映画 ファイナル・プラン

2024年01月16日 11時09分21秒 | 社会・文化・政治・経済

1月16日午後2時30分からCSテレビのザ・シネマで観た。

ファイナル・プラン』(Honest Thief)は、2020年アメリカ合衆国アクション映画。監督はマーク・ウィリアムズ、主演はリーアム・ニーソンが務めた。

ストーリー

 トム・カーターは“速攻強盗”という異名を持つ凄腕の銀行強盗で、奪い取った金は総額900万ドルにも上っていた。しかしながら、FBIはカーターの身元すら割り出せないという有り様だった。

 そんな犯罪を繰り返す彼に人生の転機が訪れる。カーターは立ち寄った貸倉庫店に勤めるアニーに惹かれ、残りの人生を共に生きようと決心する。カーターは心から彼女に向き合う為、「減刑を条件に奪った金を全て返す」とFBIに取り引きを持ちかける。

 “自分は速攻強盗で自首する”と言ってきた人間が15人もいたこともあり、始めはカーターの話を信じていなかったFBI捜査官達だったが、疑ったまま数日を経てようやく聴取に赴く。しかし、自供通りの隠し場所を捜索するとそこには大量の札束があった。すると、大金を目の当たりにした捜査官のニヴェンスは、なんと心変わりしてしまう。欲にかられたニヴェンスは、相棒のホールをそそのかして略奪を企むが…。

キャスト

“速攻強盗”という異名を持つ凄腕の銀行強盗。出会ったアニーと付き合うが強盗であることは隠している。そのこともあり、自分たちの未来のために自首を考えるが、そのことが奇しくも事件の発端となってしまう。海兵隊に所属していた過去があり、そこで多くの技術を学んだ。
貸倉庫店に勤める女性店員。学生。
捜査官。トムが自首の条件として隠し財産の場所を話したが、これを一攫千金のチャンスと考え、金を着服することを考えるようになる。
捜査官。トムの過去を知っている。
捜査官。
捜査官。ジョンに射殺される。妻がいる。
正義感はあるが立場や流れに振り回されやすい不憫な人物。

製作

2018年10月12日、リーアム・ニーソンとケイト・ウォルシュの出演が決定すると共に、ジェイ・コートニーとジェフリー・ドノヴァンが本作の出演交渉に臨んでいると報じられた

11月1日、アンソニー・ラモスの起用が発表された[3]。26日、ロバート・パトリックに本作への出演オファーが出ているとの報道があった。同月、本作の主要撮影マサチューセッツ州ウースターで始まった2019年7月、マーク・アイシャムが本作で使用される楽曲を手掛けることになった

マーケティング・興行収入

2020年1月22日、ブライアクリフ・エンターテインメントが本作の全米配給権を獲得したと報じられた。6月22日、オープン・ロード・フィルムズがブライアクリフ・エンターテインメントと共同でアメリカでの配給を行うと発表した[8]。7月30日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された

10月16日、本作は全米2425館で封切られ、公開初週末に411万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった

評価

本作に対する批評家の評価は芳しいものではない。

映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには103件のレビューがあり、批評家支持率は39%、観客による支持率は87%、平均点は10点満点で5点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「第一級才能浪費罪で有罪判決が下るべき作品である。『ファイナル・プラン』はリーアム・ニーソンをアクション映画の世界に連れ戻したが、ストーリーの大部分が未完成同然の状態になっている。」となっている[11]。また、Metacriticには21件のレビューがあり、46/100となっている


映画 カジノ

2024年01月16日 11時09分21秒 | 社会・文化・政治・経済

1月16日午前3時30分からCSテレビのブービープラスで観たが、これで2度目である。

『カジノ』(Casino)は1995年のアメリカ合衆国の犯罪映画。監督マーティン・スコセッシ、主演ロバート・デ・ニーロ。ある天才賭博師を通じて、まだマフィアの支配下にあった1970年代から80年代のラスベガスを描いている。

ポスター画像

ニコラス・ピレッジ(英語版)のノンフィクション『カジノ(英語版)』を原作とし、大部分を事実・実話に基づいている。本作と同じくスコセッシ監督、デ・ニーロ及びペシ出演、ピレッジ原作で映画化された1990年作『グッドフェローズ』の成功を受けて製作されたスコセッシの「モブ・マフィアもの」第2弾という位置づけである。

