残留農薬は危ないの? - 農林水産省

2020年09月24日 08時46分27秒 | 医科・歯科・介護

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

Q. マスクや保護眼鏡などを装着しないで農薬散布をしている人を見ると、心配になりますが、散布者の安全対策は大丈夫でしょうか。

農薬散布時の事故は少数ながらも毎年発生しています。しかしそれらは正しい保護具の着用や農薬の取扱い時の注意によって防げるものです。農薬のラベルに表示されている「安全使用上の注意」に従って保護具を着用して散布してください。

 農薬は製品や有効成分によって安全性に差があります。そのため、接触や吸入により健康に影響が出る場合がありますので、農薬の散布者は中毒やかぶれを起こさない為にもそれぞれの農薬の毒性に合わせた防護装備をして散布作業をする必要があります。農薬の種類により着用すべき防護装備等が異なりますので、それぞれの農薬のラベルに表示されている「安全使用上の注意」に従って保護具を着用して散布してください。また、散布終了後は身体・衣服に付着した農薬をきれいに洗い落してください。

■ 農薬との接触を避けるため
 農薬に直接触れることの多いのは、実際に散布をする作業者です。たとえば、散布作業では空中に漂う農薬の微粉末や霧を吸い込む可能性がありますし、準備の為に高い濃度の農薬を水で薄めたり、あるいは容器や散布機に移したりする作業で薬剤に接触することがあります。この為、出来るだけ接触を避けるようにマスク等の保護具や防除衣を着用する必要があります。なかでも毒性の高い農薬では、体内に取り込まれる量が許容できるレベルを上回らないように防護する事は必須です。一方、毒性の低い農薬では必ずしも完全重装備をする必要はありません。使用する農薬の毒性に応じて、散布場所、散布方法、散布面積、剤型に応じた装備を選ぶ事が必要です。散布作業時の適切な防護装備については、種々の安全性試験の結果に基づいて必要な装備が定められ、農薬のラベルに「安全使用上の注意」として表示されています。
 低毒性農薬の普及や危害防止対策の進展にともない、使用者の中毒事故は減りましたが、それでも年間40件前後の「中毒事故」が報告されています。その多くは、注意事項を守らなかったことや、保管管理の不十分さが原因でした(表、グラフ)。
■ 使用基準にしたがって
 また、散布時に防護装備が必要なほど危険な農薬が使われるのだから、そのような農薬を使った農作物も危険ではないかという誤解があります。しかし、すでに述べたように防護装備は一時に多量の化学物質を浴びる「万が一」の危険性に備えるものです。農作物に付着し残留する農薬の量はわずかで、収穫までに分解したり雨や風に流れてごく微量になってしまいます。そして、このようなごく微量の農薬が残留した農作物を長年食べ続けた場合の健康被害を防ぐため、残留農薬基準が決められています。それに基づいた農薬使用基準により、実際の散布量や散布時期が定められ、残留農薬についての安全性が保証されているのです。

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-キャッシュ

 

食品から残留基準値を超える農薬が検出さ. れることがありますが、 ... 食品でも、毎日食べ続けた場合、健康への悪. 影響はあるのでしょうか。 ... は広がりやすく、大きな被害になることがあります。このような条. 件下で病気 ...


EUで使用禁止の農薬が大量に日本へ

2020年09月24日 08時42分45秒 | 事件・事故

猪瀬聖 | ジャーナリスト
9/12(土) 17:05 news.yahoo

人への影響が懸念されることから、欧州連合(EU)域内での使用が禁止されている農薬が、EUから日本に大量に輸出されていることが、国際環境保護団体グリーンピースなどの調べでわかった。欧州やアジア諸国に比べて農薬の規制が緩いと言われている日本が、世界の農薬メーカーの草刈り場になっている構図が浮かび上がった。
第3位の輸出先

農薬によってはEU内で使用が禁止されていても製造や輸出は可能で、輸出する場合は当局に届け出なければならい。今回、グリーンピースとスイスの市民団体パブリックアイが、欧州化学物質庁(ECHA)や各国政府への情報公開請求を通じて農薬メーカーや輸出業者が届け出た書類を入手し、国別や農薬別にまとめた。

2018年に届け出された書類によると、EU内での使用が禁止されている「禁止農薬」の輸出は、合計で81,615トンに達した。最も輸出量が多かったのは英国で、EU全体の約4割に達する32,200トンを輸出し、他国を大きく引き離した。2位はイタリアで9,500トン、3位は8,100トンのドイツだった。

一方、禁止農薬の最大の輸入国は米国で、2018年の輸入量は断トツの26,000トン。日本はブラジルに次ぐ3位で、6,700トンだった。日本は単純に量だけ見れば米国の4分の1だが、農地面積が米国の1%しかないことを考えれば、非常に多い輸入量とも言える。
パーキンソン病と関連の可能性

農薬の種類別に見ると、輸出量が最も多かったのは、除草剤のパラコートで28,200トン。次が殺虫剤の1,3-ジクロロプロペンで15,000トン。2種類で全輸出量の5割強を占めた。日本は2018年、1,3-ジクロロプロペンを4,000トン、パラコートを250トン、いずれも英国から輸入したことになっている。

1,3-ジクロロプロペンは人への発がん性が疑われているほか、地下水の汚染や、野鳥や野生の哺乳類、水生生物などの繁殖への影響が懸念されている。日本では主に、農作物に被害をもたらす土中の線虫類を駆除するために使用されている。

パラコートは、強い毒性に加えてパーキンソン病との関連が疑われ、EUは2007年に域内での使用を禁止した。米国では先月、パラコートや殺虫剤のネオニコチノイドなど特に危険と見なされる農薬を禁止する法案が議会に提出されたが、この法案に対し、パーキンソン病と闘う俳優のマイケル・J・フォックスさんが設立した「マイケル・J・フォックス財団」は、強い支持を表明している。
アジアでは使用禁止の流れ

また、台湾やタイ、マレーシアなどアジアの国や地域も、昨年から今年にかけてパラコートの禁止に動くなど、パラコート追放は世界的な流れになりつつある。

日本でも、パラコートによる自殺やパラコートを誤って吸引したことによる中毒事故が多発したことから、徐々に規制強化はされてきてはいるが、全面禁止にまでは至っていない。

グリーンピースの調査内容を報じた英高級紙ガーディアンは、「規制の抜け穴によって化学物質が途上国や米国、日本、オーストラリアに送られている」とし、禁止農薬が事実上、自由に輸出できてしまう規制のあり方に疑問を呈した。

同じく、このニュースを伝えた英放送局BBCは、自分たちの人権や自然環境保護は人一倍重視するのに、輸出先の人たちの人権や自然環境を軽視するような行いをするのは、EUの「ダブルスタンダード」だとする批判的な意見を紹介した。

欧州の市民団体は、禁止農薬の輸出禁止を各国政府に働きかけている。フランスは2022年から禁止する方針だが、他国は農薬メーカーに輸出中止を強いることは今のところ消極的という。
行き場を失った農薬が日本に向かう

欧州やアジアの多くの国や地域では、パラコートだけでなく、除草剤のグリホサートや殺虫剤のネオニコチノイド、クロルピリホスなど、人や自然の生態系への影響が強く憂慮されている農薬の規制を強化する動きが急速に広がっている。国レベルでは規制が緩やかな米国でも、自治体レベルでは規制強化が進み始めている。

そうした世界的な規制強化の結果、行き場を失った禁止農薬が日本に向かったり、日本からそれらの地域に輸出できなくなった農薬が、国内の消費に回されたりしている可能性が、今回の調査から読み取れる。


 
猪瀬聖
ジャーナリスト
慶應義塾大学卒。米コロンビア大学大学院(ジャーナリズムスクール)修士課程修了。日本経済新聞生活情報部記者、同ロサンゼルス支局長などを経て、独立。食の安全、働き方、マイノリティ、米国の社会問題を中心に幅広く取材。著書に『アメリカ人はなぜ肥るのか』(日経プレミアシリーズ、韓国語版も出版)、『仕事ができる人はなぜワインにはまるのか』(幻冬舎新書)など。


貧困、肥満、人種格差…新型コロナで次々と露呈する米社会の恥部

2020年09月24日 08時41分00秒 | 社会・文化・政治・経済

猪瀬聖 | ジャーナリスト 
5/23(土) 21:08 news.yahoo

黒人の死亡率は白人の2.4倍――。新型コロナウイルスによる死者数が世界最悪の9万人超となっている米国で、人種間の格差を問題視する報道が相次いでいる。新型コロナは図らずも、米社会の恥部をさらけ出した格好だ。
ヒスパニック系運転手の悲痛な叫び

