ヒトラーの正体

2019年11月09日 22時39分02秒 | 社会・文化・政治・経済

舛添 要一  (著)

内容紹介

ヒトラーはいまも生きている! 

アドルフ・ヒトラー。20世紀最恐と言っていい暴君ですが、一方で彼が当時最も民主的な国家といわれた「ワイマール共和国」から生まれた事実を忘れてはいけません。

なぜ人びとは、この男を支持したのか。
悲劇は、止めることができなかったのか。

戦争中、ナチスに処刑されたユダヤ人はおよそ 600万人と推計されています。現代に生きる我々は、ホロコースト(大量虐殺)を知っており、どんなことがあってもこの男を許してはならない。ただ、歴史には必ず教訓がある。その汚点から眼を背けているばかりでは、現代のポピュリズムや排外主義を正しく恐れることができません。

ヒトラーについて書かれた本は無数にあります。いまも世界中で専門的な研究が進められている。しかし、難しい専門書を読みこなすのには手間も時間もかかります。ヒトラーについて手軽に読める入門書のような本があれば便利だ。そんな考えのもと、筆者が構想したのが本書です。

【編集担当からのおすすめ情報】 
筆者が若い研究者としてドイツのミュンヘンに就いていたとき、下宿屋の主人が「ヒトラー時代が一番良かった」と言い、当時の写真アルバムを懐かしそうに見せたことに驚いたそうです。学者時代にナチズムを研究対象としていた筆者の原体験です。それから約40年。政治家を経て、ヒトラーを改めて見つめ直した筆者が、実体験を交えつつ、平易な言葉で、ヒトラーを解説しました。図版や写真も多く使用されており、入門書としてまず手にとっていただきたい一冊です。

内容(「BOOK」データベースより)

20世紀最恐の暴君アドルフ・ヒトラー。戦争中、ナチスに処刑されたユダヤ人は約600万人と推計される。現代に生きる我々はホロコーストを知っており、どんなことがあってもこの独裁者を許してはならない。一方で、ヒトラーが当時最も民主的な国家と言われたワイマール共和国から誕生したことを忘れてはならない。なぜ人びとは、この男を支持したのか。悲劇は止められなかったのか。歴史には必ず教訓がある。ヒトラーを正しく恐れるための入門書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

舛添/要一
1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。パリ(フランス)、ジュネーブ(スイス)、ミュンヘン(ドイツ)でヨーロッパ外交史を研究。東京大学教養学部政治学助教授を経て政界へ。2001年参議院議員(自民党)に初当選後、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)、都知事を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

いまヒトラーを語るワケ

舛添 ヒトラーとの出会いは、かれこれ40年以上前になります。学者時代、ドイツのミュンヘンで仕事をしていたことがありました。滞在していた下宿屋の親父と仲良くなって、ときどき、「おまえ、お茶でも来い」と呼ばれるわけです。

その親父がアルバムを持ってくるんですよ。聞くと、「これはヒトラーの時代のアルバムだ。俺の人生の中で、この時代が一番よかった」というわけですよ。私には、ユダヤ人虐殺(ホロコースト)、アウシュヴィッツ強制収容所というイメージでしか、ナチスを捉えていなかったから、この親父は何てことを言うんだろうなと思いました。

適菜 戦前を知るドイツ人にとって、ヒトラー=絶対悪とは限らなかった。

舛添 そうです。それどころか、神格化している国民がいるわけです。ヒトラーを生んだワイマール共和国は、その当時、世界で一番民主的な憲法をもっていると言われていました。選挙制度をみても、日本では第二次大戦が終わってから女性は選挙権を持ちましたが、当時のワイマール共和国には既にありました。

では、世界一民主的な憲法を持っている国でなぜヒトラーは生まれたのか。しかもクーデターではなくて、完全に自由な選挙をやって第一党に選ばれています。さきほどの親父の言葉もそうですが、なぜヒトラーに人びとは従ったのか、について研究したいと思いました。
「個人」と「大衆」
舛添 その答えは、拙著『ヒトラーの正体』に詳しく書きましたが、大きな要因の一つは経済対策です。

第一次大戦の責任をドイツはベルサイユ条約によって負わされました。多額の賠償金と再軍備の禁止が課されたドイツは、経済状況が落ち込み、インフレも留まることをしらない。パンの値段が一日で倍になるような状況のなか、国民の不満は溜まっていきます。

そうした不満を経済対策などによって解消したのがヒトラーだったんです。

高速道路アウトバーンの建設などを通じて、公共事業を創出したことは有名ですね。600万人いた失業者を、政権を獲ってたった3年で完全雇用に近い状態までもってきたことは功績と言ってもいいでしょう。ベルサイユ条約で、多くの領土をとられ、自尊心も傷つけられていた国民にとって、ヒトラーは救世主に映ったことでしょう。

適菜 仰るように経済的な要因はとても大きいと思いますが、なぜワイマール体制でナチスみたいなものが生まれたかという疑問に即せば、むしろワイマール体制だからナチスが出てきたという側面もある。まずはこのあたりから考えていきたいと思います。