モデルになった人物は、フランク・"レフティ"・ローゼンタール(英語版)(以下"レフティ"、映画では"エース")。レフティはベガスに来る以前には故郷のシカゴで有名なブックメーカー(ノミ屋)だったが、シカゴ、マイアミを経て1960年代末にベガスに移り住み、友人の紹介でラスベガス・ストリップを代表するカジノ「スターダスト」での仕事に就く。

レフティは、物語同様、実質的なボスの座に就いていたが、犯罪歴のあるレフティにはカジノ経営のライセンス発給を受ける事が困難であった。そこで、雇われ社長としてアレン・グリック(英語版)(映画ではフィリップ・グリーン)が表向きの社長を務めることになった。

やがてカジノを任されるようになったレフティはますます出世した。

一方、シカゴ時代からの幼馴染のアンソニー・"トニー"・スピロトロ(英語版)(劇中のニッキー・サントロ)は、レフティの出世に刺激されて自分もベガスに移り住み、レフティの築いた地上の楽園を崩壊へと導いていくのだった。

ストーリー
1970年代。予想屋のサム・ロススティーン(通称エース)はその極めて高い的中率によってシカゴマフィアのボス達からも信頼されていた。

彼等は影響力を持つ全米トラック運転手組合を迂回することで、ラスベガスの巨大カジノ「タンジール」を所有し、その利益を掠め取ることで多額の利益を得ることを決めた。

そこで、ギャンブルを知り尽くした男としてエースを実質的な運営責任者に据えるのであった。 エースはカジノ運営に必要な免許を持っていなかったが、見事に才覚を発揮しカジノ経営で多大な利益を挙げた。

このエースの働きぶりにマフィアのボスらは満足し、またエース自身も地元の名士として知られる存在になっていった。 エースは高級娼婦のジンジャーに一目惚れするが彼女はポン引きなどの小悪党であるレスターに惚れていた。自由奔放なジンジャーだが、結婚して幸せな結婚生活を送れば次第に二人の愛が育まれるとプロポーズする。

またエースの金を狙うレスターもジンジャーにエースとの結婚を勧めた。 こうしてエースとジンジャーの二人は結婚し、娘も誕生した。だが、ジンジャーが本当に好きなのはエースの「お金」だった。 一方、シカゴのボスらは粗暴なニッキーをエースのボディーガードとしてラスベガスへ派遣する。

ニッキーの悪漢ぶりを知るエースは彼の存在を危惧していたが、予想通りニッキーは暴走を始め、ベガスのノミ屋にみかじめ料を要求したりタンジール内でも仲間とイカサマを働き、横暴に振る舞うようになった。 ニッキーはエースから警告を受けるがこれを無視し、結果、警察からカジノへの出入りを一切禁止される。

ニッキーはやむを得ず、カジノにいた時に構築した情報網で上手く荒稼ぎすると、その金で表向きはレストランを経営し始めた。さらに故郷から弟や仲間を呼び寄せて強盗をするようになった。 ジンジャーはレスターに大金を渡すためにエースにお金をせびり続け、レスターとの関係が切れていなかったことがバレてしまう。

エースは見せしめにレスターを痛めつける。 また、エースは敏腕さと徹底的な管理システムで無能な従業員らを解雇するが、その中に地元有力者の息子が居て恨みを買う。 また、やり過ぎなニッキー達によってタンジールに対する監視の目もキツくなり、マフィアのボス達への上納金も減り始めていた。

そこでマフィアのボスらは、アンダーボスのピスカーノをカジノへ送り込み様子を探らせる。 タンジールの表向きの社長であったフィリップ・グリーンが女性と揉め事を起こして金の件で訴えられ、法廷でカジノの帳簿の提出を迫れた。

マフィアへの横流しが発覚を恐れたニッキーは女性を殺害し、それによってエースまでもFBIの監視対象となってしまう。 エースはカジノ運営の免許を獲得するため奔走し始めるが、一方でニッキーはカジノの運営の邪魔者を次々と殺害しはじめ、カジノ運営の障害となっていく。

