阪神・球児、今季限りで引退…渡辺謙、桂文枝ら芸能界の虎党から“お疲れさま”

2020年09月01日 16時12分15秒 | 事件・事故

9/1(火) 5:30配信

スポニチアネックス

 阪神・藤川球児投手の今季限りでの引退に、芸能界からもねぎらいの声が上がった。試合観戦やキャンプにも訪れる大の虎党、俳優渡辺謙(60)は「火の玉球児、スピンの利いた分かっていても打てない速球に何度“あと1人、あと1球”と祈り叫んだかしれません」と回想。さらに「阪神に復活のマウンドは泣けました。激動の野球人生、今シーズンもう一度、その勇姿を見せてもらえたら」と、有終の美に期待した。

 落語家・桂文枝(77)は「誰もが年を取ります。誰もが力の衰えが出てきます。でもぶざまな姿を見せず格好いいクローザー。いつか阪神優勝のために力をお貸しください」と指導者での帰還を懇願した。

 藤川が入場曲で使用する「every little thing every precious thing」を歌う「LINDBERG」のボーカル渡瀬マキ(51)は「甲子園球場で私たちの曲にのせてマウンドに登場するシーンを見られたこと、一生忘れません」と、振り返った。

 渡瀬は機能性発声障害であることを公表しており「どんな環境におかれても腐らずひたむきに闘う姿は私を含めたくさんの人たちに勇気を与えた」と称賛。「私も藤川投手のように“歌うこと”を諦めることなく、発声障害を絶対に乗り越えて人々に勇気を与えられる人間になりたい」と、持病克服を誓っていた。

 ▼岡崎体育(球場ビジョンで流れる「みんなで六甲おろし2020」に登場」)藤川球児選手の闘志あふれるピッチングにいつも勇気をもらっています。藤川選手が引退されるのは寂しいですが、最後のシーズンも全力で応援します!

 

【関連記事】


藤川引退会見 粉骨砕身の22年「全く悔いはない」ファンに感謝、後輩にエール

2020年09月01日 15時54分55秒 | 野球

9/1(火) 14:18配信

デイリースポーツ

阪神の藤川球児投手(40)が1日、兵庫・西宮市内のホテルで会見し、今季限りでの現役引退を表明した。

1時間に及ぶ会見の中では、何度か言葉に詰まるシーンも。22年の現役生活に「いつも最後だと思っていた。全く悔いはない」とし、ファンに向けた感謝、後輩に向けたエールを語り尽くした。

 午後1時、スーツ姿姿でひな壇に上がり、口を開いた。「必然というか。1年間、体の準備が整わなければプロとして失格なので」。引退決断に至った経緯を明かした。時折、笑みを交えながら、晴れやかな表情で話し始めた会見。それでも22年の野球人生を問われると、「幸せなことに、あと2カ月半ある。自分なりに精いっぱいタイガースに貢献したい」と話すと、言葉に詰まって涙が浮かぶ。

 「いつつぶれてもいい覚悟でやってきた。僕、戦の話が好きで、粉骨砕身っていう意味で…」。言葉がなかなか続かない中、しばらく沈黙の後、「セーフですよね?」と笑わせて話を続ける。

 「前向きであり続けたことがよかったです。振り返らずに、前を向くということが、一番できたことかなと思います」

 日米通算250セーブにあと「7」で迎えた今季、メモリアルイヤーとなるはずだった。だが、11試合の登板で1勝3敗2セーブ、防御率7・20。今月13日には右上肢のコンディション不良で、本来の姿には程遠く2度目の出場選手登録抹消。現在は2軍でリハビリを続けている。

 大台の250セーブまであと「5」だが、「建前なしに言わせてもらうと、考えたことはない。もっと大きな財産をいただいた」と話し、チームへの思いを明かした。

 「タイガースが優勝すること。入団した時に3回は優勝すると言った。まだ2回しか達成していない。今、3回目のチャンスが来ていますから」。右上肢のコンディション不良から復帰し、現役最終年での優勝への決意を示した。

 「甲子園球場は僕にとって母親。阪神タイガースは父親」。“両親”の前で、優勝という形の最後の親孝行をする思いだ。この日も鳴尾浜球場で、2軍の全体練習に参加。屋外キャッチボールなどで汗を流した。ただ、即引退ではなく、9月中の1軍復帰を目指して、懸命なリハビリを続けている。

 会見場には「JFK」の1人、久保田智之プロスカウトも駆け付け、雄姿を見届けた。終了後には2人並び、笑顔で会見場を後にする。シーズンは残り60試合。華やかなラストランに向けて、藤川球児の戦いは続いている。

 

【関連記事】


「菅義偉総理」誕生へ…その閣僚人事をどこよりも早く予測する

2020年09月01日 15時42分02秒 | 社会・文化・政治・経済

9/1(火) 7:01配信

現代ビジネス

安倍晋三総理が8月28日、体調不良による辞任を表明したことにより、ポスト安倍レースの号砲がついに鳴った。本稿では、次期総理最有力候補に躍り出た菅義偉官房長官の政権構想、そして閣僚人事を大胆に予想してみたい。永田町や霞が関関係者、報道関係者への取材を総合し、それぞれ根拠も合わせて説明していこう。

【写真】安倍よ、ただで済むと思うな…菅官房長官「最後の逆襲」が始まった

最初から「菅氏が本命」だった

Photo by gettyimages

 次期総理候補の筆頭は、安倍総理の辞任表明前から、実は菅義偉官房長官だったと言っていい。というより、現在の自民党の政治家の顔ぶれを見ても、菅氏の他に総理が務まる人材がいないのだ。菅氏はきょう1日にも、正式に自民党総裁選への立候補を表明する見通しだ。このこと自体が、もはや「菅総理」が自民党内で既定路線となった証拠とも言える。

 現実的な「ポスト安倍」候補は、菅氏の他には2人いた。麻生太郎財務相・副総理と岸田文雄自民党政調会長だ。

 だが79歳の麻生氏は、高齢のため再登板は難しい。すでに総裁選に立候補しないことも表明しており、安倍政権の終了後まもなく政界を引退する可能性もある。一方、「ポスト安倍の最有力候補」と言われ続けてきた岸田氏は、新型コロナでの給付金をめぐる一連の騒動で政調会長としての威信が大きく揺らぎ、レースから事実上脱落していた。

 安倍総理が辞意を表明した8月28日に新潟に出張していたことも、岸田氏の政局勘のなさを露呈してしまった。「番記者に『さすがに今日はやばいんじゃないですか』と午前中に念押しされたのに、『予定通りだ』と強行した」(全国紙政治部記者)というのだから、目も当てられない。慌てて夕方に東京にとんぼ返りしたが、「いかに安倍総理との距離が開いていたかがわかる」(同)。

 石破茂元自民党幹事長は、国民からの人気は高いものの、自民党内の支持基盤があまりに弱いため、下馬評ほど総理の座に近いとは言い難い。また、「何でもかんでも自分で解決しようとして部下に仕事を任せない」(自民党ベテラン議員)性格がリーダーには不適格だとの指摘も出ている。今回の総裁選が党員投票なしで実施される公算が大きいことも逆風となる。

 二階俊博自民党幹事長は81歳と高齢で、麻生氏と同様、総理の激務に耐えられるとは思えない。何より二階氏自身が、幅広い人脈と政局勘を最大限に生かせる幹事長ポストこそ、自分の天職だと自覚している。「二階氏は総理が誰だろうが、自分を最大限評価してくれる人の味方につく。それが今は安倍首相なだけ。総理が誰であっても、二階氏の立ち位置は変わらない」(同)。

