例えば我が家では子供が小学生のころは『YouTube』アプリを禁止していました。子供が『YouTube』漬けになっていたことが理由で、代わりにリビングのゲーム機から『YouTube』を見られるようにしました。

 親の前で見られないような動画を、スマホから見られないようにしたわけです。

 しかし、『YouTube』アプリを禁止してしばらくしてから、とあるアプリの利用時間がとても伸びてることに気づきました。不思議に思って子供のスマホを確認をしたところ、そのアプリのアプリ内ブラウザを経由して『YouTube』を見ていることがわかったのです。

 叱ったことは言うまでもありません。

 この『YouTube』をめぐる戦いはこの後も続くのですが、長くなるのでここでは割愛します。

 伝えたいことは親が制限をかけて「ああ、これで安心だ」と思っても、子供はそれをすり抜けてくるということです。とくに学校には同じように制限されている友達がいるため、彼らは協力して親の制限をすり抜ける方法を研究・共有します。まあ、勝てません。

 (余談ですが中学生になったあとは1時間の制限でスマホからの視聴を解禁しています)

子供は言うことを守らない(ことがある)

 我が家では私も妻もインターネットをよく使っているため、SNSに限らず「知らない人と連絡先を交換しないように」、「本名や住んでいる場所は言わないように」といったことは何度も伝えていました。

 これは学校でも繰り返し指導されており、子供もそうしたことがダメなのは知っていたはずです。

 そうです、守られませんでした。

 あれは中学生になったばかりのときでした。子供がいつもプレイしているオンラインゲームのチャットで住所モロバレな発言をしており、最終的に『LINE』のアカウントを交換して特定の人と話していることがわかったのです。

 叱ったことは言うまでもありません。

 このことに気づけたのは、子供が普段プレイしているそのゲームはほぼチャットを利用しないことを知っていたからです。スマホを横向きに持っているのに、たびたび画面にテキスト入力らしき操作をしているところを見ればゲームではなく違うことをやっているとわかります。

 また、『LINE』の利用時間も増えており、これまでと違う『LINE』の使い方をしているのだろうとも推測できました。

 そこで『LINE』を確認したところ見知らぬハンドルネームの人物が追加されていることがわかり、膝を突き合わせて聞いたところ子供が白状したという流れです。

 まあ要するに、何度伝えていても子供は親の言うことを守らないことがあるのです。振り返ってみれば自分もそうでした。

子供がどんな遊び方をしているのか知ることが一番大事

 我が家の事例では誘拐にまで発展することはありませんでしたが、知らない人と連絡を取っていることに気づけたのは、子供のスマホ利用時間をきちんと数字で把握できるようにしていたことと、子供がいつも遊んでいるアプリがどんなものなのか理解していた点に尽きると思います。

 「子供がどんな遊び方をするのか知らない遊び道具を与える」のは、ネットにかぎらず子供が危険にさらされるリスクが高くなります。

 「スマホなんてよくわからないよ」、「子供にはきちんと聞いてるから大丈夫だよ」と言って子供のことを放置するのではなく、親が利用時間や利用方法をきちんと管理することが重要です。

 とくに『Twitter』や『LINE』といったコミュニケーション系アプリは、よく話す人ができるとその利用時間がグンと伸びます。利用時間を把握できていればその段階で気づけ、問題が起きる前に確認・対応することもできます。

 よく理解せずスマホを与えている親御さんは、一度お子さんが使っているアプリを体験してみてください。使い方がわかれば、普段と違うことをしてれば気づけます。子供を危険から守りたいのであればまずはそこからだと筆者は思います。

篠原修司ITジャーナリスト