さすがのマフィアのボスたちもニッキーを問題視する。 結局、エースの免許申請は、ニッキー達のせいもあり不当に拒否される。怒ったエースは散々カジノで優待していた政治家たちを罵り、さらに自らテレビ番組を製作して、政治家や有力者を糾弾し始める。

マフィアのボスから譴責を受けたエースはニッキーのせいだと訴え、それを知ったニッキーはエースを罵り、2人の仲は険悪になる。

やがてジンジャーがレスターと寄りを戻そうと、エースに離婚と多額の慰謝料請求を主張し、エースはプライベートでも苛立ち始める。 酒や麻薬に溺れた始めたジンジャーはニッキーとも愛中になるが、すぐにマフィアのボス達の耳に入る。

そうとは知らないジンジャーはついにエースの暗殺をニッキーにさせようとするが、無碍に断られ自暴自棄となる。 ジンジャーは家の金庫から金や宝石を持ち出して逃げようとするが、FBIに捕まる。

これを皮切りに既にマフィア関係者らに盗聴や張り込みをしていたFBIはカジノの帳簿を抑えるなど、一斉検挙作戦に出た。 逮捕を逃れるため、マフィアのボスらは次々に命令を出して、カジノの関係者らの口封じを実行していく。 海外へ逃亡していたニッキーは弟と共に惨殺される。

ジンジャーはロサンゼルスで麻薬を過剰に摂取し死んだ。 そしてエースが自動車に乗ってエンジンをかけると、コンソールから発火し爆弾が破裂する。

キャスト

サム・“エース”・ロススティーン:ロバート・デ・ニーロ
ジンジャー・マッケンナ:シャロン・ストーン
ニコラス・“ニッキー”・サントロ:ジョー・ペシ
レスター・ダイアモンド:ジェームズ・ウッズ
ビリー・シャーバート:ドン・リックルズ
アンディ・ストーン:アラン・キング
フィリップ・グリーン:ケヴィン・ポラック
リモ・ガッジ:パスクァーレ・カヤーノ
パット・ウェッブ:L・Q・ジョーンズ
フランク・マリーノ:フランク・ヴィンセント
ドミニク・サントロ:フィリップ・スリアーノ
アーティ・ピスカーノ:ヴィニー・ヴェラ
ジョン・ナンス:ビル・アリソン
ドナルド・“ドン”・ウォード:ジョン・ブルーム
チャーリー・“クリーン・フェイス”・クラーク:リチャード・リール
ヴィンセント・ボレリ:ジョセフ・リガノ
K・K・イチカワ:ノブ・マツヒサ
本人役:オスカー・グッドマン
ハリソン・ロバーツ上院議員:ディック・スマザーズ

エピソード

ニッキーを演じたジョー・ペシは、モデルになったトニー・スピロトロと偶然にも体格が酷似しており(ペシは身長158cm、スピロトロは157cm)、関係者の中には本人と間違えてしまう者も出るほどだった。
シャロン・ストーン演じるジンジャーもジェリー・マクギー(英語版)という実在する人物で、ベガスの古豪カジノ「トロピカーナ(英語版)」でレフティと出会いシーザーズ・パレスで挙式した。
「スターダスト」は、IBT(全米トラック運転手組合チームスターズ)(英語版)の会長ジミー・ホッファが握る年金基金6200万ドルの融資を受けたアレン・グリックが経営した4軒のカジノのうちのひとつ。
原作者のニコラス・ピレッジは、レフティに取材を申し込んだが当初は拒否される。後に映画化するにあたり、デ・ニーロが主演すると発表されるとレフティは喜んで取材を受け入れた。
レフティらマフィア関係者の弁護を担当したオスカー・グッドマン(英語版)は、彼本人が実名で演じている。彼は1999年から2011年までラスベガスの市長を務めた。
映画の撮影に使われたカジノ「リビエラ」はモデルになったレフティの勤めていた「スターダスト」の向かい側に位置し、映画の中では「タンジール」という架空の名前になっている。
劇中で何度か描かれているデ・ニーロが乗ったキャデラックが爆破されるシーンは実際にあった出来事で、レフティ自身奇跡的に助かった。
劇中に登場する日本人ギャンブラーK・K・イチカワは、山梨県の不動産業兼貸金業『柏木商事』社長・柏木昭男がモデルである。

