映画 カリブの熱い夜

2025年01月14日 12時00分23秒 | 社会・文化・政治・経済

2025年1月14日午前3時45分~CSテレビのザ・シネマで観た

AGAINST ALL ODDS(1984) 1984年 / アメリカ / 122分 / サスペンス ・ ラブロマンス

カリブ海のリゾートで出会った男と女―。欲望と陰謀の渦巻く危険な愛を描くロマンティックサスペンス

カリブの熱い夜』(カリブのあついよる、原題:Against All Odds) は、テイラー・ハックフォードが監督した1984年アメリカ映画1947年のジャック・ターナー監督の作品『過去を逃れて』のリメイク

カリブにある用事でやってきた元フットボール界のスター選手だった男とロス上流社会の暗黒の世界と関係を持つ女の危険な恋を描く。

あらすじ

テリー・ブローガン(ジェフ・ブリッジス)は、元プロのフットボール・チームの高給花形選手。

彼は今、カリブ海に臨むユカタン半島のリゾート、コズメルに来ていた。その目的は、ロスでナイトクラブを経営しているジェイク・ワイズ(ジェームズ・ウッズ)に雇われて、彼と同棲中のロサンゼルス社交界の名花ジェシー・ワイラー(レイチェル・ウォード)を捜し出すことだ。肩の故障でチームを追われ、金のためにやむなく引き受けた仕事だ。

ジェイクは口喧嘩の末ジェシーに太ももを傷つけられても、まだ死ぬほど彼女を愛しているのだ。捜査は難航し半ば諦めかけていた矢先、ブローガンはフルーツ・ショップでジェシーを見かけた。

しかし、事情を説明しようとする彼に耳をかそうともせず、さっさと立ち去ってしまうジェシー。執拗に追うブローガン。

依頼されたからではなく、ジェシーの翳りある美貌に惹かれてしまったのだ。

何日か行動を共にするうちにジェシーも少しずつ心を開き、2人は恋に落ちた。ブローガンはいつしか仕事を忘れていた。

ある日、業を煮やしたジェイクがブローガンの所属していたチームのコーチを島に送り出した。

コーチは、チチェン・イツァの遺跡の中で2人を見るやいなや拳銃をつきつけ、ジェシーを強引に連れ戻そうとした。

もみ合ううちに、ジェシーはコーチを撃ち殺しブローガンの前から姿を消した。

ロサンゼルスに戻ったブローガンは、事情を説明するためにジェイクのナイトクラブへと足を運んだ。そこにはなんと姿を消したはずのジェシーがいた。ブローガンはやりきれない気持ちだった。

ジェシーを忘れることができないでいる自分を感じたからだ。ジェイクは、2人の間に何が起こったのか感づいていたが平静を装っていた。

ナイトクラブのオープンの日、ジェイクはブローガンに、コーチ殺しの隠蔽をタテに、ある仕事を強制的に依頼した。センチュリー・シティにあるビルの一室に保管されている書類を盗むことだ。

その一室とは、ブローガンがチームを追われた直後、就職口を求めて足を運んだチームの弁護士スティーヴ(ソウル・ルビネック)のオフィスだ。必死になって書類を捜すブローガン。

しかし、それはジェイクが仕組んだ罠だったのだ。書類などなく、ブローガン宛のファイルにFuck You Terryと書かれた紙が入っていた。

オフィスの浴室にはすでに冷たくなったスティーヴの死体があった。その現場にビルの警備員が踏み込んできた。

必死で逃れたブローガンは、スティーヴの秘書を捜し出し、彼の小型金庫を取りに行かせる。その金庫の書類は、プロ・フットボール試合にからんだ賭博のメモだった。彼らの背後に隠れた黒幕はチームの弁護士ベン(リチャード・ウィドマーク)だったのだ。

彼はジェシーの母でチームのオーナーであり、宅地計画を進めているミセス・ワイラー(ジェーン・グリア)の片腕でもあったのだ。

その事実を知った今、ブローガンは、社交界にはびこる巨大な賭博の組織を相手にすることになった。

丘の上で一人彼らと闘うブローガン。

彼がジェイクに撃たれようとした時、ジェシーが彼を救った。暗黒組織を完全に倒すことはできないが、ブローガンはいつかそれができる日がくると信じた…。

キャスト

役名 俳優  
   
テリー・ブローガン ジェフ・ブリッジス    
ジェシー・ワイラー レイチェル・ウォード    
ジェイク・ワイズ ジェームズ・ウッズ    
ハンク・サリー アレックス・カラス    
ミセス・ワイラー ジェーン・グリア    
ベン・キャクストン リチャード・ウィドマーク    
トミー ドリアン・ヘアウッド    
エディ スウージー・カーツ    
スティーヴ・キルシュ ソウル・ルビネック    
エド・フィリップス パット・コーリイ    
ヘッドコーチ ビル・マッキーニー    
ボブ・ソームズ アレン・ウィリアムズ    
2025年01月13日(月) 深夜 03:45 - 06:00  
解説

『愛と青春の旅立ち』のテイラー・ハックフォードが製作・監督。

危険な大人たちの愛と欲望をミステリアスに描いたロマンティックサスペンス。フィル・コリンズの歌う大ヒット主題歌「見つめて欲しい」も必聴!

ストーリー

チームを解雇されたばかりのプロアメフト選手テリーは、スポーツ賭博の胴元ジェイクから、行方をくらました彼の恋人ジェシーの捜索を頼まれる。

ジェイクにある秘密を握られているテリーは、渋々彼女を探すためメキシコへ向かう。海辺のリゾートでジェシーを発見したテリーだが、2人はやがて愛しあう仲となってしまう。しかし、業を煮やしたジェイクから新たに送り込まれた男を、ジェシーが誤って射殺してしまい…。

 

 

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生きることは頼ること 「自己責任」から「弱い責任」へ

2025年01月14日 11時45分08秒 | 社会・文化・政治・経済

戸谷 洋志 (著)

助けを求めることは、「無責任」ではない!

気鋭の哲学者が、日本社会に跋扈する「自己責任」という名の怪物を退治し、
新たな「責任」の哲学を立ち上げる。

頼ることが、後ろめたくない社会へ!

新自由主義を下支えする思想として、日本に導入された「自己責任」論。
しかし、これは人々を分断し、孤立させる。
誰かに責任を押し付けるのではなく、
別の誰かに頼ったり、引き継いだりすることで、
責任が全うされる社会へ。

ハンス・ヨナス、エヴァ・フェダー・キテイ、ジュディス・バトラー、
3人の独創的な哲学者を手がかりに、
「利他」の礎となる、
「弱い責任」の理論を構築する!
 

