創作 過去・現在・未来 続編 12)

2023年04月20日 09時30分30秒 | 創作欄

牛田信子は思わぬことに四条侯爵の3男であると隆重と恋愛関係となったが、そのことが芳野教授の定子夫人に咎められるここになった。
「信子さん、賢婦人を目指すのですよ」厳しい口調で諭す。
女中の身で奉公する信子は、恩師のはからいで、「行儀見習い」の立場に置かれていた。
崇拝していた奥様の助言に信子の恋愛心は乱れる。

「私は、私の道を歩んでいきます」信子は別れの言葉を深い悲しみのなかで伝えた。

「信子さんの気持ちわかりました」彼は「武士道」を体現したような気高い男であり清く退いていくことになる。

軍人である隆重は上海へ赴く日が迫っていた。

それは、四条家の鎌倉の別邸でのしばしの逢瀬のときであった。

そして、手を取り合う2人の永遠の別れを予感させるここととなる。

参考
賢婦人の背景

6月16日は明治から大正にかけて活躍した教育者・社会活動家の矢嶋楫子(1833-1925)は、幕末から明治にかけて、男尊女卑の価値観が当たり前だった時代に、女性の教育と地位向上の分野でリーダーシップを発揮した女性でである。

賢婦人の背景

賢婦人に共通するのは「教育熱心」と「他人のために尽くす奉仕精神」と言える。
日本は「良妻賢母」、中国は「賢妻良母」、朝鮮は「賢母良妻」という用語が、日本は明治維新後の 1890 年代に、中国や朝鮮においては 1905 年頃から使われ始めた。


映画『明日に処刑を…』

2023年04月20日 08時37分31秒 | 社会・文化・政治・経済

4月20日午前1時からCSテレビのザ・シネで観た。

明日に処刑を…』(Boxcar Bertha1972年)は高評価を受けているマーティン・スコセッシ監督の最初期の映画作品群のうちの一本であり、小説『Sister of the Road』のかなり自由奔放な映画化である。

この本は過激派にして渡り労働者であるバーサ・トンプソンについての自伝小説であり、作者は医師のベン・ライトマン。

この映画はプロデューサーロジャー・コーマンの有名なエクスプロイテーション映画のうちの一つであり、60万ドルというかなりの低予算で作られた。

スコセッシはこの作品から映画をすばやく経済的に作る方法を学んだ。

登場人物のバーサ・トンプソンは実在の人物だと長いあいだ一般に思われてきたが、実際はライトマンが自分の身の上話とさまざまな知人の女性たちの身の上話を組み合わせて創作した人物である。

明日に処刑を… [DVD]

監督 マーティン・スコセッシ
脚本 ベン・ライトマン(著書『Sisters of the Road』)
製作 ロジャー・コーマン
製作総指揮 サミュエル・Z・アーコフ

キャスト

解説

30年代不況期のアメリカを舞台に、貨車(ボックス・カー)で渡り歩いたホーボーと呼ばれる浮浪者の1人である娘とアナーキストの青年が、列車強盗をくり広げる、という実話の映画化。

製作はロジャー・コーマン、監督は「タクシー・ドライバー」のマーティン・スコセッシ、脚本はジョイス・フーパー・コリントンとジョン・ウィリアムス・コリントン、撮影はジョン・スティーブンス、音楽はギブ・グウィルボーとサド・マックスウェルが各々担当。

出演はバーバラ・ハーシー、デイヴィッド・キャラダイン、バリー・プリマス、バーニー・ケーシー、ジョン・キャラディン、ヴィクター・アルゴ、デイヴィッド・R・オスターアウト、アン・モーレル、ハリー・ノーサップなど。

エピソード

  • 出演したバーバラ・ハーシーデイヴィッド・キャラダインはともに、この映画の中の彼らのセックス・シーンは演技ではないと言っている

    マーティン・スコセッシの記念すべき長編デビュー作!名匠の片鱗が見える性と暴力の強盗ロードムービー

    • ストーリー

1930年代の不況期のアメリカ。アーカンサスの貧しい農夫の娘バーサ(バーバラ・ハーシー)は、父が事故死したために、家を出て貨車に乗って、町から町へと渡り歩いた。

そんなある日、バーサはアナーキストのビル(デイヴィッド・キャラダイン)と知り合い、共に心惹かれた2人は結ばれる。

だが、翌朝ビルは5ドル札を残して、どこへともなく去っていった。やがて、バーサは街頭博奕で知り合ったレーク(バリー・プリマス)とコンビを組んで、イカサマ博奕の旅を続けているうちに、ビルと再会する。

しかしビルとレークが治安官に逮捕され、投獄される。監獄には黒人のヴォン(バーニー・ケーシー)が捕えられていたが、獄内での人種偏見は激しく、反抗的な囚人は次々と惨殺された。

ヴォンとビルとレークは線路工事をしている時、バーサの助けで脱出に成功する。

それからは、4人は組んで列車強盗をやり、富豪たちから宝石や金銭をまきあげる。この4人組の列車強盗に対して知事(ジョン・キャラディン)は、いかなる手段でも捕えろと部下に厳命する。

ある日、4人はその知事の列車に乗り込み、知事を監禁して身代金を要求するが、護衛隊に包囲されてレークは射殺され、バーサはビルとヴォンと離れ離れになってしまう。ニューオーリンズに流れたバーサは、生きるために売春婦に身を堕とす。それから数カ月。

バーサは思いもかけずヴォンと再会する。ヴォンは彼女にビルの隠れ家を教え、いまでも彼がバーサを愛していることを告げる。バーサはビルの隠れ家で彼の胸に顔を埋めるが、すでに隠れ家は知事と彼の部下に包囲され、ビルは激しい銃弾を浴びる。

彼らはまだ虫の息があるビルを貨車の引き戸に磔にし、手には釘を打ちつける。その時、ヴォンがすさまじい勢いで銃を射ちながら突進し、知事たちを皆殺しにする。

やがて、貨車は息絶えたビルの死体をつけたまま、静かに動き出す。

バーサは泣きながら、貨車の後を追っていくのだった。