3大ネットワークのABCテレビは20日から3日連続で、「ナイトライン」など同局の看板報道番組を総動員した新型コロナ特集を組んだ。タイトルは「パンデミック-分断された国家」。新型コロナで大きなダメージを受けた黒人やヒスパニックなどマイノリティ(少数派)への取材を通じ、新型コロナ危機によって、人種や民族間の分断、持てる者と持たざる者の間の分断が一段と深まっている米社会の現状を浮き彫りにするのが狙いとABCは説明した。

20日放送のナイトラインでは、ニューヨーク市のブロンクス地区に住む、親がプエルトリコからの移民というヒスパニック系のバス運転手の男性を取材し、「私たちはステイホームできないんです。バスは運転手なしでは動きませんから」という悲痛な声を紹介した。番組によると、ニューヨークの地下鉄や路線バスを運営する公益法人のMTAでは、何千人もの職員が新型コロナに感染し、100人以上が死亡。MTAの職員の半数以上は、この男性のようなマイノリティという。

番組では、男性の住むブロンクス地区は黒人とヒスパニックが住民の過半数を占める市内で最も貧しい地区で、人口10万人当たりの死者数もマンハッタンなど他のどの地区よりも高いとも説明し、人種と貧困が、切っても切り離せない関係にあることや新型コロナの犠牲者数が膨らんだ大きな要因となっていると指摘した。
黒人が死ぬ確率は白人の2.4倍

CNNテレビやワシントン・ポスト紙など他の主要メディアも、新型コロナと人種格差の問題を積極的に取り上げている。18日付のニューヨーク・タイムズ紙は、ニューヨーク市内の居住地域を郵便番号で細かく分け、地域ごとの平均所得と新型コロナによる死者数を比較した分析記事を掲載。「新型コロナの影響が最も大きい地域と最も小さい地域の差を生み出した最大の要因は人種と所得だ」と強調した。

人種間で新型コロナの死亡率に大きな差があることは、医療現場からの証言などで以前から指摘されてはいたが、ここにきてまとまったデータが出始め、全体像が明らかになってきた。

民間調査機関のAPMリサーチ・ラボが20日に公表した調査リポート「コロナウイルスの色:米国のCOVID-19による死者の人種、民族属性による分類」によると、人口10万人当たりの死者数は黒人が断トツに多く、50.3人。次いでヒスパニックの22.9人、アジア系の22.7人と続き、最も少ないのが白人の20.7人だった。

ニューヨーク市保健精神衛生局が公表した、21日時点の人口10万人当たりの死者数のデータでは、ヒスパニックが217.49人、黒人が208.81人、白人が104.27人、アジア系が97.16人となっており、ヒスパニックと黒人の人口当たりの死亡率が突出していることが明確になった。

人種間の格差が明らかになるのに伴い、原因究明や対策に乗り出す州も出始めている。格差の放置はマイノリティの犠牲者を増やすだけでなく、政治問題に発展しかねないためだ。ミシガン州のホイットマー知事は4月下旬、人種間格差の問題解決のため、対策本部を設置すると発表した。同州は、人口の14%に過ぎない黒人が新型コロナによる死者数全体の42%を占めるなど、人種間格差が最も激しい州の1つ。ニューヨーク州でも、貧困地域での感染検査を大幅に強化する方針を、クオモ知事が表明している。
肥満を生む「食の砂漠」

しかし、人種間格差の解消は容易ではない。米メディアも指摘しているように、貧困や社会に巣くう人種差別の問題が深くかかわっているからだ。

例えば、米国の大都市は、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなど、所得によって居住地域が明確に分かれているところが多い。こうした都市では、低所得層や貧困層が固まって住む地域は劣悪な住環境だったり質の高い医療サービスを提供する医療機関が少なかったりする。医療機関はあっても、医療保険に入っていないために治療が受けられないという人も多い。こうした地域に住む住民の多くは黒人やヒスパニックだ。

また、低所得層や貧困層が多く住む地域には生鮮食品を販売するスーパーがほとんどないため、食事は高カロリー、高糖質のいわゆるジャンクフードに偏りがちだ。大都市内のスーパー不在の地域は「フード・デザート(食の砂漠)」と呼ばれ、低所得層や貧困層に肥満が多い一因とされている。肥満は、糖尿病や心血管疾患、がんなど免疫力の低下をもたらす様々な基礎疾患を発症する原因となっている。医療機関の報告から、米国の新型コロナの重症患者には肥満や基礎疾患の有病者が多いことがわかっている。

人種と貧困、健康が互いに密接な関係にあることは、統計上も明らかだ。貧困率は、カイザー・ファミリー財団の調べでは、白人が9%なのに対し、黒人はその2.4倍の22%、ヒスパニックは2.1倍の19%。格差が際立っている。肥満率も、疾病対策センターによると、黒人が49.6%、ヒスパニックが44.8%で、いずれも白人の42.2%より高い。ちなみに米国の肥満率の高さは、主要国の中で断トツだ。
社会や経済の仕組みが一因

黒人やヒスパニックが貧困から抜け出せないのは、そうさせている社会や経済の仕組みもある。例えば、米国では、小中学校の予算の一部を学校のある地域の固定資産税で賄っている地域が多い。富裕層の住む高級住宅街は、固定資産税からの収入が多いため学校の予算も潤沢だが、逆に貧困層が多く住む地域は、税収が少ないため授業などに支障が出ることもある。教育環境が十分でなければ子どもの学力にも響き、ひいては将来のキャリアにも影響しかねない。

また、黒人やヒスパニックは人種偏見のせいで就職や日常生活でも不利な扱いを受けがちで、それが社会の底辺から抜け出せない要因の1つにもなっている。

米国の新型コロナの専門家は、今年の秋から冬にかけて、再び感染が拡大する恐れがあると指摘している。かりにそうなった場合、今回の教訓を踏まえてしっかりとした予防策は取られるだろうが、マイノリティがより大きな犠牲を強いられるという米社会の構図は、大きく変わることはないだろう。

 
猪瀬聖
ジャーナリスト
慶應義塾大学卒。米コロンビア大学大学院(ジャーナリズムスクール)修士課程修了。日本経済新聞生活情報部記者、同ロサンゼルス支局長などを経て、独立。食の安全、働き方、マイノリティ、米国の社会問題を中心に幅広く取材。著書に『アメリカ人はなぜ肥るのか』(日経プレミアシリーズ、韓国語版も出版)、『仕事ができる人はなぜワインにはまるのか』(幻冬舎新書)など。


日本も待ったなし!「貧困先進国」に学ぶ格差解消策

2020年09月24日 08時03分19秒 | 社会・文化・政治・経済

末吉陽子:フリーライター

2017.9.18 5:00  ダイアモンド
    
 日本は経済規模を示すGDPランキングで世界第3位。世界でも稀に見る豊かな国として確固たる地位を築いている。しかし、全国民の所得を平均したとき、中央値のさらに半分に満たない人の割合「相対的貧困率」は、世界34カ国中、第6位(2010年、OECD調査)と、かなり高いことをご存じだろうか。(フリーライター 末吉陽子)

“貧困先進国”の取り組みに
日本は何を学べるか


日本よりも貧困が進んでいる国、いわゆる「貧困先進国」のさまざまな施策から、われわれは何を学べるでしょうか?(写真はイメージです)
 世界における相対的貧困率のワースト国はメキシコ。続いてイスラエル、米国、トルコ、チリ、エストニアとなっている。いわば“貧困先進国”とも言えるこれらの国々は、貧困層への対策や保障をどのように行っているのか。格差が広がり続ける日本にも応用できる取り組みはあるだろうか。

 たとえばメキシコ政府は、質の高い雇用と経済成長を政策に掲げ、教育や医療保険に力を入れる社会福祉国家の確立を目指してきた。また、貧困地域に照準を絞ってインフラ整備も進めている。

 具体的な事例として挙げられるのは、世界に先駆けて貧困層をターゲットにした条件付き現金給付(Conditional Cash Transfers、以下CCT)プログラムである『プログレサ』。厳密な資力調査を行い、本当に支援を必要としている家庭を見極めて受給資格を与えるというもので、子どもの通学や定期健康診断の受診を義務付けることが条件に組み込まれたことも画期的だったと言われる。

 こうした施策の有効性について、世界90ヵ国以上で貧困問題や格差社会の解消に取り組む国際NGO「オックスファム」の日本事務局次長・森下麻衣子氏に聞いた。

「確かにこうしたメキシコの政策は注目に値しますが、ただし現状では開発が遅れている地域も存在しますし、CCT自体も政策として評価が分かれています。かたやアメリカでは、『機会の平等は認める』が『結果の平等は認めてない』という方向性は変わっていません。そのため、基本的にお金がないと健康・教育・安全を手に入れられないような状態です」
 
 いずれも抜本的な改革には至っていないようだ。そんな中、貧困対策として話題となったのが、イギリスのブレア政権が1999年から取り組んだ政策だ。「地域再生」「コミュニティのためのニューディール政策(NDC)」を掲げ、住宅整備や教育、就労支援、犯罪対策に関して特に格差の激しい地域に、およそ3400億円を集中投下している。

 なかでも効果的だったとされているのが子どもの貧困対策で、貧困の児童数に応じて、学校に補助金を支出する「児童特別補助」や、子どもが18歳になってから教育や職業訓練に使うことができる「児童信託基金」、低所得世帯に現金を給付する「タックスクレジット」などの政策を実行。この結果、2005年には貧困世帯の子どもは、およそ80万人も減少したという。

貧困国から脱却するために
必要な3つの対策とは?

