧しさによる物乞いが後を絶たなかった。島崎藤村の「破戒」は、この時代の差別を扱っている。

運動[編集]

このような状況を改善するために、かつての階層の人々(いわゆる「民」)は、自主的な運動を始め、差別糾弾・行政闘争を軸に運動を展開した。

「問題が社会不安の原因になることを憂慮」した政府はこれらの運動が「左傾化」することを恐れ、弾圧と懐柔の両面で相対した。もっともは当初、「帝国臣民である以上、天皇の赤子として共に報国の権利と義務があり、それを差別により侵害するのは不当である」という意味の宣言をしていた。

「国民の融和」を目的とし、人権侵害の防止に積極的でなかった政府の運動に反発した西光万吉阪本清一郎らが中心となり1922年(大正11年)に全国が結成された。そして「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で知られる創立宣言で「全國に散在する吾が特殊民よ団結せよ。吾々がであることを誇る時が来たのだ。」と宣言した。今でこそ「特殊」は差別用語として扱われ民も避ける傾向があるが、結成時には扱いが異なっていたことが機関紙第一号から読み取れる



科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか

2019年11月04日 10時19分45秒 | 社会・文化・政治・経済

 科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか

 

著者 池内了

「科学倫理の書だけでは決定的に欠けているテーマがあった。科学者および技術者が軍事研究に手を染め、戦争で人間を効率的に殺戮するための手段の開発研究に深入りしている問題で、これこそ問われるべき科学者・技術者の倫理問題と言えるはずである。…本書はおそらく〈科学者は軍事研究に手を染めるべきではない〉と主張する最初の本になると思っている」

グローバル化が喧伝され、生き残るために倫理を置き去りにすることを当然としかねない現代、企業は儲けのために手抜きや不作為が常態化して安全性が二の次になり、政治は軍拡路線を拡大して貧富の格差の拡大を放置し、科学者の多くは研究費欲しさに軍事研究に励み、人々はお任せ民主主義になれてしまい、長期的な視点を失っている。このような時代にあって、著者は科学者の責任として、本書を書き下ろした。
第一次世界大戦、ナチス期の科学者や日本の戦時動員体制から、安倍内閣による「防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度」の詳細、大学や科学者コミュニティの実際、AI兵器・ゲノム編集、デュアルユース(軍民両用技術)のあり方まで。若き科学者に向けて普遍的かつ喫緊なテーマの全体像をはじめて記す。

目次


序章 新しい科学者倫理の構築のために

第1章 科学者と戦争
科学者個人の戦争協力
第一次世界大戦における戦争協力
第二次世界大戦における軍事開発
三つの軍事革命

第2章 軍事研究をめぐる科学者の常套句
「戦時には愛国者になれ」
「もうこれで戦争は起こらない」
「より人道的な兵器の開発である」
「軍事研究は科学の発展に寄与する」
「戦争(軍事研究)は発明の母である」
「いずれ民生に活用されて役に立つ」
「みんながやっているのだから」
「作った自分に責任はなく、使った軍が悪い」
「悪法も法である」
 
第3章 非戦・軍縮の思想
「国際人道法」による戦争の抑制
第二次世界大戦後に結ばれた条約
核実験・核兵器の禁止
平和のための国際組織
日本学術会議の決議・声明

第4章 安全保障技術研究推進制度の概要と問題点
「推進制度」の概要
募集する研究テーマ
公募要領の大きな変更
知的財産の帰属について
研究終了後の関係について
まとめ

第5章 軍事研究に対する科学者の反応
日本学術会議の声明
「報告」の論点――研究の公開性について
「報告」の論点――研究資金のあり方について
科学者の許容論(1)――「デュアルユースである」
科学者の許容論(2)――「学問の自由がある」
科学者の許容論(3)――「じっくり研究に打ち込みたいのだが……」
科学者の許容論(4)――「自衛のためならかまわない」
倫理規範に対する反論

