『カサブランカ』(英語: Casablanca)は、1942年のアメリカ合衆国の恋愛ドラマ映画。 監督はマイケル・カーティス、出演はハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンなど。
映画が製作された1942年は、ナチの脅威で緊迫した戦時下。
当時の時代と同時進行の映画ドラマであることに、改めで感動した。
カサブランカの人間模様は、過去の出来事ではなく、まさに今(1942年のパリであり、フランス領モロッコ)であった。
南北戦争以来、2度と国内が戦地にはならなったアメリカの幸運ともいえるだろうか。
カサブランカ | |
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Casablanca | |
概要
原作はマレイ・バーネット(英語版)とジョアン・アリスン(英語版)による上演されなかった戯曲『皆がリックの店にやってくる(英語版)』で、親ドイツのヴィシー政権の支配下にあったフランス領モロッコのカサブランカを舞台に、かつて深く愛し合った末に別れた男女の思いがけない再会と愛の再燃を描いている。
第二次世界大戦にアメリカが参戦した翌年の1942年に製作が開始され、同年11月26日に公開された。第16回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚色賞の3部門を受賞。配給はワーナー・ブラザース。
ボガートとバーグマン
第二次世界大戦中に撮影されたこの作品は、女性(バーグマン)への愛と、チェコスロバキアのレジスタンス指導者である彼女の夫(ヘンリード)のヴィシー支配下の都市からの逃亡を助けるかの選択を迫られるアメリカ人駐在員(ボガート)に焦点を当てている。
ストーリー
ボガートとバーグマン
1941年12月、親ドイツのヴィシー政権の管理下に置かれたフランス領モロッコの都市カサブランカ。ドイツの侵略によるヨーロッパの戦災を逃れた人の多くは、中立国のポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとしていた。
主人公であるアメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガート)は、パリが陥落する前に理由を告げずに去った恋人イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)と、彼が経営する酒場「カフェ・アメリカン」で偶然の再会を果たす。パリ時代の思い出である『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』が切なく流れる。
イルザが店を去って再び過去の痛みにリックは苦しむ。
イルザの夫で、現在はドイツに併合されたチェコスロバキア人のドイツ抵抗運動の指導者ヴィクター・ラズロ(ポール・ヘンリード)は現地のオルグと接触、脱出のチャンスをうかがっていた。フランス植民地警察のルノー署長(クロード・レインズ)は計算高い男だが、流れに逆らうように異郷で生きるリックにシンパシーを感じ、かつてスペインのレジスタンスに協力したリックに、ラズロには関わるなと釘を指す。現地司令官であるドイツ空軍のシュトラッサー少佐は、ラズロを市内に閉じ込める。
イルザは、夫を助けられるのは闇屋のウーガーテ(ピーター・ローレ)からヴィシー政権の発行した通行証を譲り受けたリックしかいないと、必死に協力を乞う。そして通行証を渡そうとしないリックに銃口さえ向ける。しかし引き金を引くことが出来ないイルザ。2人はお互いの愛情を確かめ合う。
リックは、ラズロとイルザが通行証を欲しがっている事実をルノー署長に打ち明け、現場でラズロを逮捕するようにと耳打ちする。手柄を立てるために、約束の閉店後の店にやってきたルノーだが、リックの本心は、2人を亡命させるためにルノーを空港まで車に同乗させて監視の目を欺く点にあった。シュトラッサーを射ち殺してでも彼女を守ろうとするリックは、過去の痛みに耐えていた彼ではなかった。
愛を失っても大義を守ろうとしたリックを前にして、実はレジスタンスの支援者であったルノーは、自由フランスの支配地域であるフランス領赤道アフリカのブラザヴィルへ逃げるように勧めて、見逃すことにする。
2人と連合国の未来に希望を持たせながら、彼らは宵闇の中へ消えていく。
キャスト
リック・ブレイン ハンフリー・ボガート
イルザ・ラント イングリッド・バーグマン
ヴィクター・ラズロ ポール・ヘンリード
ルノー署長 クロード・レインズ
シュトラッサー少佐 コンラート・ファイト
フェラーリ シドニー・グリーンストリート
ウーガーテ ピーター・ローレ
カール S・K・サコール
イヴォンヌ マデリーン・ルボー
サム ドーリー・ウィルソン
アニーナ・ブランデル ジョイ・ペイジ
バーガー ジョン・クォーレン
サッシャ レオニード・キンスキー
すり クルト・ボウワ
以下はノンクレジット
エミール マルセル・ダリオ
ヤン・ブランデル ヘルムート・ダンテイン
ハインツ大佐 リチャード・ライエン
ライヒタグ夫人 イルカ・グリューニング
ドイツ人バンカー グレゴリー・ゲイ
冒頭ナレーション ルー・マーセル
スタッフ
監督: マイケル・カーティス
脚本: ハワード・コッチ(英語版)、ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン
撮影: アーサー・エディソン(英語版)
音楽: マックス・スタイナー
助監督: ドン・シーゲル