やくざ顔負けの荒っぽい手法による地上げで財を成し、カジノでの賭けの積極さから「戦士」と呼ばれたが、1992年1月3日に自宅兼事務所で何者かに約20カ所をメッタ刺しにされて殺害された。

犯人は見つからず2007年に時効。

K・K・イチカワのモデルになった人物は、山梨県の不動産会社社長・柏木昭男
バカラで29億円の勝利を収めるなどし「ホエール(鯨)」「ウォーリア(戦士)」といった異名で呼ばれました。
現在のアメリカ大統領、ドナルド・トランプと勝負したエピソードが有名です。

一方で彼の最期は自宅で刺殺体として発見されるという悲惨なものでした。「カジノの筋の殺し屋の仕業」「土地を取られた住民の犯行」など、様々な説がありますが、事件の真相は迷宮入りしています。

この映画では、アメリカで有名となった料理人「ノブ・マツヒサ」こと松久信幸がイチカワを演じている。
映画のエンディングテーマは、ホーギー・カーマイケルの"STARDUST"という曲である。
ベガスと登場人物(本人)のその後
レフティは1988年に過去の些細な犯罪歴が原因でベガスから追放されたが、後に本人曰く「変装して何度か行った」と告白している。2008年に、78歳で死去。
ジェリー・マクギーは、薬物過剰摂取が原因で1982年にロサンゼルスで死亡。
IBTの会長ジミー・ホッファは1975年に自宅を出たきり行方不明、1982年に死亡認定される。
シカゴ・アウトフィットのボスのジョゼフ・アイウッパ(映画の中でのリモ・ガッジ)は、1986年に懲役28年の有罪判決を受け服役、89歳で出獄。1997年老衰で死去。
ニッキーとドミニクのサントロ兄弟の殺害シーンは、実際の事件を基にしている。アンソニー・スピロトロとマイケル(英語版)は、1986年にインディアナ州のジョゼフ・アイウッパが所有していたハンティングロッジへ呼び出され、バットで殴打された挙句にトウモロコシ畑に生き埋めにされ殺害された。
スターダストは2006年に営業停止、2007年に爆破解体。スターダストを運営していたBOYD Gaming社の再開発プロジェクト「エシュロン・プレイス」が不況の影響で建設工事が中断。当初2010年開業予定だったが、2009年度中の工事再開の見通しまでたっていない。2013年3月にゲンティン・グループに売却。「リゾート・ワールド・ラスベガス」として2021年6月24日に開業。
リビエラは2009年に約400万ドルの利払いの債務不履行に陥る。破産手続きが取られながらも営業を続けたが、2015年5月に閉鎖されている。

原作

『カジノ』 ニコラス・ピレッジ著、広瀬順弘訳、ハヤカワ文庫NF 1996年 ISBN 978-4150502003
原題: Casino: Love and Honor in Las Vegas
作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「一部の視聴者にはマーティン・スコセッシ監督にとって安全牌のような印象を与えるかもしれない、おなじみの物語にもかかわらず、傑出したキャストによる印象的な熱意と華麗な演技のおかげで『カジノ』は成果をあげている。」であり、64件の評論のうち高評価は80%にあたる51件で、平均して10点満点中7.17点を得ている[3]。 Metacriticによれば、17件の評論のうち、高評価は13件、賛否混在は3件、低評価は1件で、平均して100点満点中73点を得ている。

映画『カジノ』の感想・評価・レビュー

シカゴやラスベガスのカジノを舞台にした「夢」のようなストーリーと、その夢の裏側にあるマフィアや黒幕たちの、決して表には出てこない「悪」のストーリーが良いバランスで絡み合ったとても面白い作品でした。
ロバート・デ・ニーロとジョー・ペシのコンビは「裏社会」を生きる男を演じさせたら右に出るものは居ませんよね。頭の良いエースと破天荒なニッキー。凸凹コンビかと思いきや、お互いを信頼している部分も多く、しっかりと「絆」があり、そのせいで失敗したり大きく成功したり。ラストの展開はやっぱりそうかと残念な部分もありますが、とてもスッキリさせてくれました。(女性 30代)