ナチスの独裁は、きわめて近代的な現象です。近代革命により階層社会やギルド、村落共同体が崩壊した結果、社会的紐帯は消滅し、人々は自己を喪失してしまう。

舛添さんのこの本でも紹介されていたエーリヒ・フロムの『自由からの逃走』には「自由は近代人に独立と合理性とをあたえたが、一方個人を孤独におとしいれ、そのため個人を不安な無力なものにした。この孤独はたえがたいものである。かれは自由の重荷からのがれて新しい依存と従属を求めるか、あるいは人間の独自性と個性にもとづいた積極的な自由の完全な実現に進むかの 二者択一に迫られる」とあります。

近代は判断の責任を引き受ける「個人」と同時に「大衆」を生み出した。彼らは、共同体から切断され、不安に支配された人々です。彼らは自由の責任に耐えることができない。そして、自分を縛り付けてくれる権威、疑似共同体を求めるようになる。この「大衆」が存在しなければ、全体主義は発生しません。

舛添 そうですね。

適菜 前近代的な専制と独裁は違います。専制は前近代において身分的支配層が行なうものであり、独裁は近代において国民の支持を受けた組織が行なうものです。つまり、暴君が上から下に向かって権力を振るうのではなく、上と下が一体化し、大衆運動として、全体主義は進行していきます。

孤独な群衆

舛添 かつてアメリカの社会学者デイヴィッド・リースマンが「孤独な群衆」という言葉を使いましたが、孤独な群衆の「結局さみしい」「誰かと一緒になりたい」という心情に、独裁者の言葉は響くのだと思います。

では現代に「孤独な群衆」はいないのか。否、ここにきて急激に増えているのではないか、というのが私の見立てです。
トランプ大統領誕生にも、そうした人びとが熱狂的に支持したという背景があります。アメリカのさびついた工業地帯(ラストベルト)は、もともとキリスト教の信仰が非常に厚くて、コミュニティもしっかりしているところでした。しかし、石炭産業が廃れ、自動車産業をはじめとするメーカーがいなくなって、白人の失業者が増えていった。飯も食えない人びとは、不満を滾らせ、ドラッグに染まっていきます。
そんなコミュニティが崩壊した状況下に、トランプが現れた。「あなたたちが苦労しているのは、あなたたちのせいではない。移民が増え、中国から安い製品が来るからだ」といったセリフを連呼し、熱狂を生んでいきました。ヒトラーが、経済恐慌の原因を、ベルサイユ条約を押しつけた連合国や、ユダヤ人に求めたのと相似します。

適菜 今の話にひと言付け加えると、大衆=労働者や貧困層ではないということです。庶民という曖昧な概念とも違います。私が「大衆」という言葉を使うと、「適菜は上から目線」「大衆を差別するのか」と言われたりもしますが、まったく逆なんです。階層社会の消滅により、「上から目線」が成立しなくなったのが近代です。
N国はなぜ成功したか

舛添 そうですね。そうした大衆を、いかに政治に目を向けさせるか。平成以降の政治のテーマは、そのひと言に尽きると思います。アメリカだけでなく、日本もそうです。

先日の参議院選挙では、「NHKから国民を守る党」(N国)とれいわ新選組(れいわ)の躍進が注目されました。国会議員をやっていた立場から見ると、よく議席とったなぁと感心せざるをえない部分があります。

私も自民党を出て「新党改革」という新しい党をつくったことがあります。参議院で1議席とるために、100万票要るんですよ。実際にやってみるとわかるんですけども、その100万票取るのがいかに大変か。
シングル・イシューと既得権攻撃

舛添 次に政党要件を揃えないといけません。国会議員5人以上いればいいんだけども、それ以下だと、直近の選挙で一定のパーセンテージとらないといけません。両党はそれをクリアした。

それは、大衆からの支持あってのものだと思います。では、その手法をつぶさに分析する際、どうしてもナチス党の選挙運動と比較したくなります。誤解してほしくないですが、れいわやN国に、ユダヤ人迫害を連想させるような差別意識があるというわけでは決してありません。あくまで手法に関しての分析です。
N国のやり方は、シングル・イシュー・ポリティクスに尽きると思います。つまり、単一相対主義です。NHKをぶっ潰す――。このスローガンにすべての政治的主張を集約しました。ヒトラーは、政権奪取前、「ベルサイユ条約をぶっ壊す」というスローガンで、国民の支持を得ていきました。あえて主張を減らし、しかしそれを繰り返すことで、効果的な選挙戦を展開しました。

適菜 N国の手法は、ヒトラーと同じ既得権攻撃です。わかりやすい敵をつくり出して攻撃し、社会にたまっている鬱憤やルサンチマンを集約していく。「NHKをぶっ壊す!」というフレーズも、20年近く前の小泉純一郎の「自民党をぶっ壊す!」の二番煎じです。既得権を叩くことにより、新しい利権を狙う。あの手の連中が繰り返していることは同じです。