第6章 やはり、科学者は軍事研究に手を染めてはならない
プロフェッションとしての科学者・技術者
大学が社会から負託されている役割

終章 現代のパラドックス

あとがき
参考にした文献
索引

著訳者略歴

池内了
いけうち・さとる

1944年兵庫県生まれ。総合研究大学院大学名誉教授。名古屋大学名誉教授。宇宙物理学専攻。 

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
1944年兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。
総合研究大学院大学名誉教授。名古屋大学名誉教授。
宇宙物理学専攻。
著書『親子で読もう 宇宙の歴史』(岩波書店)
『お父さんが話してくれた宇宙の歴史1-4』(岩波書店)
『科学者と戦争』(岩波新書)『科学者と軍事研究』(岩波新書)
『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書)『これだけは読んでおきたい科学の10冊』(岩波ジュニア新書)
『生きのびるための科学』(晶文社)『わが家の新築奮闘記』(晶文社)『科学は今どうなっているの?』(晶文社)『ヤバンな科学』(晶文社)
『物理学と神』(集英社新書、講談社学術文庫)『宇宙論と神』(集英社新書)『司馬江漢』(集英社新書)
『人間と科学の不協和音』(角川ワンテーマ新書)『科学の限界』(ちくま新書)『原発事故との伴走の記』(而立書房)
『転回期の科学を読む辞典』(みすず書房)
『科学者心得帳』(みすず書房)『寺田寅彦と現代』(みすず書房)
『科学・技術と現代社会』全2巻(みすず書房)
『科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか』(みすず書房)ほか多数。
 
 

 

 


ドラフト最下位

2019年11月04日 09時43分47秒 | 野球

 


内容紹介

球界の片隅にあった、驚き、苦悩、思いがけない栄光――。

ある年に、最後に名前を呼ばれた男たちを追って――。
球界の片隅にあった驚き、苦悩、思いがけない栄光を描く。

公式戦登板なしでプロ入りした男 高橋顕法/再生された男 田畑一也/最下位から千葉の誇りになった男 福浦和也/最下位を拒否した男 高瀬逸夫/球団幹部に出世した男 大木勝年/日米野球でやってきた男 鈴木弘/隠しダマの男 清水清人/9並びの男 吉川勝成/ゼロ契約の男 橋本泰由/勘違いしない男 松下圭太/2年連続最下位指名を受けた男 由田慎太郎/ありえなかった男 三輪正義/ポテンシャルが眠る男 鈴木駿也/怪物だった男 伊藤拓郎/1と99の男 今野龍太/育成の星になった男 長谷川潤

 ある年に、最後に名前を呼ばれた男たちを追って―。福浦和也、田畑一也、三輪正義、伊藤拓郎、今野龍太、長谷川潤ほか。球界の片隅にあった驚き、苦悩、思いがけない栄光を描く。

著者について

●村瀬 秀信:1975年生まれ、神奈川県出身。全国を放浪後、出版社・編集プロダクション勤務を経て独立。現在はエンターテインメントとプロ野球をテーマにさまざまな媒体へ寄稿している。著書はスマッシュヒットとなった『4522敗の記憶』(双葉社)をはじめ、『プロ野球 最期の言葉』(イーストプレス)、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』(講談社文庫)など。

 

冒頭で高橋顕法さんの話が読めてよかった。
知る人ぞ知る選手だと思うが当時仙台育英は甲子園ではイマイチぱっとせず
「ドラフトで指名されてる選手いる!」と新聞見て溜飲を下げたピュアな自分を思い出した。

ただ義理や根回しが必要な世界。本人も決して周囲から歓迎されて入団したわけではなかったそうで。
時代はもう平成だったがカープという球団だからか学生運動部の体質が色濃くあり、だいぶ苦労された様子。

最下位指名選手を取り上げてるので全体的に重苦しく爽快感は少ないがプロの裏側、厳しさを再認識する一冊。

 