著者について

1988年東京都生まれ。立命館大学准教授。法政大学文学部哲学科卒業後、大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。
ドイツ現代思想研究に起点を置いて、社会におけるテクノロジーをめぐる倫理のあり方を探求する傍ら、「哲学カフェ」の実践などを通じて、社会に開かれた対話の場を提案している。
著書に『Jポップで考える哲学』(講談社文庫)、『ハンス・ヨナスの哲学』(角川ソフィア文庫)、『ハンス・ヨナス 未来への責任』(慶應義塾大学出版会)、『原子力の哲学』『未来倫理』(集英社新書)、『スマートな悪』(講談社)、『友情を哲学する』(光文社新書)、『SNSの哲学』(創元社)、『親ガチャの哲学』(新潮新書)、『哲学のはじまり』(NHK出版)、『恋愛の哲学』(晶文社)など。2015年、「原子力をめぐる哲学――ドイツ現代思想を中心に」で第31回暁烏敏賞受賞。
 
 
  • 自己責任論の誤謬ないし欺瞞を明快に論証した著作であると思います。
    それにもまして「誰の責任」から「誰に対する責任」に助詞を変えることによる視点の逆転が心地よかったです。
     
  • この本は次のような文で始まります。

     責任を引き受けることは、他者を頼ることと矛盾しない
     むしろ、自分のキャパシティを考えずに抱え込み過ぎてパンクすることこそ無責任である

    この10年あまりで日本社会には、「自己責任」や「自律」という言葉が急速に広まりました。
    特にビジネス世界においては、「キャリア自律」がバズワードになっています。私は少し前まで
    企業の人事部門で働き、キャリア開発を推進してきましたし、現在はプロコーチとしてキャリア
    コーチングを行っています。
    統計に基づく数字ではなく体感でいうなら、独力で自身のキャリアについて考えて実行できる人は
    1割にも満たないです。少しの支援によって、ほぼ自走できる人まで入れても2割くらいです。
    キャリアの話を取り上げましたが、仕事面だけでなく、私生活においても自分の人生は自分で
    計画して、そこに最終責任を負えるのは自分でしかないのは厳然たる事実です。
    でも、今の「自己責任」は、あまりにも ”自分のことは自分で考えてください” という突き放しぶり
    が過ぎています。良し悪しではなく、欧米社会では個人主義の土台があるのに対して、日本では
    集団主義的精神が主流でした。というより今でも主流です。
    行き過ぎた自己責任論と現実とのバランスを取るために提唱されているのが「弱い責任」です。

    私は心理学をベースにした理論である「心理的資本」を学びました。この理論は、そもそも人間は
    弱い生き物であるという「性弱説」から来ています。「性弱説」を責任概念に落とし込んだもの
    が「弱い責任」です。

    自己責任や「強い主体」を強調し過ぎると、著しくネガティブな側面が出やすいことが本書で指摘
    されています。それは「無責任」と「孤立」です。
    私たちが最も注意しなければならないことであり、兆候が見られるのが孤立や孤独の問題です。
    どこまで行っても多くの人にとって、自分の決断の最終責任者は自分であるからこそ、もう少し
    健全に頼れる仕組みがあった方が、個人にとっても社会にとっても望ましいです。

    レビューの前半でキャリアの話を書きました。キャリアに関する考え方の道筋を知り、ある程度
    まで思考を支援する伴走者がいれば、自分の人生を諦めていないほとんどの人が、その人らしい
    キャリアプランを描き、進んでいくことができます。

    この本の最後のほうに、次の文があります。

     人間は誰しも、自分が置かれている環境に依存しているのであり、
     本当の意味で個人として生きている人間など一人として存在しない

    どれだけテクノロジーが進み、人が拠り所とする考え方が変わったとしても、人は誰かに頼り
    頼られながら生きることは変わらないでしょう。
    であるなら、私たちが身に着けるべきなのは、「健全に頼ることができる強さ」であると、
    本書は教えてくれます。
     
  • シングルマザーの苦悩や迷子のこどもなど、誰でも共感しやすい事例ばかり取り上げて理解させたような気になってるだけの文章でした。
    傷つけてよい/よくないの区別をすること自体、全て差別であるという無限後退を見せていく、もはや何も言ってないのと同じレベルの議論でした。ケアの倫理は個別に考え対応していくと自分で書いておいて、期待はずれでした。
    筆者は、犯罪の加害者や自分を害する人など、全てを傷つけてはならないと心から思えるんでしょうか…聞いてみたいです。
    社会保障についての議論も、世論が全ての社会保障を無くすように言うわけではないでしょう。
    高齢者に対しての税金があまりに高いせいで子供を持つことができない場合、傷つけては行けない人のために、同じく傷つけてはいけない次世代を失うことになりますが、このような対立事項はどうするのでしょう。
    総じて筆者は世の事象への解像度が低いようで、倫理学という学問をしているというより、「いま辛い思いをしている人へのエッセイ」を書いているようです。
    読んでホッとされる方がいることは否定しませんが、学問的に目新しいとは思えません。

    途中で國分功一郎の中動態に関して浅い独自解説を披露されておりましたが、國分功一郎のシリーズで彼自身が理論をより発展させています。読者の方はそちらを確認される方が良いでしょう。
  • 自己責任は一般常識と思っていた私には衝撃的な本でした。
    人に頼りやすくなった反面、今まで勝手に責任感持ってハードワークしてた自分の虚しさも感じ…ちょっと辛くなる本でもありました。
     
    ナチスを例にした思考停止と自己責任論の恐ろしさが秀逸でした。
    また、議論より単なる計算的な対話が多かったなぁと、新しく重要な発見がありました!
     
  • 新自由主義的な「自己決定・自己責任」という永遠の壮年を念頭においたこれまでの思考から、生老病死から逃れることの決してできない弱い人間を前提にした「頼ることが後ろめたくない社会」へのシフトを提唱する。筆者の思考の遍歴と共に上述した智の旅へ誘ってくれる良書。
     
    ◯ 私は、すぐに自分を責める癖がある。仕事でミスをしたり、結果が出ていないときにも先回りして自分を責める。しかし、ある時ふと、自分を責めることが、実はある種の免責なのだと気づいた。先回りして自分を責めておくことで、自分は心理的に罰を受けているんだから、もうチャラだ、という仕組みである。

    ◯ 少し違うが、この筆者によれば、自己責任の考え方も似たところがあって、ある人に責任があれば、他の人は免責される、という特徴がある。

    ◯ 新自由主義が自己責任を連れてきた、というのもよく聞くことだが、導火線に火のついた爆弾みたいに責任を押し付けあっているうちに、爆発した人は自己責任、と言っているようなものかと感じてしまう。それだけ自分だけ割を食うのは嫌だし、こんな世界になっているのは自分のせいだけではないと思いたいのだ。

    ◯ だから、自由意志はない、と言われると、ホッとする心理もわかる。その意味で、自己責任の話と中動態の話が面白かった。

    ◯ 自分は自己責任の広がりに興味があっただけなのだが、この本では、自己責任という「強い責任」から、「弱い責任」への転換を提示する。
    相互依存によって存在する生きとし生けるものは、みな「哀悼可能性」がある、という仏教でいう「慈悲」のような話に広がりを見せる。

    ◯ しかし責任という言葉を使わずに世界を見ることはできないだろうか?
 

