青春時代の牛田信子の時代背景にふれる。
1931年(昭和6年)の満州事変勃発以降、ファッショ侵略に対する社会主義運動、労農運動、青年学生運動に対する弾圧が強化される。
昭和8年2月20日 プロレタリア文学の代表的な小説家の小林多喜二が検挙され警視庁築地署で虐殺される。
彼は共産主義者、社会主義者、政治運動家。日本プロレタリア作家同盟書記長の立場にあった。
二・四事件(にしじけん)は、1933年(昭和8年)2月4日から半年あまりの間に、長野県で多数の学校教員などが治安維持法違反として検挙された事件。
二・四事件で弾圧された教員の多くは、子どもたちや父母を始め、周囲から信頼されていた優れた教員であった。
農村の貧しい子どもたちを前に暮らしを良くしたいと思い軍国主義の台頭に抗して反戦を唱え、労働組合や農民組合に関与したものも大勢いた。
弾圧の対象となったのは、県内の日本共産党、日本共産青年同盟、日本プロレタリア文化連盟関係団体や、労働組合、農民組合など広範囲に及んだ。彼らは国定教科書に反対していた。
特に日本労働組合全国協議会(全協)や新興教育同盟準備会の傘下にあった教員組合員への弾圧は大規模で、全検挙者608名のうち230名が教員であった。
このため、この事件は「教員赤化事件」、「左翼教員事件」などとも呼称された。
長野県では、大正時代以来、白樺派などの影響を受けた自由主義教育が盛んであったが、1930年代に入ると、そのような伝統の上に、左翼的教育運動である新興教育運動が広がりを見せるようになった。
1910年4月、学習院出身の武者小路実篤、有島武郎、志賀直哉らによって、文芸雑誌「白樺」が創刊された。
当時は、雑誌のもつ影響力は大きく、「白樺」の文芸思潮と同人たちは「白樺派」と呼ばれるようになる。
彼らは、ロシアの思想家トルストイの文学から影響を受けた人道主義を基板に、理想主義、個人主義を追い求めた。
このため、この事件は「教員赤化事件」、「左翼教員事件」などとも呼称された。
4月までに検挙された教員のうち28名が起訴され、このうち13名が有罪となって服役した。
また、検挙された教員のうち、115名が何らかの行政処分を受け、懲戒免職や諭旨退職によって教壇から追われた者も33名にのぼった。
二・四事件の大規模弾圧によって、長野県の教育は、新興教育のみならず自由主義的伝統も失われ、満蒙開拓青少年義勇軍の大規模な送り出しに象徴される戦争協力体制への著しい傾斜を見せることになった。
信子は、恩師たちの中に検挙された教員がいるのかを心配する。
そして、電話が普及していない時代なので手紙で姉の絹江に尋ねた。
だが、姉からの返事はなかった。
絹江は元小作人だった婿の義男が共産主義に傾倒していることを知っていたからだ。
1933年3月24日 ドイツ、全権委任法案が可決され、ナチスの1党独裁が始る。
1933年9月21日 宮沢賢治、没。37歳。信子は唯一宮沢賢治の詩が好きであった。
日本はますます暗い時代突入していく。
そして、信子は「軍人の妻だけには、絶対にならない」と決意する。
信子が奉公する芳野教授の奥様の父親は、大分県出身の陸軍大将の立場で、中国大陸への侵攻に尽力をしていたのだ。
<参考>
長野県出身者の女性の性格
堅実で真面目な性格なのは男性と同じですが、生真面目な男性と共に育ったからか、高い柔軟性を持ち、臨機応変に相手にも状況にも合わせることが出来るところが大きな特徴です。
一緒に過ごす人が、安心して本音を見せられるような包容力があります。
自分のことは多く話しませんが、人の話を聞くのが好き。
出しゃばらず、聞き上手なので、多くの人から好印象を受けるでしょう。
理知的で、感情で動くことは殆どありません。
今自分にできることは何か、どう動けばいいのかを冷静に判断して行動します。
目標を定めると、達成するまで努力し続ける忍耐力がありますが、人前で努力や根性という姿は見せません。
几帳面なので、ミスや挫折が少ない代わりに、他人のミスに厳しいところがあります。
ファッションやメイクは地味で清楚さを好みます。
本音を見せる相手はごく一部に限られ、狭く深い関係を築こうとします。
正しく生きることをモットーにし、清廉潔白な人柄は、時と場合によっては「人間味が感じられない」と思われることもありそうです。
南信の部下はおおらか。ミスしても動じない芯の強さを持っているが、大ざっぱなので常にチェックを。
昔から「勉強して出世する」ことを「良し」としてきた長野県民は、品行方正で優等生タイプ。
理性的で、与えられたことに真摯に向き合う真面目な性格です。
感情的になることがなく、周りが騒いでいても一人で大人しく座っているような、クールな人です。
人当たりは悪くありませんが、一定の距離を保ち、ベタベタと親密な関係になることを避けます。
慎重で几帳面な性格です。
努力することを当たり前としているので、努力をしないで怠けている人が嫌いです。
大勢の中では口数も少なく、目立つタイプではありませんが、勉強や仕事の場面では、自分の考えをはっきりと発言します。