▼子どもにとって最大の教育環境は教師自身。
▼どの子ども楽しく過ごせる学校にしたい。
そのために「自分にできることを精一杯のことを」と決意した女性校長の話である。
子どもだけでなく、教職員も安心して過ごせる場所にしようと、普段から、学校に関わる一人一人のことを尊重して、どこまでも徹し抜いたのである。
▼まずは朝、昇降口に立って、登校する児童たちと挨拶を交わし<いつも見守っているよ>と示した。
▼教師になって間もない頃。<学級崩壊>状態のクラスを担当し、どうしていいかわからなくなった。
そのなかで、ふと気づいたのです。
<自分のつらい状況をなんとかしたいとばかり願っていたけれど、一番つらいのは子どもたちじゃないか>
当時、問題行動の中心になっていた子は、家庭が複雑な事情を抱えていました。
そこで、「自分のためでだけでなくて、子どもたちの幸福のために願い、なんでもやっていこう」と決めた時から、問題行動はなくなってきました。
教師の私自身が変わり<一人をどこまでも大切に>との心で行動するようのなったことが大きかったと思います。
▼また、特別な配慮と支援を必要とする児童が多いクラスを担当した時も、子どもの持つ可能性を信じ、励ましの声をかけ続けたのです。
子どもの幸福を願い、関わっていく中で、私や保護者も、あっと驚くような成長を見せてくれたのです。
▼こちらの励ましの言葉や子どもたちを信じる心は、絶対に伝わっていると思います。
子どもはみんな伸びようとしている、と確信した瞬間でした。
また、子ども同士の関わりも、教育においては重要です。
クラスメイトの関わりのおかげで、教室が安心できる場になった例も、実際に多くありました。
そういう温かな人間性を育むのも教師の声かえ一つから始まると思います。
▼子どもは本来、本当に素晴らしい考え方や、優しい性格をもっているけど、自分では気付いていないことが多いのです。
大人の声かけが大事なのです。
自分だけでなく他者と共に喜ぶことって、とても幸せなことなんだ>と、子どもたちに感じてもらいたい―そう強く願いながら日々挑戦を重ねています。
▼一番大事なのは、日常生活や学校の出来事を、親が子どもと一緒に驚き、喜び、楽しむことです。
「ありがとう」「いいね」「うれしいね」「えらかったね」「おもしろかったね」という<あ・い・う・え・お>を意識しましょう。
それでも不安や心配がある時は、気軽に担任の先生に相談してみてください。