 ただし、イギリスほど貧困地域が明確でなく、社会全体に薄く広がっている日本では、この手法をそのまま導入することは難しいという指摘もある。全国民が平等に、最低限の教育や保障にアクセスする権利を認められるようにならなければ、格差の拡大は止められない。


「日本人は良くも悪くも権利意識が薄い」と語る国際NGO「オックスファム」の日本事務局次長・森下麻衣子氏。しかし教育や福祉の権利は、国民が声を上げていかないことには、充実していかない
「とくに子どもは親の収入によって左右されることなく、教育や社会保障にアクセスできることが大事だと思っています。ただ、現状の日本では、生活保護を受けるための所得制限は厳しい基準に定められています。また、教育へ注がれる公費もOECD諸国の中ではかなり低い水準です」

 また公的資金による貧困対策に欠かせないのが財源の確保。税の再配分を正常に機能させるための対策も急がれる。オックスファムでは、貧困国からの脱却に有効な策として、大きく3つのポイントを掲げている。

「1つ目はタックスヘイブンへの対策です。所得税を累進的にしていくこともひとつの手段だと考えられますが、現状、多国籍企業や富裕層からの税を取りはぐれていることで、税の再分配が機能していないといえるでしょう。さらに法人税も引き下げ競争が進み、日本ももれなく税収が低くなってきています。まずは、ここにテコ入れをすることです」

 2つ目は賃金格差の問題だ。

「日本では、まだまだジェンダーの格差は大きいですが、正規雇用と非正規雇用の格差などもなくしていくことです。そして、3つ目は公的資金を使って、教育や保健サービスを政府がきちんと提供していくことです」

ただし、一見有効な対策も、結果的に的外れになるという懸念もあるという。

「外国企業から投資を呼び込んで地域経済を活性化させるために、日本でも経済特区が設けられています。途上国でも同じような事例はありますが、実際に貧困層の削減につながるかというと必ずしもそうはなりません。誰が経済成長の恩恵を受けているかというと、一部の企業や関係者だけで、もともとその土地に住んでいた人たちは、低賃金の日雇い労働を強いられるなど、悪い雇用条件に苦しむこともあります。さまざまな途上国では実際、こうした取り組みで、逆に地域住民の生活水準が落ちてしまっている。日本も本質的な構造は変わらないのではないかと感じます」

国民が声を上げなければ事態は変わらず
放置すればますます深刻に

 では、こうした状況を変えていくために、個人としてできることはあるのだろうか。

「よく言われることですが、日本人は良くも悪くも権利意識が薄いと思います。しかし、教育や福祉の権利は主張することで獲得してきた歴史があるので、声高に主張しないと具現化していかないのではないでしょうか。また、ジェンダーの視点も足りていない。女性の活躍推進イコール眠っている労働力を掘り起こす、という文脈で語られますが、女性の社会進出によって家庭内で行われてきた“無償のケアワーク”、つまり家事や育児の有償化も考えなくてはいけません」

 たとえば、一部の女性は高賃金の管理職として活躍しているが、その背後には公的な保育園やサービスが不可欠となる。しかし、保育園の不足が問題化したように社会のサポートは現実に対応できておらず、結局は個人がお金を使ってベビーシッターなりを雇うことになる。

 さらに言えば、こうした職業はやはり女性が就いている場合が多く、彼女たちの平均的な賃金や労働環境に目を向けると、果たして適正な賃金が支払われているのか、保育士の賃金水準の低さを鑑みると疑問を感じざるを得ない。

 100年単位の長期スパンで歴史を振り返ると貧困問題は、対策を講じずに放置すればどんどん悪化し、格差は広がり続けることが分かっている。豊かな日本はいまや昔で、このまま進めば格差は拡大していく一方だ。

 ちなみに、オックスファムでは7月17日、世界各国の上記3側面の格差対策を評価する「格差縮小コミットメント指数(CRIインデックス)」を発表し、152ヵ国の取り組みランキングを公開した。「こうしたデータも国際的な格差政策の比較の参考にしてほしい」と森下氏は語る。

 政府や行政の不作為を甘んじて受け入れるのではなく、貧困に陥らないための権利を得るために国民一人ひとりが自ら声を上げなければ、取り返しのつかない事態が待っているかも知れない。


参院議員の父がダマし取った90億円 次男が「銀座」豪遊の日々を語る

2020年09月24日 08時03分19秒 | 事件・事故
国内 社会 2020年9月22日掲載
 
友部百男
 
ドンペリは1日複数本、たまに150万円のロマネコンティ、常に現金払いだった友部百男氏(他の写真を見る)
 
 
国会議員の信用力と年利7%前後という高利率に2500人が殺到
 戦後の詐欺事件史の中でも特筆に値するのが、「オレンジ共済」事件である。現職の参院議員・友部達夫氏(故人)その人が、90億円を騙し取り、闇に葬ってしまったという、前代未聞の一件。当時、その金から7億円近くを銀座での豪遊などで蕩尽し、逮捕、実刑判決を受けた次男・百男氏(47)が昔を振り返った。(※「週刊新潮」2015年8月6日号掲載記事を再編集したものです)...
 
国会議員の信用力と年利7%前後という高利率に2500人が殺到
 戦後の詐欺事件史の中でも特筆に値するのが、「オレンジ共済」事件である。現職の参院議員・友部達夫氏(故人)その人が、90億円を騙し取り、闇に葬ってしまったという、前代未聞の一件。当時、その金から7億円近くを銀座での豪遊などで蕩尽し、逮捕、実刑判決を受けた次男・百男氏(47)が昔を振り返った。(※「週刊新潮」2015年8月6日号掲載記事を再編集したものです)
速報菅義偉政権で初入閣「坂本哲志」大臣に“不倫・隠し子”疑惑
「今思えば、あの頃は人生舐めていました。不勉強極まりなかったですね」
 こう“反省の弁”を述べるのは百男氏だ。逮捕当時に比べ、幾分スリムになり、鬢には白いものが混じり始めている。もっとも、その髪はソフトなオールバック。事件当時、「カツラだ」と書き立てられた髪型とはずいぶん変わっているが、本人に尋ねると、
「ええ、確かに当時はカツラでしたよ。僕は円形脱毛症だった。でも刑務所に入ったら、自然に髪が生えてきてこうなったんですよ」
 と笑うから、時の流れと生命の不思議さを感じるのである。
 事件の発端は1992年。
 社会保険労務士だった達夫氏は、主宰していた「オレンジ共済」で定期預金の募集を開始。本人が95年に参議院議員に当選したこともあって、その信用力と年利7%前後という高利率に2500人が殺到し、約90億円を集めた。
 しかし、既に時代はバプル崩壊後。そんな利率の運用が成り立つはずもなく、経営は破綻。97年、達夫氏や、共済組合の専務理事だった百男氏らが詐欺容疑で逮捕されたのである。
 注目されたのは、その金の行方だった。40億円の使途不明金のうち、一部は達夫氏の政治資金に遣われたと言われたが、何より耳目を集めたのが、百男氏の銀座での散財である。
 彼が常連だった銀座のクラブの元店員が言う。
 