 結局、総理大臣は国民からの認知度や人気だけでなく、党内を納得させ、黙らせるだけの力や実績がある人物でないと務まらない。自民党というムラ社会における政治力と人脈、連立与党である公明党とのパイプの太さ、霞が関をも掌握する調整力と統率力など、官房長官を7年半務めた菅氏の実力は、いまや岸田氏や石破氏とは比べ物にならない。

安倍政権の路線を踏襲する

Photo by gettyimages

 では、菅氏がもし総理となった場合、どのような政治を展開するのだろうか。

 菅氏は理念先行型ではなく実務家タイプの政治家だ。かつてインタビューで「自分には政治家としての目標がない」と述べたことすらある。そのため、新たな国家像を打ち立てるというよりは、安倍政権の路線を継承しつつ、規制緩和や省庁改革など、社会の効率化路線を一層推し進めると予想される。

 菅氏はこれまで、官房長官として全省庁から情報を吸い上げると同時に、各省庁の局長級人事を差配する内閣人事局を掌握してきた。当然、各省庁がどのような課題を抱えているか、政策遂行のためには、どの幹部に何を指示すべきかについても通暁している。

 菅氏はこれまで、農協改革や携帯料金値下げなど、規制産業の改革を主導してきた。総理になった場合、このような規制改革をさらに進めることを目玉として、政権支持率の浮揚を目指すだろう。

 一方で、口数が少ない菅氏は、多くを説明せず「ゴリ押し」に頼る傾向も強いため、それが裏目に出る可能性もある。かつて「ふるさと納税」を導入した際には、制度に欠陥があるとして反対した当時の総務省幹部を左遷し、実施を強行した。こうした「剛腕」の実情が大きく報じられるようになれば、少なからぬ国民の反感を買うことは間違いない。

 もうひとつ、菅氏の致命的な欠点が「人を見る目のなさ」である。

 昨年は菅原一秀前経産相、河井克行前法務相と、菅氏に近い閣僚のスキャンダルが続出した。党内外の情報を集約する立場である菅氏が、それらの話を事前に耳にしていなかったとは思えない。「身内びいき」で問題を放置していたとすれば、由々しきことだ。

 今回の総裁選をきっかけに、表向きは「無所属議員の勉強会」という形を取ってきた菅氏支持グループが組織化される可能性がある。しかし総理就任後、「菅グループ」の議員を重用しすぎれば、やがて身内のスキャンダルが政権の安定を危うくすることにもなるだろう。

外交は素人

Photo by gettyimages

 菅氏の身上は、派手な言動を慎み、実績を確実に残す「小言実行」。それは裏を返せば、華やかさに欠け、国民へのアピール不足・説明不足にもつながりやすいということだ。それがとりわけ懸念されるのが、外交分野である。

 実質的な成果はさておき、安倍総理はドナルド・トランプ米大統領との親交、今年初めのイラン渡航など、外交に関しては「やってる感」を効果的にアピールできていた。

 一方、菅氏は外交については素人。昨年5月の訪米の際には、「次期総理としての顔見せなのではないか」と噂されたものの、具体的な成果や内容はまったく表に出ず、何をしに行ったのか訝られた。

 菅氏は自身の英語が拙いことも自覚している。だが総理ともなれば、外国首脳との懇談や「立ち話」で当意即妙な切り返しを要求される局面が少なくない。「寡黙で真面目なおじさん」キャラは日本では評価されるかもしれないが、諸外国からは失望されるだけだろう。

 おそらく菅氏は、外交は部下に任せるのではないか。そもそも菅氏が外交分野で取り組みたい課題は、北朝鮮による拉致問題だけ。安倍首相と距離を縮めたきっかけも、拉致問題に関して意気投合したことだった。それを踏まえれば、後述するように茂木外相にトランプ大統領後のアメリカとの関係を、そして二階幹事長に中国との関係を、それぞれ維持してもらう方策をとると考えるのが合理的だ。

「河野官房長官」誕生か

Photo by gettyimages

 さて、ここからは「菅内閣」の閣僚人事について予想していこう。

 まず、菅氏が総理となった場合、最も難しいのが官房長官のポストだ。「菅総理には菅官房長官がいない」と安倍総理が語ったのは、非常に的を射た見解である。

 有力候補は河野太郎防衛相だろう。永田町では「『親の七光り』と見られていて人望がなく、若手の取り巻きもほとんどいない」(自民党ベテラン議員)と評判が悪いが、同じ神奈川を地盤とする菅氏とは距離が近い。菅内閣は1年ほどの短期政権で終わることも予想されるため、菅氏がグリップしつつ河野氏を引き上げることが考えられる。

 岸田氏も候補ではあるが、菅氏との関係が悪い。ただ、総理候補としては地味であることが、官房長官としては逆に生きてくる可能性もある。官房長官を長く務めた菅氏は、「余計なことを言わない」ことが官房長官に最も必要な資質であるとよく知っているから、岸田氏を適任と考えるかもしれない。

 官房長官は政権の代表として、毎日総理に代わって記者からの質問に答えるのだから、余計な感情をみせる人間やスタンドプレー好きな人間では務まらない。岸田氏が大派閥・宏池会の領袖であることも、政権運営にプラスになると判断しても不思議ではない。

 「岸田官房長官」に不安があるとすれば、海外での邦人拉致・拘束など緊急事態における「鉄火場」で適切に対応できるかどうか、また今後、官房長官会見では予定質問の提出が減る可能性が高いが、想定外の質問にアドリブで回答できるかどうかだろう。これらは「決められない男」岸田氏にとって、最も苦手な分野だ。

 ちなみに、西村康稔経済再生担当相が官房長官に就くとの下馬評も一部であるが、「マスコミにサービスし過ぎる」「脇が甘い」との評価が自民党内には根強く、官房長官を任せるのはリスクが大きい。自民党参院幹事長の世耕弘成氏も官房長官候補として取り沙汰されるが、「経産相時代には、2018年2月の日米首脳会談直前に経産省からのリークが疑われ、慌てて省内の部屋にカギをかけた『マスコミ締め出し』くらいしか目立った仕事をしていない。頼りの安倍総理がいなくなれば、枢要ポストは厳しい」(全国紙経済部記者)。

甘利氏「復活」は財務相として?