舛添 ヒトラーは、そうした手法を『わが闘争』のなかで、「大衆の受容能力は非常に限られており(中略)効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、そしてこれをスローガンのように利用」することだと断言しています。
参院選では、そうした手法が現代でも、そして日本でも有効だということが改めて証明されました。立憲民主党や国民民主党のスローガンより、よっぽど人びとの印象に残ったに違いありません。その後、丸山穂高ですとか、渡辺喜美までリクルートされてしまったことには驚きましたが。

適菜 渡辺喜美の行動原理はカネの匂いがするところに近寄るだけ。あれはあれでわかりやすい。

舛添 なるほど。次にれいわです。山本太郎は、私は左のポピュリストだと思っています。

彼らの主張をざっと並べてみましょう。最低賃金1500円、奨学金返済免除、消費税廃止、所得税や法人税の累進課税、財政出動、野宿者支援・・・・・・。こうした主張に通底するメッセージは明確です。国民を飢えさせない。ヒトラーが初期に言っていた条件に非常に似ています。
れいわは右か、左か

舛添 ナチスは右翼政党のように日本人に思われていますが、違います。そもそもナチスはドイツ人がそう呼んだわけではなく、敵陣営による蔑称です。ジャパニーズをジャップと呼ぶようなものです。正式にはナチオナールゾチアリスティッシェで、「国家社会主義」という意味です。ドイツ国民のための社会主義といったところでしょうか。具体的には、日々労働に従事する一般大衆のための政党を意味します。
適菜 今、舛添さんが、山本太郎は左だと仰いましたが、反新自由主義、反グローバリズム、反構造改革という点においては、保守的な要素がかなり強いと私は見ています。「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と言い放ち、国家の根幹を破壊し続ける安倍政権に比べたら、本質的に保守的な主張をしているのは山本太郎ではないかと思います。ポピュリズムという観点から、れいわとN国を並べて論じるメディアは多いですが、私は違うと思っています。

舛添 なるほど、その指摘は、とても興味深いですね。

適菜 反構造改革、反グローバリズムを全面に打ち出しているという意味で、私はれいわに期待している部分もあります。平成の30年にわたる構造改革が今の日本をダメにしたと考えるなら、やはりその反省が出てきたということだと思います。 現代

 



福沢諭吉が見ていた賢者と愚者の違い

2019年11月09日 22時20分52秒 | 社会・文化・政治・経済

適菜 収さん

小林秀雄が教育者の福沢諭吉に見出したのは魂のフォームだった。福沢は単なる啓蒙思想家でも民権主義者でもない。福沢は『学問のすゝめ』の冒頭で「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と説いた。そこだけ見れば、啓蒙思想の理念である平等を説いたようだが、福沢はその後に「されども」と続けている。

されども、世の中には愚者がたくさんいる。では、賢者と愚者の違いはどこにあるのか? それは学問を身に着けているかどうかである。学問とは単に難しいことを知っていることではない。現実に即したもの、世の中に対する姿勢がきちんとしているかどうかであると。小林は言う。

福沢の文明論に隠れている彼の自覚とは、眼前の文明の実相に密着した、黙している一種の視力のように思える。これは、論では間に合わぬ困難な実相から問いかけられている事に、よく堪えている、困難を易しくしようともしないし、勝手に解釈しようともしないで、ただ大変よくこれに堪えている、そういう一種の視力が、私には直覚される。──「天という言葉」
小林が注目したのは福沢の目だった。それは傍観者の目ではない。その目は画家のような「外を見る事が内を見る事であるような眼」だった。福沢は文明や文化現象を客観的に分析したのではない。「文明の歴史的個性」を直視したのだと小林は言う。

彼は活路は洋学にしかないと衆に先んじて知ったが、ただそういう事なら、これは天下の大勢であって、早かれ遅かれ凡庸な進歩主義者にも明瞭になった事であった。福沢の炯眼(けいがん)はもっと深いところに至っていた。

洋学は活路を示したが、同時に私達の追い込まれた現実の窮境も、はっきりと示したという事が見抜かれていた。そこで、彼は思想家としてどういう態度を取ったろうというと、この窮地に立った課業の困難こそわが国の学者の特権であり、西洋の学者の知る事の出来ぬ経験であると考えた。この現に立っている私達の窮況困難を、敢えて、吾れを見舞った「好機」「僥倖」と観ずる道を行かなければ、新しい思想のわが国に於ける実りは期待出来ぬ、そう考えた。──「福沢諭吉」
福沢は復古主義者でもない。近代の構造が見えていたからだ。

独立とは国を風雨に耐える家屋のようにすること

文化の混乱期とは、文化論議だけでは片付かない、時間だけしか解決できないような本質的な困難が、見える人には見えている時期だと小林は言う。日本人は開国という「異常な過渡期」に生きているおかげで、旧文明の経験により新文明を照らすことができる。この「実験の一事」を福沢は「僥倖」と捉えた。

福沢は「天下の大勢」として脱亜入欧を説いたが、それは西欧の理念に迎合することではなかった。国の独立は偶然に成立するものではない。福沢は「風雨の来らざるを見て、家屋の堅牢なるを証すべからず」と言った。