「人生狂わされた」“旧優生保護法下で不妊手術”最高裁で弁論

2025年01月14日 11時37分04秒 | 社会・文化・政治・経済

旧優生保護法は憲法違反 国に賠償命じる判決 最高裁

旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判の判決で、最高裁判所大法廷は、旧優生保護法は憲法違反だとする初めての判断を示しました。

そのうえで「国は長期間にわたり障害がある人などを差別し、重大な犠牲を求める施策を実施してきた。責任は極めて重大だ」と指摘し、国に賠償を命じる判決が確定しました。

目次

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最高裁「旧優生保護法は憲法違反」初めての判断

 

旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めている裁判のうち、仙台や東京などで起こされた5つの裁判の判決が3日、最高裁判所大法廷で言い渡されました。

戸倉三郎裁判長は「旧優生保護法の立法目的は当時の社会状況を考えても正当とはいえない。生殖能力の喪失という重大な犠牲を求めるもので個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反し、憲法13条に違反する」と指摘しました。

また、障害のある人などに対する差別的な取り扱いで、法の下の平等を定めた憲法14条にも違反するとして、「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示しました。

そのうえで「国は長期間にわたり障害がある人などを差別し、重大な犠牲を求める施策を実施してきた。責任は極めて重大だ」として原告側の訴えを認め、5件の裁判のうち4件で国に賠償を命じる判決が確定しました。

宮城県の原告の裁判については、訴えを退けた2審判決を取り消し、賠償額などを決めるため仙台高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。

不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなるという「除斥期間」については、「この裁判で、請求権が消滅したとして国が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し容認できない」として、認めませんでした。

判決は裁判官15人全員一致の結論で、法律の規定を最高裁が憲法違反と判断したのは戦後13例目です。

1996年まで48年間続いた旧優生保護法は精神障害や知的障害などを理由にした不妊手術を認め、手術を受けた人はおよそ2万5000人に上るとされています。

判決を受けて国は被害者への補償など、対応についての議論を迫られることになります。

3人の裁判官 判決で個別意見

判決では、3人の裁判官が個別意見を述べました。

検察官出身の三浦守裁判官は、結論を補足する意見として
「損害賠償を請求する権利が『除斥期間』の経過で消滅するという考え方は、判例として確立していて、不法行為をめぐる法律関係を速やかに確定させるものとして合理性がある。『除斥期間』の考え方まで改めることは相当ではない」と述べました。
そのうえで、「国のこれまでの対応、被害者の高齢化などの事情を考えると、国が必要な措置を行い、全面的な解決が早期に実現することを期待する」としています。

弁護士出身の草野耕一裁判官も、結論を補足する意見を述べ
「旧優生保護法が、衆議院と参議院ともに全会一致で成立したという事実は、憲法違反だと明白な行為でも、異なる時代や環境の下では誰もが合憲と信じて疑わないことがあることを示唆している」と指摘しました。
そのうえで、「政治が憲法の適用を誤ったと確信した場合には、その判断を歴史に刻み、立憲国家としての国のあり方を示すことが、司法の役割だ」と言及しました。

また、学者出身の宇賀克也裁判官は、賠償を求める権利を定めた改正前の民法の規定について、多数意見とは異なる法律上の解釈を示しました。
多数意見は20年で権利がなくなる「除斥期間」ととらえたうえで、今回の裁判では適用されないと判断しましたが、宇賀裁判官は、3年で権利が消える「消滅時効」と解釈するのが望ましいとしています。
そのうえで、今回の裁判で国が主張することは、権利の乱用で許されないという意見を述べました。

原告や支援者 喜び分かち合う

 

判決が言い渡されたあと、裁判所の前では原告や弁護団が集まった支援者たちに拍手で迎えられ、「勝訴」や「全ての被害者の救済を」などと書いた紙を一斉に掲げていました。

支援者たちは「おめでとう」とか「よかったね」などと声を上げたりして喜びを分かち合っていました。

 

《原告の声 全国から》

 

東京「2万5000人の全面解決を」

原告と弁護団は最高裁判所の弁論の後、都内で会見を開きました。

東京の原告の北三郎さん(仮名・81)は、子どものころに問題行動を起こしたとして施設に入れられ、14歳の時に手術を受けさせられました。

その後に結婚した妻にもおよそ40年にわたって手術のことを打ち明けられず、妻が亡くなる直前「隠していて悪かった」と伝えたということです。

同じ手術を受けた人たちが裁判を起こしたことから、6年前に提訴し、被害を訴え続けてきました。

3日の判決を受けて「こんなにうれしいことはありません。自分ひとりでやれることではなく応援してくれた皆様、ありがとうございます。手術を受けさせられた2万5000人の人たちに勝ったことを伝えたい。まだ、全面解決にはなっていないので、2万5000人の全面解決をしてもらいたい」と述べました。

大阪「障害がある人もない人も子どもを育てられる社会に」

大阪の原告でともに聴覚障害がある高齢の夫婦が、判決を受けて大阪府内で会見を開きました。

70代の妻は、50年前、帝王切開で出産したときに何も知らされずに不妊手術を受けさせられました。

子どもは生まれてまもなく亡くなりました。

夫婦は旧優生保護法の存在を知らないまま長年、苦しみ続けてきましたが、同じように手術を強制された人たちが国を相手に裁判を起こしたことをきっかけに5年前に訴えを起こしました。

1審は2人の訴えを退けたものの、2審の大阪高等裁判所が国に賠償を命じる初めての判決を言い渡しました。

3日の判決について、妻は手話通訳者を通じて「不妊手術に対してはずっとおかしいことだと思っていました。手術を受けたことは苦しかったですが、勝つことができてとてもうれしいです。国には苦しい思いをしていることを理解してもらいたいです。このような人権侵害が2度と起こらないように、障害がある人もない人も同じように子どもを産んで育てられる社会になってほしいです」と話しました。

また、80代の夫は「私たちは手術を受けたことを障害者への差別だと訴え続けてきました。それが認められてとてもうれしく思います。今回の結果や私たちの行動が、まだ声をあげることができていない人たちに届いてほしいと思います」と話しています。

兵庫「歴史的な判断が下された」

兵庫県明石市に住み、聴覚障害がある原告の小林寳二さん(92)は同じく聴覚障害があり、不妊手術を受けさせられた妻の喜美子さんとともに裁判を闘ってきましたが、喜美子さんはおととし、2審の大阪高等裁判所の判決を前に病気のため89歳で亡くなりました。

1960年に結婚し、まもなく妊娠がわかりましたが、喜美子さんは母親に連れて行かれた病院で、詳しい説明も無いまま中絶手術を受けさせられたということです。

その後も子どもができないまま過ごしていましたが、6年前、「全日本ろうあ連盟」による調査で、中絶手術を受けた時に不妊手術もあわせて行われていたことがわかったといいます。

小林さんは判決後の会見で、手話通訳を介して「歴史的な判断が下されたと思います。この長い闘いで私は思っていることをすべて伝えました。皆さんの応援とご支援のおかげです。本当にありがとうございました」と述べました。

兵庫「障害者も当たり前に暮らせる世界に」

神戸市に住む、先天性の脳性まひが原因で手足に障害がある原告の鈴木由美さん(68)は、12歳のころに突然、母親に病院に連れて行かれ、具体的な説明もないまま不妊手術を受けさせられたといいます。

42歳のとき、子どもを産めない体であることを伝えたうえで、ボランティアで介助をしてくれていた男性と結婚しましたが、5年後に離婚しました。

離婚の際、男性からは「子どもがいたら違ったかもしれない」と言われ、深く傷ついたといいます。

2018年に国に賠償を求める裁判が全国で初めて起こされたことを知ったのをきっかけに、鈴木さんもよくとしに神戸地方裁判所に訴えを起こしました。

鈴木さんは判決のあとに開かれた原告と弁護団の会見で「このような判決をもらえてよかったです。国が悪いと裁判所が認めてくれたが、私と同じように苦しんでいる人がまだいます。この判決を第一歩に、障害者も当たり前に暮らせる世界にしていきたい」と話していました。