Photo by gettyimages

 次は重要閣僚だ。財務相は麻生財務相が留任するシナリオが有力だが、加藤勝信厚労相がスライドする可能性もある。財務省は加藤氏の出身官庁であり、実務上安定すると考えられるからだ。

 一方、甘利明自民党税制調査会長が財務相に就くとの観測もある。理由は、新型コロナウイルス流行により、世界経済が壊滅的な打撃を受ける中、日本でも近く「コロナ債」の発行が現実味を帯びてくるためだ。

 コロナ債とはその名の通り、現下の緊急事態で事業者への補償や経済活性化の原資を調達する国債である。7月にはEU各国が初めて共同債を発行し、約7500億ユーロを調達することで合意した。いまだにコロナ終息のタイミングが全く読めない以上、第二波、第三波が起きれば、また自粛要請を出す必要にも迫られる。飲食店や観光業などは特に大きな打撃を受けるため、その対策が必須となる。

 こうした緊急事態の中、財務相が財政規律に厳しい人物では思い切った政策を打ち出せないため、経済再生担当相としてアベノミクスによる金融緩和を支えてきた甘利氏に、白羽の矢が立つ可能性がある。

 甘利氏は財政規律を重んじる財務省とは距離があるため、機動的な財政を行えるという点では適任だろう。現職の麻生財務相は「財務省の守護神」とも言われたが、もし甘利財務相が誕生すれば、官邸と財務省の対立がより明確になるかもしれず、注目ポイントとなりそうだ。

 甘利氏は2016年1月、支援者からの金銭授受疑惑を週刊文春に報じられ閣僚を辞任したが、事件に関する説明責任をまだ果たしていないとの声も国民には根強い。ただ、それ以前は「3AS(安倍、麻生、甘利、菅)」の一角として権力の中枢にいた。現在も「政府の重要案件については必ず絡む実力者」(自民党議員)であり、菅政権誕生の暁には入閣しても全くおかしくない。

外交は茂木氏・二階氏でカバー

Photo by gettyimages

 次は外交だが、前述したように、外交は菅氏にとって苦手分野である。懸案である北朝鮮による拉致問題については米国の出方にも大きく左右されるうえ、北朝鮮の体制にも動揺がみられる今、トランプ政権が終了すれば、いったんはそれなりに良好な関係を築いた米朝も再び対立を強めてゆくだろう。

 トランプ政権が倒れて民主党のジョー・バイデン大統領が誕生した場合、少なくとも現在よりは対北強硬姿勢をとるとみられ、菅外交はその流れにうまく乗るしかなくなる。トランプ大統領が続投する場合も、安倍政権のように密接な対米関係を維持できるとは思えない。

 そのため、対米外交については茂木外相を続投させ、大きな裁量を与えると考えられる。英語に堪能な茂木氏は目立ちたがり屋ではあるが、モチベーションが高く、何より日米貿易交渉をまとめた実績がある。国際交渉の経験が豊富なある自民党議員は「ほかの人材は国際交渉になると40点といったところだが、茂木氏はコンスタントに60点を取れる」と話す。

 一方、対中国については二階氏の人脈でカバーする展開となるだろう。ただ、今回のコロナ禍でも、二階氏が習近平国家主席を国賓として迎え入れることにこだわったことが、日本国内での感染拡大を許す一因にもなった。「確かに頼りになるが、二階一本足打法はリスクも高い」(全国紙政治部記者)ため、どうヘッジするかが試されそうだ。

 なお、韓国の文在寅大統領が親北朝鮮の姿勢を変えず、「反日」を梃子としたポピュリズム政治を続けるかぎり、日本側のトップが交代しても日韓関係に大きな変化はないだろう。

最大の課題は「政権内の人間関係」
 その他の主だった閣僚ポストについてはどうか。平時でも実務の幅が広く、さらにコロナ対応で力量が問われる厚労相は、「とてもではないがバカが務まるポジションではない」(自民党閣僚経験者)ため、官僚出身で実務能力のある加藤氏が続投しない場合、厚労族のエースであり、厚労相の経験もある田村憲久衆議院議員が再任するとの見方が強い。

 経産相については、経産官僚出身の西村氏は有力候補だ。新しいアイデアが求められる官庁の経産省は、スタンドプレーに走りがちな西村氏にはむしろいい舞台になるかもしれない。小泉進次郎環境相が経産相に就任するとの観測もあるが、自民党ベテラン議員は「環境相になって以降、底の浅さが露呈してしまった。とても任せられない」と語る。あくまで超ダークホースである。

 防衛相は岸田氏か、河野氏が官房長官に就かない場合は続投の可能性がある。河野氏は得意の英語を駆使できるポジションが外務大臣の他に防衛相しかないことと、自民党支持層、とりわけ自衛隊ファンからの人気が大きいことが要因として挙げられる。いずれにせよ、宏池会への配慮のうえでも、岸田氏が何らかの形で入閣する公算が大きい。

 ここまで予測した人事のうち、甘利財務相が誕生すれば、インパクトが非常に大きく、政策もかなりダイナミックに進むと思われる。その場合、菅氏にとって最大の課題は、甘利、茂木両氏の仲を円滑に取り持つことだろう。甘利氏は文春報道で失脚する前は、環太平洋経済連携協定(TPP)の困難な交渉の取りまとめに当たっていた。妥結直前になって、後任の茂木氏に「美味しいところを横取りされた」との思いがある。茂木氏のアピール癖が甘利氏を刺激しないか、配慮が必要となりそうだ。 

 以上、菅内閣の青写真を提示してみた。予想はあくまで予想であるが、一つの考え方としてお楽しみいただきたい。

松岡 久蔵(ジャーナリスト)

 

【関連記事】


8月の熱中症死者 東京都で187人と過去最多 エアコン使わず9割

2020年09月01日 14時05分16秒 | 事件・事故

9/1(火) 10:56配信

FNNプライムオンライン

8月、熱中症で亡くなった人は都内で187人にのぼり、ひと月の死者数は、統計開始以来最多となった。

【画像】熱中症患者の救急搬送も過去最多に

都内では8月31日、新たに74人が熱中症の疑いで救急搬送され、8月の搬送者数は累計で4,102人となった。

搬送者のおよそ6割は60歳以上が占め、このうち重症者は209人で、いずれも8月としては過去最多となった。

また、東京都監察医務院によると、31日までに187人が熱中症で死亡した。

ひと月の死者数としては統計開始以来最多で、およそ9割がクーラーを設置していないか、使用していなかったという。

FNN PRIME編集部

【関連記事】


世界の感染者2500万人 インドは1日の感染者最多―新型コロナ

2020年09月01日 14時00分10秒 | 医科・歯科・介護

2020年08月30日17時43分
 
ブラジル南東部ミナスジェライス州で、市場周辺を消毒する当局者ら=18日(AFP時事)

新型コロナウイルスの検査を受けるインドの市民=27日、ニューデリー(EPA時事)

 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの全世界の感染者数が日本時間30日、2500万人に達した。死者は84万人を超えた。
【図解】新型コロナ 世界各国の感染状況

 感染者が最も多いのは米国(約596万人)で、ブラジル(約385万人)、インド(約354万人)、ロシア(98万人)が続く。

13億6000万人超と世界第2位の人口を抱えるインドでは、政府発表によると29~30日の24時間で新たに7万8761人の感染が判明。1日の新規感染者数としては米国を抜き、世界最多となった。
 死者数は米国(約18万3000人)、ブラジル(約12万人)、メキシコ(約6万4000人)、インド(約6万3000人)の順に多く、引き続き米州が最も被害の大きな地域となっている。AFP通信によると、ブラジルでは1日約4万人が新規感染し、1000人近くが死亡しており、専門家は「ブラジルはまだピークを越えていない」と指摘している。
 また、AFPによれば、感染の波が収まりつつあったニュージーランドや韓国も「新たなクラスター(感染者集団)との闘い」のさなかにある。ニュージーランドは31日から、公共交通機関などを利用する際にマスク着用を義務化。韓国では30日から感染防止のための追加措置が実施された。 

時事ドットコム


政府、軽症者への入院勧告見直し 病院、施設で定期検査も

2020年09月01日 13時56分11秒 | 医科・歯科・介護

2020年8月28日 18時18分 (共同通信)