道端で会っただけのクラブママには200万円をポン、1億円の熱帯魚、F1好き
「うちの店だけでも、週に3日は来ていました。スーツにヴェルサーチのネクタイでビシッときめてくる。10万円のドンペリを一日2~3本空けたり、150万円のロマネコンティを空けたりすることもありました。しかも、支払いは現金でしたから、取りはぐれのない“Aランク”のお客さん。女の子には“ももちゃん” と呼ばれて大人気でした」
 店の「ナンバーワン」ホステスが大好きで、付いただけで100万円のチップをポン。道端で会っただけのクラブママには200万円をポン……。当時の銀座に残した武勇伝は掃いて捨てるほどあるし、また、放蕩ぶりは「夜の世界」に留まらなかった。
 全部で1億円と言われた高級熱帯魚を飼っていたのは話題となったし、事件の被書者弁護団団長を務めた、宇都宮健児弁護士も振り返る。
「百男はF1が大好きでね。三重県の鈴鹿サーキットで開かれる日本グランプリに東京からヘリコプターで乗り付けて観戦していました。しかも、銀座のホステスを引き連れ、チケット一枚23万円の特別席に陣取るという豪勢ぶり。こうした趣味が高じて買ったのが、アイルトン・セナのために作られたレースカー。弁護団はこれを差し押さえて1710万円で売り、被害者への弁済に充てたのです」
 こうした彼の私的流用額は、裁判で認定されただけで6億7000万円。懲役8年の判決が下された。
 一方、懲役10年を食らった父・達夫氏は、
「行きつけは自宅近所のスナックでせいぜい月に数十万円しか遣っていない」(担当だった吉ヶ江治道弁護士)
 と言うから、当時のメディアに「バカ息子」の文字が躍ったのも仕方ないのだ。
「みんな仕事のために呑んでいたんです」
 さて、ではその百男氏はかつての罪をどう捉えているのか? 本人は、
「信じてもらえないかもしれませんが、騙すつもりはありませんでした。父も私もきちんと運用しているから大丈夫だと思っていたんです。でも、騙す意思がなくても結果的に返せなかったんだから、詐欺は詐欺。申し訳なく思っています」
 と、何やら回りくどいものの、自らの責任は認める格好である。しかし、銀座での豪遊について尋ねると
「あれは接待」
とおっしゃるのだ。
「政治家、芸能人、弁護士や会計士とも、みんな仕事のために呑んでいたんです。だから“遊び”とは言いたくないんですよね」
「仕事」にしては、ずいぶんと気前良くチップをばら撒いたものであるが、
「今思うともったいないなぁと思いますよ。女性もある程度演技じゃないですか。当時はそれに気付かなかった。愚かですよね。今は社会勉強をして、オモテとウラを見ているから、持ち上げられても嬉しくない。今では、銀座どころかキャバクラにも行きませんよ」
 と、妙な“成長”をアピールする。
 そんな百男氏、現在は不動産や自動車のブローカーを生業とするものの、生活は厳しく、知人宅を転々とする身で、楽しみは晩酌のチューハイとのこと。
肝心の被害者弁済については、「したいけど、出来ていない」ということだそうだ。
週刊新潮WEB取材班
 

年収20億円!112万人から1900億円を集めた「ネズミ講」創始者の長男の告白

2020年09月24日 08時03分19秒 | 事件・事故

9/24(木) 6:00配信

デイリー新潮

熊本県の片田舎で始まった「天下一家の会」

遊郭経営や保険外交員から身を起こした「天下一家の会」創始者の故・内村健一会長

 ミッキーマウスの誕生から39年後の1967年。高度経済成長期の真っ只中に、熊本県の片田舎にも1匹のネズミが現れた。

ネズミ講を主宰した「天下一家の会」の創始者、故・内村健一会長である。全国で112万人の会員を集め、被害総額は実に1900億円。人々に絶望と破滅をもたらしたまま95年にこの世を去ったが、往時を支えた元副会長が過去を語った。(※「週刊新潮」2015年8月6日号掲載記事を再編集したものです)

「創立から6年目の72年に、親父が20億1400万円の脱税容疑で逮捕され、さらにその6年後には元会員が起こした返金訴訟でネズミ講は公序良俗違反だと指弾された。父はあくまで“すべての人は皆兄弟。兄弟だから集めた金は皆で使おう”という発想で、“天下一家の会はPTAと同じ。会費で運営しているものが大きくなっただけ”とも言っていた。でも、親父の言葉には誰も耳を貸さず、そのうちネズミ講を禁止する法律まで作られた。私としても、当時は納得いかない部分はありました。」

 と、大学卒業後に副会長を務めた、内村氏の長男(67)は静かに振り返る。

「確かに私は副会長でしたが、それは親父が勝手にそう呼んだだけ。同じ組織の中で“内村さん”もおかしいでしょう」

 日本中に拝金主義というつむじ風をもたらしたネズミ講は、67年3月に熊本県甲佐町で保険外交員をしていた内村健一氏が、天下一家の会の前身に当たる「第一相互経済研究所」を設立したことに端を発する。

「4人の子会員を勧誘すれば、2080円が102万4000円になる」を謳い文句に始まったネズミ講の仕組みは次の通り。

最初に2080円を支払って加入するとその内の1080円が本部に、1000円が自分より6代前の会員に送金される。

同様に新会員がそれぞれ4人を勤誘して新たな子会員を獲得すると6代後の会員は1024人になる。その時点で全員から1000円ずつ、合計102万4000円が送金されて来るというワケである。

国民の約1%が歪なマネーゲームに狂っていた…
 が、これは必ず行き詰まる。計算上では15代目には会員数が2億人を突破することになり、優に日本の人口を超えてしまうからである。

となると、もはや新会員の獲得は不可能で、下部会員を持てない場合は丸損になる。この点こそが、ネズミ講は詐欺だと非難された最大の理由に他ならない。

 その後、会の勧誘ノルマは2人と改められたものの、

「計算上は2人の勧誘でも28代目に日本の人口を超えます。でも、勧誘された皆が会員になるわけじゃない。実際12年で112万人しか集まらなかった」

 しかしそんな強弁が通るはずもなく、79年に「無限連鎖講防止法(ネズミ講防止法)」が施行され、天下一家の会は活動を停止した。

当時の人口は約1億1600万人だから、国民の約1%が歪なマネーゲームに狂奔していたことになる。

 創始者の内村会長は、終戦を20歳で迎えたという。

「海軍の予科練を経て特攻隊に入っており、8月18日に出撃を控えていたのが、終戦で命拾いをした。“これまでは国が面倒を見てくれたけど、これからは自分で何とかするしかない”と、あれこれ生きる術を考えた世代の1人だったのです」

 裁判資料によると天下一家の会は創立から9年後の76年にピークを迎え、1日に1億円の入金も珍しくなかったとされる。この年の内村会長の年収は2億7770万円で、全国長者番付39位。現在の価値で20億円以上を手にしていた。

小型飛行機や自家用ヘリ、高級外車や骨董品を購入していた
「でも、私腹を肥やすことはありませんでした。物へ執着もなく、一方で全国12カ所に会員向けの無料保養所を作ったのは、あくまで集まった金は皆のものと考えていたからです」

 元副会長はそう言うものの、裁判では内村会長が小型飛行機や自家用ヘリ、高級外車や骨董品を購入していたことが明らかにされている。

それが先の返金訴訟でネズミ講が「公序良俗に違反している」とされた理由の一つであり、加えて内村会長は自身の裁判に出廷する際に、女性運転手が運転する6ドアの大型ベンツで乗り付ける様子が報じられているのだ。

 その内村会長は83年に脱税で懲役3年、罰金7億円の有罪判決を受け、罰金の全額を支払えず刑務所に収監された。出所後、腎不全で69歳で死亡したのは20年前のことである。

 それにしても、40年余を経てもなお、元副会長からはついぞ反省の弁は聞けなかった。79年に『マルチ商法とネズミ講』を出版した、悪徳商法被害者対策委員会の堺次夫会長が指摘する。

「今さらどんな理屈を並べても、ネズミ講は社会的に否定された。だからこそ規制法ができたわけです」

 あくまで元副会長が悪びれないのは、

「当時は法律がないのを良いことに、何をやっても許されると本気で思っていた。今でも昔の思考が抜けないのでしょう」と、吐き捨てるのだった。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月24日 掲載

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菅総理が直面する「安倍政権」負の遺産 河井夫妻問題、警察の暴走をどうするか

2020年09月24日 07時54分47秒 | 事件・事故

9/24(木) 5:56配信

デイリー新潮

河井夫妻に目をかけていた

夫妻は新総理のお気に入り

 コロナ禍での船出となった菅義偉(よしひで)(71)政権。まずはこの難局を上手く乗り切ってほしいところだが、コロナ以外にも2つの大きな問題を前政権から引き継いでいるのだ。さらに、その2つの難題両方に菅総理が深く関与していて――。