随時、本音を語るようなナレーションが入りますから、登場人物の心情が手に取るように分かります。酷い暴力や裏切りが頻繁に見受けられますが、ストーリーのトーンが淡々としているため、さらりと受け入れることができました。ジョー・ペシ演じるニッキーの迫力が物凄く、呆然と見入ってしまいました。暴れ馬のように、どんどん破滅の道へと進む演技は、彼にしかできない芸だと思います。実話を基に忠実に再現したそうで、背筋が凍ります。(女性 30代)


マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロとジョー・ペシという裏社会をテーマにした映画には間違いない組み合わせで、観る前から期待しかなかったが、その通りだった。

三時間という長さが少しネックだと思っていたが、彼らのピッタリすぎる配役と、裏社会らしい裏切りや友情といった切り口はやっぱり面白いので長さを感じない。デニーロが醸し出すギャングの渋さと壮麗さも一番良かった。(女性 20代)


行動する人間は感傷的ではない。

2024年01月16日 09時01分25秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼現代社会に蔓延しつつある、物質的価値を優先する風潮を見直すための視座を提示し、一人一人の生き方をより良き方向へ向け、時代変革の挑戦を後押しすることにこそ、宗教が果たすべき使命と責任がある。

▼事態がいかに難しくとも、そこであきらめては何も進まない。

「地球環境問題」には、さまざまな複雑な要因が内包されているが、人間が生み出したものである以上、人間の手で解決できをないはずはない。

そのためには、国際的な世論の結集と連帯が不可欠だ。

▼社会に開かれた多角的運動を展開する上で、こころすべきことは何か。

社会運動即「師弟」の道を歩むことである。

▼<優れた宗教>があるところ、必ず偉大な文化・芸術がが生まれる。

▼指示を受けてから腰を上げる。

与えられたことだけを細々とこなす。

それでは前進の力は生まない。

▼人は、良書の読書によって、良き人格を形成することができる。

読書の姿勢の転換が教育上の課題となっている。

▼私が根本的に求めるもは哲学を知ることではなく哲学を生きることである―哲学者・三木清

哲学は、知識としてものではない。哲学を「生きる」ことを希求する立場から、問いを立て、思索し、そして語っていくのである。

自分で考える態度が「哲学を生きる」に通じる。

▼日本の過去の学問は、外国の学者の研究の「注釈」をつけてきただけで、自分で考えることをしてこなかった。

その意味で、精神的に自立しておらず、自信がない「奴隷の学問」であると比較思想学会の名誉会長を務めた中村元さんが指摘されていた。

日本の学者たちは、西洋哲学を知識としてのみ、受け入れていたという批判である。

▼感傷には常に何らかの虚栄がある―三木清

信心は感傷ではない。信心は勇気である。

特に青年は感傷と虚栄にとらわれないことが大切である。

センチメンタルになって、思い出を語ることもあるが、感傷から、次に向けてどういう戦いを始めていくかを常に考えないといけない。

行動する人間は感傷的ではない。

「泣くんじゃない。すべて、分かっているよ」と励ますのである。

三木清は、師匠である西田幾太郎に行動する思想家の姿を見ていた。

西田は5人の子どもに先立たれるなど、幾度も不幸に襲われている。

西田は悲哀の中で学問に打ち込み、光るを見いだしていくのだ。

三木清も、33歳の妻に先立たれた。

母を亡くした娘のために「幼き者の為に」という一文を遺しているが、三木も行動することで悲哀を乗り越えてきた。

師匠の姿を学び取っているのだ。

▼虚栄心は人を饒舌にし、自尊心は沈黙する―ドイツの哲学者ショーペンハウアー

青年は、おしゃべりな評論家になってはならない。

信念を貫くことができず、途中でやめてしまう人は、概しておいしゃべりだ。

自分ができなかったことに理由をつけて、批判ばかりしている。

行動で示すことができない。

青年は、そうであってはならないと思う。

若くありたければ行動しよう。

▼日本文化は「もし・・・ならば、・・・だろう」という「反実仮想」の文化の側面がある。

心中で「現実とは反対のこと、ついつい想像してしまう」ように思われる。

▼歴史は不確定なものから出て来る。噂というものはその最も不確定なものである。しかし歴史は最も確定的なものではないかー(人生論ノート)噂について―三木清

噂するように批評する批評家は多い。けれども批評を歴史的確率の問題として取り上げる批評家は稀である―同三木清