独立とは国を風雨に耐える家屋のようにすることである。昔に戻ったところで、偶然の独立に恵まれる保証はない。福沢は「保守の文字は復古の義に解すべからず」とも言ったが、近代という宿命に向かい合うためには、「近代精神の最奥の暗所」に踏み込む必要がある。福沢の啓蒙は、そう読まなければならない。


政治はイデオロギーではない。臨機応変の判断であり、空想を交えぬ職人の自在な確実な知恵である。
どんな魅力的な政策も実現しなければ絵空ごと。
小林秀雄

侮蔑されたい人たちを動員するのが独裁

小林秀雄は政治的イデオロギーを嫌う

小林秀雄は、現代の知識人は、「科学的という、えたいの知れぬ言葉の力」により思い上がっていると言う。
しかし、それは厳密な意味における科学ではなく、「半科学」のお喋りにすぎないと。
心理学、社会学、歴史学といった人間について一番大切なことを説明しなければならない学問が、その扱う対象の本質的な曖昧さ、表現の数式化の本質的な困難といった問題について、なんの嘆きもあらわしていない。

彼らは無邪気に言葉を使う。乱暴に数値化、抽象化を行う。そして政治は常識から離れていく。合理主義の徹底は合理の限界に辿り着くが、問題は中途半端な合理である。科学の皮をかぶったイデオロギーである。
近代イデオロギーの根幹にはキリスト教がある。
民主主義は人間の生を歪めたキリスト教を換骨奪胎したものにすぎない。
民主主義は「一人ひとりが完全に平等である」という妄想で成り立っている。
社会に貢献する人も社会に害を与える人も同じ権利をもつ。

これは絶対存在である「神」を想定しないと出てこない発想だ。ニーチェは言う。

ヨーロッパを支配してきた道徳は宗教にすぎない。
民主主義や平等主義、国家主義などの近代イデオロギーは妄想にすぎない。
絶対的な善も絶対的な正義も存在しない。あの世もなければ、人生の目的もない。認識者の存在を抜きにした普遍的概念など存在しない。
すべては人間の認識が生み出した虚構である。
タチが悪いのは中途半端なニヒリストである。



小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?

2019年11月09日 20時59分43秒 | 社会・文化・政治・経済

適菜 収 (著)

内容紹介

小林秀雄といえば、最初に来るのは難解な批評家という印象だろう。食わず嫌いの人もいるかもしれない。だとしたら、あまりにももったいない。いま読めば、現代日本社会の混乱の原因を小林がどれほど鋭く、正確無比に見通し、警告していたかを知って驚嘆するにちがいないからだ。半世紀も前から小林は、大衆化が招く悪を予言していた――「改革」という名の破壊を企む勢力の乱立に今こそ投げかける、真の保守=小林秀雄の明察。


小林秀雄といえば、最初に来るのは難解な批評家という印象だろう。食わず嫌いの人もいるかもしれない。だとしたら、あまりにももったいない。いま読めば、現代日本社会の混乱の原因を小林がどれほど鋭く、正確無比に見通し、警告していたかを知って驚嘆するにちがいないからだ。半世紀も前から小林は、大衆化が招く悪を予言していた――。

「改革」という名の破壊を企む勢力の乱立に今こそ投げかける、小林秀雄の明察。狂った改革が社会を破壊し尽くす前に、真の保守=小林に学べ。
10万部突破の「警告」シリーズ最新作、バカとエセ保守をぶった斬る!

小林は近代の仕組みに気付いていた。
われわれは病んだ世界、転倒した世界に住んでいる。
だから、もう一度、常識を取り戻さなければならない。
小林の思考をきちんと追えば、現在のわが国が抱えている問題もクリアに理解できるようになります。
私はすでに近代は最終段階に突入したと判断しています。こうした混乱期において正気を維持するためには、われわれは小林からスタートしなければなりません。
――「はじめに ものが見える人たち」より抜粋

<本書の内容より>
●見えすぎるほど見えた小林の目
●言葉で説明できない領域がある
●オリジナルは近代人の幻想
●価値判断できない人間がバカ
●進歩史観に毒された近代人
●部分に分解しても全体はわからず
●人間理性を徹底して疑え
●教養とは型である
●保守にとって政治とはなにか
●この世に処する覚悟

内容(「BOOK」データベースより)

狂った改革が社会を破壊し尽くす前に、今こそ真の保守=小林に学べ!