野球は競技人口の裾野が広いのに球団数が少なく、プロ入りは針の穴ほどの「狭き門」である。

最下位とはいえ指名された選手は、みな才能に恵まれ、子どものころから活躍してきてきた人たちなのだ。
そのエリートたちが、自分の力では動かせない運命のようなものに翻弄されるさまが、この本にはたっぷり描かれている。
のちに2000安打を達成した福浦も、投手として指名を受けた誇りを早々に打ち砕かれ、打者転向を余儀なくされた。
思いどおりにならない場所で必死に生きている人間たち、心がひきつけられる。

 

 
 
 
 
 
 

 

 

牧原憲夫著作選集 上巻: 明治期の民権と民衆

2019年11月04日 09時13分16秒 | 社会・文化・政治・経済


 牧原が歴史の研究に志した根元には、近代日本の民衆はあれほど簡単に国家にとりこまれてしまったのは何故なのかという問いかけがあった。

内容紹介

1990年代以降の日本近代史研究に大きな足跡を残した歴史家・牧原憲夫。

その研究の中から牧原史学のエッセンスが詰まった代表的な論文を精選して収録。

上巻は、研究の原点となる1970年代前後の入手困難な初期論考をはじめ、明治後期の土地問題や農民問題論、民権運動の分析から、「客分」をキーワードに新しい民衆史像を提示した1990年代までの論考など、未発表作品も含めて構成される。

客分とは福沢諭吉の命名。

普通の人々の、毎日が平穏であればよいという意識も立派な政治だと認めるとことから牧原史学は始まる。

政治は、アイツラ政府の仕事だと呟きつつ、アイツラを横目でしっかり見つめていたのが明治半ばまでの民衆の姿だったのではないか、と。

近代史研究の難しさは、対象との距離の取り方に尽きる。

どうしても現在の評価軸で過去を切ってしまう。

この罠をよく知る牧原は、自由民権運動研究の陥穽(かんせい)を次のように批判した。

「政府の啓蒙と指導によって近代的理念を修得した」との側面のみで民衆の思想を計測するのはおかしい、と。

戦後の社会科学や歴史学に学びつつも、近代的価値観や制度そのものに内在する抑圧や排除・疎外を鋭く問い質していった歩みを示す。

「陥穽(かんせい)」とは、「人をおとしいれる策略、罠(わな)」

牧原/憲夫
1943年8月生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京都立大学、法政大学、早稲田大学等の非常勤講師を経て、1997年4月~2007年3月東京経済大学経済学部教員。2016年7月永眠

藤野/裕子
1976年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京女子大学現代教養学部准教授

戸邉/秀明
1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東京経済大学全学共通教育センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


 


牧原憲夫著作選集 下巻: 近代日本の文明化と国民化

2019年11月04日 08時36分19秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
 藤野 裕子 (編集), 戸邉 秀明 (編集), 牧原 憲夫 (著)

内容紹介

1990年代以降の日本近代史研究に大きな足跡を残した歴史家・牧原憲夫。その研究の中から牧原史学のエッセンスが詰まった代表的な論文を精選して収録。下巻は、国民国家論をめぐって展開された著者の文明化・国民化についての論考と、田中正造と山代巴を対象に歴史のなかの個人を論じた論文などを集成。

国民国家論への批判に対して、みずからの理論的立場や歴史に対する姿勢を語ったものや、著者が長きにわたって関心を持ちつづけた山代巴に関する論考には、牧原史学の発想と方法が色濃く反映されている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

牧原/憲夫
1943年8月生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京都立大学、法政大学、早稲田大学等の非常勤講師を経て、1997年4月~2007年3月東京経済大学経済学部教員。2016年7月永眠

藤野/裕子
1976年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京女子大学現代教養学部准教授

戸邉/秀明
1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東京経済大学全学共通教育センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 