北海道「国は私の体にメスを入れたので謝罪してほしい」

 

札幌市に住む原告の小島喜久夫さん(83)は養子として引き取られた家庭の環境になじめず、荒れた生活をしていたという19歳のころに精神科の病院に連れて行かれ、強制的に不妊手術を受けさせられました。

手術についてはおよそ60年間、誰にも打ち明けることができず、結婚後も家族を失いたくないという思いから、妻には「おたふくかぜで子どもができないんだ」とうそをついたということです。

6年前、同じ手術を受けた人が裁判を起こしたことを知り、初めて妻に手術を強制された過去を告白し、提訴しました。

判決を受けて小島さんは「6年前から毎日が闘いで妻とともに頑張って助け合ってきました。きのうもおとといも眠れず、判決を聞くのがこわかったです。国は私の体にメスを入れたので謝罪してほしいと思う」と述べました。

宮城「国は手術をされたすべての人に謝罪と補償を」

 

宮城県の原告の1人、飯塚淳子さん(70代・仮名)は16歳のときに知的障害があるとして説明がないまま不妊手術を受けさせられました。

のちに、実際には障害がないことが判明しました。

両親の話から不妊手術だったことを知り、負い目を感じていくつもの縁談を断ったといいます。

その後、結婚したものの子どもができないことで気まずくなって離婚。

その後に結婚した夫に手術のことを打ち明けると夫が去ってしまい、義理の母に離婚を迫られて実家に戻ったこともあったといいます。

25年以上前から全国に先駆けて被害を訴え続け、一連の裁判が広がるきっかけとなりました。

しかし、最高裁判所で審理された5件の裁判のうち、2審では飯塚さんともう1人が起こした宮城県の裁判だけが「賠償を求められる期間を過ぎた」として退けられていました。

今回、最高裁がこの2審判決を取り消し、審理をやり直すよう命じたことについて、飯塚さんは「長い間、苦しみながらここまで来ましたが、いい判決だったと思います。きょうは最高の日です。支援者にお世話になりながらここまで来ることができ、本当にありがとうございました。国は手術をされたすべての人に謝罪と補償をしてほしい。そして障害者差別のない社会になってほしい」と話しました。

宮城「いい判決をいただいたので本当によかった」

宮城県の佐藤路子さん(60代・仮名)は義理の妹で、全国で初めて裁判を起こした佐藤由美さん(60代・仮名)を支え続けてきました。

妹の由美さんは15歳のときに知的障害を理由に不妊手術を受けさせられたあと、卵巣を摘出したり、縁談も破談になったりするなど苦しんできたといいます。

6年前に全国で初めて訴えを起こしましたが、裁判に参加することが難しいため、由美さんに代わって路子さんが法廷に足を運び、思いを届けてきました。

宮城の原告や支援者たちは、路子さんが由美さんを思って手作りしたピンクの腕輪をともに身につけ、結束を強めてきました。

判決のあとの会見で路子さんは「1審と2審で2連敗し、とくに仙台高等裁判所の判決はあまりにひどく、おかしいと思っていましたが、弁護団が頑張ってくれてここまでつながりました。最後はみんな一緒に並んでいい判決をいただいたので本当によかったです」と話していました。

 

岸田首相「多くの方々が心身に多大な苦痛 心から深くおわび」

 

岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「旧優生保護法の規定を憲法違反とした上で、国家賠償法上の違法を認める判決が言い渡されたことを重く受け止めている」と述べました。

そのうえで「規定が削除されるまでの間、多くの方々が心身に多大な苦痛を受けてこられた。政府としても旧優生保護法を執行していた立場から、真摯に反省し、心から深くおわびを申し上げる」と述べました。

 

首相 原告らとの面会の調整を指示

旧優生保護法をめぐる裁判で最高裁判所が法律は憲法違反だとして、国に賠償を命じる判決を言い渡したことを受けて、岸田総理大臣は関係閣僚に対し、原告らとの面会を今月中に行う方向で調整するよう指示しました。

旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めた裁判で、最高裁判所大法廷はきょう「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示し、国に賠償を命じる判決が確定しました。

これを受けて岸田総理大臣は、3日夕方、加藤こども政策担当大臣らと総理大臣官邸で会談し、判決の概要などの報告を受けました。

そして岸田総理大臣は、判決の内容を精査しつつ、新たな補償のあり方について速やかに検討するとともに、裁判の原告を含む当事者との面会を今月中に行う方向で調整するよう指示しました。

会談のあとこの問題を担当する加藤大臣は記者団の取材に応じ「岸田総理大臣の指示に沿って、速やかに対応を進めていきたい」と述べました。

林官房長官「判決に基づく賠償を速やかに行う」

 

林官房長官は午後の記者会見で「特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術を強いられた方々に対しては、内閣総理大臣と厚生労働大臣からそれぞれ真摯(しんし)な反省と心からのおわびを表明している。政府のこうした立場は今も変わりがない」と述べました。

そのうえで「きょう確定した判決に基づく賠償を速やかに行うとともに、今後、関係省庁で判決内容を精査のうえ、原告から要請されている岸田総理大臣との面会を含め、適切に対応を検討していく。旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人たちを対象にした一時金については、引き続き周知・広報に努めて着実な支給に全力を尽くしていく」と述べました。

 

専門家「救済の範囲が広がる画期的な判決」

 

憲法が専門の慶應義塾大学法学部の小山剛教授は最高裁判所の判決について「不良な子孫を残さないという目的で生殖能力を失わせ、重大な侵害を与えたことを憲法違反と判断した。法律が改正された後も国は不誠実な対応に終始していて、そのことに対する最高裁判所の怒りを感じた」と話していました。

争点となっていた「除斥期間」について、最高裁判所が適用しないと判断したことについて、「これまでの高等裁判所の判決では『時の壁』と呼ばれる除斥期間をずらす形で判断していたが、今回は権利の乱用だとして『時の壁』を取り払う判断をしている。救済の範囲が広がる画期的な判決だ」と話していました。

今後について「国として明確な謝罪が必要だ。手術を受けた人は2万5000人に及ぶが、一時金を申請した人はその一部にすぎない。今後立法での解決が求められるが、多くの被害者が声を上げられる仕組みを作る必要がある」話していました。

《判決のポイント》

旧優生保護法が憲法に違反すると指摘した最高裁判所の判決について、ポイントをまとめました。

旧優生保護法 憲法13条 憲法14条に違反

判決では、旧優生保護法が、「自己の意思に反して体を傷つけられない権利」を保障する憲法13条に違反すると指摘しました。

最高裁は「立法当時の状況を考えても正当でないのは明らかで、生殖能力の喪失という重大な犠牲を求めた。個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反する」とし、法律ができた当時から憲法違反だったとしました。