著者について

適菜 収
1975年山梨県生まれ。作家。早稲田大学で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。著書に、ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体」、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒」、『新編 はじめてのニーチェ』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)ほか著書多数。

 

『ゲーテの警告』『ニーチェの警鐘』『ミシマの警告』に続く警告シリーズ第4弾がこの本。
高校生の時以来の小林秀雄でした。この本によれば小林秀雄はものすごく見えてた人だそうだ。
今の狂った時代では見えてる人の言うことには耳を傾けず、似非保守言論人の著書が垂れ流しになっている状況。
この本を読み、優れたものに触れ価値判断能力を身につけ正気を失わないようにしたいものだ。ちなみに適菜収氏の著書は全てお薦めです。また気付きはじめた人に特にお薦めです。

21世紀の現代社会について、20世紀の論壇で一世風靡した(というか、イメージとしては昭和論壇ですかね)小林秀雄の言動から省みるとは中々興味深い試みではないかと手に取ったのですが、、。
小林秀雄が残した批評文や評伝の類を引用して、その背景や理由を想像したり評論したりしながら、著者の主張に換えていくという構成に違和感を覚えました。引用→自著(或いはその逆)という細切れ構成の繰り返しなので、体裁そしても馴染み難い印象を受けました。
人物評や紹介、解説の体を装いながら、その実は著者の代弁のネタにしているところが、借景というか、他人の褌というか、どうも潔くないように思えます。
なんだこれと思いながら読み進めると、著者により本文中にこのように記されていました。
「なお、私がこれまで書いてきた本は引用が多い。本書もそうである。自分で改めて書くよりもそちらのほうが早いし、正確であるからだ。内容に関しては100パーセント、先人の知恵のパクリである。そもそも、世の中にあふれている文章は、出典を明記しないか、出典を特定できない引用に過ぎない」
まあ、まったくその通り、そういう内容の本、ということでした。お好きな方はどうぞという感じですかね。



人間の本性

2019年11月09日 18時17分03秒 | 社会・文化・政治・経済

丹羽 宇一郎  (著)

「現場にはすべてがある」

内容紹介

コンピュータやAIは目まぐるしく進化しているが、それらをコントロールする人間ははたして進化しているといえるだろうか。

年を重ねても人を妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、同様に成長していない自分に愕然とする。このような人間の心のあり方は時代が変わっても普遍的なテーマであることに変わりはなく、だからこそ古今東西の哲学者が「人間とは何か」を探求し続けているのだ。

この深遠な問いと人間の生き方について伊藤忠商事前会長、元中国大使で稀代の読書家でもある著者が、その豊富な人生経験から考察した一冊。

著者について

公益社団法人日本中国友好協会会長。一九三九年愛知県生まれ。元・中華人民共和国駐箚特命全権大使。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事(株)に入社。九八年に社長に就任すると、翌九九年には約四〇〇〇億円の不良債権を一括処理しながらも、翌年度の決算で同社の史上最高益を計上し、世間を瞠目させた。二〇〇四年会長就任。内閣府経済財政諮問会議議員、地方分権改革推進委員会委員長、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任ののち、一〇年に民間出身では初の駐中国大使に就任。現在、早稲田大学特命教授、伊藤忠商事名誉理事

 

知人の勧めもあり、この著者の本は既に何冊も読んでいるがいつも失望させられていた。今回の著作も人生の指針となるような色々な考え方や事例を紹介しているが、「利他の心」などを含め、過去にどこかでどなたかが述べていた内容を引用して並べたてているだけのような軽薄さが感じられる。したがって、内容として大きく間違っていることは書かれていないが、稲盛和夫氏の「生き方」「考え方」などの著作のように、若人に是非伝えておきたいという著者の使命感や魂のほとばしりのような情熱が全く感じられない。私は今後もこの著者の本を推薦することはしません。


企業でトップになった人視点の処世訓。
企業人は多くの場合、自分の考えよりも周囲の現実に即して落とし所を
探る官僚的な側面を持っているが、それを良しと思えない人も多くいるだろう。

そしてなによりも、「人間の本性」というタイトルから、生きる事の本質や
多様性等の知見を得たいと思った人にとっては表題倒れとしか言いようがない。
また冒頭で「本能は悪」と定義されるのであるが、「悪を抑えれば上手く
行く」と言った程度のヒトに対する理解で本を書ける能天気さが凄い。
(正直、恥ずかしくないのかなぁ?)

これだけ能天気でないと企業人としては上手くいかないよ、程度の
理解はできたけど。
企業人としての処世訓を読みたい人には面白い本かも知れない。


著者がこの本に記載されている通りの質素な暮らしをした、あるいは贅沢な暮らしをしていなければ、あの経団連会長をされた土光敏夫さんを思い出す。一時の楽が最後は不幸な結末となることを改めて感じた。目の前の道が登り坂と下り坂なら、あえて上り坂を登りたいと思う。苦しくとも高みを目指している自分がいるのだから。
誰かが書かれているように、稲盛氏の「心。」程には迫ってこないのは、著者がサラリーマン社長であり、任期は終わるものであり、終わることを想定して社長業を務めたからではないかと思う。それでもこれだけのことをされたのなら相当に立派であると思う。


コンピュータやAIが進化し、世の中の変化が加速する一方で、今日の若者の考え方(の一部)に違和感を持つこともある筆者は、人間の本質や本性は遠い昔から変化していないのではないかと云う。そして、科学技術と人間の本質のギャップが大きくなり過ぎていることが世の中の問題として表れて来ているとする。

本書では、筆者のこれまでの経験に基づき、人間に対する基本的な見方・考え方を述べている。人生の勝敗は最後に決まる、AIは人間の可能性を浮き彫りにする、どんなに優れた人でも苦労や困難が伴う、人間には「人を喜ばせたい」という本能がある、自発的に仕事をすると疲れない、あきらめたらそこで終わり、自分を正しく評価出来る人はいない、など、噛みしめたい教訓の数々を散りばめた一冊。

 



ISの新最高指導者ハシミ氏とは? 選定の意図は?