 政府は28日、今冬の新型コロナウイルス感染症拡大に備えた対策パッケージを公表した。医療現場の負担を減らすため、症状が出ていない人や軽症者にも入院勧告している感染症法の運用を見直すほか、1日に20万件の検査が行えるよう体制を拡充。
感染拡大地域では、医療機関や高齢者施設で働く人全員に一斉検査や定期検査をできるようにする。ワクチンは、2021年前半までに国民全員に提供できる量の確保を目指す。
 政府は、新型コロナの感染者に対して感染症法に基づく入院を勧告し、原則として医療機関に入院してもらう措置を取ってきた。


コロナ病床、2.7万超確保へ 感染拡大に対応 厚労省まとめ

2020年09月01日 13時49分31秒 | 医科・歯科・介護

8/28(金) 18:08配信

厚生労働省は28日、新型コロナウイルス対応で都道府県が策定した病床確保計画の取りまとめ結果を公表した。
 新型コロナ患者を受け入れる病床を、合計でピーク時に2万7000床超、無症状や軽症患者向けの宿泊療養施設を2万1000室超それぞれ確保する方針。感染状況に応じてコロナ対応の病床を増やす内容で、通常診療との両立を目指す。  
厚労省は6月、コロナ患者受け入れの計画策定を都道府県に要請。若者中心と高齢者中心の二つの感染拡大に関するモデルを示し、1日当たりの新規感染者数や入院者数を推計した上で、必要な病床を確保するよう求めていた。 
 

【関連記事】


SNSひぼう中傷 投稿者の電話番号開示請求を可能に 総務省

2020年09月01日 13時49分31秒 | 事件・事故

2020年8月28日 16時05分 NHK

IT・ネット

SNS上でひぼうや中傷を受けた人が、運営会社に対して投稿した人の電話番号の開示を求めることができるよう、総務省は今月中に制度を改める方針を決めました。

総務省は28日、SNSなどの情報開示の制度を見直す有識者会議を開き、中間のとりまとめを行いました。

それによりますとSNS上でひぼうや中傷を受けた人が、運営会社に対して投稿した人のIPアドレスなどの情報開示を請求できる制度を使って、電話番号も請求できるようにすべきだとしています。

これを受けて、総務省は今月中に関連する省令を改める方針を決めました。

また中間とりまとめでは、より短い時間で情報開示が進む新しい裁判手続きについても検討を深めていくことが適当だとしていて、高市総務大臣は有識者会議で「被害者をより迅速に救済する観点から、新たな裁判手続きの創設など最終とりまとめに向けて議論し、今後の方向性を示してほしい」と述べました。

SNS上のひぼうや中傷は、ことし5月に民放の番組に出演していた女性がひぼうや中傷の投稿が相次ぐ中亡くなったことをきっかけに対策の議論が進んでいて、総務省は投稿した人を特定しやすくすることで抑制につなげたい考えです。


ストレス予防の観点からのコロナウイルス予防と対処法

2020年09月01日 12時34分48秒 | 医科・歯科・介護

様々な情報が溢れかえって、どう対応していいか分からず、不安になっている日々だと思います。恐怖や不安を感じるのはとても自然な感情です。感染がどんどん広がって先が見えないこと、対処する薬がまだ見つからず死に至る可能性があること、生活がどんどん委縮していくことを考えれば不安に駆られるのは自然なことです。ここでは、ストレス予防が専門のカウンセラーの立場から、いくつかのポイントを考えてみました。

1.予防のために冷静にできることをしっかりする
具体的には、手洗い、うがい、マスク。感染の可能性が高い場所や人ごみは避ける。生活リズムを整える。

しっかり睡眠をとり程よい運動をする。ストレスをためない。
2.反応するのではなく対応する。
不安や恐怖は自然な感情ですが、必要以上に過剰に心配すると、その感情自体が心身にダメージを与える可能性が あります。コロナウイルスというストレッサーに自動的に反応するのではなく、冷静に対応する必要があります。
3.万が一感染しても、すぐに回復する人と重症化する人との違いは免疫力にあるといわれています。
免疫力アップのためにできることを日常的にする必要があります。

以上のことからストレス予防の考えと対処法がここでも役に立ちそうです。

コロナウイルスのストレスを予防し、不安や恐怖をコントロールする方法

自分で自分のストレスや不安をコントロールし、ストレスと付き合う力(過剰ストレスを予防、過剰ストレスを適正ストレスに)を身につける必要があります。とやかく悩んで心配ばかりすると脳が慢性疲労になり、うつや不安障害につながるので、できることはした上で、とやかく心配しない方法とも言えます。

<方法>
1. 1分間の呼吸数(往復で1回)を計測
平均13~15回。18回以上は多い(現在も緊張、不安状態)。普通に呼吸している状態で10回以下になるのが目標。
2. 簡易版筋弛緩法 
1)肩をおもいきり耳まで上げ力を入れたまま10秒保持。意識的に緊張を感じる。ストンと一気に力を抜く。
ぼんやりと意識を首・肩に向け、緩む感じを味わう。
2)手を組み頭の後ろ、両肘を前に出す。手の平と頭の後ろでおもいきり力を入れる。
背骨にも力を入れる。10秒保持。意識的に緊張を感じる。ストンと一気に力を抜く。
ぼんやりと意識を首・肩・背骨に向け、緩む感じを味わう。
3)両手は前にならえの姿勢で前に伸ばし、両足も床から離し真っすぐ水平に伸ばす。
手首、足首を顔の方に思いきり力を入れて曲げる。
何も考えられないぐらい思いきり全身に力を入れたまま10秒力を入れ続ける。
一気にストンと力を抜き、しばらく全身が緩むのを感じる
3.首回し
目をつぶったまま、口をポカンとあけ、首を前後左右自由にぐるぐる回す(2分程度)。
(首の後ろにリラックスに関係する副交感神経が集まっているので)
4.イメージ呼吸
1)口を小さくあけ、ため息をつくように、少しずつゆっくり長く10秒ぐらいかけ息を吐く。
途中からお腹を両手で少し押し身体を前傾させる。
吐く息とともに、今気になっている不安や恐怖などがすべて身体の外に出て行き、頭も身体も空っぽですっきりするようにイメージする。
2)吐き切ったら、手を緩め、鼻から3秒ぐらいかけて息を吸う。
前傾した身体を起こし胸を開きながら行う(肩はリラックス)。
空っぽになった身体に、元気で温かいエネルギーが頭と足から入ってくるようにイメージする。
3)2秒だけ息を止める。元気で温かいエネルギーが全身に満ちるようイメージ。
4)5分から10分、1~3を繰り返す。
5.呼吸法を忘れ、今の自然な状態で呼吸し、再度1分間の呼吸数(往復で1回)を計測。呼吸数の変化をチェック
6.自律訓練法
1)手を膝の上に乗せる。
2)ぼんやりと意識を手の平と足の裏に置き、それらの感触を感じる。
3)それらの感触を感じながら「気持ちがとても落ち着いている。
両腕・両足が重くて温かい、重くて温かい」と2~3分繰り返す。
7.しばらくリラックスしながら、自分の好きなイメージを思い浮かべる
 (海や山などの景色や、小さい頃の幸せだったシーン)。