 

 


東海大の選手層 東京国際大は序盤に期待…箱根駅伝展望

2019年11月04日 08時09分06秒 | 社会・文化・政治・経済

◆秩父宮賜杯 第51回全日本大学駅伝対校選手権(3日、名古屋市熱田神宮西門前~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前=8区間106・8キロ)

 学生3大駅伝第2戦は、東海大が5時間13分15秒で16年ぶり2度目の優勝を果たした。黄金世代と呼ばれる4年生のエース格を欠いたが、アンカーの名取燎太が8区日本人歴代5位をマークしてMVPを獲得するなど“3年生3本柱”が好走。箱根駅伝(来年1月2、3日)連覇へ、勝利の方程式を導き出した。連覇を狙った青学大は2位、出雲駅伝からの連勝を目指した国学院大は7位だった。(天候晴れ、気温14・4度、湿度81%、北北西の風2・0メートル=スタート時)

 文字通り「山あり谷あり」の10区間217・1キロ。長く険しい箱根路で戦うために必要な4大要素は「エース」「山」「選手層」「ロード適性」だ。加えて各チームの強みが求められる。

 数値化すると、優勝争いは5強に絞られるが、東海大が一歩だけ抜け出している。黄金世代+3年生3本柱で選手層は充実。山上り5区には前回2位の西田が万全。全日本8区で快走した名取がエース区間で戦えるめどが立ったのも大きい。

 青学大はロード適性、駒大はオールマイティーの能力、東洋大はエース相沢の攻撃力、国学院大は前回5区1位・浦野の爆発力で東海大に対抗する。

 帝京大は序盤、レースの流れに乗るためにエース力が欠けるが、選手層は厚い。対照的に2人のケニア人留学生(出場は調子がいい1人)と全日本2区区間賞の伊藤を擁する東京国際大は序盤トップを走る力を秘める。法大は春シーズン、絶好調ながら現在は体調不良に苦しむエース佐藤敏也の復調が待たれる。

 ただ優勝、シード権争いは大混戦。5強の一角でも大きなミスをすれば、直ちにシード圏外にはじき飛ばされるだろう。令和最初の箱根路は苛烈な戦国駅伝となる。(達)

 

 


男子高校生が女子大生に抱きつきスタンガン押し当てる

2019年11月04日 02時02分18秒 | 社会・文化・政治・経済

…高校生「強姦目的でやった」

10/29(火) MBSニュース

 10月28日夜、滋賀県大津市で女性にスタンガンのようなものを押し当て、わいせつな行為をしようとしたとして男子高校生が逮捕されました。

 強制性交などの疑いで逮捕されたのは大津市の17歳の男子高校生です。警察によりますと男子高校生は28日午後8時ごろ、大津市衣川の路上で帰宅中だった女子大学生(19)に後ろから抱きつきスタンガンのようなものを複数回押し当て、わいせつな行為をしようとした疑いです。女性は首元にやけどを負い軽傷です。

 女性に抵抗され男子高校生は逃走しましたが、通報を受けて駆けつけた警察官が付近で確保しました。男子高校生は「強姦目的でやった」と容疑を認めているということです。

【関連記事】

 


IOCの横暴か?選手第一か?

2019年11月04日 01時46分27秒 | 社会・文化・政治・経済

海外メディアは東京五輪マラソンの札幌移転をどう報じたのか

11/2(土) THE PAGE

東京五輪のマラソン・競歩競技の札幌への開催場所変更案が1日、正式決定した。東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪・パラリンピック組織委員会、政府の4者による調整協議が1日、都内で開かれ、条件付きで札幌への変更に反対していた東京都が受け入れた。事前協議なしに突然、一方通行での場所変更を決めたIOC及び組織委員会に不信感を抱いていた小池百合子知事は、最後まで同意はせず、「合意なき決定だ」と苦渋の選択であったことを明らかにした。