2019年11月09日 18時06分09秒 | 社会・文化・政治・経済

【記者:Raf Sanchez】
 アブバクル・バグダディ容疑者が2014年、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者として世界に名乗りを上げたのは、イラク北部モスルのヌーリ・モスクでのことだった。当時この地は、イラクからシリアにわたって広がったジハーディスト(聖戦主義者)たちの帝国の重要な拠点だった。

 バグダディ容疑者の後継者の就任時、このような壮大さはどこにもなかった。

 アブイブラヒム・ハシミ・クラシの名で知られる男が、燃え尽きたカリフ制国家の最高指導者となる。後継者は、7分半の音声テープで発表された。ハシミ氏自身は他のIS指導部と共に、身を隠している。ISはモスルの他、支配下に置いていたすべての都市から追い出された。かつて英国と同規模だった支配地は、シリア東部の砂漠地帯の数か所を残すのみに縮小した。

 音声声明ではISの新たな報道担当者がハシミ氏について、米国との戦闘経験がある「戦争の司令官」と表した。このことからハシミ氏はバグダディ容疑者同様、2003年の米主導の有志連合軍のイラク侵攻後、米軍と戦ったイラク人ではないかとの指摘が一部で上がっている。ISの事実上の首都はシリア・ラッカだったが、指導部の多くはイラクの国際テロ組織アルカイダ出身のイラク人だった。

 ハシミ氏について、国際テロリストとして指名手配されているアブドラ・カルダシュ容疑者と同一人物ではないかとの臆測もある中、米シンクタンク・世界政策センターのアナリストのハサン・ハサン氏は、その可能性は低いと指摘する。

 カルダシュ容疑者は西側諸国の情報当局によく知られており、狙われやすい標的となる可能性がある。知名度の低い指導者を選ぶことで、敵を混乱させようと考えているのではないかとの見立てだ。

 ハシミ氏は、バグダディ容疑者のようにカリフ制国家を統治することはないが、それでも世界中に大勢の忠実な配下が集う世界で最も強大なテロ組織の指導者だ。

 米国は、いまだに1万4000人のIS戦闘員がシリアとイラクで活動していると見積もっている。西側諸国の当局者らは、ISがシリア北部の混乱に乗じてクルド人勢力が運営する収容施設から同胞たちを脱獄させるのではないかと懸念している。

 2000人の外国人を含むIS戦闘員1万人が現在、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」に拘束されている。米国家テロ対策センターのラッセル・トラバース氏よると、ここ数週間で約100人が脱走しており、今後数か月で脱走者がさらに増える恐れがあるという。

 バグダディ容疑者は最後の声明で、支持者に対しクルド人勢力の手から「ムスリムの捕虜たち」を解放するよう呼びかけた。ISの新たな報道担当者はハシミ氏の就任を発表する声明で、この主張を繰り返した。

 シリア、イラク国外を見ると、ISはフィリピンやアフリカ中部、エジプト・シナイ半島の砂漠などに約20の関連組織がある。

 イスラム国は音声声明で「米国よ、イスラム国はすでに欧州の戸口にたどり着き、アフリカ中部にいるとなぜ気付かない? 西から東にいたるまで再び勢力を維持、拡大しているのだ」と述べている。

 我々はハシミ氏自身について、また、弱体化したもののいまだ恐ろしいジハーディストたちを同氏がどう導こうと考えているのか、これから知ることになるだろう。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。 「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

 



 

 


2005年ハリケーン「カトレア」

2019年11月09日 11時22分26秒 | 社会・文化・政治・経済

ハリケーン・カトリーナ (Hurricane Katrina) は、2005年8月末にアメリカ合衆国南東部を襲った大型ハリケーン。

被災者への救援策
市の8割が冠水したニューオーリンズ市民は、強制的に避難所や周辺地域での避難生活を余儀なくされる事となった。

車を持たない黒人貧困層は市内に取り残され、強盗や殺人が多発して町は混乱、避難所でも食料不足が起こるなど救済策は不十分で、「これがアメリカか」と嘆かれた。ハーバード公衆衛生大学院の調査では、被災者の33%が負傷もしくは健康被害を受けており、被災者の52%がハリケーン用の保険に未加入だった[3]。
具体的な支援策

政府の対応への不満
政府の対応が遅れた事に対してブッシュ大統領自ら認めたが、大統領が休暇中のテキサスの牧場から声明を発表していたことなどもあって政府に対する非難は各方面から噴出した。

Floyd (フロイド、1999年)では、300万人を避難させた連邦緊急事態管理庁(FEMA)であるが、元連邦緊急事態管理庁(FEMA)南部本部長は組織改編による指揮系統の不備と職員の士気低下を指摘している。被害の最もひどかったルイジアナ州では、州兵の3分の1をイラクに送り込んでいる。