8.自分に今必要な勇気付けの言葉を3~5回つぶやく。
 「なにがあっても大丈夫、免疫力アップで大丈夫」など。

  • 不安、恐怖と距離を取る方法

    まずは自分の中に起こるありとあらゆる思考・感情に気づき、ジャッジしないで受け入れます。すると、自分と問題との間に距離が取れて、問題に巻き込まれたり圧倒されたりしなくなります。
    そして、自分の思いや気持ちは、本当の自分ではなく、浮かんでは消えていく流れのような、あくまでも自分の一部、あるいは小さな自分と考えます。
    脳という身体の一部分が過去のネガティブな記憶や条件づけられた自己イメージに自動的に反応している状態ともいえるからです。
    自分の脳の中で起こっているあらゆる反応を観察し意識している自分が、<本当の自分>と考えるのです。
    そうすれば、「ウイルスが怖い、どうしよう、どうしよう」という思いや気持ち=小さな自分を認めてあげることで距離がとれ、圧倒されなくなるのです。
    つまり、私とは「悩んでいる人」ではなく「悩みを観察している人」という考え方です。
    このセオリーが身につくのが観察者セラピーとマインドフルネス法です。

<観察者セラピー>
1)座るか横になるかして、何回か深呼吸しリラックスする
2)自分の前を川が流れているとイメージする
3)自分は川のほとりで、川を静かに眺めているとイメージする
4)内部に思いや感情が湧いてきたら、それらが目の前の川の中を流れていくようイメージする(小さな葉っぱに乗せてもいい)

  • <マインドフルネス法>
    1) 背筋をまっすぐにしてリラックスする
    2) 自分の身体の内部を感じる。皮膚で包まれている身体の内部全体を感じ続ける
    3) 呼吸を意識する。吸う息、吐く息に伴って動くお腹へ気づきを向ける。お腹が膨らんだ時に「ふくらみ」縮んだ時に「チヂミ」とつぶやいてもいい。雑念に気を取られたのに気づいたら「雑念、戻る」とつぶやいてお腹への意識に戻る。雑念や感情をジャッジしないで気づいて戻るだけ。10分~20分
    4) ある程度落ち着いてきたら、気づきを拡げていく。呼吸に気づきを向けながら全身の感覚をも含めていく。そうすることでより広い範囲への気づきが持てるようになる。全身の感覚に気づきを向けて、全身で呼吸しているかのように、呼吸をたどる。さまざまな思いや感情が湧いてきたら気づいて、そっとしておいて、身体の内部全体を感じ続ける
     
  • <皮膚を厚くする>
    統合失調症のクライエントに効果があった対処法です。
    彼は街中に行くと周りからの悪意ウイルスが自分の中に入ってくるように感じられて、恐怖を感じると訴えていました。
    彼に上記のマインドフルネス法を教えた後で、街中に行くときには自分の皮膚を厚くして鎧のようにイメージして、
    自分の内部がしっかり守られている感覚を感じるよう教えたところ、効果がありました。
    コロナウイルスへの予防にも使えると思います。イメージや身体感覚が得意な人はぜひ試してみてください。
  • 最後に、もちろん一人で不安や恐怖を抱えないで家族や友人と語り合うことが何より重要です。
    不安や恐怖は表現されることで緩和されます。語り合う中で予防法も試してみてください。

一般社団法人日本産業カウンセラー協会
シニア産業カウンセラー・ 協会スーパーバイザー  大澤昇

 

 


コロナ禍とメンタル

2020年09月01日 12時26分37秒 | 医科・歯科・介護

2020年8月31日 公明新聞

誰もが不調になり得る 
身近な人による初期支援が有効 
異変感じたら相談 
情報過多、コントロールを 
国立精神・神経医療研究センター 藤井千代 部長に聞く

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が社会全体に及び、長期化する中で、メンタル面での不調をどう防ぐか。国立精神・神経医療研究センターで地域・司法精神医療研究部長を務める藤井千代氏に聞いた。

――コロナ禍でメンタル不調になる人の傾向は。

元々、不調を抱えていた人だけでなく、そうでない元気な人に影響が出ることもあり、「自分がメンタル不調になるわけはない」と考えて相談せず、治療が遅れる場合がある。「みんなが頑張っているから自分も……」などと奮起する人もいるが、それが過剰になると不調に気付かなくなり、本格的なうつに陥ってしまう。

あえていえば、収入が減った、就業形態が変わったなどの現実に起こったことに対して不安を感じる場合と、「コロナに感染するかもしれない」「仕事をなくすかもしれない」といった、起こるかもしれないことを予測して不安になる場合とがあるが、コロナ禍では誰でもメンタル不調になり得ると考えてよい。

――不調を防ぐには。

身体的健康は心の健康に直結する。食事、睡眠などの生活リズムを整えたり、少しでも運動することが大事。それがうまくいかなければ誰かに相談したり、診察を受けるなどの対処が必要だ。不眠や過眠、食欲減退や暴飲暴食などが現れ、生活リズムを保てなくなったときは、要相談だ。

飲酒には注意してほしい。アルコールは、短期的には気分を高揚させるが、長期的には、うつに傾かせる。酒量が過剰になると元のストレスがかえって大きく感じられたり、身体の健康が損なわれることもあり、悪循環が生じかねない。

情報コントロールも重要だ。コロナ関連のニュースばかりで情報過多になる中で、メンタル不調になる人も少なくない。信頼できる情報源以外は無視するなど、ある程度、自分でルールを決めるべきだ。情報をコントロールすることで、薬などを使わなくても回復することはよくある。

自分の状態が、いつもと違うと感じたら自分だけで抱え込まず、誰かに話してみることも必要だ。物理的距離をとりながら、いかに人とつながるかが、メンタル不調予防のカギとなる。

専門家に相談する前に、家族や友人など、そばにいる人が初期支援を行う「メンタルヘルス・ファーストエイド」は、コロナ禍という未曽有の事態に社会全体が直面する中で、一人一人のメンタルを守っていく上で有効であり、多くの人に知ってもらいたい。

秋から冬は警戒が必要

秋から冬にかけて気分が落ち込む人は増える。コロナの影響が長期化しているので、今まで持ちこたえていた人が息切れするかもしれない。警戒が必要だ。

 


尊敬すべき敵

2020年09月01日 12時19分24秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

政治学者の丸山眞男はカール・シュミットを「尊敬すべき敵」と呼んだ。
「敵」であるが、無視しては通れない。


「軽蔑すべき者を敵として選ぶな。」

ニーチェの名言

「軽蔑すべき者を敵として選ぶな。
 汝の敵について
 誇りを感じなければならない。」

軽蔑すべき敵よりも尊敬に値する敵を見よ
という毛沢東の言葉があるそうですが、中国語ではなんというのですか?