国の調査では不妊手術を受けたおよそ2万5000人のうち、8500人あまりは本人の同意のもとで行われたとされていました。

しかし最高裁はこの点について「同意を求めること自体が個人の尊厳と人格の尊重の精神に反し許されない」とし、実質的にはすべて強制的な手術だったと判断しました。

法の下の平等を定めた憲法14条にも違反すると指摘しました。

最高裁は、「正当な理由なく特定の障害のある人たちを手術の対象にし、障害のない人と区別をすることは、合理的な根拠に基づかない差別的取り扱いだ」としました。

政府と国会の責任

政府と国会の責任についても厳しく指摘しました。

政府に対しては、手術を行うときに身体の拘束やだますことなども許されると自治体に呼びかけていたことなどを挙げ、「特定の障害のある人を差別し重大な犠牲を求める施策を積極的に実施していた。責任は極めて重大だ」と指摘しました。

この法律は議員立法で全会一致で成立していて、国会に対しても「国会議員の立法行為は違法な評価を受ける」としました。また、法律が改正されたあとについても「国会で適切、速やかに補償の措置を講じることが強く期待されたが、一時金320万円を支給するのにとどまった」と指摘しました。

「時間の壁」適用は著しく正義・公平の理念に反する

この裁判では、不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなるという「除斥期間」が適用されるかどうかが大きな争点でした。

この「除斥期間」は「時間の壁」とも呼ばれ、最高裁がこれまで例外を認めたのは2例しかありませんでした。

これについて最高裁は、「著しく正義、公平の理念に反するとき、裁判所は、除斥期間の主張が権利の乱用などとして許されないと判断することができる」という初めての判断を示しました。

また今回のケースについて、▽不妊手術を強制された人たちが損害賠償を請求することは極めて困難だったこと、▽法律の規定が削除されたあとも、国が長期間にわたって補償をしないという立場をとり続けてきたことを指摘しました。

そして、「国が責任を免れることは著しく正義・公平の理念に反し到底認めることができない」として除斥期間を認めず、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。

日弁連など 今月16日に無料電話相談会を開催

旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人の中には、さまざまな事情でいまも声を上げられない人が多くいるとみられ、被害者側に情報をどのように伝えていくかが課題となっています。

こうした状況を受け、日弁連=日本弁護士連合会などは今月16日に無料の電話相談会を開きます。

相談会の対象は、旧優生保護法による手術を受けた可能性がある人やその家族、知人、またはそうした情報を持っている福祉関係者や医療関係者などです。

全国の弁護士が無料で相談に応じ、一時金の請求方法などさまざまな悩みについて、対応にあたるということです。

手術を受けた証拠や確証がない人も相談できます。

相談会は今月16日の午前10時から午後4時までで、
電話番号は、0570-07-0016です。

電話での相談が難しい人を対象にFAXでの相談も同じ時間帯に受け付けます。
FAX番号は、022-224-3530です。

原告「国から謝ってもらいたい」

原告と弁護団は3日午後1時すぎ、「国は謝罪と補償を」と書かれた横断幕を持って最高裁判所に向かいました。集まった支援者は拍手で、原告たちを送り出していました。

東京の原告の北三郎さん(81)は「裁判長の口からできれば『勝ったよ』と言ってほしい。そして国から一言ぐらい謝ってもらいたい。勝ったら、親と妻の墓参りに行きたい」と話していました。

 

「旧優生保護法」は戦後の出産ブームによる急激な人口増加などを背景に1948年に施行された法律です。法律では精神障害や知的障害などを理由に本人の同意がなくても強制的に不妊手術を行うことを認めていました。

当時は親の障害や疾患がそのまま子どもに遺伝すると考えられていたこともあり、条文には「不良な子孫の出生を防止する」と明記されていました。

旧優生保護法は1996年に母体保護法に改正されるまで48年間にわたって存続し、この間、強制的に不妊手術を受けさせられた人はおよそ1万6500人、本人が同意したとされるケースを含めるとおよそ2万5000人にのぼるとされています。

国は「当時は合法だった」として謝罪や補償を行ってきませんでしたが、不妊手術を受けさせられた女性が国に損害賠償を求める裁判を起こしたことなどを受けて、2019年に旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人たちに一時金を支給する法律が議員立法で成立、施行されました。

この法律では旧優生保護法を制定した国会や政府を意味する「我々」が「真摯(しんし)に反省し、心から深くおわびする」としています。そのうえで本人が同意したケースも含め不妊手術を受けたことが認められれば、一時金として一律320万円を支給するとしています。

国のまとめによりますと、ことし5月末までに1331人が申請し、このうち1110人に一時金の支給が認められたということです。

一方、これまで1審と2審で原告が勝訴した12件の判決では慰謝料や弁護士費用など最大で1人あたり1650万円の賠償が命じられ、一時金を大きく上回っています。

裁判の2つの焦点 原告側と国の主張

【焦点1】旧優生保護法は憲法違反か
最高裁判所の判断で注目されるのは、旧優生保護法が憲法に違反していたかどうかです。

原告側は障害者などへの強制的な不妊手術を認めていた旧優生保護法について、「国は障害者らを差別し、人としての尊厳を否定した。優生手術によって子どもを産み育てるかどうかを自分で決められず、体を傷つけられた」などとして平等権や個人の尊厳などを保障する憲法に違反していたと主張しています。

一方、国は旧優生保護法が憲法違反かどうかについて、これまで一切、主張していません。

最高裁が法律の規定について憲法違反だと判断したのは、戦後12例しかなく、今回どのような判断になるか注目されます。

【焦点2】「除斥期間」が適用されるかどうか
もう1つの焦点は、不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなるという「除斥期間」が適用されるかどうかです。

原告側は「国が旧優生保護法に基づく施策を推進したことで偏見や差別が浸透し、原告たちは被害を認識することが困難な状況だった。『除斥期間』を適用することは著しく正義・公平の理念に反する」として、不妊手術から時間がたっていても損害賠償を求めることができると主張しています。

一方、国は「旧優生保護法で手術が行われていたことは公にされていたのだから、当事者が損害賠償を求めることができなかったとは言えない」と反論しています。

また、不妊手術を受けた人たちに一時金を支給する法律が施行されたことを踏まえ、「国会が問題解決の措置を執ったのに、裁判所が判例を根本的に変更して解決を図ることは裁判所の役割を超えている」と主張しています。

「除斥期間」は「時間の壁」とも呼ばれ、最高裁が例外を認めた判決は2例しかありません。声を上げることができなかった原告たちの事情をどのように判断するのか注目されます。

宮城県の原告「国がきちんと謝罪と補償を」

3日の判決を前に宮城県の原告と家族がNHKの取材に応じ、思いを語りました。

原告の1人、飯塚淳子さん(70代・仮名)は25年以上前から全国に先駆けて国に謝罪と補償を求め続け、裁判が全国に広がるきっかけとなりました。

飯塚さんは「手術がなければ幸せがたくさんあったと思います。この被害を闇に葬られては困ると思い、迷いながらたった1人で声をあげました。ここまで来るのに本当に長く苦しかったです。人生がもうなくなっているので国がきちんと謝罪と補償をするような判決であってほしいです」と話しています。

また、佐藤路子さん(60代・仮名)は、一連の裁判で全国で初めて裁判を起こした知的障害がある佐藤由美さん(60代・仮名)の義理の姉です。

裁判に参加することが難しい由美さんを支え、代わりに裁判に参加し続けています。

路子さんは「間違ったことをしたのだから、謝罪するのが人としても国としても当然のことです。最高裁には最後の砦として、『20年の除斥期間を適用しない』とはっきり明言してもらい、国にはきちんとした謝罪と被害者の救済をしてほしい。日本の福祉や障害者の差別解消に向けて明るい一歩になるような判決を期待しています」と話しています。