移転経費を都が負担しないこと、都と組織委員会が支出してきたマラソン、競歩の経費を精査、検証の上、別の目的に使用できないものは都に負担させないこと、他競技の開催地変更はもう行わないことが“交換条件”となり、メダル授与式は新国立競技場で行われ、パラリンピックのマラソンは東京で予定通り開催されることが決まった。


 また都民感情を抑えるため五輪後に「オリンピック・セレブレーションマラソン」というマラソン大会を東京で行うことも提案された。選手ファーストなのか、IOCファーストなのかわからない、不可解な突然の開催場所変更を海外メディアはどう伝えたのか。

 ガーディアン紙は「東京がマラソンを札幌に移す『苦渋の決断』を受け入れる」との見出しを取って「IOCによる驚きの決断に反対の姿勢を示していた東京都の小池都知事が不本意ながら(その意見を)取り下げた」と事実関係を伝えた。

 同紙は、「東京の7月と8月は、選手たちに不快感を与える高い湿度に加え、気温はしばしば30度を超える。1972年の冬季五輪を開催した札幌の、その時期の気温は日中で6度ほど低い。1964年の東京での前回の夏季五輪は10月に開催された。今回の動きは、東京のうだるような夏の暑さと湿度に、選手や観衆がさらされるのを防ぐために、2週間前に人気競技(のマラソンの開催場所)を移す判断がIOCから突如発令されたものだ」と、今回の開催場所変更の理由が、暑さ湿度の対策だったことを紹介した。

 だが、その一方で、東京都が、猛暑対策として、男女マラソンのスタート時間を午前6時、競歩を午前5時半に繰り上げ、コースの一部には、温度を下げるミストシャワーを設置し、道路上に遮熱性塗装を施すなどの努力をしてきたことも追記。
 また今回の札幌移転案が、表沙汰になってから東京は午前3時スタート案を持ち出し、IOCが「実行不能と退けていたこと」も伝えた。

「東京が、今、移転反対を取り下げたとしても開催地と五輪主催側は負担経費について話し合わなければならず、すでにチケットを購入し日本の首都の宿泊先を予約していた観客からの苦情にも対応しなければならない。長距離走の人気は、日本ではとても高く、マラソンは東京で大きな観衆を呼ぶことが予想されていた」と問題も提起した。

一方で、IOCの強引な手法に批判的だったのがワシントンポスト紙だ。同紙は「クールランニング。激しい論争の後、東京が五輪マラソンを少し涼しい天候の地へ移すことに合意」との見出しを取り、東京五輪のマラソン、競歩の開催地が、正式に札幌へ変更されたことを伝えた。
 開催地変更決定に至る4者協議の内容を伝える中で、「ジョン・コーツ調整委員長は、IOCのトーマス・バッハ会長が東京都民に今回の判断への理解を求める手紙も読み上げた。IOCは、東京がマラソンと競歩の開催地変更に関する費用を支払わず、競技開催のために負担した都市側の費用についても返済することに合意した」と説明。

 今回の騒動を「東京とIOCは、2013年に日本の首都での五輪開催をすると宣言した際に、夏の高い気温に関する懸念をはぐらかしていた。東京への招致では、東京側は『東京は、選手たちが最高のパフォーマンスを出せる温暖で晴れの日が多い理想の天候にある』と主張。IOCは『天候的な理由から(東京を)選んだ』と言及していた。専門家は、夏に五輪を開催する本当の理由は『天候ではなく金にある』と話している。五輪が開催される8月は米国や世界各地のテレビ放送の要求に合致し、最も利益を生む時期にある」と、IOCへの皮肉をこめてまとめた。