ベストアンサーに選ばれた回答
 プロフィール画像
bin********さん 2018/7/910:01:33

その訳はかなり変形されているのかもしれません。
毛沢東は敵の評価と扱い方を戦略面と戦述面で分けていました。国民党軍とのゲリラ戦から得た一種の戦場哲学だったかもしれません。毛沢東はこう言っています。
在战略上要藐视敌人,在战术上要重视敌人。


カール・シュミット-ナチスと例外状況の政治学

2020年09月01日 11時49分39秒 | 社会・文化・政治・経済

 

蔭山 宏 (著)

M・ウェーバー以降、最大の政治思想家か、それとも批判すべきナチのイデオローグか――。

毀誉褒貶相半ばするドイツの政治学者カール・シュミット(一八八八―一九八五)。

ワイマール期の『政治神学』から転機となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思想の変遷を辿る。ワイマール思想史研究の第一人者が〝尊敬すべき敵〟の思想と理論を精緻に解読した入門書。

著者について

蔭山宏
1945年生まれ.慶應義塾大学名誉教授.法学博士. 68年慶應義塾大学経済学部卒業.74年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.82年慶應義塾大学法学部政治学科助教授,87年より同教授.2011年定年退職. 著書『ワイマール文化とファシズム』(みすず書房,1986) 『崩壊の経験 現代ドイツ政治思想講義』(慶應義塾大学出版会,2013)
 
 
 
中公新書はウェーバーの次にカール・シュミットである。もちろん、初めてのカール・シュミット政治思想入門新書本。冒頭にバーリンと丸山眞男による「シュミットは尊敬すべき敵」評価が載っている。
著者によれば、シュミットは今やウェーバー以降の最大の政治思想家という地位を占めようとしているよう。「ナチと接点があったにもかかわらず重要な思想家であると同時に、ナチ的であったからこそ重要な、取り上げるに値する思想家」というのが、本書のつかみである。
思い出したのは、5年前のこと、この年の6月に樋口陽一訳のシュミット『現代議会主義の精神史的状況』が岩波文庫に収録されたが、その5カ月前にシュミットの論敵で反ナチの善玉ケルゼンの名著『民主主義の本質と価値』の新訳本が岩波文庫に収録されていた。そして、シュミット訳本の樋口氏の解説では、「徹底した反ユダヤ主義の言説の累積」「ユダヤ人への憎悪」「その種の主張が、無数の扇動的言辞の山」「怨恨、憎悪を理論の名のもとに説く」・・・そういう「カール・シュミットを読まなければならないのか」というテーマの小論が展開されていた。シュミットを岩波文庫を入れるのはなかなか大変なことなんだ、と思ったことだった。
もう一つ思い出したのは、1970年にみすず書房から刊行された稲葉素之訳『現代議会主義の精神史的地位』(今も新装版が流通)のこと。この本は嫌がる訳者に編集部が頼み込んで訳してもらったとのことで、訳者の論考(たぶん激しい批判)も一緒に収録される予定だったが、訳者死去のため、訳文のみとなった。代わりに編集部があとがきを書き、「凄味を感じさせる・・・反動思想家」「シュミットは対決すべき最も強力な敵の一人」と評価していた。
時は流れる。
概略
シュミットの伝記ではなく、思想と理論の歩みをテーマにする。
基本的枠組みはワイマール共和国時代に確立されており、これが1章から3章まで。「例外状況」の理論、「友・敵理論」、決断主義、自由主義と民主主義の理論、政治的ロマン主義批判、独裁論、権力国家論、ワイマール憲法論等の論点である。
3章末がワイマール末期のヒトラー阻止の論陣。
4章はナチス時代、5章が大戦後。終章まとめ。
なお、著者は前期シュミットと後期シュミットの分類を重要視しており、後期シュミットの開始はナチス体制から密かに身を引き始めた1938年となっている。
章名
序章シュミットの生涯。第1章政治学の基礎概念としての「例外」と「政治的なもの」ー『政治神学』『政治的なものの概念』。第2章近代的市民ー『現代議会主義の精神史的地位』、『政治的ロマン主義』。第3章ワイマール共和国の崩壊とナチス体制の成立ー『独裁』、『憲法論』、『合法性と正統性』。第4章ナチス時代の栄光と失墜ー『国家・運動・民族』から『陸と海と』へ。第5章第二次大戦後における隠遁と復権。終章シュミットの思想と学問。
私的感想
〇シュミットが一冊にまとまった便利な本である。シュミットと、シュミットの著作、シュミットの主張の変化と不変が多面的に検討され、大変面白かった。
〇私がこれまで読んだシュミットの本は、1970年代に翻訳の出た前期の『現代議会主義の精神史的地位』、『政治的ロマン主義』、『政治的なものの概念』プラスあとで読んだ後期の『パルチザンの理論』の計4冊でずいぶん前のこと。岩波文庫で読み直した『現代議会主義の精神史的状況』以外はほとんど忘れていたが、本書で解説されると、ああそうだったと思い出した。魔術的言語(?)を駆使し、批判対象の存立する現実的基礎が失われていることを明快に指摘する魅力的な批判者であった。しかし、本書によると、代案をはっきり示せない場合が多い上に、シュミット自身が批判対象者的要素を持っていたようである。(ロマン主義を批判しながらロマン主義的等)。
〇後期シュミットの「広域論」「ヨーロッパ公法論」について、丁寧に教えてもらえるのもありがたい。なかなか難しそうだが、「陸と空と」ぐらいは読んでみようかと思う。
〇「ナチの「桂冠法学者」だったシュミットの責任が免じられるわけではない」と書きながら、本書はその責任追及はしない。「躊躇する間もないほどすばやく、(ヒトラーの)新体制を支持し理論的にも正統化するようになった」「〈御寵愛〉を得ようとする争いにシュミットは敗北した」と冷やしながらもシュミットに自由にしゃべらせている。魔術的言語を散りばめた戦後のシュミットの責任回避と自己正当化はなかなか面白い。この自己正当化の根拠は、シュミットが批判してきたはずの個人主義である。
〇終章は著者がシュミットをどう読んできたかのまとめである。ちょっと辛口のまとめだが、分かりやすいので、忙しい人は序章とここだけ読むという逃げ道もある。シュミットの人間像についても面白くまとめられているが、ネタバレにならないように略。
〇本書では、シュミットの徹底した反ユダヤ主義者的側面については、あまり(またはほとんど)書かれていない。
私的結論
〇よく売れそうな本
蛇足
〇去年角川ソフィアから復刻された猪木正道『独裁の政治思想』(原本1961年)を読み始めたら、冒頭から「カール・シュミットの具体的例外性」が出てきた。猪木は言う。「カール・シュミットの独裁概念は、受任独裁に関するかぎりあてはまるが、肝心の主権独裁については、必ずしも妥当しない・・ヒトラー独裁も、スターリン独裁も・・主権独裁である・・・カール・シュミットの独裁概念は、現代の独裁を研究する上で、余り役立たない」
 
 
 
帯に「稀代の思想家か、ナチのイデオローグか」とあるが、これは正直とは言えまい。何故なら著者は本書において、シュミットは「生涯にわたり反ユダヤ主義的であり、ナチ期にはユダヤ精神と闘う演説も行っていた(248頁)」、「ワイマール体制にとどめを刺す「授権法」を…正統化した(158頁)」、「ナチス・ドイツがユダヤ人の殲滅戦を行ったことについては沈黙(222頁)」などの指摘を多々成しており、後段は正に記述に『裏切られている』。では前段はどうか。「シュミットの著作活動は帝政末期に始まり、ワイマール期、ナチ期、そして獄中期を経て戦後にいたる(244頁)」で、「文字通り「近代」以後の新しい状況(243頁)」に遭遇して、政治が思想とともに岐路に立たされた時期で、今また「一方ではEUの形成、他方では帝国の復活というかたちで、従来の国際関係を解体しつつあるという(243頁)」同じような状況にあって、「国際関係をめぐる理論が再び注目を集める(244頁)」。ある意味、時代変遷と共にあったシュミットの「思想と理論」は、評価をさて置いても、興味をそそる要素を持っていて、的を外してはいない。
 さて「入門書」の触れ込みであるが、本書の主となる著作の「解読」において、何処までがシュミットの「思想と理論」で、何処からが著者の読み取りなのか、その辺りの別が紛らわしく、またシュミット用語の定義付けが必ずしも明瞭でなかったりして、苦労させられた。素人向けとは言い難い。
 
 
 
