みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

このところ

2006-03-10 10:15:50 | Weblog
たて続けにナチスドイツ関連の映画や番組を見る機会があり、今さらながらヒトラーという人物になぜあれだけ大勢の人間が影響され、人類の歴史まで大きく変えられてしまったのだろうと考えた。
それこそ、ヒトラー関連の書物などは星の数ほど出ているのだろうが、最終的にはヒトラーが実際は何を考え何をどうしようとしていたのかは本人にしかわからない。でも、私がいつも思うのは、人間とはどうしてこれほどまでにいとも簡単に人に操られてしまうのだろうか?ということ。別にヒトラーでなくても、人類の歴史の中では世界中で似たようなことが起こってきたし、今だって、宗教的なカリスマやカリスマっぽい人(まあ、人生哲学や占いなどの本を書いたりする人たちにこういう人は多いけれど)に影響されてその人たちの言う通りの行動をする人たちがゴマンといる。
私は、人が人の意見に操られて行動することほどキケンなことはないと思っているのだが、たまに、私にも「これいい本だから読んでみたら」と、そういった類いの本(いわゆるマインドコントロール的な本)を私に勧めたりする人がいる。「おいおい、話す相手を間違えてんじゃないの?」と言いたくなるのだが、人のいい私は「そうですか。それではぜひ読ませていただきます」と丁寧に対応したりする(私もけっこう偽善者だ。ハハハ)。
まあ、そんなことはいいとしても、やはり私が気になるのは、人間が人間に操られること。
人が毎日自由に生きていかれることほど幸せなことはないはずなのに、自ら自由を放棄する人がいる(放棄しているとは思っていないのだろうが)。これが不思議でならない。
結婚もそうかもしれない。結婚すること自体で人の自由がなくなるなんていう風にはこれっぽっちも思わない。しかし、結婚も他人どうしの共同生活であることには変わりがないのだから、グループ活動や寮生活のように、相手に対する尊重がなければ、お互いの自由な生活は望めないだろう。お互いがお互いの自由を尊重しあって暮らすことが結婚だと私はずっと思ってきたのだが、そうは思わない人も世の中にはたくさんいるようだ。
特に日本の社会では、男性が女性を家の中に拘束しようとする人がけっこういる。これが逆だったら笑い話なのに、なぜに男性が女性を家に縛っておくことが許されるのか不思議でならない。男は仕事でお金を稼ぎ、女は家で子育てや家事をやるから?
だったら、女性がお金を稼げば、男性は家で子育てと家事をやるのだろうか?外出も外泊も許されずに、家の中に縛り付けられるだろうのか?
日本に住んでいるアメリカ人の女性がよく話すのは、日本の男性は結婚前は女性と頻繁にデートしお金もたくさん使うのが、いったん結婚すると、手のひらを返したように、まったく女性を外に連れ出さなくなる。要するに、「釣った魚にエサはやらない」という考え方がこの国には横行していると憤慨する。
まあ、彼女たちの意見ももっともだなと思う。男は仕事、女は家事という役割分担を長い人類史の中では、ある意味、キリスト教が力を持ってきて以降のことだ(だから、そこから派生したイスラム教も、ある意味、男尊女卑の考え方なんだけれども)。多分、十九世紀の産業革命以前まではこの考え方でもよかったのかもしれない。でも、二十世紀に入って、文明や科学の力が逆に男性の存在価値を相対的に低めてしまったおかげで(男が女に唯一勝っているのは腕力だが、機械が腕力にとって変わったおかげで相対的に女性の力は上昇した)、女性の権利意識も本来の姿に戻ってきている。
二十世紀に既に破たんしたはずの男性優位主義を二十一世紀の現在までひきづっている男性もたしかに少なくない。
主婦を家政婦だと勘違いする男もいるし、金のいらない風俗の女性ぐらいに考えるような男もいる。単にバカな男と切り捨ててしまえばいいのかとも思うが、大体において、女性と男性はイコールでもないし、ましてや、男性が女性よりも優れているなんてバカな考えは即刻捨ててしまった方がいい。女性に比べたら、男性にできることははるかに限られている。子供が産めない男にできることは、種つけだけ。もし女性が自分で種をどっかから調達してくれば、男の必要性なんてこれっぽっちもない(シングルマザーの中には、これを意図的にやっている人たちもいる)。あらゆる生物にとって最も大事な仕事は子孫を残すこと。これ以上に大事な仕事はないにもかかわらず、この仕事に男がコミットできる部分はあまりにも少ない。
にもかかわらず、男がなぜこれほどまでにイバれるのか?それは、単に戦争をする能力に長けているからだと私は思っている。地球上に女性だけしかいなかったらきっと戦争なんてものは存在しないだろうと思う(まあ、そうすると、子孫も繁栄しないから、結局滅亡するので、戦争するより悪い結果にはなってしまうかもしれないが)。
女性は、元来戦うことは好まない。戦うことと子供を守り育てることは矛盾するからだ。ある意味、男は女性を獲得するために戦うのだともいえる。そのための能力。それが。戦争であり、仕事なのかもしれない。
だとすると、ヒトラーという人は、男の性の「負」の象徴のような存在なのかしれないな?とも思う。彼は彼なりに魅力があったのだから、あれだけの人を動かして歴史を変えたのだろう。でも、それってあらゆる意味で「負」の方向に動いてしまった。だからこそ、イエスという人物の出現で一つの方向に向かってきた人類史の極限値であるヒトラーの死を境に、人類史は、また本来の方向に戻っていかなければならないはずだと私は思っているのだが。

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