 海外のメディアや、ファンも9か月後の東京五輪への関心はまだ薄く、これらの記事に対するコメントもそう多くはなかった。
 だが、「東京のコンディションがどれだけ完璧なものなのか実証するために、都知事を華氏90度(摂氏約32度)、湿度60%の部屋に呼んでランニングマシンでマラソンを走らせるべきだったんだ」という選手ファーストの場所変更を支持する声や、「なぜ今頃までこういう問題を放置してきたのか」と、開催地決定から、6年間も、この問題が放置されてきたプロセスを批判する声も寄せられていた。

 選手ファーストの見地から東京の酷暑で行うマラソンに対しての議論が起き、開催場所変更案が出るのはもっともだが、なぜ、その指摘が今ごろになったのか。

突然の変更が、先のドーハの世界陸上での棄権者続出の悲劇を受けてのものであるならば、もし世界陸上がドーハで行われていなければ、このまま変更がなかったのか。

東京を開催地に選び、その後の準備、運営を定期的にチェックしてきたはずのIOC側の横暴はもっと厳しく批判されるべきで、今後の五輪のあり方も考え直す必要があるのだろう。


特殊詐欺の「受け子」か 神奈川県警の警察官逮捕

2019年11月04日 01時40分49秒 | 社会・文化・政治・経済

11/1(金) FNN.jpプライムオンライン

神奈川県警の警察官が、キャッシュカードを盗んだ疑いで逮捕された。

特殊詐欺の「受け子」とみられている。

神奈川県警第1交通機動隊の巡査・蕪木紀哉容疑者(24)は、横須賀市の80代の男性からキャッシュカード2枚を盗んだ疑いが持たれ、容疑を認めている。

調べによると、10月7日、男性が警察官を名乗る男から、「被害に遭ったキャッシュカードを止める」などという電話を受けている際、蕪木容疑者が男性宅を訪れ、キャッシュカード2枚とプラスチックカードをすり替えたという。

カードからコンビニで50万円が引き出され、防犯カメラ映像などから蕪木容疑者が浮上したということで、県警は、現金を引き出した疑いでも捜査する方針。

FNN

 

最終更新:11/1(金) 17:52
FNN.jpプライムオンライン


海老名市長選告示 

2019年11月04日 01時28分11秒 | 社会・文化・政治・経済

現職、2新人が舌戦 10日投開票

11/3(日) カナロコ by 神奈川新聞

任期満了に伴う海老名市長選が3日告示され、10日の投開票に向け、1週間にわたる舌戦の火ぶたが切られた。無所属新人で経営コンサルタントの氏家秀太氏(52)、無所属現職で5選を目指す内野優氏(64)、新人でNHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)の3人=右から届け出順=は早速、市内各地で第一声を上げ、有権者に支持を訴えた。


▼「ごみ有料化止める」 氏家 秀太氏(52)
 いよいよ市民対市長の戦いが始まった。争点は家庭系ごみの有料化の撤回だ。まさしく今の市政のあり方を問う。

 20年以上、デフレが続くこの国では閉塞(へいそく)感が漂い、新しい問題もたくさん起きている。子育て教育、少子高齢化、定住問題が大きなテーマだが、現市政はほとんど何もやっていない。新しい市政でやっていかないと、間に合わないことになる。

 失策の結果を市民に押しつけているごみ有料化を撤回させよう。市長が変わらないと、海老名は本当に変わらない。
 (海老名駅前)

◆選挙事務所=海老名市泉2の11の6、103-1、電話046(259)8879。

▼「まちづくり継続を」 内野 優氏(64)
 今回は海老名のまちづくりの発展を継続するか、止めるかを問う選挙だ。市外からも多くの方に来てもらえるまちになった。文化芸術ゾーンの整備など、質的にもっともっとレベルアップしていく。

 7年後は人口減少の課題も待つ。税収が落ち込むことになったとしても福祉を削ることはできない。発展した力を蓄積し、少子高齢化の時代に立ち向かう。

 中学校給食実施に向けて取り組み、待機児童対策も民間と協力する。まちが発展すると、さまざまな問題が出る。説明責任を果たし、一つ一つ解決していく。
 (選挙事務所前)