①カール・シュミットの政治思想の全容解明に挑む意欲作であるが、今一つその独創性が伝わりにくい。
②シュミットの学問的系譜については、ドイツ国家学・国法学との関連を提示してほしかった。キルケゴールの〈例外者〉とシュミットの〈例外状況〉との関連の説明は、この記述だけでは伝わりにくい。実存と政治の差異があるはずだ。
③敵と味方の政治思想については、政治的役割として、例外状況としての〈中心問題〉を解決し、〈中立問題〉へ変えることは明快だ。また、非常事態における主権者としての行政権や立法権に〈独裁権〉を与え、政治権力の崩壊を防ぐ思想はナチスた親近性を有する。シュミットの政治思想が1920年代に多く発表された事実を見ると、シュミットの政治思想はワイマール共和国の政治状況と密接な関連がある。
④シュミットをナチの御用学者と見る単細胞的な解釈の誤りが見て取れる。
ハイデガーの主著は『存在と時間』であるが、シュミットの場合はどの著作なのか?
読者はシュミットの著作をヒモトク必要がある。中公文庫に『政事の本質』があり、シュミットの「政治的なるもの」が収録されている。ここから始めるのが良いと思う。幸い、著作『政治の神学』や『陸と海』等は安価で入手出来る。解説書としては牧野氏の著作が講談社選書メチエから出ている(電子版あり)。読み比べて見たい。
本書は初めの一冊としてお勧めだ。
 
 
 
2020年8月2日に日本でレビュー済み
 
理念であっても現実であっても、民主制という制度は、時々の経済・社会・技術などの各要素の配置や状況により変化し対応すべきものだと考えられ、よって様々な批判が頻出すべきであるとともに、変化による危険性も自覚しておかなければならない。動的均衡によって、辛うじて運営される制度だと思える。

数年前にシュミットとケルゼンが同時期に岩波文庫で出されたことは記憶に新しく、危険な政治思想家という印象を受けたが、未読のまま。
最近読んだ丸山眞男の『日本の思想』(岩波新書)と『丸山眞男セレクション』(平凡社ライブラリー)で、「尊敬すべき敵」に触れていたと思うが、どこだったろうか。
そんな事もあってシュミット(の自由主義批判)は、ホッブズの社会契約論(とキリスト教的契約概念との関連)やアダム・スミスの道徳論-経済論(近現代の世俗的功利的道徳律)などとともに引っかかっていた。

この新書では、カール・シュミット(1888-1985)の政治思想・哲学を時系列上に提示し、ナチスなどのシュミットが執筆していた当時の政治状況についても触れられている。
主要著作として以下が取り上げられている。
『政治神学』(1922)
『政治的なものの概念』(1927)
『現代議会主義の精神史的地位』(1923)
『政治的ロマン主義』(1919)
『独裁』(1921)
『憲法論』(1928)
『合法性と正統性』(1932)
『国家・運動・民族』(1933)
『ホッブズ国家論におけるリヴァイアサン』(1938)
『陸と海と』(1942)
『獄中記』(1950)
『大地のノモス』(1950)
『パルティザンの理論』(1963)
政治的背景として、シュミット誕生時の帝政ドイツ、1919年からのワイマール(ヴァイマル)共和国、1933年のナチス独裁、1945年以降の第二次大戦後の民主制というドイツの政治体制の変遷があり、その行動と著書での変容についても触れられている。

個人的に以下の点に興味を惹かれ、(妥当であるか分からないが)各々の観点から現代の問題に通じるように思う(現在の問題については、直接に書かれているわけではない)。「決定」がキルケゴールの思想から触発されたものであること。「例外状況」は実定法からの逸脱だと思えるが、そうだとすると、司法や行政における法文解釈も例外的状況だとみなせ、彼らは決定を行なっていることになるが、日本では行政府による法文解釈ということをよく聞くことに疑問を覚えること(追記。「例外状況」は、想定されざる政治的状況であるが、法学領野に含まれるとされる。法実務における法解釈は常態なので上のことはシュミットの言説には適さないように思う。)。議会における自由主義批判は、現在の議会の形骸化を是正し、それがディールの場に過ぎないとしても、代表者による公開の討論によって効果・効率・妥当性が図られ、かつ提示されるという理想的議会運営への材料のひとつになり得ると思える点。「決定」と「独裁」については、日本での90年代以降の政治的決定の速さや政治主導の理念に基づく首相官邸の権限強化や、プーチンやブッシュや小泉に見られる(独善的?)リーダーシップ指向を思い起こし、決定の迅速化とともに決定過程の透明性確保という均衡が求められるが、前者に比し後者の遂行は遅れていると思える。後期の思想での、政治対立の場としての空間・ラウムの変遷が取り上げられているが、現在は宇宙空間とサイバー・スペースがそれで、先鋭的な政治的課題だと思える。

ざっと読んでも、上のように現代的政治問題との関連を想起させるので、その著作には有用な観点を含んでいると思われる。ナチスについては、民主制と独裁との親和性を考察する必要があるだろう。

ダイヤモンド社、1973年、『現代思想1 危機の政治理論』を読んでみようと思う。
 
 
 

カール・シュミット(Carl Schmitt、1888年7月11日 - 1985年4月7日)は、ドイツの思想家、法学者、政治学者、哲学者である。
法哲学や政治哲学の分野に大きな功績を残している。

ボン大学、ベルリン商科大学、ケルン大学で教授を歴任した後、ナチス政権が成立した1933年から1945年まで、ベルリン大学教授。
独自の法学思想(後述)に依拠して、第一次大戦後のワイマール政権下、議会制民主主義、自由主義を批判した。
また、ナチスが政権を獲得した1933年からナチスに協力し、ナチスの法学理論を支えることになる。
しかし、ナチス政権成立前に、著書『合法性と正統性』において、共産主義者と国家社会主義者を内部の敵として批判したことや、ユダヤ人のフーゴー・プロイスを称賛したことが原因で、1936年に失脚する。
第二次世界大戦後に逮捕され、ニュルンベルク裁判で尋問を受けたが、不起訴となる。
その後、故郷プレッテンベルクに隠棲し、著述活動をつづけた。
また1950年代からは国際法を研究した。隠棲してからも多くの人が訪れ、朋友であったエルンスト・ユンガーはもちろん、ヤーコプ・タウベスやアレクサンドル・コジェーヴらと親交した。
優柔不断な政治的ロマン主義者が最終的に権威に屈従していく過程を観つつ、思想的状況に「決断」を下す独裁者を要請した。
また、『政治的なものの概念』等で展開された「友-敵理論」(政治の本質を敵と味方の峻別と規定)や例外状態理論は名高い。
1962年にはフランコ政権下のスペインで講義を持ち、その一部はのち『パルチザンの理論』として出版された。そのなかでスペイン内戦を「国際共産主義に対抗する民族解放戦争」とみなした。


阪神矢野監督 巨人4連倒や!唯一負け越し、逆転Vへ過酷…後半戦いきなり13連戦

2020年09月01日 11時46分18秒 | 野球


9/1(火) 7:30配信

デイリースポーツ

阪神は9月1日から9年ぶりとなる過酷な13連戦を迎える。中でも矢野燿大監督(51)が重要視するのは、4日からの巨人4連戦(甲子園)。今季は2勝8敗と唯一負け越している相手で「巨人を倒さないと上にはいけないんでね」と血気盛ん。舞台は今季勝率7割と好成績を誇る甲子園。地の利を生かして追い上げる。