これまでの判決 「除斥期間」の判断分かれる

 

旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求める裁判は、6年前に知的障害がある宮城県の女性が仙台地方裁判所に初めて起こし、その後、全国に広がりました。

弁護団によりますと、これまでに39人が12の地方裁判所や支部に訴えを起こし、1審と2審の判決は、原告の勝訴が12件、敗訴が9件となっています。

これまでの判決では、多くの裁判所が旧優生保護法について平等権や個人の尊厳を保障する憲法に違反すると判断した一方、不法行為を受けて20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなるという「除斥期間」については判断が分かれました。

最初の判決となった2019年の仙台地裁の判決では、旧優生保護法は憲法に違反していたという判断が示されましたが、賠償については国の主張を認め、手術から20年以上たっていて「除斥期間」が過ぎているとして訴えが退けられました。その後、全国の裁判所でも時間の経過を理由に原告の敗訴が続きました。

おととし2月、大阪高裁が「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反する」と指摘して初めて国に賠償を命じる判決を言い渡すと、その翌月にも東京高裁が「原告が国の施策による被害だと認識するより前に賠償を求める権利が失われるのは極めて酷だ」として「除斥期間」の適用を制限し、国に賠償を命じました。

これ以降、全国で原告の訴えを認める判決が次々と出されるようになり、去年3月には札幌高裁と大阪高裁が「除斥期間」の適用を制限して国に賠償を命じました。

一方、全国で初めて提訴された裁判は、去年6月、仙台高裁が「除斥期間」を理由に再び訴えを退け、原告側が上告しました。

原告は高齢で、弁護団によりますと、これまでに、全国で訴えを起こした39人のうち6人が死亡しました。最高裁判所大法廷では、札幌、仙台、東京、大阪の高裁で判決があった5件についてまとめて審理されています。

公費で手話通訳者を法廷に配置

3日の判決では、最高裁判所は聴覚に障害がある人も傍聴することが予想されるとして、公費で手話通訳者を法廷に配置します。最高裁によりますと、こうした取り組みは全国の裁判所で初めてとみられます。

裁判所の敷地内にも手話通訳者が配置され、所持品検査などの手続きで傍聴を希望する聴覚障害者をサポートします。原告の弁護団や支援者はこれまで、障害者が傍聴しやすい環境整備について繰り返し要望していました。

弁護団の関哉直人弁護士は「今まで何度求めても実現しなかった傍聴者向けの手話通訳が実現したのは、本当に大きなことだ。今後、全国の裁判に大きな影響を及ぼすという意味で歴史的な一歩だ」と話していました。

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障害者差別の根絶へ

2025年01月14日 11時32分02秒 | 社会・文化・政治・経済

障害を理由とする差別の解消の推進

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。

令和3年5月、同法は改正され(令和3年法律第56号)、同改正法は、令和6年4月1日に施行されました。


合理的配慮リーフレットイメージ
合理的配慮チラシイメージ
障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト別ウィンドウで開きます

「農林水産キャラバン」を全国の農山漁村で展開

2025年01月14日 11時08分19秒 | 社会・文化・政治・経済

食料の約6割を海外に依存している日本において、食料安全保障は喫緊の課題です。

 立憲民主党は、農林漁業再生本部を設置し、「農林水産キャラバン」を全国の農山漁村で展開しております。

これからも地域や現場の声を聞きながら、農林水産政策を検討していきます。

■経緯

  • 2023年

 

  • 7月04日 農林水産キャラバンの設置
  • 6月02日 食料・農業・農村基本法の見直しに関する提言
  • 5月25日 立憲民主党「農業政策」「森林・林業」「水産政策」中間報告

輸出促進キャラバン

令和3年の農林水産物・食品の輸出額は、初めて1兆円を突破しましたが、2025年2兆円、2030年5兆円の目標を達成するためには、輸出拡大をさらに加速することが必要です。

一環として、今国会において可決・成立した改正輸出促進法の内容を早期に関係者に周知し、今後の施策の方向性について認識を共有するため、第二弾輸出促進キャラバンとして、5月30日(月曜日)に、以下の内容で「改正輸出促進法等の説明会」をオンライン開催(Zoom)いたします。

ご参加を希望される場合、5月30日(月曜日)9時00分までに、下記フォームからご参加の登録をお願い申し上げます。
このほか、輸出ビジネス拡大に活用頂ける補助事業や、地方農政局及び農政事務所等における輸出事業者への支援体制についてご紹介します。

改正輸出促進法等のオンライン説明会

  • 開催日時:2022年5月30日(月曜日)10時30分~12時00分(予定)
  • 開催方法:オンライン(Zoom)
  • 参加方法:質疑応答を希望される方は、下記参加フォームから参加を申し込んでいただいた上で、
                  Zoomにてご参加下さい。(5月30日(月曜日)9時00分締切)
    ZoomのURLはお申し込みいただいた方にメールにてご連絡させていただきます。
    https://www.secure-cloud.jp/sf/business/1652322460qzCfyPZl(外部リンク)
    質疑応答を行わず視聴のみであれば、以下のYoutubeからご覧いただけます。
  • 議事次第
    • 1.開催挨拶
    • 2.輸出促進法の一部を改正する法律について
      (1)改正の背景、昨今の取組について(プラットフォーム等を含む)
      (2)輸出事業計画と支援策について
      (3)品目団体制度について
      (4)登録発行機関について
      (5)JAS法の改正について
    • 3.質疑応答

改正輸出促進法等のオンライン説明会

 

林水産省】林業センサス

https://www.maff.go.jp/
 
 

林業の現在を知る大規模調査 - 全国の農業・林業を営む全ての方が対象となる、5年に1度の大切な調査です。 あなたの回答が農業・林業の未来につながります。

アクセス数:10万回以上(先月)


日蓮仏法 社会の闇を晴らす役割が期待されている

2025年01月14日 10時28分20秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

人間の生命自体が尊貴な存在である。

誰一人として無益な存在はおらず、「その人にしか果たせない使命がある」との哲学が、どれほど人々に生きる活力をもたらすか―それが地涌の菩薩としての自覚である。

地涌の菩薩とは、上行菩薩を初めとする法華経に登場する娑婆世界に常住する無数の大菩薩のこと。

法華経従地涌出品第15において、釈尊の呼び掛けに応えて、娑婆世界の大地を破って下方の虚空から涌き出てきた無数の菩薩たち。

日蓮仏法は、一人の人間が秘める無限の可能性を説いている。

その内発を引き出し、自他共に幸福を追求していく、思想こそ、混迷の時代を照らす希望の光源となる。

日蓮の言葉、理念には人々を覚醒させる響きがある。

不屈の闘志も湧き上がる。

いかなる試練に微動だにしなかった日蓮の生涯に呼応するのである。

仏法は現実に即した教えである。

ゆえに「知識」として得るにとどまらず、いかに具体的な「行動」に移していけいかが重要である。

学んだことを実証として示していくのである。

分断が社会に影を落とし、一定数の若者が無力感を抱えている。

そこで生命尊厳の思想で、社会の闇を晴らす役割が期待されている。


女性の健康総合センター

2025年01月14日 10時18分27秒 | 医科・歯科・介護

女性の健康総合センター(Integrated Center for Women's Health: ICWH)は、国立成育医療研究センターに「女性の健康」に関するナショナルセンター機能を持たせ、女性の健康・疾患に特化した研究の推進や、女性の健康に関わる最新のエビデンスの収集・情報提供を行うことを目的に設立されました。
女性はホルモンバランスの変化などにより、思春期・青年期・更年期・老年期などライフコースごとに健康課題が変わり、特有のライフイベントとして妊娠・出産があります。
女性が社会で活躍し続けるためには何が必要なのか、どう支援していけばいいのかを考え、発信するために、下記のようなさまざまな取り組みを行っていきます。