 ***

 まずは「河井夫妻問題」。目下、ともに公選法違反(買収)の罪に問われ公判中の身である河井克行代議士と妻の案里参院議員は、

「カルロス・ゴーン事件で『人質司法』との批判が起きたため、保釈が認められるのではないかとも見られていました。しかし東京拘置所に勾留され続けた。有罪は必至です」(司法記者)

 そんな河井夫妻の買収の「原資」は、昨夏、案里氏が広島選挙区から参院選に初出馬した際、自民党本部から案里氏サイドに振り込まれた大金だったのではないかと囁かれている。その額、実に1億5千万円。そして、

「河井夫妻に目をかけていたのは、他ならぬ菅さんです。案里さんの出馬によって、広島では自民党候補の共倒れも懸念されていました。しかし菅さんは、『案里さんはとにかくいいタマ』と公言し、彼女を全面バックアップしたんです。付言すれば、案里さんは今や絶大な権力者である二階(俊博)幹事長の派閥です。1億5千万円という大金の支出が、誰と誰の意向で行われたかは言わずもがなでしょう」(同)

 つまり、河井夫妻問題は「菅総理問題」と言い換えることも可能なのである。

「安倍総理ベッタリ記者」の逮捕を阻止
 次に菅政権下で懸念されるのは「警察の暴走」だ。

 3年前、本誌(「週刊新潮」)報道によって「安倍総理ベッタリ記者」ことジャーナリストの山口敬之氏に対する「準強姦逮捕状」が握り潰されていたことが明るみに出た。そして、準強姦事件当時に警視庁の刑事部長を務めていた中村格(いたる)氏(現在は警察庁次長)は本誌の取材に対して、

「(逮捕は必要ないと)私が決裁した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」

 と、認めたのだった。つまり、菅官房長官の秘書官を務めた経験もある中村氏は被害女性である伊藤詩織さんの人権よりも、時の総理の覚えめでたい記者を守る判断を下したわけだ。

些細なケンカで「強権逮捕」
 さらに、「些細」なゲームセンターでの喧嘩を巡ってはこんなこともあった。被害者が安倍総理の元秘書の子息であったせいなのだろう。「たかがケンカ」にも拘(かかわ)らず、その捜査には精鋭部隊である警視庁本庁の捜査1課が投入され、今度は逆に“加害者”が逮捕されたのだ。巷(ちまた)に溢れた「小競り合い」で異例の強権逮捕――。これを「指示」したのも中村氏である疑惑を本誌は昨年報じている。

 徹頭徹尾、時の権力者に寄り添い捜査の指揮棒を振る中村氏、人呼んで「政府の番犬」。そんな中村氏は、前記の通り菅官房長官の秘書官も務め、

「ふたりは“切っても切れない”関係を築いていきました。菅さんは中村さんを、『将来、間違いなく警察庁長官になる人物。紹介しましょうか?』と、さまざまな場面で売り込んでいました」(菅氏を知るマスコミ関係者)

 そして実際に、

「来年、菅さんの威を借る中村さんが警察庁長官になるのは確実です」(警察庁担当記者)

 こうして振り返ると、河井夫妻といい中村氏といい、菅総理の「人を見る目」が気になるところだが、

「自分自身でカリスマ型ではないと思っている菅さんは、できるだけ波風を立てずにソロリと船出するのではないでしょうか」(大手メディアの官邸担当者)

「週刊新潮」2020年9月24日号 掲載

 

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内閣方針に「東日本大震災からの復興」記載なし 平沢氏「たまたまそうなった」

2020年09月24日 07時50分20秒 | 社会・文化・政治・経済

9/23(水) 20:00配信

毎日新聞


 平沢勝栄復興相は23日、菅内閣が16日の初閣議で決定した基本方針で、第2次安倍政権で記されていた東日本大震災からの復興や東京電力福島第1原発事故に関する記述がなくなったことについて、「たまたまそういうことになった」と釈明した。

【グータッチ「和解」に応じる菅首相】

 平沢氏は23日に首相官邸で菅義偉首相と会談し、震災や復興の記述が消えたことを記者会見で聞かれた際、「軽視していることは全くない」と説明したことを伝えた。これに対し首相は「全くその通りだ。最も重要な課題の一つと考えている」と応じ、近く福島県を訪問する意向を示したという。

 平沢氏は会談後、記者団に「その時の(基本方針の)字数とか、いろいろなあれの中であれしたけれども、軽視しているわけでは全くない」と繰り返した。

 基本方針は、政権運営の考え方や重要政策などを示すもので、新内閣発足や内閣改造の際に閣議決定する。第2次安倍政権では2012年以降、東日本大震災からの復興について「まず何よりも、『閣僚全員が復興大臣である』との意識を共有する」などと掲げていた。【佐野格】

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輪子<あることに気づく>

2020年09月24日 02時41分20秒 | 未来予測研究会の掲示板

想えば、とっても、長いなが~いトンネルのような悪夢だった。
<1000円で楽しむ競輪>
輪子は、競輪仲間に吹聴していた。
でも、人助けなどと意図すると、<1万円で楽しむ競輪>になってしまっていた。
その結果、「このままでは、死んだ親父さんと同じね!」と自嘲する結果に陥る。

輪子が取手駅西口のトイレから出てきた、70代と想われる女性のホームレスに出会ったのは、10万円の給付金を得た日だった。
疎遠となった従姉妹に会いに母の実家の富山県の高岡へ行く予定だった。
でも、女性のホームレスの哀れさに、胸は突かれていた。
「あの人は、10万円の給付金をもらうすべがないのね」と涙が浮かんできた。
「そうだ、競輪頼み」と方向転換となる。
<10万円が何倍かになれば、男性のホームレスにも10万円を進呈できるはず>と思い込む。
結果は?
競輪は、そんなに甘くはなかった。
「ええ!10万円が3日で無くなったの?本当!」トン子は驚くばかり。
輪子は黙っていたが、さらに自分の貯金の10万円も失ってしまった。
結局、<1000円で楽しむ競輪>に戻ったのだ。

そして、9月19日の伊東競輪2レース4-8の2車単9万8440円が300円的中。
でも、取手駅周辺を探し回ったのに、ホームレスの姿を見ることができなかった。
「あの人たち、どこで、どうしているのかしら?」輪子は侘しい気持ちとなる。

四苦八苦=輪子は泥沼の自身の姿から4-9 4-8の車券を買い続けていた。

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「10万円」給付金、なぜか「もらえなかった人たち」のヤバすぎる真実

配信

浮かび上がった「定額給付金」の問題点
 

現代ビジネス

 新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策として行われた「特別定額給付金」が、8月末に申請期限を迎えた。 【実名公開】役所があえて教えない、申請すれば「もらえるお金・戻ってくるお金」  1回限りとはいえ、「日本に住んでいるすべての人」に「一律10万円」を支給するという特性から、この給付金は、「政府がすべての人に必要最低限の生活を保障する収入を無条件に支給する究極の安全ネット」とされる「ベーシックインカム」(BI)への一歩と評価する声も多い。  ところが、そんな「安全ネット」が、路上生活者など最も困窮している層には極めて適用されにくかったことが、コロナ被害者の支援団体の活動などから明らかになった。


長年面倒を見てきたけど… 華原朋美に事務所“お手上げ”

2020年09月24日 02時37分30秒 | 事件・事故

9/23(水) 16:56配信

夕刊フジ

歌手の華原朋美(46)が先月31日をもって所属事務所から契約解除されたことが明らかになった。

「あの事務所はタレントに温情のあるところ。行き場のなかった華原を受け入れ、長年面倒を見ていたんですけどね」とスポーツ紙の音楽担当記者。「とにかくトラブルが相次いだ。さすがに事務所の制御がきかなくなったということで、要はクビ。お手上げということですよ」

 華原は、さっそくユーチューバーに参戦したが…。(業界ウォッチャーX)

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「私の勘違い」「虐待ではありません」 華原朋美、高嶋ちさ子に謝罪 尋常でない様子の動画に心配の声やまず

2020年09月24日 02時28分52秒 | 事件・事故

9/23(水) 21:27配信

ねとらぼ

冒頭から顔を強張らせ、絞り出すような声で謝罪する華原さん(画像は華原朋美YouTubeチャンネルから)

 歌手の華原朋美さんが9月23日、自身のYouTubeチャンネルに「謝罪をもうしあげます。」と題した動画を投稿。冒頭からバイオリニストの高嶋ちさ子さんらに謝罪する華原さんの尋常でない様子に心配の声が数多く寄せられています。

