創作欄 過去・現在・未来 4 )

2023年03月31日 10時11分28秒 | 投稿欄

和夫と尚子にとっても、京都の桜は初めてであった。
京都には多くの桜の名所があっただろう。
だが、和夫の思惑は既に決まっていた。
桜咲く寺巡りもあっただろうが、鴨川を目指す。
和夫の「川のある街」への郷愁であった。
多摩川、神田川、墨田川、江戸川、荒川、玉川上水
生まれ育ち移り住んだり、父母との縁で好んで散策してきた川であったのだ。
若き日の父母は作家の太宰治と同じ町内に住んでいたのだ。
母親の梅は、太宰と情死した山崎富栄の知人でもあったので、当然、二人の遺体が発見された時の新聞記事を読み大きなショックを受けていたそうだ。

京都の桜

鴨川の清流と満開の桜が織り成す絶景
鴨川左岸の三条通~七条通の「花の回廊」と呼ばれる地域を二人は感嘆しながた恋人のよう腕を組んで散策した。
「花の回廊」を中心に御池通~五条通の約1.8キロの桜並木がある。
特に三条大橋~四条大橋辺りが多くの花見客で賑わっていた。
満開の桜の下をゆっくり散策して春を満喫した。
川辺には家族たちでつろぐ姿の見られた。

木屋町通と並行して流れる高瀬川沿いに桜の木が立ち並び、四条から五条にかけては川をまたぐトンネルのように咲き乱れていた。

二人は、木屋町の古風な旅館に泊まることになった。

「よく歩いたので、疲れたわ」微笑む尚子は浴衣に着替えに隣りの寝室へ行く。

和夫はスーツを脱いだが、浴衣に着替えなかった。

夕食が運ばれてきた。

料理は綺麗な京都らしい盛り付けで、目でも楽しめた。

新鮮な京野菜の数々。

加茂茄子・聖護院大根・近江蕪・長岡の筍をはじめ、丹波地山の松茸・しめじ・生椎茸・嵯峨豆腐・生湯葉・生麩等。

また瀬戸内海や日本海の生鮮魚介類を堪能する。

二人は食事をしながら日本酒を3本飲む。

「兄貴が来週、外国から戻ってくるの」唐突に尚子が言いながら陰鬱な表情を浮かべた。

「どこから」

「分からない、外国を放浪して、2年ぶり・・・」

3歳年上の兄は、尚子が14歳の時に、邪悪な行為に出たのだ。

隣室に居たはずの兄が突然、彼女が寝ていた部屋に入ってきて、布団の中にまで潜り込むんできたのだ。

あろうことかパジャマの上から妹の胸を弄り、下腹部にも手伸ばしてきたのである。

近親相姦はタブーである。

父親は愛人のところで、外泊していた。

尚子は悲鳴を上げず、無我夢中で兄を跳ねのけて母の部屋へ逃れたが、理由を明かすことはなかった。

驚愕で声が出なかったのだ。

兄は罪悪感からだろう、翌日から家出をする。

 

 

 

 

 

 


思いやる「真心」に距離はない

2023年03月31日 08時43分50秒 | その気になる言葉

▼大事なのは善知識であり、よき友人の存在。

善知識は、「善き友」「真の友人」。

仏教の正しい道理を教え、利益を与えて導いてくれる人を指していう。「善友」とも。

▼困難に負けない強い心を。

教育の目的は、子どもが持つ<幸福を創る力>を引き出すことだ。

▼固定観念にとらわれず<この人にとって、このやりかたはどうだろう> <あの人はこれで困らないかな>と一人一人の顔を思い浮かべながら柔軟に考えることが大切だ。相手も自分も尊重されるべき存在なのだ。

▼教師自身が成長ためには、子どもたちの成長に学ぶことだ。

教育は「共育」―教師も生徒も共に育って、成長していくことなのだ。

▼人生というのは生命力の強い人が勝利する。

生命力こそが、人生の勝利を開く原動力となる。

▼求道心のある人は、常に新鮮であり、希望があり、感激がある。

強い一念であるならば、常に自らをみずみずしく躍動させ、新しい発想をしながら、すべてを乗り越えていける。

▼一人を大切にし、思いやる「真心」に距離はない。

直接行ける、行けないのではなく、友の成長を祈る一念がある限り、励ます知恵は無限に湧くものだ。

今いる場所で勝ち、信頼を広げるのである。


「こどもまんなか」

2023年03月31日 08時21分33秒 | 社会・文化・政治・経済

▼信念をありのままに相手にぶつける「誠」。

人の心を動かすのは、真剣にして誠実な対話である。

燃えるような情熱に触れた時、人の心もまた燃え上がるものだ。

「至誠」は天に通じる。

▼「信」をもって根本とする。

確信の一念から出発する。

▼他人ではない全てが自分である。

ゆえに心の奥底を変えるほかないのだ。

そのために自分の心を磨くのである。

▼子どもの幸福を第一とする教育。

そのためには大人に求められる姿勢は「子どもの声や意見を聞くこと」である。

子どもの声に耳を書か向けることは、時代が最も求めていることだ。

着実に「こどもまんなか」の方向へ導くことだ。

子ども関連政策を総合的に担う「こども家庭庁」が4月1日に発足する。