それにより州兵が不足し、救助活動や治安維持が遅れたのだとの非難がある。これに対し大統領は「被災地支援にもイラクにも、十分な兵士がいる」と反論した。

また、被災した地域の住民の多くはアフリカン・アメリカンであり、人種差別や貧困といった問題が被害を大きくした要因だとされ、政府を批判する発言が相次いだ。その後、住民の不満を抑える意味も含め、ライス国務長官が出身地でもあるアラバマ州を訪問した。

 死亡・行方不明者統計[編集]

Hurricane Katrina Impactを参照。

州毎の死亡者数
死亡者数備考
ルイジアナ州 1,577 州外への避難民を含む
ミシシッピ州 238  
フロリダ州 14  
アラバマ州 2  
オハイオ州 2  
ジョージア州 2  
ケンタッキー州 1  
合計1,836 
行方不明者 705  

失敗事例 > アメリカ、ハリケーン被害 - 失敗学会

キューバは住民全員が避難して死者はゼロだった。

www.shippai.org/fkd/cf/CZ0200712.html - キャッシュ

事例発生日付, 2005年08月29日 ... 事例概要, 大型ハリケーン「カトリーナ」がルイジアナ、ミシシッピ、アラバマの三州を直撃、特に堤防が決壊したニューオリンズでは、市の大 ... 特に海抜ゼロメートル以下の地域が多いルイジアナ州ニューオリンズ市当局は、約48万5千人の全市民に避難命令を出し、住民の ... 直接の原因・かつてない大きさ「カテゴリー5」のハリケーンが沿岸を襲ったこと。 .... 無為、破損、大規模破損、 堤防決壊、二次災害、損壊、身体的被害、死亡、組織の損失、経済的損失、社会の被害、社会機能不全 ...


ALS患者の舩後議員 国会で初質問

2019年11月09日 05時39分41秒 | 社会・文化・政治・経済

2019/11/07 ANN

全身の筋肉が動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症の患者でれいわ新選組の舩後靖彦議員が7日、国会の委員会で初めての質問に臨んだ。

質問は、あらかじめ作成し、秘書が代読する形で行われた。追加質問は、介助の看護師が文字盤を使って作成し、舩後議員にあてられた時間が経過しないよう、議事の進行が止められた。

舩後議員は萩生田文部科学大臣に対し、「観念的なことで恐縮ですが、私たちは幸せになるために生を受けます。消費税は全員が幸せになりません。その辺りをどのようにお考えですか」と質問。萩生田大臣は「先生のご指摘になった“幸せにつなげる使い方”をしっかりしていくことが我々の仕事だと思いますので、ご理解を頂きたい」と答えた。

 

41歳でALSを発症。
「強く生きようとする意志を持てば、私が国会議員になれたように自らの夢、目標を実現できる。幸せを感じて生きていける」と語った。



小2女児殺害、殺意を否認

2019年11月09日 05時29分27秒 | 社会・文化・政治・経済

検察側「人命軽視甚だしい」―25歳男初公判・新潟地裁

2019年11月08日 【時事ドットコム

 新潟市西区で昨年5月、小学2年の女児=当時(7)=を殺害し、遺体を線路に遺棄したとして、殺人などの罪に問われた小林遼被告(25)の裁判員裁判の初公判が8日、新潟地裁(山崎威裁判長)であった。小林被告は「首を絞めたのは間違いないが、殺意はありませんでした」と起訴内容を一部否認した。

泣く女児の首、2度絞める 弁護側は計画性否定―新潟小2殺害、冒頭陳述

 冒頭陳述で検察側は、小林被告が事件当日、わいせつ行為をするため車を走行させながら下校途中の小学生を物色したと指摘。1人で歩いていた女児にわざと背後から衝突して転倒させ、後部座席に連れ込んだ上で首を絞めて気絶させたとした。
 その後、移動先の駐車場でわいせつ行為をし、泣きだした女児の首を5分以上絞めて殺害。発覚を防ぐために遺体を電車にひかせたとして、「人命軽視の態度が甚だしい」と非難した。
 弁護側は、殺人罪ではなく傷害致死罪にとどまると主張。強制わいせつ致死罪も成立しないと訴えた。
 起訴状によると、小林被告は昨年5月7日、新潟市西区の路上で女児に車を衝突させて連れ去り、駐車場に止めた車の中でわいせつな行為をし、首を手で圧迫し殺害。その後、遺体を線路上に放置し、電車にひかせたとされる。

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小2女児殺害、25歳男が殺意を否認 新潟地裁 

2019/11/8 14:32 〔共同〕
 新潟市西区で2018年5月、下校中の小学2年の女児(当時7)が連れ去られて殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた小林遼被告(25)は8日、新潟地裁(山崎威裁判長)の裁判員裁判の初公判で「首を絞めたのは間違いないが、静かにしてもらうためで殺意はない」と述べ、起訴内容の一部を否認した。