【画像】6月にも仲良く2ショットを撮っていた華原さんと高嶋さん

 9月16日にYouTubeチャンネルを開設した華原さんは、動画内でろれつがまわっていないことをやゆされるなどしつつも、自らの近況を前向きに伝える動画を投稿していましたが、この日の動画では、冒頭から顔を強張らせ、絞り出すような声で「今回の高嶋ちさ子さんへの謝罪と、尾木社長への謝罪をしたいと思います。ご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした」と謝罪。

 続けて、今にも泣き崩れそうな表情のまま、「私の勘違いであり、そして、虐待ではありませんでした。そのことについて、ものすごく反省しております。大変申し訳ございませんでした」と重ねて謝罪し、30秒に満たない動画を終えました。

 高嶋さんに向けた謝罪は、9月11日発売の『FRIDAY』などが報じている内容に対してのものとみられます。同誌では、2019年に生まれた華原さんの長男について、華原さんが親しくしていた高嶋さんから紹介されたベビーシッターが、哺乳瓶をくわえたままの子どもを逆さつりしていた様子が防犯カメラの映像から判明し、虐待行為だとする華原さんと、虐待ではないとする高嶋さんとの間で見解が割れており、2人の不和につながっていることが報じられていました。

 その後、この事案には既に警察が介入し検証しており、虐待ではなかったという判断が下されたと報じるメディアもありましたが、それを裏付けるかのように華原さんは「虐待ではありませんでした」と翻意。しかし、発言の冒頭にある“尾木社長への謝罪”が何に対してのものなのかは不明です。14日には、華原さんが長年所属していたプロダクション尾木との専属所属契約が8月末日付けで解除となったことが報じられていました。

 この動画の公開に前後し、それまでに投稿した動画の幾つかも削除されていますが、これまでの動画がときおり笑顔を交えた素の感じだったのに対し、今回の動画は素人目にも緊張感が漂う内容。動画のコメント欄でも「明らかに悔し涙じゃない?」「謝罪させられてるとしか思えない…」「なぜ謝る?」「きっと上からの圧力だよね」など、尋常でない様子を感じ取った声が数多く寄せられる事態となっています。

 

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元ヒスブル・ナオキ 強制わいせつ致傷容疑でまた逮捕 再犯防止プログラム受講も…

2020年09月24日 02時23分25秒 | 事件・事故

9/23(水) 19:11配信

デイリースポーツ

二階堂直樹容疑者(2004年撮影)

 2004年に解散した男女3人組バンド「Hysteric Blue(ヒステリックブルー)」の元ギタリスト「ナオキ」こと二階堂直樹容疑者(41)が23日、強制わいせつ致傷容疑で、埼玉県警朝霞署に逮捕された。

【写真】ヒスブル絶頂期の「ナオキ」こと二階堂容疑者

 捜査関係者によると、二階堂容疑者は7月6日午後、埼玉県朝霞市の路上で帰宅途中の20代女性をわいせつな行為をする目的で押し倒し、軽傷を負わせた疑い。女性が声を上げたため逃走したが、同月11日に朝霞署に出頭。この日までに容疑が固まったため、逮捕に至ったという。

 ヒスブルは1998年にデビューし、99年発売の2ndシングル「春~spring~」が大ヒット。同年の紅白歌合戦に出場したが、03年に活動休止を発表した。

 04年3月、二階堂容疑者が、都内で帰宅途中だった20代女性の後をつけてマンション内に入り、女性にわいせつな行為をしたとして、強姦・強制わいせつなどの容疑で逮捕され、取り調べの中で、03年11月から04年2月までの間で、都内で計9人への犯行が発覚。バンドは解散した。

 二階堂容疑者は06年、懲役12年の実刑判決が確定。山形刑務所に服役中の16年、刑務所内で、週2回、半年かけて実施される性犯罪の『再犯防止プログラム』を受講し、キリスト教の信仰を得て、罪に向き合うことができた、などとする手記を雑誌に寄稿。同年中に出所していた。

 

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性犯罪で再逮捕された元ヒステリックブルー・ナオキの手記を改めて公開する

2020年09月24日 02時15分16秒 | 事件・事故

9/23(水) 21:23配信

〔はじめに〕20202年9月23日ナオキ逮捕の報を受けて  編集部

かつてのヒスブルのファンクラブ会報。一番右がナオキ

 ここに掲載するのは元「ヒステリック ブルー」のギタリスト、ナオキが2016年、刑務所出所を前にして書いた手記だ。なぜ改めてネットで公開しようと考えたかと言うと、2020年9月23日、彼が再び性犯罪容疑で逮捕されたという報道がなされ、私のところにもマスコミ取材が入るなどしているからだ。メディアによっては実名を伏せているものもあるが、元ヒステリックブルーと報じられているから、今後報道が大きくなるだろうと思われる。
 性犯罪者の再犯とあって、既にネットでは性犯罪で出所した人間の情報は開示せよとか、一生刑務所に閉じ込めておけといった、身もふたもないコメントが書き込まれている。性犯罪を巡ってこの10年ほど、治療プログラムの導入など、様々な努力が重ねられてきたのに、それが全く水泡に帰しかねない雰囲気だ。
 ナオキには近々接見して事情を聞こうと思うし、ヤフーニュースなどで報告したいと思うが、とりあえず2016年の彼の手記をこうして再度公開することにした。彼は出所を前に自分の将来について思い悩み、更生を誓うために敢えて手記を公開したのだった。そういう動機で書かれた手記だからだ。
 ヒステリックブルーは98年にメジャーデビューして「春~spring~」などヒットを連発、99年にはNHK紅白歌合戦にも出場するなど、人気を誇ったにもかかわらず、03年に突然の活動休止。そして04年3月には、ナオキが突然、強制わいせつ容疑で逮捕された。バンドは解散となったが、さらにその後、余罪が明らかになり、女子高校生らを含む9名に対するわいせつ・強姦の容疑で起訴。06年に懲役12年の実刑判決が確定した。ファンにとっては、信じがたい衝撃的な出来事だった。
 その後、ナオキの消息はわからず、いったい何故そんな事件を起こしたかもファンに知らされることはなかった。1審では情状証人として出廷した妻ともその後離婚し、かつての知人ともほとんどやりとりはなかった。
 『創』はそういうナオキから手紙を受け取り、やりとりが始まった。かねてより書いているように、判決が確定すると事件について全く報道しなくなってしまうマスコミのあり方には疑問を感じている。有期刑の受刑者はいずれ出所し、社会の中での更生が始まる。再犯性の高い薬物依存や性犯罪においては更生がとりわけ大きな意味を持つ。ナオキの場合は、生きがいだった音楽活動の行き詰まりといった事件の背景があると思われるから、今後の生き方が大事になる。
 現在、刑務所などで性犯罪者に課せられている治療プログラムが導入されたきっかけは、2004年に起きた奈良女児殺害事件だと言われている。死刑が確定し2013年に執行された小林薫元死刑囚は06年、『創』に1年近くに渡って手記を連載していた。そのこともあって、性犯罪者の更生をめぐっても関心を寄せてきた。薬物依存とともに性犯罪をめぐっても今、再犯防止をめぐって大きな動きが出始めている。
 事件は刑の確定で終わるのでなく、そこからどう更生させ、社会の側が対策を講じていくかが大事な問題だ。
 ナオキの事件も悲惨な犯罪で、被害を受けた女性の中には、犯人が二度と社会に戻ってこれないようにしてほしいと訴えた人もいた。その女性たちの生涯にわたる心の傷を思うと胸が痛む。その悲惨な事件について改めて思いを馳せ、処罰や更生とはどういうことなのか考えるためにも、今回、2016年に書かれたナオキの手記を再掲載することにした。 (篠田博之)

山形刑務所での「観桜会」
 山形刑務所では毎年4月に「観桜会」が実施される。もっとも、その名称ほど大仰なものではなく、運動場の片隅に数本生えている桜の木の下にブルーシートを広げ生菓子を喫食するという10分15分の行事だ。
 冬の間ずっと不機嫌だった太陽がようやく顔を出した昨年の観桜会。春風にあおられた花びらが小躍りする様を眺めながら、「交談禁止」のため黙々とプレミアムスイーツ『ふんわりワッフル(4ケ入り)』を食していた。脳内再生されていたBGMはオリビア・ニュートンジョンである。その瞬間、私は確実に小さな幸せを噛み締めていた。生クリームとともに。
 税金で犯罪者にそんな贅沢させるなという意見もあるだろう。しかし、単調な生活を送る毎日にあって、このような行事が受刑者に与える心理的影響は決して小さくない。幸せを感じると同時に、改めて気付かされるのである。
 ――ああ、幸せだ。社会からは忌み嫌われるべき存在でしかない犯罪者のオレが、こうして美味しいお菓子を食べさせてもらいながら桜を眺め幸せを感じている。でも、オレの被害者の人たちは事件以降こんな幸せさえ感じることができなくなってしまったのかもしれない。彼女たちは事件の傷とどう向き合い、どう乗り越え、あるいは乗り越えられず今も苦しんでいるのだろうか。本当に、本当に申し訳のない、取り返しのつかないことをしてしまった……。