➀女性の健康に関するデータの構築

女性の健康に関するデータは散在し、利活用する研究者・企業が少ない現状があります。

こういった課題を解決し、使いやすいデータとなるよう、データの収集や管理、解析などを行い、データ情報を整理して可視化することや、データクリーニング、統合IDの付与、データ提供窓口などの機能を一元的に担っていきます。

➁女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的推進

女性の健康課題は極めて多岐にわたるため、医学的な視点だけではなく社会学や経済学など多様なアプローチで研究を推進してきます。また、研究成果の社会実装化を推進するために、オープンイノベーションセンターを設立し、民間企業などとの協働も行っていきます。

➂情報収集・発信、人材育成、政策提言

情報収集・発信、政策提言では、女性の健康総合センターで創出されたエビデンスを広く発信していくだけでなく、そのエビデンスを生かして、標準化した教育プログラムや教育コンテンツの開発を行い人材育成にも力を入れていきます。


➃女性の体とこころのケア

妊娠の希望の有無に関わらず、将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことで将来の自分の健康に繋げていく「プレコンセプションケア」について、全国に浸透させていくための取り組みや、相談・健診・カウンセリングなども行っていきます。
また、妊娠と薬情報センターでは、これまでに行ってきた相談業務の拡充、医療従事者への教育研修など、一般も含めた情報発信を行い、さらには製薬企業との共同研究も検討しています。

➄女性に特化した診療体制の拡充

女性に対して幅広い診療を提供する「女性総合診療センター」を成育医療研究センターの病院内に立ち上げます。女性内科、女性外科/婦人科、不妊診療科、女性精神科、女性歯科の5つの診療科で構成され、互いに連携し、女性に対して総合的な診療を提供します。


女性の健康総合センターは、女性特有の疾患や性差医療に関する研究開発などを推進し、人生の各段階でさまざまな健康課題を有していることを社会全体で共有し、女性が生涯にわたって健康で活躍できる社会を目指します。

女性の健康総合センター センター長 挨拶

女性の健康総合センター センター長 小宮 ひろみ新しいウィンドウで開きます
小宮ひろみの画像

女性の健康総合センターは「女性の健康」に関する司令塔機能を担い「女性の健康」に関する研究、臨床、イノベーションを総合的にかつ包括的に推進する日本で初めての女性の健康課題に特化した組織です。
本センターは、ライフステージと性差に着目して女性の健康を推進してまいります。

ライフステージは、思春期、性成熟期、更年期、老年期と区分されていますが、各時期でエストロゲンなどの性ホルモンの分泌は劇的に変化いたします。そのような生理的変化の中で、社会・環境因子の影響を受けやすく、さらに妊娠・出産・産後の不調など課題を抱えることもあります。一方、性差を形成する要因には性染色体、性ホルモン、内外性器、社会・文化的要因(ジェンダー)があります。これまで、男女とも罹患する疾患や病態において、症状、経過、治療法、予防法について性差を考慮した医学・医療はほとんどなされてきませんでした。男性から得られた研究結果が、そのまま女性にあてはまめられていたといっても過言ではないと思います。すべての細胞には性(XX, XY)があります。性ホルモンは生殖器官のみならず、全身の器官に作用します。また、ジェンダーの差異も明らかです。遺伝子、性ホルモン、ジェンダーの性差に着目した研究・医療は、新たな診断、治療法、予防法などの開発に貢献し、すべての人の健康を推進することが期待されます。
具体的には、①女性の健康に関するデータの構築、②女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的推進、③情報収集・発信、人材育成、政策提言、④女性の体とこころのケア、⑤女性の健康に関する臨床機能の5本の柱を軸に事業を進めてまいります。その中で、データセンター、オープンイノベーションセンター(OIC)(両者とも開設時は準備室として発足)、女性総合診療センター、産後ケアを新設いたします。

また、既存のプレコンセプションケアセンターおよび、妊娠と薬情報センターにおいては、その事業活動を拡充していく予定です。

アメリカでは、1990年に性差を意識した女性の健康に関する研究組織が国立衛生研究所(NIH)の中にOffice of Research on Women's Health (ORWH)として設立されました。

30年以上にわたり、女性の健康を促進するための取り組みが遂行されています。

女性の健康総合センターの機能はORWHと重複する部分がありますが、さらに、日本独自の視点から臨床・研究を総合的に進め、エビデンスの構築に努めるとともに、国際的にその成果を発表し、諸外国との連携も図っていきたいと思います。
これから、女性の健康総合センターは総力をあげて、日本の女性が健康で生き生きと自分らしく生きることができる時代、人生100年時代を支える医学・医療の創出・実装につながるよう尽力してまいります。

どうぞ、皆さまのご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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自分とか、ないから。教養としての東洋哲学

2025年01月14日 09時10分39秒 | その気になる言葉

しんめいP (著),  鎌田東二 (監修)

「自分探し」を続け中、東洋哲学に出会い、出した結論が本のタイトルになった。

「何のために生きているのか」という虚無感の中、本棚にあった東洋哲学に手を伸ばした。

東洋哲学の本を50冊くらい読んで「そもそも「自分」なんてない―と気持ちが楽になりました。

続々重版!17万7千部突破!

ぶっ飛んでいるのに、なぜか論理的。
生きづらさがマシになる(かもしれない)
それが、東洋哲学。

「人生でやりたいことってなんだろう?」
「本当の自分ってなんだろう?」

そんな全・自分迷子に贈る、衝撃の哲学本がここに誕生。
すべての答えは、「東洋哲学」にあった!

東洋の哲学者たちは、
とにかくみんなキャラが濃くてバグってる。

でも、そんな彼らの教えは、
「どう生きればいいか?」という人類普遍の悩みを打破する「考え方」を
ぶっ飛んだ方法で、でも論理的に、導いてくれる

無我、空、タオ、禅、他力、密教…

知れば知るほど、
この世界や自分の見え方が変わってしまうのが
東洋哲学の面白さ。

本書では、インド・中国・日本から、
ブッダ/龍樹/老子/荘子/達磨大師/親鸞/空海
7人の哲学者たちの教えをご紹介。

あなたの悩みに合ったお気に入りの哲学者が、きっと見つかるはず。


1章 「無我」 自分なんてない(ブッダ)
超ハイスペックなひきこもり・ブッダ
自分とか、ない。
逆に、どこに「自分」がある?
苦しみをなくす衝撃の方法

2章 「空」 この世はフィクション(龍樹)
論破しすぎ。インドのひろゆき・龍樹
世界が激変するヤバい哲学
みんな「言葉の魔法」にかかっている
家族も会社も「フィクション」
すべての悩みは成立しない

3章 「道」 ありのままが最強(老子と荘子)
現実も夢もあいまい
「道」がわかれば天下がとれる
「道」から学ぶ婚活術
「道」から学ぶ転職術

4章 「禅」 言葉はいらねえ (達磨大師)
激しくて物騒!?やばすぎる禅
ピンチなときこそ「言葉をすてる」

5章 「他力」 ダメなやつほど救われる(親鸞)
あきらめると「空」がやってくる
親鸞、ダメ人間をきわめる

6章 「密教」 欲があってもよし(空海)
空海は陽キャ
「密教」は超ポジティブ
さとったらみんないっしょ
====================

noteで話題になった
『東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話』待望の書籍化!