弁護側はわいせつ行為も否定し、殺人と強制わいせつ致死の罪ではなく、傷害致死罪が成立すると主張した。

公判では、殺意の有無や強制わいせつ致死罪の成否が争点になる。被害者が1人の事件で、検察側が死刑を求刑するかどうかも注目される。

冒頭陳述で検察側は「幼い被害者の首を5分以上にわたって絞め続けた」と指摘。近所に住む女児を解放すれば再び顔を合わせる可能性があり、救命措置を取らなかったことも殺意を裏付けるとした。

事件当日朝にスマートフォンの位置情報の記録が残らないように設定したり、目撃されたときのカムフラージュのために2着のズボンを重ねてはいたりしていたことを挙げ、計画性を強調。捜査段階ではわいせつ行為を認めており、「犯行態様は冷酷非情で悪質。わいせつを目的とする動機は身勝手だ」と述べた。

弁護側は、女児が死亡する前に1度、首を絞めて気絶させていたことから「黙らせるためで殺意はなかった」とした。

小林被告は計7つの罪で起訴され、死体遺棄や死体損壊、わいせつ目的略取の罪などについては起訴内容を認めた。

起訴状によると、小林被告は18年5月7日、新潟市西区の路上で、女児に軽乗用車をぶつけて車に乗せ、首を絞め気絶させて連れ去り、駐車場に止めた車の中でわいせつな行為をした上、首を絞め殺害、遺体をJR越後線の線路に放置し列車にひかせて損壊するなどしたとしている。

公判は計9回で、論告求刑は22日、判決は12月4日に言い渡される。

 


「スカート丈短い高校生多い」滋賀へ“盗撮遠征”の高校教諭処分

2019年11月09日 01時18分22秒 | 社会・文化・政治・経済

11/8(金) 神戸新聞NEXT

女子高校生を盗撮したとして、兵庫県教育委員会は8日、阪神間の県立高校の男性教諭(27)を懲戒免職にしたと発表した。ネット上で、盗撮しやすいとされる地域を検索し、3年前から月1、2回のペースで盗撮を繰り返していたという。

美容サービスだと思わせてわいせつ行為

 県教委によると、男性教諭は10月18日午後1時ごろから、滋賀県のJR草津駅構内でエスカレーターに乗った女子高校生計5人のスカート内にスマートフォンを差し入れて盗撮したとされる。同日夕、同県内の高校周辺で別の女子高校生に付きまとっている姿を通報され、発覚した。現在、警察の事情聴取を受けているという。

 当日は代休日で、県教委の聞き取りに対し「過去に1度、盗撮をしてからやめられなくなった。ネットの情報で『滋賀県はスカートの丈が短い高校生が多い』という書き込みがあったので盗撮目的で出掛けた」などと話したという。

 また、香美町での自然学校中、引率した女児3人にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で逮捕(不起訴処分)された小学校の男性教諭(32)についても8日付で懲戒免職とした。

 




金融商品の販売 重視すべきは顧客の利益だ

2019年11月09日 01時15分12秒 | 社会・文化・政治・経済

2019年11月5日公明新聞

【主張】

 人生100年時代を支える姿勢を金融機関に求めたい。


金融庁が、消費者の利益をより重視するよう金融機関に働き掛けている。生命保険や投資信託などの購入者の間で「金融商品を買うと損をさせられる」との認識が広がっているためだ。

同庁は「顧客の最善の利益の追求」など金融機関が守るべき7項目の原則を2017年に公表したが、順守している金融機関は少ないという。

実際、金融機関への苦情件数が増加し続けている。生命保険会社に寄せられた外貨建て保険・年金の苦情件数だけをみても、2018年度は2543件と14年度の約2.8倍に達した。その大半は高齢者である。

国民生活センターによると、1人暮らしで判断能力の衰えもみられる高齢の女性が、外貨建て個人年金保険を次々に勧誘されて約20件も契約し、そのたびに高額な手数料を支払わされていたケースもあったという。

金融商品の十分な知識がないことや、高齢者の将来不安につけ込んだ極めて悪質な販売方法と言わざるを得ない。

さらに、全国の郵便局で販売されている「かんぽ生命」の個人向け保険で、保険業法などに違反した疑いのある不正な契約が6300件以上も確認されている問題は、金融業界全体に対する不信感を増幅させている。

背景には、顧客の利益よりも自社の利益を優先するという体質的な問題があると指摘されている。

企業の業績の良しあしを判断する基準の一つは株価だ。金融機関も同様で、自社の利益が増えるほど株価が上昇し、経営者の評価も高まりやすい。ただ、株価を重視し過ぎると、従業員への過度な売り上げノルマにつながり、顧客の損失も顧みない営業活動の温床になりかねない。

そこで、欧米では、消費者の利益や地域貢献を自社の業績改善に結び付ける取り組みが主流になりつつある。わが国の金融業界も後れを取ってはならない。

まして超低金利の時代にあって、資産形成に役立つ金融商品は、若者から高齢者まで関心が高い。消費者の信頼を得られるよう金融機関が自ら襟を正す努力が必要だ。