逮捕から12年……受講した更生プログラム
 2004年3月4日、私は建造物侵入及び強制わいせつ容疑で逮捕された。事案は、マンション内の共用廊下に立ち入り、その場で女性にわいせつ行為をしたというもの。その後、余罪を自供し、強姦1名を含む計9名に対するわいせつ・強姦事件で06年6月に実刑判決が確定した。
 〈そのような事を行うのは、人間の行い得る犯罪の中で最も醜悪で下等で、残酷な犯罪だと、自分はいまでは思っています。〉(太宰治『人間失格』新潮文庫)
 逮捕から12年、受刑者としてはちょうど10年の節目を迎える。償いとは何か。被害者の方々に罪を償うにはどうすればよいのか。それをずっと考えてきた。……いや、ちょっと待てよ。その問いの背景には、何らかの方法によって償うことができるとの前提が隠れているのではないか。「償える」と思うことが被害者の苦しみを過小評価した加害者側の傲慢さの表れではないのか。そもそも、加害者(しかも性犯罪)が被害者に対し償うこと自体可能なのか。答えは否である。たとえ死んでお詫びしたところで被害者の傷が癒えるわけでもない。ならば私は償うことさえ叶わない大きな罪を犯したのだという自覚を持ち、一生それを背負って生き続けなければならないのだ。
 懲役刑に服するということはあくまで社会治安を乱したことに対する国家への償いでしかなく、むしろ服役を終え自由を手にした後こそが真の償いの始まりである。自分の被害者に対して償えないのであれば誰に対して償うのか。まずは「未来の被害者」なのだと思う。今はまだ被害に遭っていないが将来何らかの事件に巻き込まれるかも知れない存在。つまり私自身が再犯に至らないことを大前提として、その上でなお、新たな犯罪を防ぐことができないだろうか。
 統計数字を見る限り、そして私自身の経験からも、刑務所とは「矯正施設」ではなく「再犯者養成所」である。適切な運営と教育により大きく再犯率を下げることができるにも関わらず。
 加害者も被害者も、受刑者も刑務官も、市民も政府も、それぞれ立場は異なるものの「新たな被害者や加害者を生み出さないために何ができるのか」との一点においては同じ目的を共有できるのだと信じたい。
 こうして私が自分なりに罪と向き合うことができているのには、ふたつの大きな要因があるからだろう。ひとつは通称「R3」と呼ばれる更生プログラムを受講したこと。そしてもうひとつはキリスト教の信仰を得たことだ。
 全員というわけではないが、多くの性犯罪者は服役中にR3の受講を義務付けられる。これは認知行動療法に基づいたプログラムで、週2回、半年かけて実施される。受講者8名(固定メンバー)と臨床心理士・教育部門スタッフなど計10名前後で行われ、各自が課題として作成したワークブックの内容について発表し、ディスカッションするグループワークだ。私はこれを2009年に受講した。
 このプログラムの効果は昨年度版『犯罪白書』で明らかにされ、出所後の再犯率はR3受講者が9・9%、非受講者は36・6%とのことである(出所者全体では47・1%)。
 R3では感情統制方法など様々なスキルを学ぶこともできるが、私にとって最も効果があったのは「心を開くことができるようになった」ということだ。

リストカットと性犯罪
 元来私はそれができず、常に本音を隠して生きてきたように思う。その結果、親友なるものができたことはなく、また、人に弱音を吐くことができないためひとりでストレスを抱え込むこととなる。それが極限まで高まったのは2002年だった。
 「頭のおかしい自称映画監督」を名乗る男が、多摩川に現われたアゴヒゲアザラシのタマちゃんを食べる計画を立てていた頃、私は鬱病を患いリストカットを繰り返していた。深夜に救急搬送され週刊誌に報じられたこともあった。死にたかったわけではない。そういう病状なのだ。おそらく周囲に対し全身でSOSを発していたのだろう。ストレスを抱えたままどうすることもできず、破滅願望や破壊衝動のようなものが生まれ、それが内側に向いたのがリストカット、外側に向いたのが犯行(の一因)なのではないかと考えている。
 女性に困っていたわけでも特殊な性癖があったわけでもない。もしかしたら性犯罪ではなく薬物や暴力だった可能性もあったかもしれない。今更ながら身勝手極まりなく、被害者の方々にはお詫びのしようもない。
 二度と犯罪に関わりたくないというのは、多くの受刑者が持ち合わせている願いだ。私も、自身の再犯防止のため、R3の効果を最大限享受したいと思い受講に臨んだ。そしてそのために、これまでずっと閉じてきた心の扉を常時オープンにする必要に迫られた。なんせこれまで本音を見せずに生きてきた人間が、幼少期から現在に至るまでの自分史や当時の感情、性の芽生えや性的嗜好などを人前で発表するのである。
 しかし受講を重ねるうちに気付いてきた。自分を晒け出すことに何の不都合もないのではないか、と。むしろこちらが心を開けば相手も同じように接してくる。距離が縮まる。そんな当たり前のことや対人関係の築き方を30歳(当時)にもなって初めて知ったのだ。逆に、なぜこれまでの人生においてあんなにも頑なに心を閉ざしてきたのか疑問にさえ思った程である。
 心を開く対象は他人だけではなく自分自身をも含む。本当は傷付いて生きてきたにも関わらず傷付かない振りをして、あるいはそれを認めたくないから意図的に目を逸らしていたのだろう。自分の痛みに向き合えない人間が他人の痛みを想像することなんて決してできない。だからこそ簡単に人を傷付けることができた。
 15年のヤクザ生活、そのうち半分を塀の中で過ごした牧師の進藤龍也氏は自著でこう述べている。
〈自分の人生を振り返るとき、過去に受けた心の傷が、今の自分にどう影響しているか、目をそらさずに、まっすぐ見つめていくことが大切です。気付くこと、それを認めることから回復が始まります。回復が進めば進むほど、意識した、しないにかかわらずこれまで自分が犯してきたすべての「罪」を憎むようになります。そして、とても胸が痛みます。これが「救い」つながる「悔い改め」なんです。〉(『極道牧師の辻説法』学研)

音楽とキリスト教─迎え入れられた世界
 R3の受講を通じて自分にも他人にも心を開くことができるようになった。これまで無視し続けてきた過去の傷を直視し、受け止めることもできた。その結果この手で犯した罪と真摯に向き合うことができたのだ。
 初めて聖書を手にしたのは10年以上前、まだ未決囚として東京拘置所にいた頃だ。きっかけは佐藤優氏の『国家の罠』である。(余談だが佐藤氏と私は、入所時期こそ違うものの東拘の同じフロアで生活し、同じ担当刑務官の世話になったという縁を持つ。)
 当時の私にとって聖書は、あくまで教養や好奇心の対象でしかなかった。刑務所に来てキリスト教の集合教誨にも参加していたが、やはり信仰を持つには至らなかった。
 回心の体験が訪れたのは、受刑生活丸8年となった一昨年の6月。大きなトラブルもなく(もないが)、多少の理不尽はありつつもそれなりに平穏に過ごしてきた中、短期間に相次いで他者からの悪意や刑務所の不条理が押し寄せ、私は完全に憔悴しきっていた。
 そんな折、それは不意にやってきた。
 在るべきものが在るべき場所に収まり、全身が何かあたたかなものに包まれ満たされる感覚。
──強いて説明せよと云わるるならば、余が心はただ神と共に動いていると云いたい。あらゆる神の色、神の風、神の物、神の声を打って、固めて、蒸発せしめた精気が、知らぬ間に毛孔から染み込んで、心が知覚せぬうちに飽和されてしまったと云いたい。──
 望むと望まないとに関わらず、気付けば私は「そこ」にいた。
 短期間のうちに聖書を通読し、百冊あまりのキリスト教書を読み漁り、あたかも昔からそうであったかのように私はすっかりキリスト教徒になっていた。そして、(半知性主義の私の主観ではあるが)数学的な美しさを持つ教義や伝統に惹かれ、現在はカトリック教会の典礼に沿って聖書を読み、祈りの日々を過ごしている。
 実は、この呼び起されるような体験は今回が初めてではない。
 14歳のナオキ少年が初めてギターを手にした瞬間、天から啓示のようなものが降りてきて、私は音楽のためにこの世に生まれてきたのだと悟った。そしてその時、プロミュージシャンになることやヒット曲を出すこと、紅白歌合戦に出場することなどを「望んだ」のではなく「決めた」。近い将来それが実現することを「知っていた」のだと思う。事実、大手レコード会社と契約したのはその4年半後。紅白出場まではデビューから約1年後だった。
 ある小説の主人公が作中でこんな言葉を語っている。
〈芸術にしろスポーツにしろ、その世界で生きていくべき人間はどんな道を辿っても最終的にはその世界から迎え入れられるものだと思う。〉(中山七里『おやすみラフマニノフ』宝島文庫)
 音楽とキリスト教。それこそ私が迎え入れられた世界である。