しんめいPさんの軽快でポップな文章で、読んでいるだけで、くすりと笑えて、なんだか元気がわいてくる。

<fieldset class="px-5 class=">おすすめポイント</fieldset>

本書は、東大卒で現在無職の著者による哲学エッセイである。著者のしんめいP氏は、東大卒業後に一流企業に入るがうまくいかず、地方移住やお笑い芸人などに挑戦したものの挫折し、離婚して家族も失ったのち布団へと引きこもるという状態に至った。そこで東洋哲学と出会い、虚無感を克服できたという。

登場人物はブッダ、老子、空海などの有名人ばかり。仏教の教えや中国思想は難しいとされる部分も多いが、現代語というよりほとんど口語の超訳によって、その思想がなぜ現代人にも受け入れられているのか、手にとるようにわかる。

その軽快な語り口で、「さとり」とはいったい何なのかという重要なテーマにも踏み込んでいく。偉人たちがどのように「さとり」に至ったのかについての逸話は、ほとんどがぶっとんだ内容である。いかに高名な人物でも、読後にはツッコミどころ満載の親しみやすい人物のように思われてくるから不思議だ。

「本当の自分とは何か」という問いはだれしも一度は考えたことがあるものだが、東洋哲学はこの問いに明確な「答え」を出している。そしてそれは、自分と他人の関係性や、社会とのかかわりのなかに生きづらさを抱えている人をラクにしてくれる。アドラー心理学みたいなものが好きというような方にも、普段は自己啓発書を読まないという方にもおすすめの一冊である。

菅谷真帆子

本書の要点

要点

1

仏教の祖であるブッダが悟った内容は「無我」、つまり「自分とか、ない」という意味である。すべてが変わっていくこの世界で、変わらない「自分」をつくろうとする行いは苦しい。「自分がいる」という慢心をおさえると、最上の安楽が訪れる。

  • 要点
    2
    仏教における「空」の教えは、「この世界はすべてフィクションなのだ」と解釈できる。世界のあらゆるものがなにものでもなくなり、すべてのものはつながっていく。
  • 要点
    3
    「空」の境地にたどり着くための1つの答えが、「言葉をすてろ」という教義に基づく禅である。
 
<fieldset class="px-5 class=">おすすめポイント</fieldset>

本書は、東大卒で現在無職の著者による哲学エッセイである。著者のしんめいP氏は、東大卒業後に一流企業に入るがうまくいかず、地方移住やお笑い芸人などに挑戦したものの挫折し、離婚して家族も失ったのち布団へと引きこもるという状態に至った。そこで東洋哲学と出会い、虚無感を克服できたという。

登場人物はブッダ、老子、空海などの有名人ばかり。仏教の教えや中国思想は難しいとされる部分も多いが、現代語というよりほとんど口語の超訳によって、その思想がなぜ現代人にも受け入れられているのか、手にとるようにわかる。

その軽快な語り口で、「さとり」とはいったい何なのかという重要なテーマにも踏み込んでいく。偉人たちがどのように「さとり」に至ったのかについての逸話は、ほとんどがぶっとんだ内容である。いかに高名な人物でも、読後にはツッコミどころ満載の親しみやすい人物のように思われてくるから不思議だ。

「本当の自分とは何か」という問いはだれしも一度は考えたことがあるものだが、東洋哲学はこの問いに明確な「答え」を出している。そしてそれは、自分と他人の関係性や、社会とのかかわりのなかに生きづらさを抱えている人をラクにしてくれる。アドラー心理学みたいなものが好きというような方にも、普段は自己啓発書を読まないという方にもおすすめの一冊である。

  • 要点
    1
    仏教の祖であるブッダが悟った内容は「無我」、つまり「自分とか、ない」という意味である。すべてが変わっていくこの世界で、変わらない「自分」をつくろうとする行いは苦しい。「自分がいる」という慢心をおさえると、最上の安楽が訪れる。
  • 要点
    2
    仏教における「空」の教えは、「この世界はすべてフィクションなのだ」と解釈できる。世界のあらゆるものがなにものでもなくなり、すべてのものはつながっていく。
  • 要点
    3
    「空」の境地にたどり着くための1つの答えが、「言葉をすてろ」という教義に基づく禅である。

出版社より

著者のしんめいPさんは、東大卒の無職。
〜以下、本文より抜粋〜
「どう生きればいいか」がテーマなこと。そして「答え」があること。
東洋哲学は、とにかく楽になるための哲学なのだ。
 
お客様のご意見

お客様はこの本について、以下のような評価をしています: class="a-spacing-small">親しみやすい言葉で表現され、モヤモヤした状態から脱出できる内容だと感じています。

また、面白さについても高評価で、面白いストーリーが面白くてあっという間に読み終わりました。

著者の視点や経験を通して多くの思想を理解させてくれる貴重な本だと評価されています。

文章の質も高く評価されており、軽快な言葉選びにセンスが光っているとの声があります。

入門書として最適な本だと考えられており、吟味して読む価値があるようです。 class="a-spacing-small"> 

  • 東洋哲学のキーコンセプトがわかりやすい、から、、ではなく、面白いので、読んでみて。一気に読み終えて、軽くなる。著者のさらけ出し、自身へのいじりが、もはや陰キャではなく、愛らしい。
     
  • 面白く、分かりやすく、深い。著者がつかみ取った「体感」が親しみやすい。
     
     
  • 口語体の文章で、写真も多いです。仏教や老荘思想、儒教、道教などの東洋思想(哲学)の初心者でも、抵抗なく読めました。それでもやっぱり、東洋哲学の奥は深いので、何度も読み返す場合でも、それが苦にならないです。入門書として、かなりいいと思います。ただ、より学術的な本を求めている方には、物足りないかもしれません。
  • 終始筆者の話し言葉で書かれており読みやすく、東洋哲学の入門書としては大変面白いものだった。そして読後はスッと胸のつっかえというか、引っ掛かっていたものがとれ心が楽になった気がする。自分とか、ないから。ただ、流れるままに変わっていく変化していくものを理解できたら、もっと楽に生きられるのかなと感じた。
     
  • 終始話し言葉で書かれているため大変読みやすく、独自の自虐的体験を交えた解説がウィットに富んでおり、飽きずに読み進められた。
     
  • 期待しすぎたので、星3つ。でも語り口調が楽しいし、初めて東洋哲学の扉を開けるにはとても良いかと思いました。
     
  • 面白かった。何回も読みましたよ。ぽんぽん読めて、気持ちが軽くなる。
     
  • ブッダや親鸞や禅って、微妙に教えが違うって事、初めて知りました。