みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

最近感動した人、感動したことば、感動した歌

2007-06-13 23:50:06 | Weblog
元巨人の桑田が大リーグの初登板を経験して「この場所に立っていること自体が嬉しくてしょうがない」というようなことを言っていた。イチロー選手を初め、スポーツ選手というのは時に本当に人を感動させることばを発してくれることがあるが、この桑田のことばと態度にはとっても心をゆさぶられた。
最近、「感謝」ということをこれほど素直に表現してくれた人もことばもない。ある意味、腹がたち、怒りたくなるような人やことばは最近山ほどあるが、この桑田選手のことばは心底私の心を「うれしく」させてくれた。
今日、赤坂のレッドシアターという新しい小屋に普天間かおりさんのライブを見に行った。自分が雑誌で彼女のCDを紹介したことがあるくせに、彼女の歌を生で聞くのは今夜が初めて。そして、彼女の歌にも素直に感動した。どんなアーティストでもそうなのだけど、本当に心をゆさぶってくれる人の音楽って、「うまい」とか「ヘタ」ということばはおよそナンセンスな場合が多い。逆に言うと、うまいとかヘタとか言っているうちはまだまだ人を絶対に感動させるようなレベルではないということだろう。
「音楽はコミュニケーションだ」と私は、人に口ぐせのように言う。伝える人の心が伝えられる人の心に届かなければ、絶対に人は感動なんかしやしない。ましてや、伝えるモノがないアーティストなんて、アーティストとも呼べない代物だ。
そういう意味で言えば、普天間さんの音楽には、彼女の人間がそのまま素直に表現されているし、それが私たちの心には素直に伝わってくる。人と人が出会う喜こび。人に何かを伝える喜び。人から何かを教わる喜び。そして、何よりも人を愛し、自然を愛し、平和を愛する喜び。そんなものが彼女の音楽から伝わってくる。桑田選手が伝えようとした「野球ができる喜び」は、私たちの心にも素直に伝わる。だから、彼のことばに感動する。普天間さんの歌には、「大切なもの、大切な人を守り愛する喜び」が素直に伝わってくる。だから、彼女のうたに感動する。
私も自分が表現者であるので、いつも「何かを伝えたい」と思っている。伝えたい思いをどうやったらより多くの人たちに伝えることができるのか?そこに到達するまでの距離が長いほど、時間がたくさんあればあるほど、それができた時の喜びも大きいに違いない、と思っている。だから、苦労するってことは、本当に「嬉しい」ことなんだと思う。

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