逮捕によってバンドは解散
 デビューから5年が経過し、一旦バンド活動を休止していた時期に私は犯罪に手を染めた。逮捕によって活動再開の目途が立たなくなり、バンドは解散となった。私の愚かな事件によってメンバーやスタッフの仕事がなくなった。ファンの信頼も裏切ってしまった。そして、音楽を手放すこととなった。悔やんで悔やみきれるものではない。だからこそ、もう二度と私を迎え入れてくれた世界に背中を向けたくない。
 大人になってから信仰を得るということは、根底からの価値変革を伴うことでもある。「更生」という字を漢字一文字にすると「甦」。罪に死んで人として甦る。その過程を私は、十字架から甦ったイエス・キリストの支えによって歩むことができている。
 刑期も終盤になると仮釈放が見えてくる。再犯率を比較すると、満期出所者よりも仮釈放者の方が遥かに低い。それゆえ、法務省側も極力仮釈放決定を出す傾向が強い。身元引受人さえ決まっていれば余程のことがない限り多少の仮釈放が与えられるようだ。
 仮釈放期間中は原則として身元引受人と同居する。2週間に一度、保護観察官や保護司との面談で、求職・就労状況や金銭面も含めた生活全般について報告し、助言を仰がなければならない。R3受講者は、保護観察所で実施される更生プログラムの受講も義務付けられる。
 そもそも「更生」は英語で「リハビリテーション」。つまりは損なわれた機能を回復させ元の生活に復帰する作業だ。
 出所後の生活は一切考慮されず、ただ刑務所暮らしへの過剰適応だけを求められる受刑者は、拘禁期間の長さに反比例し社会復帰力が低下する。仮釈放とは「社会生活」に適応するためのリハビリ期間であり、他方、満期出所者はその機会が一切与えられないまま、文字通り塀の外に放り出される。
〈出所の際に受け取る刑務作業報奨金は、(労働の対価ではなく懲罰の一環との理由から)信じられないくらいに安い。迎えてくれる身内はまずいない。当然ながら帰る家もない。たった一人だ。社会復帰したくてもできるはずがない。〉(森達也『「テロに屈するな!」に屈するな』岩波ブックレット)ちなみに森氏が指摘している作業報奨金だが、私の場合10年間の平均は月額で約3300円。「日額」ではない。「月額」だ。
 今年2月、私の仮釈放審査のため東北地方更生委員会との「委員面接」が行われた。2回実施されるうちの一回目だ。これまでに予備調査が行われているので、ここまで辿り着けば事実上仮釈放確定である。(その後反則行為を繰り返したり身元引受人側に特段の事情が発生しない限りは。)経験上、私は遅くとも6月中の出所が見込まれることとなった。
 今週来週あたりにも2回目の面接があるだろうと予想していた3月29日、突然私は本部棟に呼び出され刑務所幹部からこう告げられた。
「東北地方更生保護委員会から仮釈放不許可の決定が通知されたので告知する。以上」

 


大型バイクがフラフラ蛇行走行…カメラは捉えていた 山口達也容疑者 追突事故直前の映像

2020年09月24日 02時12分16秒 | 事件・事故

9/23(水) 19:33配信

FNNプライムオンライン

センターラインにはみ出しそうに…

東京練馬区で9月22日に撮影された映像。
黒い車の後ろを走る大型バイクが、センターラインをはみ出しそうに走っていた。

【画像】事故直前と直後の山口達也容疑者の映像

このバイクを運転していたのが、追突事故を起こし、酒気帯び運転の現行犯で逮捕されたTOKIOの元メンバー・山口達也容疑者だ。

追突したのは警察官の車
フジテレビが入手した新たな映像から、事故前後の状況がさらに見えてきた。

事故発生の4分後に撮影された映像。
ヘルメットを脱ぐことなく、バイクにまたがっている山口容疑者。
その前の黒い車が、信号待ちをしていて追突された車。
運転していたのは、偶然にも警視庁の男性警察官だった。
男性警察官は山口容疑者とやりとりをした際、酒の臭いにも気付いていたという。

事故直後を目撃した男性:
疲れ切ったような感じだった。座り込んじゃってるというのは、やっぱり何か通常じゃないでしょう

基準値約5倍のアルコール検出
自宅で酒を飲んだとみられている山口容疑者は、事故後に行われたアルコール検査では呼気1リットルから基準値を大幅に上回る0.75mg/Lのアルコールが検出された。

個人差はあるものの、立つとふらつくような状態だった可能性がある。
このような状態で、自宅から事故現場まで約3.5キロを運転していたとみられている。

その間の状況が分かるのが、事故の約3分前に撮影された映像。
ジーンズに半袖のTシャツ、白いヘルメットをかぶってバイクのハンドルを握る山口容疑者。
この時、反対車線をパトカーが走っているが、特に問題なく走行している。

しかし、別角度から撮られた映像を見ると…パトカーとすれ違った直後、バイクはセンターラインに接近し始め、対向車線にはみ出しそうになっていた。

さらに、事故現場により近い場所の防犯カメラ映像でも左右にふらつくように走行。
事故は、この直後に起こったとみられる。

山口容疑者は2018年の謝罪会見で、お酒について「今は絶対飲まないと決めて…」と話していたが、酒との決別の誓いは守られなかった。

警視庁は24日、山口容疑者の身柄を検察に送る予定。

「Live News it!」9月23日放送

 

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山口県、2千万円の最高級車購入 来県予定のない皇族用

2020年09月24日 02時05分11秒 | 社会・文化・政治・経済

9/23(水) 10:19配信

朝日新聞デジタル

県が約2千万円で購入した「センチュリー」。普段は議長車として使われている=2020年8月18日午後4時7分、山口市の山口県庁、藤牧幸一撮影

 山口県は7月下旬、皇族が来県した際に使う来賓用の専用車を買い替えた。トヨタの最高級車「センチュリー」で、購入価格は2千万円超。ただ、今のところ皇族の具体的な来県予定はない。宮内庁は都道府県に皇族が乗る車の用意を求めておらず、中国、四国、九州の各県では既存の公用車で対応する例も多い。

【動画】トヨタ、新型センチュリーを発売 内外に光る「匠の技」


 センチュリーは2018年6月に21年ぶりに全面改良された現行型だ。5リットルエンジンに20個のスピーカー、後部座席にはもみほぐし機能や11・6インチの画面を備え、移動中に映画や音楽を楽しめる。価格は旧型より700万円ほど上がった。昨秋の天皇・皇后両陛下の即位パレード「祝賀御列の儀」では、この車を改造したオープンカーが使われた。

 県がこの車を購入したのは今年7月30日。価格は2090万円だった。昨年から検討を進め、今年度の当初予算に計上した。皇族が来県した際に使う車として、県は「貴賓車」と呼んでいる。

■3年間で使ったのは13日

 県はこれまで県議会議長用と副議長用、貴賓車の計3台のセンチュリーを保有してきた。旧貴賓車は02年に購入し、07年まで県の東京事務所で知事が上京した際に使っていた。だが車体が大きく目立つことを理由に、山口に移して皇族が来県した際に使うようになった。今回買い替えた理由は、購入から18年を迎え、安全性に懸念があると判断したためだという。

 県が直近の17~19年度の3年間にこの貴賓車を使ったのは計13日間(17年度3日間、18年度6日間、19年度4日間)。うち皇族が使ったのは18年10月の2日間だけだった。山口市であった「全国都市緑化祭」に出席した秋篠宮ご夫妻が、岩国錦帯橋空港から山口市に移動する際などに乗った。ほかには外国からの来賓の空港や駅との送迎や、村岡嗣政知事の鳥取県への出張に使ったという。

朝日新聞社

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