党費4千円払う自民党員・党費集める地方市議からは落胆の声...自民党総裁選『党員・党友票』見送り決定で
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9月1日午後、相次いで自民党総裁選への出馬を表明した岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長。一方、出馬が確実視されている菅義偉官房長官は9月2日午後5時に正式に出馬を表明するとみられています。
選出方法決定『党員・党友票』見送り
実質的に安倍総理の次の総理大臣を決めることになる「自民党総裁選挙」ですが、9月1日にその『選出方法』が決定しました。
自民党総裁選挙は、原則として国会議員票394票と、その数と同数の全国の党員・党友などの394票の、合わせて788票で投票が行われます。
しかし、“特に緊急を要する時”は、党員・党友投票を省き、国会議員票394票と、各都道府県連に割り当てられた3票・合計141票の、合わせて535票で投票が行われます。
鈴木総務会長は「今回は安倍総理の突然の辞意表明で党員投票を実施するには総裁選の準備に2か月かかる」としています。
鈴木俊一総務会長 9月1日)
「後継選出は特に緊急を要することから、党大会に代わる両院議員総会で、両院議員および都道府県連代表各3名において、新総裁を選出することといたしたい。これから準備に取り掛かりますと、約2か月かかるということでございました。次なる政権が2か月間決まらないというのは、必ずしも良いことではない。こういうような意見が出たところでございます。」
現在、多くの派閥は菅氏への支援を表明していますが、「党員・党友票」いわゆる『地方票』では石破氏が人気とされています。今回決まった選挙方法では地方票が反映されにくいため、菅氏は有利になるとみられています。しかし、この決定には党内から異論も…
(小泉進次郎環境相 8月31日)
「だって空白生まれていないんだから。今、総理いますよ。辞意表明はしたけども、総理は総理の職務をこなしている。」
年額4千円の党費払う党員の声
さらに、地方の自民党員からも異論の声が上がっています。滋賀県に住む83歳の枝久夫さん。60年前に自民党員となりました。現在、年額4千円の党費を支払っていて、総裁選への投票の権利を持っています。
(自民党員 枝久夫さん 9月1日)
「当時は全くの派閥政治だったから、国民の声を聞くという、そういうことは無かったと思いますわ。大きな派閥の人数の合従だった。」
しかし2015年には、党員・党友票が国会議員票と同数になり、地方の声に重きを置くようになってきたと期待していました。そんな中での今回の決定について“まるで昔に戻ったようだ”と残念がります。
(自民党員 枝久夫さん 9月1日)
「ある程度は国民の意見を聞いていただける、そんな風には変わってきた。今は党費として4000円を徴収するということでやってきている。そういう中で党員の一般投票ということに重きを置いた総理大臣を決めていただきたい。自民党員の投票を実施せずと。まあそんなとこかなという気はしてましたけどね。一報を聞いた時は残念に思いました。」
党費を集める大阪市議は
また、大阪市議会の北野妙子幹事長も、党員や党友の理解を得にくいと懸念します。
(自民党大阪市議団 北野妙子幹事長 9月1日)
「今ちょうど党費を集めに回っている時期でございまして、党員投票が目の前で叶わないとなれば、じゃあどうして党勢拡大や継続をしてもらえるかということを、やっぱり地べたのことを考えていただきたいという風に思っています。自民党の勢力の維持拡大というものが叶わないのではないかなと考えています。」
“維新”から見る自民党総裁選
自民党内で様々な声があがる中、出揃いつつある総裁選候補者の顔ぶれ。これまで安倍・菅官房長官ラインと蜜月だったとされるのが『維新』です。大阪府の吉村洋文知事は、総裁選について…
(大阪府 吉村洋文知事 9月1日)
「安倍政権を8年近くにわたって屋台骨として支えてこられたのは菅官房長官ですから、安倍政権をある意味継承して、安定的にコロナ禍において実行していく力、これはやはり菅官房長官は素晴らしい方、適任の方だと僕は思います。」
次の日本のリーダーは誰になるのでしょうか。