◆選挙事務所=海老名市めぐみ町514の18、電話046(259)7057。

▼「市職員給与を倍に」 立花 孝志氏(52)

 NHK受信料の支払いは国民の義務ではない。市長になったら、NHK集金人の戸別訪問を条例で規制し、受信料を払わない市民に1年間で5万円を助成する。さらに市職員給与を現在の倍に増やし、景気を刺激する。

 お金持ちを海老名に呼び込むことで、施策の財源にしたい。特に1億円以上の年収がある人を優遇するため、例えば、ごみは分別せずに捨て放題にし、住民票も印鑑証明も職員が届ける。お金持ちも低所得者もわくわくする街にする。海老名をドバイのようにしたい。
 (海老名駅前)

◆選挙事務所は置かない。

神奈川新聞社

 

最終更新:11/3(日) 22:50
カナロコ by 神奈川新聞

----------------------------------------------------------

N国・立花氏、埼玉補選で0秒落選も「出続けることが重要」年中出馬だ

10/28(月) スポーツ報知

 

 参院埼玉選挙区補欠選挙が27日、投開票され、立憲民主、国民民主両県連が支援した前埼玉県知事上田清司氏(71)が、「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(52)を破り、初当選を決めた。7月の参院選で初当選しながらも失職して出馬した立花氏は、選挙戦の最中に神奈川・海老名市長選(11月3日告示、10日投開票)への出馬を宣言。この日も「これからも選挙に出続けます」と明言した。投票率は20・81%。補選を含む戦後の衆参両院選で4番目の低投票率となった。

 ▽参院埼玉補選開票結果   

当106万5390上田 清司 無新

 16万8289立花 孝志 N元

         (選管最終)

 「参院から参院へ」という前代未聞の“くら替え”から始まった戦いは、上田氏の「0秒当確」によりあっけなく終わった。落選は「宿敵」のNHKの速報で知った。自身が2か月半だけ使用し、現在は繰り上げ当選した浜田聡参院議員のものとなった参院議員会館内の部屋に姿を見せた立花氏は「はい、はい。出ましたね。予想通りですよ」。表情に悔しさは一切なかった。

 8月の知事選に当選した大野元裕前参院議員と前知事の上田氏との議席交換に不満を抱き、7日の出馬会見ではNHKならぬ「既得権益をぶっ壊す!」と息巻いた立花氏。だが、選挙期間中の18日に、突然海老名市長選への立候補を表明。「これ、(自分が立候補すれば)勝てるじゃん」と会見で言っていたのはどこへやら、「非常に当選は厳しい。当選しない前提で予定を立てている」と方向転換していた。

 選挙戦最終日の26日には街頭演説で「『僕は選挙に出続けることが重要かな?』と思った。だから入れないでください」と、まさかの「投票しないで」のお願い。「選挙に出ることで、有権者とコミュニケーションを取れるのは、すばらしいと思った」と説明したものの、「有権者をバカにしている」などの批判も出た。

 投票率は20・81%と伸び悩んだ。立花氏は「国政選挙は投票率が平均して40%程度。それなら勝てると思っていたが低過ぎた。低いのは(選挙戦を)取り上げないメディアのせいでもある」。補選を含む戦後の衆参両院選で最低となる1991年参院埼玉補欠選挙の17・80%をわずかに上回っただけの投票率を敗戦理由に挙げると共に、取材陣にも“八つ当たり”。それでも「僕にとっては、勝っても負けてもプラスにしかなりませんから」と気落ちした様子は見せなかった。

 その上で、海老名市長選に落選した場合は、その後も選挙に出続けることを宣言。「小金井市長選(12月8日投開票)など、選挙はたくさんありますからね。2週間に1回くらい出ればいいんじゃないですか」。今後も立花氏の「選挙狂騒曲」は続いていく。