【写真】巨人・清原の顔がコワイ…球児「火の玉」生んだ05年伝統の一戦

 後半戦は過酷な13連戦で幕が開ける。巻き返しのカギを握るのは4日からの巨人4連戦。今季2勝8敗の宿敵にやられっぱなしでは前に進めない。上位浮上へ矢野監督はG倒を重要視した。

 「巨人だけにちょっとやられているし、巨人を倒さないと上にいけないんでね。そういうところはどう攻略していくか、どう倒すかが大事な部分」

 首位を独走する巨人。開幕戦で3連敗を喫し、前回8月18日からの3連戦では敵地で3試合連続完封負けという屈辱を味わわされた。ゲーム差は6・5。これ以上、離されるわけにはいかない。

 敵地では1勝も挙げられていないが、本拠地では4戦2勝と互角だ。さらに、今季の甲子園では勝率・700と好成績を残している。心強いファンの声援を力に地の利を生かし、東京ドームでの借りは聖地4タテで返す。

 9月は30日間で27試合を戦う過密日程。矢野監督は「あんまり先のことを考え過ぎても、星勘定してもあれなんで。みんな目の前を精いっぱいトライしてくれているんで」と一戦必勝を誓う。

 まずは、後半戦初戦となる1日からのヤクルト3連戦。「巨人戦の前にヤクルト戦にしっかり入って、準備を整えないことには、巨人戦に『さあ、いくぞ』という準備が整わないんでね」と指揮官。チームだけでなく、ファンも待ち望む打倒・巨人。ダッシュを決め、反攻の勢いを加速させる。

 

【関連記事】


「出目に拘ると蟻地獄にはまる」

2020年09月01日 11時11分35秒 | 未来予測研究会の掲示板
2015-04-17 17:01:09 | 創作欄
 
これは利根輪太郎が崇拝していた阿佐田哲也さんの指摘であっただろうか?
記憶は定かではない。
その日、利根輪太郎は出目を頼みに勝負をして負けが続いて落ち込んでいた。
「もうダメだ!」という絶望感にも襲われた。

本命は1―7であった。
予想屋は「1番選手は調子を落としているよ。1番から買って損するだけだよ!」と注意を促していた。
予想屋の指摘を参考にして、穴なら2番だと輪太郎は思った。
1-7は並びであるので、1番がダメなら当然7番選手もいらない。
競輪は番手有利である。
本命ラインは1-7-5
対抗が3-2-8ライン、人気薄が9-6-4ライン。
そこで輪太郎は番手、番手の車券を買ってみた。
本来なら幅広く車券は流すべきであったのだが、5千円しかポケットに残っていなかった。
失業保険の6万円が残り少なくなったので、追い込まれた気分になっていた。
借家の家賃は2万2000円。
このままでは、今月の家賃が払えなくなる。
ともかく背水の陣である。
輪太郎は追い込まれると開き直れた。
そして祈る気持ちと確信を込めて、2-6の車券を5000円買ったのだ。
レースは、3-2-8ラインが前を取り、中段は9-6-4ラインが収まった。本命の1-7-4は前を取ると思ったのに後方に位置した。
そして残り2週の時に、1-7-4ラインは中段の9-6-4を押さえ込みながら上がって行く。
そして、前段の3-2-8ラインの外へ出た。
本来なら、3-2-8ラインは下げていくのであるが、突っ張り先行となる。
下がれというように、1番選手は3番選手に頭突きを喰らわせた。
だが、3番選手も意地を通したのだ。
外での競りは不利である。
1-7-4ラインは力尽きて後退していく。
ファンの罵声が飛ぶ。
「下がれ!無理せず下がれ! バカ野郎下がればいいんだよ!」
無論、3番に対する怒りも湧いた。
「弱いのに、突っ張るんじゃないよ!」
1-7-4ラインを沈めた3番は罵倒される。
大半のファンは虚し思いでレス結果を見守るほかなかった。
3が逃げて、番手の2番が先頭でゴール。
そして後方から一番人気のない9-6-4ラインが追い込んで来て番手の6番選手が2着となる。
場内に響めきが起こった。
「2-6何て買えないような」
「いくらつくんだ」
「万しゅう(満州)だろうな」ファンの声を聞いて輪太郎の胸はますます高鳴ってきた。
輪太郎は2-6のオッズを見ていなかったのだ。
場内放送が流れる。
ファンたちの響めきのなかで耳をそば立て輪太郎は配当金を聞いた。
2-6は2万3840円であったのだ。
輪太郎は初めて帯付きの配当を払戻し場で渡された。
輪太郎は初めて川崎競輪場から取手までタクシーで帰り、キャバレー桃山へ向かった。
そして、地元の競輪仲間4人を招待したのだ。
彼らは居酒屋の「大五郎」でビールを飲みながら、明日から始まる取手競輪の開設記念の予想をしていた。
ミスター競輪の中野浩一選手も出走してきた。
彼は唯一、取手記念レースでは優勝していなかった。
「中野は取手と相性が悪いんだ」と木村覚が言っていた。

不可能を可能にする

2020年09月01日 11時11分35秒 | 未来予測研究会の掲示板
2015-04-17 17:45:58 | 創作欄
 
一発逆転劇

現実にはほとんどありえないのであるが、競輪の世界ではそれが十分あり得るのだ。
だから利根輪太郎は、競輪にはまっていく。
残りの持ち金はわずか200円になっていた。
その200円でワンカップ酒を買って飲もうかと、競輪場の坂を虚しい気持ちで歩いていた。
だが、輪太郎は5-3流しで8レース、9レースを勝負して負けていた。
新聞の予想どおりに同じ本命で決まることは希だ。
8レースは5-3本命で9-2で決まった。
9レースは5-3本命で7-1で決まった。
輪太郎は坂の途中で引き返したのだ。
10レースも5-3を買おうとしたのだ。
200円で
ワンカップ酒を買い、それを飲みながら帰るつもりでいたのだが、競輪場へわずか200円を持って引き返した。
そして10レースの5-3を200円買った。
本命は3-9の140円の配当。
裏目の9-3は890円の配当。
他に3-2が1240円の配当だった。
輪太郎は5-3を200円買って、正面スタンドの片隅でレースを見ていた。
ゴール前には輪太郎の競輪仲間たち5人居たが、輪太郎は負けが込んだことから、彼らから距離を置いて離れていた。
競輪研究会を自認している輪太郎は、惨めな姿を彼らに覚られるのを避けたのだ。
輪太郎の強気の発言は影を潜めていた。
そして、競輪は何が起こるか分からない。
本命ラインが落車に巻き込まれたのだ。
9-3-6ラインが捲くって来て、多くのファンは3-9で決まると想っていた。
捲る勢いの良さから、ほかのラインは勝負に絡まいないと思われた。
だが、対抗するラインの2-7-8ラインが強引に4コーナーでブロックして、2-7と9-3のラインが相互接触し4選手が落者したのだ。
一番弱いラインは漁夫の利であり、1-3-5で直線へ向う。
そしてラインを引っ張っていた1番が失速して、3番手から5番選手が伸びて1着になり、1番の番手にいた3番選手が2着となる。
5-3の配当は8万2360円。
輪太郎は、5-3を200円買っていたので、16万4720円を手にした。
輪太郎は何時ものとおりに競輪仲間とキャバレーの桃山へ。
まず、駅前の寿司屋「亀幸」で腹ごしらえをする。