 ■与野党連携模索

 上田氏は同県知事を4期16年務めた高い知名度を背景に、推薦を受けた連合埼玉など各種団体の組織力や、地方議員との緊密な連携で支持を広げ、圧勝した。

 27日午後8時、埼玉県朝霞市の事務所で「当選確実」のニュース速報が流れると、テレビを視聴していたタブレットを掲げて支持者に笑顔を見せた。「上田県政を支えていただいた多くの皆さまのおかげだ」と話し、支援を受けた立憲民主、国民民主両党の国会議員らと壇上で万歳し、喜びを分かち合った。

 選挙戦では「県政と国政の懸け橋になる」と強調し、地方の権限拡大を主張。医師不足解消や行財政改革を訴えた。憲法改正は必要との認識を示す上田氏に対し、与野党双方から連携に期待する声が上がった。今後上田氏を巡る綱引きが激化しそうだ。

 


---------------------------------------------------

補選落ちても意気盛んな立花氏 N国に未来はあるのか

10/30(水) 毎日新聞

参院埼玉選挙区補選では、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)が出馬し、独自の選挙戦を展開した。

落選したものの得票率は13%に達し「今後もばんばん首長選挙に出る」と、党勢拡大に向けた手応えと、各種選挙に立候補を重ねる意向を示した。「実験」「起業家的」「危うさを感じる」――。

立花氏をウオッチングしてきた専門家は、参院補選の戦いぶりでN国の戦略が垣間見えたと分析する。

立花氏は選挙戦で、「埼玉都民」が利用する東京・池袋駅前や県内の主要駅前で街頭演説を行い、動画でネット中継。NHKのスクランブル放送化に加え、既得権益の打破や「消費税5%」を主張の中心に据えて戦った。また選挙期間中にもかかわらず、神奈川県海老名市長選への立候補を表明して話題を呼んだ。

 こうした選挙戦略について、若新雄純(わかしんゆうじゅん)・慶応大特任准教授(コミュニケーション論)は「立花氏は実験している」とみる。「NHKのワンイシューでいく時と、『反既得権』という打ち出し方をした時で、有権者からどれくらい共感を得られるか試したのではないか。(獲得した)16万票は予想していた反応の一番下に近く、響かなかったと考えているだろう」と推し量る。

 また、若新准教授は立花氏を「共感や応援はしないが、起業家的だ」と評する。「ネット広告は、いくつか試して結果が出たものを残していく」。誰を立候補させるかや、何を訴えるかなど、立花氏が選挙を通じて相当に「実験」できていると捉える。

 一方、飯田健・同志社大教授(大衆政治行動)は、N国の基盤はまだ固まっていないとみる。「立花氏の知名度は低く、支持はネットの中でもごく一部。高齢者を中心とした有権者は彼が誰なのか分かっていない。次期衆院選の候補者公募に多くの人が集まっているとのことだが、調子が悪くなると離れていくだろう」と党勢拡大に懐疑的だ。

 加えて、街頭演説を大声で妨害しようとした人を取り押さえ、警察に引き渡したことに「危うさを感じる」という。

 立花氏は今回、比例代表選出の参院議員からくら替え出馬し、浜田聡氏が繰り上げ当選した。党の議席は減らず、立花氏が各種選挙戦を戦い、浜田氏が議員活動を担うという、「選挙」と「政治」を分けた形にしたとも受け取れる。

 井田正道・明治大教授(日本政治論)は「れいわ新選組も山本太郎氏の票で他の人が当選しており、選挙で戦える人と議員になる人が違うことは現実にはあると思う。戦略として分からないことはないが、受け入れられるかは別。途中で別の選挙に出るとは言わず、選挙ごとに議席を取っていく方がいいと思う」と話す。

 N国は次期衆院選の比例北関東ブロックで1~2議席獲得を目指している。今後もさまざまな面で注目を集め、議論を呼びそうだ。【参院補選取材班】